戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
フィーネとの決戦から3週間が経った。シンフォギアが月のカケラを破壊したのはルナアタックと名付けられ、日本政府は安保によってやむなくアメリカとの協調路線を歩むことになった。
その背景にはシンフォギアの扱いに関して諸アジア国の非難や国民からの憲法違反に関しての言及を避けようとする意図があったからである。
一方、暴走デジモンに関しては引き続きドゥフトモンが国連経由で、ハックモンは各国を奔走しながら纏め上げ上げていた。デジタルワールドでもリヴァイアモンが脱走し、デーモンも復活を遂げようとしているため油断ならない状況になった。
そんな中、今までデジモンに協力するか決めかねていたロシア、中国の両政府が突如として協力を要請してきた。
「ここに来て、2国の協力者が現れるとは。しかし、彼らも彼らの思惑があり表面上のものだろうな」
「そうだな、ハックモン。我らの都合を通そうにも人間は一枚岩でない。しかし、そやつらを一つに纏めようとするのもまた面白い」
「そうかな?案外人間とは纏まらない生き物なのかもしれない」
ハックモンの反論にドゥフトモンは顔を曇られた。
「それよりもクダモン、いやスレイプモンはどうなる?」
「彼は人間の希望とやらを見て自らの力のほとんどを使い果たした。だからデジタルワールドに戻り治療を受けることになる。十分な静養の後に元の業務には戻るそうだがそれまでの間にやつらの元には代理が派遣されることになっている」
「そうか…しかしあいつのおかげでリヴァイアモンが脱走したのにも気づけたのだ」
ハックモンはドゥフトモンから背を向けた。
「では、私はこれで」
「日本政府の監視にはこれからロードナイトモンが就くとのことだ」
「承知した」
ハックモンは姿を消した。
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国際関係がさらなる緊張を見せる中、響たちの捜査や打ち切られることになった。弦十郎に未来と拓実は響たちは作戦行動中の行方不明という扱いになったことを告げられた。
そして郊外には響の墓地が作られることになったが機密保護の上で、名前は彫られなかった。拓実はあれからもたった一人で暴走デジモンと戦い続けていた。
(俺は約束を果たすんだ!たとえあいつらが帰らなくても…)
拓実は今日も暴走デジモンを倒し、帰宅していた。
「拓実…」
「ただいま。あれからもう3週間か…」
拓実はカレンダーを見た。
「翼さんたち?でも、本当に亡くなっちゃうなんて…」
「俺ちょっと出かけてくる…」
「ああ、行ってきな。お願いね。ベタちゃん」
稔が微笑んだ。
(拓実…泣きたいなら思い切り泣きな。あんたの気持ちだって思い切り出せばきっと何か道が見えるさ)
拓実は雨の中郊外に向かうと墓標の前に未来にあった。
「小日向さん…」
「水琴さん…」
拓実は呆然と墓標の前に立っていた。
「会いたいよ!もう、会えないなんて!
私が見たかったのは響と一緒に見る流星なんだよ!?」
(立花さん、翼さんそしてクリス…俺はあの日から二課や小日向さんたちと共に街の脅威に立ち向かってるが終わりが見えねえ。
俺はどうしたらいいんだ?毎日俺の前や横には誰もいない。共に戦う人や追いかけたい人もいねえ…)
拓実も唇を噛み締めた。そして歴史はここから動き出す。
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未来が泣き叫ぶ中、女性の悲鳴が聞こえた。そこではノイズが現れていた。さらに街ではオオクワモン、グラップレオモンが暴れ出していた。
「小日向さん、俺は町の方に行く!でもって、片づけ次第戻ってくる!!」
その様子を街外れの高台で3つの影がのぞいていた。全員、薄紫、緑、黄緑のデジヴァイスを持っていた。
「計画は成功のようだね」
「でも、ここから先が重要…」
「そうデス!出せたからとはいえ、危険性がないのかを確かめなきゃデス!」
「そっか…確かにそうかもね」
その中で拓実はベタモンをシードラモンに進化させ、2体のデジモンに向かって行った。
「へぇ…お手並み拝見と行こうかな」
青年はニヤリと笑みを浮かべる。
「アイスアロー!」
「獅子獣波斬!」
グラップレオモンの一撃が氷の矢を砕いた。
「なに!?」
「シザーアームズΩ!」
続けてオオクワモンのシザーアームズΩでシードラモンは挟まれてしまった。
「くそっ!」
デジヴァイスが輝いた。
「シードラモン、超進化!!メガシードラモン!」
(究極体は被害を出しすぎる!だからここは完全体で!)
一方、未来と女性は拓実とは別に必死にノイズから逃げていた。
(諦めない!絶対に!)
未来の脳裏に響が最期に言った言葉がよぎった。しかし、女性がつまづいてしまった。
「私、もう…!」
その時、ノイズとジャガモンが未来と女性に迫っていた。
「お願いします、諦めないでください!」
「メガシードラモン!後ろだ!!」
「はあっ…はあっ…」
メガシードラモンも相次ぐ連戦でいつものように戦えずただ痛めつけられるだけだった。
「くそったれええええええ!!どうしてこうなっちまうんだよ…!」
その時、空から閃光が走った。3つはメガシードラモンの前に現れもう3つは未来の元に現れた。その光でジャガモンにノイズは一掃された。
「ごめん!未来、拓実さん!機密とか色々あってまた未来に迷惑かけちゃったね!」
そこには死んだはずの響、翼、クリスが立っていた。
「立花さん!?翼さん!?クリス!?」
「すまぬ。叔父様により3週間くらい保護されてたんだ」
「さあ、一緒に行くぜ!」
クリスが拓実の手を引いた。
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閃光だったメタルグレイモン、ヤタガラモンにメガドラモンが攻撃を始めた。
「みんな!ああ、行くぜ!」
メタルグレイモンのトライデントアームでオオクワモンが捕らえられ、ヤタガラモン向けて投げ飛ばされた。
「ギガデストロイヤー!」
「甕布都神(みかふつのかみ)!」
一方メガシードラモンとメガドラモンもグラップレオモンを押さえつけた。
「ジェノサイドキャノン!」
顔面にジェノサイドキャノンを放ったメガドラモンはすぐにその場から離れた。
「サンダージャベリン!」
メガシードラモンの一撃でグラップレオモンはデジタマに戻り、ヤタガラモンにメタルグレイモンもオオクワモンを倒した。
「響!」
「未来!」
響と未来は抱擁を交わした。
「にしても、どうして生きてたんだ?あの爆発は相当の大きさだったろ?」
拓実が尋ねると響たちはあの爆風から逃げようとしたが何とかギアが体の衝撃を和らげ、その勢いで太平洋に落ちていたからだそうだ。
「まあ、何にせよ…無事でよかった」
こうしてルナアタック事件は終結した。しかし、新たなる戦いはすぐに迫っていた。それでも、装者たちは歌がある限り戦う。人々が手を繋げるその日まで…
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「そうですか…分かりました」
「いよいよなのね、マム」
「ええ、始まるのです。フロンティアが…」
初老の女性の後ろに立っていた少女にはシンフォギアのペンダントを持っていた。
「Granzizel bilfen gungnir zizzl」
そしてその少女が纏ったのは黒いガングニールだった。
「さあ、最高のステージを始めましょうか」
「私の出番が来た…どうしよう…原作と違う感じの展開でやってけるかしら〜ああ!もうダメ〜!」
(マリア…そんな悩みは捨ててしまいなさい)
「一期で出番があるなんて思いもしなかったデス!」
「でも1人だいたい1つだけなのに対してセリフがいくつもあるのは羨ましいかも…」
「じー。」
第19回 二期登場の方々(in不明)