戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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第210話 姉妹共闘!もう一つのアガートラーム

「マリア姉さん、久しぶり!」

 

「ええ、久しぶり。」

 

「マリア姉さんったらすっかり大きくなって大人って感じだね!」

 

「そんなことはないわよ。セレナも変わらないわ。」

 

「うん、そうだね。そういえば私が眠ってた間にみんなはどうしてるの?」

 

(マリア…)

 

 アグモンが心配しながらマリアを見つめていた。

 

「マリア姉さんはいいなあ…デジモン、私も欲しいなあ…」

 

「大丈夫、きっとセレナのパートナーはやって来るわよ。」

 

「うん!もしパートナーが決まったらみんなでお出かけしようね!」

 

「よかったですねマリアさん。」

 

「でもこれでいいのかな?」

 

「たしかに、以前聞いたがマリアの妹は亡くなった。翼もその経験はあるけど…」

 

「無闇な干渉は避けなければ…7年も眠っていたと言う事実を知れば成長の止まった彼女の精神に大きなトラブルをもたらしかねない。」

 

「そうですね…」

 

 そのとき警報がなった。ネフィリムが現れたのだ。

 

「またネフィリム!」

 

「マリア姉さん!私も戦うよ、みんなを守るためにこの歌を歌いたいから。」

 

 ____________________________

 

 表に出た響たちはネフィリムと突如現れたカルマノイズに手を焼いていた。

 

「やっぱり強い、ネフィリム…!」

 

「立花、マリアとセレナにネフィリムを預け我々はカルマノイズを倒すぞ!」

 

 すでにカルマノイズは研究所に迫り多数の被害者を出していた。

 

「これ以上は行かせない!」

 

 響がグレイモンを、翼がペックモンを後方に配置させて人々の安全確保を任せ本人たちはカルマノイズを食い止めて居た。

 

 響と翼は狭い屋内にもかかわらずにカルマノイズを逆に追い込んでいた。

 

「映画を見て教わった!狭いところで真価は発揮できるんだ!」

 

 一方外では姉妹の連携によりネフィリムは翻弄されていた。

 

「とどめよ!」

 

 しかし、ネフィリムは攻撃を受ける前に素早く穴を掘って逃亡していた。

 

「くっ!逃げられたか!!」

 

 戦いが終わり、カルマノイズにも逃げられてしまった中、響たちに伝わったのはドクターアドルフならびに爽谷の死だった。その後マリアは2人を集めて密かにゲートに向かっていた。

 

「一度戻りましょう、一刻も早く戻って対策を練らないと状況は悪くなる一方だわ!」

 

「そうですね言伝は残してありますから急ぎましょう!」

 

 ゲートに飛び込んだマリアたちはSONG本部へと戻った。しかし…別の光が現れた。

 

「マリア姉さんたちの後をついてきちゃった。でもどこかな?」

 

 予期せぬ展開が響たちのいた世界に訪れていた。

 

「あ、こんにちは。」

 

「はい?」

 

 廊下を歩く中セレナはエルフナインとすれ違った。

 

「誰でしょう?スタッフのつれのかたでしょうか?」

 

 セレナが歩いていると近くを通りかかっていた拓実にぶつかった。

 

「あっ、すいません!」

 

「ん〜?君誰だい?」

 

「ええっと姉さんたちはどこかなって探してたんです。」

 

「そっか、もしかしたら司令室にいるのかもしれないから俺が道案内しようか?」

 

「はい!ぜひお願いします!見たことない景色だから分からなくって…」

 

「ああ、あるある!初見じゃ迷宮だぜここは。」

 

(なんか、誰かに似てるような?ダメだ、分かんねえな。誰だったかな?)

 

「あああ!!」

 

 すると横から切歌が驚いたような大声をあげた。

 

「切歌さんに調さん!!」

 

 それからセレナは皆のいた司令室に来ていた。

 

「やっほー!セレナちゃああああん!!」

 

 セレナを見るや否やアケミはセレナを抱きしめた。

 

「アケミさん、久しぶりです!」

 

「やっぱりセレナちゃんは可愛いわ。ずっとこのままの可愛さでいてほしいわ〜!」

 

 セレナを抱きしめながらアケミは興奮していた。

 

「みなさんも私が眠ってた間に大きくなってて…いいなあ〜」

 

 切歌たちもマリアから話は聞いていて内心困惑しつつもうなづいていた。

 

「そんなことはないわよ〜!セレナちゃんは、そのままがいっちばん可愛いよ!」

 

「そ、そうですか?」

 

「そりゃそうよ、ちっちゃいまんまのセレナちゃん、フヒヒヒ…」

 

「ちょっと、アケミ!」

 

 全員談笑したのちにセレナが響たちと遊んでる間マリアは司令に"セレナを恒久的にこの世界に残させる"許可を提案してきたがセレナには自分の世界がありその行為は彼女の未来を奪う危険性があるとして却下された。

 

 マリアが思い悩んだ表情を浮かべる中アケミが横に座ってきた。

 

「マリア、あんたスッカリバカになっちゃってるのね。」

 

「何かしら?普段から弟がいて不自由なさそうなあなたには言われたくはないのだけれど?」

 

「そうやってカッコつけてもだーめ、せめて今は思い出を作ってあげなさい。あの子、7年も眠ってたんでしょう?なんだったら私が色々メイクアップしてあげてもいいのよ?」

 

「冗談じゃないわ!セレナは私の妹なんだから!」

 

「そうそう、それでこそシスコン!でも、突っ走りは頂けないわね。困ったら切歌たちに相談でもしなさい?ママがそんなんじゃ家庭崩壊確定よ?」

 

「私はママじゃないわよ!慰めてるの?それとも茶化してるの?いい加減にして!!」

 

「私は両方です〜!」

 

 マリアも照れながらその場を去った。

 

「で?爽谷はそこでどうして見てるのかな?」

 

「僕はどうあの人に接したらいいか…彼女はこの世界の人じゃないけどやっぱり…罪悪感っていうか、なんて言うか…」

 

「あーもう!だったら…!ええっと…どうすればいいんだろ?」

 

 アケミがソワソワしているように見えた爽谷に何か言おうとしたがアイデアが浮かばず頭を抱えていた。

 

 結局爽谷はセレナにあって一言も話さずにセレナはマリアたちとともに元の世界へと戻って行った。

 

「良かったのか?」

 

「いいんだよきっと、世界の壁だからこそこうするべきなんだと思う。過度な触れ合いを避けるしか…」

 

「まっ、そうしたいならそうしな。お前が決めたことだ。その考えを変えたくなっても別に俺は文句は言わねえよ。」

 

 ____________________________

 

 それから並行世界へと一行は戻ってきた。

 

「全く、書き置きを残すだけではいけませんよ。我々も心配したのですから。」

 

「ごめんなさい…」

 

「いいでしょう、それよりもマリア。あなたたちのところでの調査結果を聞かせてください。」

 

「ええ、どうやらあれ以降ネフィリムの影は各地に現れてるみたい。しかも姿もだいぶ変貌してね。」

 

「行動パターンに関しては今の所は大きな被害は出ていません。しかし聖遺物を奴らは狙っているようです。事実装者の何人かが迎撃に向かおうとしたところ突然消滅したケースがいくつも見受けられました。」

 

 翼がマリアの補足を行いながらナスターシャは過去のネフィリムの資料を見せた。そしてそれらと響たちの話を照らし合わせて「ネフィリム研究に関わっていた研究者によって操られている」という仮定が議題に挙がった。

 

 その時、またしてもネフィリムが現れた。そして2体目のカルマノイズも出現したのである。

 

「私たちも行きます!」

 

「森の中は狭いです、なるべくデジモンで戦うよりも障害物を利用して戦うのが得策でしょう。幸い被害は最小限に留められそうなので思い切り戦いなさい!」

 

 それから現場に向かった装者4人はカルマノイズと対峙した。

 

「はああっ!」

 

 早速響が拳を叩き込んだがやはり特異的な回復能力は健在だった。

 

「セレナ!」

 

「うん!」

 

 続いてマリアとセレナが左右から同時に攻撃を仕掛けた。右から左、左から右へと交互に斬撃を放ち防御を一切許さなかった。

 

(なぜネフィリムの反応がない…)

 

 ナスターシャ教授はネフィリムの気配がまるでないことに不信感を抱いていた。

 

「すごい!2人の連携であっという間に!」

 

「よし、これもおまけだ!」

 

 翼も2人の間から攻撃を放った。

 

「今です!」

 

 同時攻撃を受けたカルマノイズに響が上空から押し潰すように拳を叩き込んだ。それによりカルマノイズは姿を維持できず消滅した。

 

「ふう…やりましたね。これで…「スパイキングフィニッシュ!!」」

 

 すると突然背後からスティングモンが攻撃を仕掛けてきた。さらに地中からネフィリムが現れた。

 

「これは!一体なぜネフィリムが!」

 

「確定させるためだよ。」

 

 すると森から死んだはずのアドルフ博士が現れた。

 

「博士!?行きてたんですか?」

 

 するとネフィリムが全員に襲いかかってきた。

 

「なぜ…?」

 

「決まってるだろう?爽谷くんの提案の元ネフィリムの信号を奪い取ってこちらから人為的に信号を再生させカルマノイズをおびき寄せた。そして君らを疲弊させれば苦労なくあっさりと勝ちが転がるんだよ!」

 

「残念だったな、もうちょっと出来るんじゃないかなと思いましたよ。僕らのことを真っ先に疑って監視するべきでしたね。」

 

「くっ…!」

 

「響、僕が相手をするよ!」

 

「任せたよアグモン!」

 

 アグモンをグレイモンに進化させグレイモンはスティングモンを遠くに投げ飛ばした。

 

「ふん、戦力を分けたか。だが無駄な足掻きだ。やれネフィリム!」

 

 ネフィリムが装者たちに襲いかかるもそこまでのダメージを負っていない装者は苦戦しつつも完全に競り負けてはいなかった、

 

「マリア姉さん!はあっ!」

 

 セレナが攻撃を仕掛けるがネフィリムに弾かれ翼と響に命中してしまった。

 

「バカな小娘だ。弾かれることすら理解できずに攻撃した結果勝ちをこぼすとはな。そぉら!」

 

 アドルフが懐から聖遺物を取り出しネフィリムがそれを食すと突然体が紅色へと変色していった。

 

「何をした貴様!」

 

「大蓮華と呼ばれる聖遺物を喰わせたのだよ。これで幼体ネフィリムが増えた!勝ち目はないぞ?」

 

「アドルフッ!私は必ずお前を断罪する!!」

 

「やってみろ、できればの話だが…」

 

 その時、グレイモンが吹き飛ばされてきた。

 

「ああ!グレイモン!!」

 

「弱いなあ、もっと全力を出してくださいよ。」

 

(グレイモンは格上の敵にも立ち向かっていたのに、相手が強すぎたんだ!)

 

「グレイモン超進化!メタルグレイモン!!」

 

 メタルグレイモンに超進化を果たしスティングモンを攻撃したがひらりとかわされ尻尾や背中など機械化されてない生身の部分を執拗に攻撃されダメージが蓄積したため進化が解かれた。

 

「ドクター、早く1人目を餌にしちゃいましょうよ。」

 

「そうだな、やれ!」

 

「させない!」

 

 マリアはセレナを狙おうとしたネフィリムをボロボロの体で攻撃した。

 

「こうなったらS2CAよ!」

 

「分かりました、この状況下ではそれが最善です!」

 

 ネフィリムたちは転がり隙が生まれS2CAを放つのには成功したがそれでも完全消滅に至らずそのまま逃亡を許してしまった。

 

「くっ…」

 

「姉さん!姉さーーーん!!」


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