戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

209 / 227
XDUでアルケミックオーダー決定だと!?しかもアダムも来た!?
一体どうなってるんだ…まあ去年の夏くらいにフィーネプレイアブルならびにAXZシナリオ実装決定のお知らせはあったけどなぜキャロルは来ないのか?なんかあからさまにタイトルの空きがあるとすごい気になるというか…


第208話 偽物見参 拓実死す!!

 

「いや〜今日もいい感じだったな!」

 

 拓実たちは訓練を終えて休憩していた。

 

「なんか腹減ったな〜」

 

「クリス先輩の言う通り、今日はめいいっぱい動いたからへりんこファイヤーデース…」

 

「じゃあさ、焼肉でも行くか!?こいつが手に入ったんでな。いい肉の日よりちょいと早いがどうかな?」

 

 拓実が焼肉屋の割引券を見せた。

 

「いいですね!しかも3割引、これは行くっきゃない!」

 

「僕も賛成だね。」

 

「よし来た、イェーイ!夜は焼肉っしょ〜!!」

 

 そういうと全員ハハハと笑っていたが爽谷は何故か笑顔では無く首を傾げていた。

 

「?」

 

____________________________

 

「くそッ…連絡を頼むぞ…!」

 

「ハアッ、ハアッ…追ってから逃げないと!」

 

 一方町外れの小屋にて何故か拓実が縄で捕らえられていた。そして裏道などからベタモンが必死に移動を続けていた。

 

 そして本部ではマリアたちが拓実とエルフナインを待っていた。

 

「遅いわね、拓実はエルフナインを呼んでくるって言ってたけど…」

 

「少し様子を見に行きましょうか。」

 

 そして研究室に入るとエルフナインが布で首を絞められていた。

 

「くっ…かはっ!」

 

「な、なにを!?」

 

 マリアたちが駆けつけると振り返った拓実はニヤリと笑ってエルフナインを突き飛ばし、響たちも突き飛ばしてその場を去った。

 

「待て水琴!くそッ、早い…」

 

「大丈夫かエルフナイン!」

 

 クリスが駆け寄った。

 

「クリス…さ…」

 

 その後エルフナインは病院に運ばれた。

 

____________________________

 

 突如エルフナインを襲った拓実に関して緊急会議が開かれた。

 

「一体何がどうなってんだ?なんで拓実がエルフナインを!!」

 

「実は、この中で不審な動きを拓実くんがしていたんだ。」

 

「どういうことなの?」

 

「ここ最近、彼は我らの端末をハッキングしてデータを何処ぞへと流出させたそうだ。これがそうだ。」

 

 画面に表示されたのは拓実のアクセス履歴だった。そこには明らかに機密データへログインしたという記録がいくつも確認されていた。

 

「そういえば、あの拓実さん…少し変でしたね。」

 

「はい、響さんの言う通り無駄にテンションが高かったって言うか…「わかったデース!あの拓実さんは偽物デース!!」」

 

「おいおい、そいつはどう言った根拠でだよ?根拠もなくってのは流石に納得できねえんじゃねえのか?」

 

「そ、それはデスね〜あはは…」

 

 調に発言を遮ってすぐにクリスに反論されまともに言い返せない切歌が俯くとワームモンがデジヴァイスから出てきた。

 

「実は…僕少し気になってることがあるんです。さっきの練習の時拓実さんベタモンを出すのを避けてたような気がするんです。恐らくスピリットは模造したものでパートナーを持ってないとしたら…」

 

「そうか、その線は考えられるな。どう思う弦十郎?」

 

「うーむ…しかしベタモンを探そうにも病気だから来なかったと言う可能性もある…」

 

 クダモンが弦十郎を見つめたが本人は腕を組んで首を傾げていた。その時、警報が鳴った。

 

「どうした!?」

 

「これは…!拓実くんのベタモンからです!!」

 

「司令、今拓実は東京の町外れに捕らえられてます…!」

 

 ベタモンも体から傷が出来ていていた。

 

「よし、今すぐ助けに向かう!君は休んでいてくれ!」

 

「頼みます…」

 

 弦十郎は通信を切った。

 

「拓実くんはパートナーとエージェントたちに任せてくれ。君たち装者は一刻も早く偽物の拓実くんを倒すんだ。奴は間違いなく追い詰められてヴォルフモンの姿で破壊行為を行うはず、暴れる前に食い止めてくれ!」

 

「「はい!!」」

 

「他の者達は東京の町外れの建物の捜索と特定だ!」

 

____________________________

 

 一方、偽拓実に監禁されていた拓実はなんとか脱出してSONG本部に向かっていた。しかしSONGが自分と偽物の区別もつかないまま捜索していることを知らなかった。

 

「奴の縄の縛り方が緩めで助かった。急いでベタモンと合流だ!あいつに何か行動される前に早くしないと!」

 

 その時鋸が飛んできた。

 

「これは…!」

 

 拓実が見渡すとギアを纏った響たちがいた。

 

「そこまでよ!偽物め、本性を表したわね!」

 

 拓実をギアを纏ったマリアが指差した。

 

「何を言ってるんだ!?」

 

「本物の拓実さんを返してください!」

 

「違う、俺じゃない。俺は本物だ!」

 

「問答無用!友の姿を利用した貴様を許さん!!」

 

「マストダーイ!」

 

 全員駆け出してきて攻撃を仕掛けてきた。

 

「どうしてこうなるんだ!くっ、ダブルスピリットレボリューション!」

 

 翼とクリスが攻撃を仕掛けてきたのに対して拓実は守ることで手一杯となり、後ろから切歌と調の攻撃を受けた。

 

「やめろ、偽物に騙されてるのはそっちなんだぞ!?」

 

「うるさいデス!」

 

 切歌の斬撃で腕から出血したベオウルフモンは武器を握れなくなった。そこに調のヨーヨーが全身を殴打した。

 

「はあああああああ!!」

 

 すかさずマリアが左腕で思い切り殴り飛ばしたがなんとかその場で体勢を持ち直して立ち上がった。

 

「ッ!翼さん、相手を間違えているぞ!デジヴァイスを持ってるのは俺だ、俺が本物だ!!」

 

「噤め、私たちの信頼を壊した貴様など許さん!!」

 

「ぐわっ!」

 

 翼の攻撃を回避したベオウルフモンを背後からクリスが攻撃した。

 

「クリス、翼さんを止めてくれ!」

 

「うるせえ!お前は許さねえ、閻魔様のところに行ってこい!」

 

「ぐはっ…!」

 

 クリスの容赦ない射撃にベオウルフモンは吹き飛ばされてしまった。

 

「一気に行きます!」

 

「ま、待て!うわあああああああああ!!」

 

<蒼ノ一閃> <MEGA DEATH PARTY>

<HORIZON†CANNON>

<双斬・死nデRぇラ> <裏γ式・滅多卍切>

 

 装者たちの同時攻撃にベオウルフモンは喋る余力すらなかった。

 

「でやあああああああああ!!」

 

 響のトドメの拳が空中で無防備になったベオウルフモンを吹き飛ばした。変身を解かれた拓実はそのまま近くの川に放り出された。それをローブを着た男が見ており、すぐにその場を去った。

 

「そうか、喜べ。SONGがデジヴァイスの回収に成功した。あとはベタモンさえ見つけられれば今日からお前が"水琴 拓実"だ。」

 

 喫茶店で飲み物を飲んでいたリコリスが拓実そっくりの人形に伝えた。

 

____________________________

 

「拓実、大丈夫かい!?」

 

 目を覚ますとそこには爽谷とアケミ、そしてベタモンががいた。

 

「爽谷、ありがと…いってえ…けどどうして?」

 

「僕と姉さんはエルフナインを病院に送った後君の家に行ったんだ。それで何か荒らされた形跡があってね。それで立花さんたちが倒したって聞いて慌てて近くまで来たんだ。すると、ベタモンとここで合流して運良く君が流れてきたってわけ!」

 

「マリアたちも偽物だどうこうわからずに攻めちゃって…爽谷のおかげであなたは助かったけどね。」

 

「それってどういうことなんですか?なんで俺のことが本物だって…」

 

 拓実は上半身のほぼ全体に包帯が巻かれていた。

 

「簡単だよ、あいつは夜は焼肉っしょと言ってはしゃいでたんだ。そのハシャギっぷりが怪しくてね。それによく見たら見かけないネックレスをしててもっと怪しかったんだ。普段君はアクセサリーを身につけたりしないだろう?」

 

「あーあ、それにしても慣れない力仕事は辛かったわ〜!」

 

 その横でアケミは伸びながら通信を取ろうとしていた。

 

「だとしたら最悪だ。デジヴァイスは奴に奪われたまんまだ。」

 

「けれども手はあるわよ。」

 

 アケミが通信機を二人の耳元に近づけた。

 

「アケミさん、爽谷さん!本物の拓実さんを見つけました!アグモンたちに捜査を依頼したらすぐでしたよ!」

 

 響の言葉を聞いてアケミはニヤリと笑った。

 

「みんな、拓実くんを無事助けられたのね?ちょっと待っててね。」

 

「行くわよ、これは千載一遇のチャンスだわ。」

 

____________________________

 

 アケミにより爽谷と拓実は車で拓実が捕らえられていたビルに向かった。

 

「あ、アケミさーん!」

 

 響が手を振った。

 

「よかった、事件は解決したのね!」

 

「ええそうよ。こうして戻ったわけだけど…?爽谷は?」

 

「ええ、ちょっとお腹壊しちゃったみたいなの。大丈夫よマリア、時期に戻ってくるわ!ひとまず、お疲れ様って事でリラックスのお姉ちゃんスペシャルドリンクよ。」

 

「ああ、ありがとう。」

 

 全員一口そのドリンクを飲んだ。しかし、次の瞬間突然咳き込んでしまった。

 

「な、何よこれ!?」

 

「酢よ。それも開封したてのとびきり酸っぱいやつよ」

 

 アケミがしてやったりの表情を浮かべた。

 

「何考えてるんですか?ゲホゲホッ!!」

 

「けどマヌケは見つかったわ。普段コーヒーを飲んでいたらね、酸っぱいものを摂りたくなるのよ。でも過剰に摂取しちゃうとすぐに右頬にできものがあるとわかるわ。特に喉を使う人にはね。」

 

「何よそれ、本当なの?」

 

 響たちは全員右頬を触った。しかしそんなものはどこにもなかった。

 

「もちろん嘘よ嘘。でも、ほら。」

 

 全員が目を通していると偽拓実は手を当ててなかった。

 

「え!?」

 

____________________________

 

 その時、爽谷が飛びかかってきた。

 

「!?冷泉どうした!!」

 

「は、放せ!」

 

「正体を明かしたらどうなんだよ!」

 

 すると爽谷はネックレスを剥ぎ取った。すると偽拓実の姿が巨漢の男に変わった。

 

「え!?」

 

「みんな、騙されてたね。最初っからこいつはどういう目的があってか知らないけど拓実になろうとして本物を嵌めたんだよ。」

 

「どうして分かったのアケミ?」

 

 緊迫した空気の中拓実はこっそり背後に回って様子を伺っていた。

 

「別に、マンガで覚えた適当な嘘よ。装者以外の彼も喉を使ってるじゃない。指示したり叫んだりしてるじゃない。」

 

「その理屈はわからないけど、でももしアケミのしたことが本当なら…!」

 

「あたしたちは本物の拓実さんをやっちゃったんデスか!?」

 

 切歌たちが目を丸くした。

 

「ああ、そうだよ!だから言っただろう?人の話を聞かずに遠慮なく寄って集ってタコ殴りにしやがって…冬の海はマジで寒ぃんだぞ!!」

 

 すると物陰から拓実が出てきた。

 

「ぎゃあああああ!!おばけになって出てきたデース…」

 

「おい!やめてくれよマジで…お願いだから成仏を…」

 

 切歌とクリスは傷だらけの拓実を見て手を合わせていた。

 

「いや死んでないからな!?主に誰かさんらの斬撃で身体はやべえけど!!もっと言うとアケミさんの運転もやばかったけどな。」

 

 拓実が怒りながらも偽物を睨んだ。

 

「フン、バレてしまってはしかたがない!だが安心しろ、これからずっと俺がお前として生きてやるよ。まあこの場にいるやつも後で複製させて一生代わりとして生かしてやるよ。」

 

 偽拓実は拓実の顔を笑いながら見つめていた。

 

「バカ言え、お前が俺になれるか。いや、そもそもさせてたまるかよ。」

 

「バカをぬかせ!スピリットレボリューション!」

 

 偽拓実は拓実のデジヴァイスでヴォルフモンになった。掴みかかろうとした拓実を振り払ってアケミを攻撃しようと狙いを定めた。

 

「させるか!スピリットレボリューション、ブリザーモン!」

 

 爽谷が組み付いた。響たちもペンダントを構えた。

 

「ッ!手を出さないで!こいつは僕がやる。お前だけは許さない!仲間の信頼を無下にしたお前だけは僕の手でスピリットを奪う!」

 

「そうそう、やっちゃって爽谷!」

 

 武器でひたすら攻撃を仕掛けるもヴォルフモンはそれを軽々と回避した。

 

「黙れ!」

 

 ヴォルフモンが高速移動を始めた。

 

「拓実さんの得意だった高速移動…」

 

 しかし爽谷は躊躇なく後方を攻撃した。

 

「ぐわあああああ!!」

 

 偽ヴォルフモンは一撃で変身が解かれた。

 

「なんだと!?」

 

「お前の攻撃は僕には効かない、そこそこの年月一緒に戦ってるんだ、癖ぐらいはわかる。拓実の真似をしたと思ってるけど僕相手じゃ悪かったね。」

 

「ちくしょう…!」

 

 偽拓実が手を伸ばすが拓実がすでにデジヴァイスを手にしていた。

 

「スピリット…レボリューション…」

 

 怒りに満ちた低い声でヴォルフモンは歩き出した。

 

「手を出すなよ…」

 

「あ、ああ…」

 

「さあ、お前の罪を数えろ!」

 

「なめるな!」

 

 偽拓実が拳を突き出したがヴォルフモンは難なくそれを受け止めた。そして腕を捻った。

 

「お前は所詮偽物、俺はお前を認めない!」

 

 生身の偽拓実を拓実は一方的に殴った。二、三発顔面に当たりそこから拓実はひたすらラッシュで防御の構えすら許さずストレートキックを浴びせた。

 

「なんか複雑な光景だな…」

 

 その光景を見ているクリスたちはゾッとした表情で見届けていた。

 

 さらに拓実は偽物の頭部を掴んでグイッと起こした。

 

「オラッ、立て!」

 

 倒れた偽拓実を無理やり起こしたヴォルフモンは空中に舞い上がった。

 

「終わりだ、二度と俺の前に現れるな!ツヴァイ…ズィーガー!!」

 

 ボロボロになった偽拓実は空中からの怒りの一閃で木っ端微塵に爆散した。その肉体だったものがあたりに飛び散った。

 

「ふう…終わったな。」

 

____________________________

 

「それで、みんな言うことは?拓実くんを誤解してフルボッコしちゃって危うく殺すとこだったのよ?」

 

 本部に戻って早々拓実が包帯を巻かれた状態で寝かしつけられ、ベッドの目の前で列を作ってアケミによって正座している響たちを見ていた。

 

「そ、その…すいませ〜ん」

 

「やりすぎて済まない。お前を見抜けかったとは情けない話だ。」

 

「でも、みんな許せない思いでいっぱいだったんです…」

 

 全員正座しながら反省していた。それを見た拓実は天井を見上げた。

 

「…今夜だ。」

 

「「は?」」

 

「なんか飯奢ってくれ。今日は捕まったり、逃げっぱなしだったりで朝からなんも食ってねんだわ。それにエルにもごめんって言いたいしな。今日中には退院できるんだろ?」

 

「そういえばそうだったわね…いいわ、今日は奢ってあげるわ。きぼうをいってちょうだい。」

 

「おいマリア!いいのか!?」

 

「いいのよこれくらい。」

 

「うっし、じゃあ今日は焼肉にでもするか。夜は焼肉っしょってな!ハハッ!!」

 

「ったく、こっちもそのセリフか…」

 

「どうした?何か言ったかクリス?」

 

「いや、何でもねえよ!」

 

「かくして、拓実くんたちはエルくんを連れて焼肉にありついた。そして私もちゃっかり多めにお肉を頼んで酔い潰れた。しかし、私たちには新たな出会いが待っていた。おっと、少し読み過ぎちゃったわね。」

 

 ちゃっかりその場でニヤリと不敵な笑みを浮かべたアケミだったがチョンチョンと肩を叩かれた。

 

「姉さん、お話があるんだけど。」

 

「ウェッ!?ああ、これはほら!テレビの、テレビのモノマネだから!モノマネ!別にさりげなくタダ飯にありつこうなんて真似するわけないじゃない!もう、怖いぞ〜」

 

「はあ、俺の恩人がアケミさんってのは複雑だな…」

 

「全くね…」

 

 拓実達もため息をついてエルフナインの部屋に向かった。

 

 その途中で通り過ぎたギャラルホルンがわずかに輝いたのにも気付かずに…




今後の予定としてはイノセントシスターやってクリスマス&装者全員集合回をやってからいよいよ最終章に入ります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。