戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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主人公紹介です。

名前:水琴 拓実

年齢:15(2年前の時点)

好きなもの:刺身

苦手なもの:フキノトウ

性格:穏やかでおしゃべりだがパニクるとうるさい。空気は読む方だし戦場をIKUSABAとかは言わない。

パートナー:ベタモン(イメージCV:風間 勇刀)

誕生日:8月1日

血液型:AB型

イメージCV:緑川 光


追記:ベタモンの究極進化を考えると風間さんがいいかと思ってイメージCVを変えました。


第1話 遭遇シンフォギア

 ある場所に向かう一人の少女がいた。彼女はバスを降りて雨が降りしきる中、花束を持ってバスを降りてとある墓標の前に立った。

 

 ___八千八声、泣いて血を吐くホトトギス____

 

 その鳥は血を吐きながら歌い続けるという

 

 私の大切な親友も歌を歌い続けた

 

 血を流しながら歌い続けた______

 

 とある墓標にあるのはとぼけた顔をした少女の写真だった。そこに立った少女は降りしきる雨の中、泣き崩れながら墓標を眺めた。

 

「会いたいよ……! もう、会えないなんて! 私は嫌だよ、響ィ……!」

 

 彼女はなぜ涙を流すのか。それは2年前に遡らなければならない。

 

 

 

 

 2年前_____

 

 3年前(彼女が泣いていた時よりも5年前)、世界に未知の怪獣が現れた。怪獣たちはあっという間に全世界の人間を脅かしている認定特異災害「ノイズ」に並ぶ脅威の存在になった。

 

 これを受けて各国政府はその怪獣の研究に当たった。その結果、怪獣たちはデジタルモンスターと呼ばれ、その研究の過程で彼らは電脳空間に住む生物であり、人間を炭素化させるノイズの攻撃を受け付けないというアドバンテージがあったことが判明する。

 

 各国政府はロシア、欧州、アメリカ、日本、豪州などが代表してデジモンの保護及びデジモンと共にノイズと戦う人材の発掘に勤しんでいた。デジモンは一部が暴走していることを見分けられるようになったのを公表したのとほぼ同時に一部の人間にパートナーデジモンが増加し始めていた。しかし、一部の国は知らなかった。ノイズに立ち向かえるのはデジモン以外にもあるということを。

 

 その名はシンフォギア。その力は強大で人の法に引っかかりかねないため、その存在は秘匿されていた。しかしその存在は世界を変える、すべては既に動いている。

 

 

 

 

 

 東京都江東区青海にて1人の少年が部屋でパソコンを眺めていた。軽快そうなメロディに乗るかのように少年が体を震わせていた。

 

「へえ、ツヴァイウイングかぁ。結構クラスメイトのあいだで流行ってっから聞いてみたが、良い曲だねえ」

 

 ツヴァイウイング__ある日突然芸能界に現れた新人アーティスト天羽 奏と風鳴 翼の2人のユニットである。

 

「なあ、拓実はさ。興味でもあるのかい?」

 

「ああ、ベタモン。彼女達の曲は面白いと思わないか? 曲名も逆光のフリューゲルだぞ。かっこいいだろ?」

 

 彼のパートナーデジモンのベタモンが言うと、水琴 拓実(みこと たくみ)は振り返った。

 

「拓実〜! ベタちゃん〜! ご飯よ!」

 

「はーい! 今いくよ。母さん!」

 

 彼は両親と暮らしていた。数ヶ月前に彼のパソコンから謎のデバイスとベタモンが現れた。最初家族はベタモンに戸惑ったが、次第に家族の一員になりつつあった。

 

「おはよう。拓実! 今日も元気か!?」

 

 拓実の父__拓也が笑いながら新聞を畳んだ。

 

「まあね。今日はちょっと出掛けるからね」

 

「夏休みか……ったく羨ましいな! 俺なんか、お盆まで会社だぜ? 

 あーあ! 良いよなあ……こちとら取引先の会社とのプロジェクトで忙しいってのに……」

 

「そう言わない! あんたのおかげでうちは生計立ててんだから。あんたは自分の仕事に胸張って良いのよ!」

 

 拓実の母__稔がポンと肩を叩いた。

 

「そうか、じゃあ行ってくるぜ!」

 

「うん! 行ってらっしゃい!」

 

 拓也を見送った拓実はそのまま自転車で遠出に出発する。東京都は西の方に行く度に山道が増えてきており、上りはきついが下りの時の加速に伴って与えられる爽快感を知る拓実はある程度高いところに着く

 

「なあ、拓実。自転車の爽快感って良いよなあ」

 

「おっ、ベタモン〜。お前も海以外の魅力にようやく気付いたんだな!」

 

 拓実の腰に着いたデジバイスにはベタモンがいた。デジモンは世間に認知されているとはいえ、デジバイスに入れっぱなしにしながら移動している人が多いのだ。

 

「ああ……爽快だn」

 

 その時、黒いチリが辺りを漂っていた。

 

「まさか……おい、ベタモン。逃げるぞ。ノイズが来た!」

 

「え!?」

 

 自転車から降りて走り出した拓実がその場から逃げ出すと転んでしまった。しかも、その場にはノイズ以外にもクワガーモンも近づいて来ており、その目は赤く変化していた。

 

「暴走デジモンだ!」

 

「ちっきしょう! なんでよ、詰みってやつかァ!? おれは、まだ彼女もいねえし、まだ10何年しか生きてねえんだぞ!? 

 

 それなのに……! もうダメだあ……お終いだあ……」

 

 クワガーモンが必死に走り出すも足をくじいてしまった拓実に襲いかかって来た。

 

 その時、幻聴だろうか。歌のようなものが聞こえていた。

 

「Croizal ronzell gungnir zizzl」

 

「はあっ? なんだ? 幻聴か!?」

 

 辺りを必死に見回すもその主は見えなかった。

 

「Imyteus amenohabakiri tron」

 

「もしやここは天国!? はあ……さよなら世界……俺は死んじまったのか……」

 

 拓実が再び聞こえてきた声を聞き、しょぼんとした顔を浮かべため息をつく。クワガーモンがハサミで拓実を狙う!

 

「いいや、幻聴じゃないさ! だから、生きるのを諦めるなっ!」

 

「へ?」

 

 空から槍を持った朱色の少女と剣を携えた青い少女が突然下りて来た。

 

(以下、絶刀・天羽々斬をお聴きながら読むのを勧めます)

 

「あんたら……

 

 そんなコスプレでノイズに勝てんのかよ!?」

 

 拓実はゆっくり立ち上がった。

 

「いいから、行きなさいッ! この戦場(いくさば)は危険よッ!」

 

二人がノイズを軽々となぎ払うもクワガーモンが立ちはだかる。

 

(いくさばって……この人なんなんだよ……侍かなんかか?)

 

「暴走デジモンが厄介ねッ! 頼むわよコテモンッ!」

 

 翼の青いデジバイスから剣道の道着を来たデジモンが現れた。

 

「承知。我に任せよ、翼」

 

 デジバイスが青い光を放った。

 

「コテモン、進化ッ!」

 

 コテモンが光に包まれ、鎧を纏ったムシャの姿に変わった。

 

「ムシャモンッ!」

 

「おお……生の進化かよ。始めてみたぜ!」

 

 拓実は腰を抜かしながら見ていた。

 

「おい、早く行けッ! ここは危ないッ!」

 

 朱色の少女が槍を構えて拓実を怒鳴った。

 

「ああ、あんたらこそ無事で頼むぜッ!ちなみにさ、コスプレガールズっていうのか?」

 

「否、我らは防人だッ!」

 

(防人ィ!?なんじゃそりゃあ、侍気取りのつもりですか!?ってか、今西暦何年だと思ってんだよッ!!)

 

 

 青い少女がノイズを切りながら告げた。

 

「わかった。頑張れよ!防人さんたちよ!」

 

 拓実は走り去って行った。

 

「翼、いいのか? 防人じゃなくてシンフォ……」

 

 ムシャモンもノイズを切り捨てた。

 

「今はそんなの気にしてる場合じゃないわッ!」

 

 翼という少女は巨大化した剣の一振りを放った。

 

「去りなさい! 無双に猛る炎」

 

 翼が歌い出して攻撃を放った。

 

 <蒼ノ一閃>

 

「神楽の風に滅し、散華せよ!」

 

 クワガーモンはとっさにそれをガードしたが、上から無数に投擲された槍が迫っていた。

 

 <STARDUST∞FOTON>

 

 近くにいたノイズも巻き添えを受け、倒された。

 

「ぐわおおおおおんんん!!!」

 

 クワガーモンは落下しようとしていた。

 

「トドメだ! 切り捨て御免!」

 

 クワガーモンは真っ二つに切断され、たまごのようなものに変化した。

 

「勝った……」

 

 安堵した2人と1体だったが、通信が入った。

 

「大変だ。翼、奏! そのから南に数百メートルの地点でモジャモンが暴れているッ!」

 

「あの方向はまさか……!」

 

「待って、奏!」

 

 翼も走り出した。

 

「先程の少年か……弦十郎」

 

 司令室では厳つい男__弦十郎の近くに細長い生き物が眺めていた。

 

「うむ、何としても保護しなくては。一般人の被害は増やせない。それに…」

 

 

 

 

 そしてその辺りではベタモンが赤い目をしたモジャモンと戦っていた。

 

「この野郎〜! 人が通んのを邪魔しやがって! こちとら急いで逃げてんだぞ!」

 

「ああ、そうだ! 喰らえ、電撃ビリリン!」

 

 ベタモンが頭部から電撃を放ったが、モジャモンには効かなかった。

 

「骨骨ブーメラン!」

 

 ベタモンはモジャモンの投げた骨に打ちのめされ、一方的に痛めつけられるだけだった。

 

「くっそッ!」

 

 ベタモンはモジャモンに噛みつこうとした。

 

「アイシクルロッド!」

 

 ベタモンが氷柱に閉じ込められてしまった。

 

「ベタモン! まじかよ……この野郎おおおおおお!!」

 

 拓実は全力でモジャモンを殴り飛ばしたが、たいして効いておらず弾き飛ばされた。

 

「ぐわあああ!!」

 

「拓実……!」

「こんなとこで終われねえ……せっかく生きるのを諦めんな言われてんだ! 諦められるかよ!」

 

(ここから先 Brave Heartを流しながら読むのを勧めます)

 

 その時、拓実のデジバイスが水色に輝いた。

 

「うおおおおおおおおおおお!!!」

 

 ベタモンから眩い光が発生した。

 

「うをおお?」

 

 モジャモンが驚いて振り返った。

 

「なんだ!?」

 

「ベタモン、進化ああああああああ!!!」

 

 ベタモンが光に包まれ、体がシーサーペントのような体に変化した。

 

「シードラモン!」

 

 シードラモンは氷柱を突き破った。

 

「まじかよ」

 

 拓実は驚くばかりだった。

 

「ああ、マジだぜ!」

 

「んじゃあ行け、シードラモン!」

 

 その時、翼たちが着いた。

 

「あれは!?」

 

 シードラモンはモジャモンを突進で吹き飛ばした。

 

「すげえ……これがお前の!」

 

「今だ! チャンスを逃すな!」

 

 朱色の少女が叫ぶ。

 

「ああ、分かったよ! 決めちまえシードラモン!」

 

「アイスアロー!」

 

 口から放った氷の矢がモジャモンを凍結させた。そして氷柱が砕け散り、モジャモンはタマゴに戻る。

 

 

 

 

「はあ……疲れた」

 

 振り返ると、黒服の男たちがベタモンと拓実を囲んでいた。

 

「何の様ですかね?」

 

「あなたを一時拘束させていただきます」

 

 清楚な雰囲気の女性が手錠を掛けた。

 

「ハアッ!? どういうこっちゃ!? ナゼ? ナゼにWHY!?」

 

「落ち着いてって言えないねえ……この状況じゃあねえ……」

 

 ベタモンも車に入れられた。

 

 すると先ほど戦っていた少女たちが近づいてきた。

 

「どんまい!」

 

 朱色の少女が肩をポンと置いた。

 

「なんでこうなるのおおおおおお~~~~~!!」

 

 叫びながら車に入った拓実は黒服の男たちに連れていかれた。




「なんで、あおいの出番があるんだよ!?」

「知らないわよそんなこと。」

「おかしいだろ!どう考えてもあおいだって俺と同じオペレーターだろ!2話じゃ出番あったからってよ!」

「まあまあ、そう肩を怒らせないの。」

「とにかく、次回の出番に期待すればいいじゃない。」

「うう…」

第2回 藤堯・友里・櫻井(in特機部二本部)

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