戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
まさかあんたらが先に出るとは恐れ入った!!とはいえ去年の新型アルカノイズ襲来のイベントの時にフィーネ関係の情報と一緒にAXZ関連の情報やってたような気がしたからある意味約束(?)を守ったのかもしれません。
キャロルたちは慟哭してることでしょうが実装までフィーネ、ドクター、司令に先を越されてようやく出番の子がいるんだから胸張って待っててください(苦笑
「甘いぞ水琴!」
「はあっ!」
翼と拓実は訓練をしていた。2人とも素早い斬撃の応酬で全員感心しながら眺めていた。
「拓実さん、最近速いデスね〜」
「翼さんもそれについて行ってるんだからすごい…」
「でええええ…ありゃ?」
拓実が攻撃しようとした所誤って転倒してしまった。そうとも気づかず翼が斬撃を仕掛けた。
「うっびゃああああああああああ!!!!」
「…前言撤回」
しかし吹き飛ばされた拓実はズシャという鈍い音を立てて、倒れた。
「大丈夫か!?水琴?」
「おい拓実、しっかりしろ!」
装者たちが病室に運ぼうとする前に拓実の意識が途切れてしまった。
全員、数時間経ってから全員病室に向かった。
「拓実さん、入ります…よ!?」
するとそこでは鏡を前に上半身が裸となった拓実が立っていた。
「おや?どちら様かな?」
すぐに上着を羽織って振り返った。翼たちは目を丸くした。
「どうしたのだ水琴!?大丈夫なのか?」
「ちょっと変なものを見せないでよ!」
マリアも顔を赤くしていたが拓実は上着を羽織ったものの前を閉じていなかったため胸筋や腹筋が見え隠れしていた。
「マリアさん、落ち着いてください!今拓実さんは吹っ飛ばされて頭から落ちたせいで記憶が一部欠落しているんです!辛うじてパートナーの記憶はあるみたいですけど…」
エルフナインがマリアを止めると拓実が座りだした。
「それで、どちら様なんだいベタモン。」
「ええっと彼女たちはみんな拓実の仲間だったんだよ?」
ベタモンもいつもと違う拓実に戸惑いながらも陽気な態度を崩さなかった。
「なに?そうか、全員バンドのメンバーなんだな!?そうだろ?」
少し考えたような動作を取ってから拓実は笑みを浮かべて響たちに告げた。
「え?」
全員凍りついた表情を浮かべた。
「拓実さん!ここはSONGなんデスよ!?忘れちゃったデスか?」
「そうだよ、君も僕らの仲間なんだ。」
「SONG?なんだ、やっぱりここは芸能事務所か。」
「はぁ!?」
切歌と爽谷の説明を誤って解釈をした拓実は立ち上がった。
「俺の心を刺激するもの…それはロックだ!!ロックンロール!!」
すると拓実は立ち上がった。そのスカした表情と言動にマリア達は立ち尽くしていた。
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「ちょっと!どうしてああなったのよ!あれじゃ並行世界の彼そのものじゃない!」
「あの拓実さん、苦手。それにこのあいだのドクターみたい…」
「全くだ…あれが本来の水琴だとしたら私はどうしたらいいんだか…」
響たちは以前並行世界の拓実と出会っていたが真面目だったり話を聞かないトラブルメイカーだったりと格差に驚いていた。しかし予想外の事故で目覚めた別の彼に翼自身負い目も感じつつ呆れていていた。
「おーい、マネージャー!」
記憶を失ったが向かったのはトレーニングルームだった。
「何かしら?」
「なあ、マネージャー!楽器はどうしたんだッピ?俺のマイクがないじゃないか。俺のシャウトが唸らないッピ。」
「私はあなたのマネージャーじゃないわよ…」
マリアがため息をついた。
「マネージャー、もしかして愛想尽かしたか?ファーストシングル 存在証明の内容が気に入らなかったか?」
「ええっと…その、拓実さん!」
歌詞に呆れながらも響たちが告げたのは拓実は記憶を失っていたことと拓実は戦士だということを告げられた。
「おいおい、よくない嘘だな。エイプリルフールは終わってんだぜ?」
拓実は話を聞かず訓練ルームを探っていた。
「おい、良い加減にしろ!お前だけ話を進めんな!」
クリスが突っかかるが拓実がひらりと交わした。
「おいおい、クリリン。」
「クリリンだあ!?」
「音楽性の違いからバンド崩壊か?悲しいッピねえ。嫉妬で暴走とはマンモス可笑しい奴!」
拓実が飄々と笑うと調が勝手にスイッチを起動させた。
「なっ、なんだ?突然変わった?」
「こうなったら実力行使、拓実さんのデジヴァイスありますよね?」
「ああ!そうともさ音響担当、分かってるね!」
「じゃあそれの赤いボタンを押してください。」
調は感情こそ出ていないもの声が若干低めになっていた。
「あいよ、その前に…!」
突然拓実が上着を全て脱いで上半身裸になっていた。
「なんでいきなり脱ぐのよ〜!」
マリアが赤くなって目を背けていた。
「身軽になりたいからだぜ。それとも、俺の肉体美にマネージャーも恥ずかしくなっちゃった感じかな?なんなら一枚10円でブロマイドとして売ってやるぞ?」
「要らないわよ!」
「次にデジヴァイスから何か出て来るのでそれをスライドしてください。」
拓実は言われた通りスピリットレボリューションをした。
「おいおいおい!なんだよこれは?」
「どうやら覚悟を決めたみたいだな、行くぞ!」
「チィッ!強硬手段か!」
ギアをまとったクリスが戸惑う拓実に対して普通にアームドギアを構えてきた。
「ちょっと?いきなりアームドギアじゃ危ないんじゃ…!」
「スマナイ!クリスニココハマカセテクレナイカ!?」
響がクリスを見て止めようとしたがハグルモンの説得が掛かって響は不満げになりながらも割って入るのをやめた。
「立花、今は見守ろう。きっと雪音にはこのやり方が最善と判断した故…信じよう。」
「オラオラオラ!」
<BILLION MEIDEN>
アームドギアの連続射撃をよけるヴォルフモンだったがイチイバルの前に敢えなく追い込まれた。
「あじゃぱあああああああああああ!!!」
「やはり感覚が鈍くなってるから弱い!」
攻撃を受け続けた拓実は壁に叩きつけられた。
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「はあっ…はあっ…これで、戻ったかよ。」
「あ、危ねえ、死ぬかと思った…」
激突したヴォルフモンはすぐさま起き上がった。
「クリス先輩の一撃でも生きてるデス。」
「やっぱり、彼には残ってたみたいね。戦いの勘が。感覚は消えていても何かしら体に刻まれていたはず…」
切歌とマリアが事の成り行きを眺めていた。
「さあ第二ラウンドだ!」
クリスが再びアームドギアを構えた。
「ああ…用意はできてるよ!しかし、いいのか?今の俺は裸で少なくともさっきの3倍の実力は出せるッピよ?」
すると拓実はフッと笑いながら俯いた。
「意味がわかんないデース…」
クリスの攻撃より速く拓実はそれよりも早く立ち上がって斬撃を浴びせてきた。
「いつもより数倍速い!?だったら!」
先ほど同様クリスがハンドガンを構えて攻撃したが片手の剣一本で全ての弾丸は切断された。弾丸が床に散乱した。
「嘘だろ!?」
「俺に同じ技は二度も通じない!くらうッピ!」
拓実は走り出しながら高速回転しながらクリスに迫った。
「シャインスライサー!」
「うわあああああ!!」
クリスは一撃で倒されてしまった。
「クリス先輩を一撃で!?」
「いくら逆転したとはいえさっきまでノーダメージだったのよ!?」
「なんだよ…普段よりも強くなってやがる…!」
「今の俺に敵はいないッピ!負ける気が微塵もしないッピね!」
「じゃあ、勝負!」
響が向かって来たが拓実は涼しい顔でパンチを受け止めた。
「うっそ!?」
そのまま響の腕を掴みながら正面へとジャンプして体勢を崩した響を拓実は見逃さなかった。
「トドメだ!クロスズィーガー!」
十字架型の斬撃で響も倒された。
「ふぅ…終わったな。」
「嘘でしょ?いつもなら互角の実力なのに一撃で立花響を撃破するなんて…!」
「頭打って上半身裸で強くなるなんておかしいデス!」
「さて、戻る…かっばあああああ!!」
訓練を終えた拓実はそのまま上機嫌で部屋を出ようとしたが足元を狂わせて再び頭部を打った。
その後病室に再び運ばれた拓実は記憶を失う前に戻っていた。
「ええっとすいません、なんか色々と迷惑かけて…」
「気にするな。そうなっても私たちがどうにかするのが私たちやお前の役目だろう?」
「そうですね。」
(なんだろう…みんな水着ギア纏って帰ってきた日以来の冷たさだったな。それになんか肌寒いんだよなあ…)
拓実は自分がバンドをやっていた設定のキャラだったことを覚えていなかった。さらに唐突に上半身裸になったことも覚えていなかった。