戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
何気に初めて(?)装者の誕生日に合わせて投稿できた気がします。だいたいずれて投稿でしたしね。しかし、当の本人は今回出て来ないですがね。
城に向かった拓実たちが見たのは炎上する街と暴れ回るアルカノイズだった。
「立花さんたちは姫の護衛を!アルカノイズは俺がやる!スピリットレボリューション、ヴォルフモン!」
拓実はヴォルフモンとなって街の至る所で暴れるアルカノイズの殲滅に向かい響たちはバシーリカと国王を助けるため王宮へと向かった。
「僕は国王の方に行ってる!立花さんたちは小日向さんとバシーリカ姫を頼む!」
「分かった!気をつけて!」
爽谷と響たちは王宮に入ると二手に分かれた。そこには殺害された騎士たちがいた。
「?来たか。エイル」
「ダリア様、騎士たちに何を…?」
転がる死体の近くで血塗られた剣を持ったダリアが振り返る。目は血走ったように赤くなっており別人の気を発していた。
「エイル、命令する。今ここで王族の首をとって参れ」
「なっ!?正気ですかあなたは?」
「此度のSONGの介入は惰弱な王族が生んだものだ。よって王族を抹殺して私が直にこの国を立て直すのだ。さあ奴を殺してこい!」
「バカな!?そんなことできません!」
「仕方あるまい…ならば死ね!」
懐からデジヴァイスを取り出したダリアはデジメモリを数枚取り出した。
「なんであいつがデジヴァイスが持ってるんだよ!?」
<ウェンディモン、ヴァンデモン、アンドロモン、コンバート!>
デジヴァイスを構えたガリアがデジモンたちを呼び出した。
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「行け、バシーリカの首を取ってこい!」
「させない!」
響、切歌、調がデジヴァイスを構えた。
「アグモンワープ進化、メタルグレイモン!」
「ワームモン進化、スティングモン!」
「キャンドモン進化、メラモン!」
「邪魔をするな!」
狭い王宮でデジモンたちが暴れ回る中で街もほとんど火が回っておりパニック状態だった。
「ツヴァイ・ズィーガー!」
ヴォルフモンの攻撃で巨大アルカノイズは倒された。
「あとはちっこいのだけだ!」
「なぜ、どうして!?」
響はダリアに問答した。するとダリアが鬼の形相で響たちを睨みつけた。
「貴様にはわかるまい!いつ強国の圧力で潰れるかもしれない弱小国の立場など…!今必要なのは強国に対して恐怖となりうる存在を操り、彼らを蹂躙して力を示すことこそが国を生き長らえさせる方法なのだ!」
その横ではメタルグレイモンたちがデジモンをバシーリカの元に行かせないように奮闘していたが人がいるためあまり大きく立ち回れなかった。
「なぜだ?ガリア様はそんなことをお考えになるお方ではなかった。一体なぜ!?」
「黙れ、貴様のようなひよこに分かってたまるか!」
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「お待ちなさい、ダリア!」
緊迫した空気の中バシーリカと未来がその場に現れた。
「なっ…!危険デスよ、バシーリカ!」
「未来、早くバシーリカちゃんを避難させて!」
バシーリカの護衛に回っていたはずの未来もその場に駆けつけていたが響に対して首を横に振った。
「響、バシーリカちゃんが頼んだんだ。自分がどうしても伝えたいことがあるって」
「小娘が!貴様など王家の役に立たん!この場で私が抹殺してくれる!」
ダリアが武器を構えて向かって来たがバシーリカはそれを交わしてダリアを投げ飛ばした。
「なにぃ!?武道の心得もないバシーリカ様がダリア様を投げ飛ばした!?」
「確かに、私は小娘でしょう。しかし、一度だって王家に生まれたことの責任を放棄したことはありません。ダリア、私はあなたに対して何もしてあげられなかった。けれども私は…」
「ば、バカな…!何故?」
バシーリカ様は涙を流しダリアに動揺が見られた。
「はいはーい、感動的だね〜!」
振り返ると部屋の扉に2人の男が立っていた。
「アルクトスにスティア…お前らはどうしてこんなとこにいるんだ!!」
エイルを無視して黒い長髪のスティアは笑みを浮かべ金髪のアルクトスはおどけた仕草をとった。
「ハハハハハ!!ダリア様ぁ〜
さっさとこんな小娘やっちゃいましょうよ!」
「…」
メットを被った二人が姫を指差した。しかしダリアは狼狽したような表情を浮かべていた。
「そうか、お前らが拓実の言っていた裏切り者だな!」
クリスが2人を睨むが2人の眼中はダリアだけだった。
「ダリア、お前は国の安定を望んでいたんだろ?間抜けな姫と国王も殺してしまうんだ。お前の夢が叶うぞ?なんなら…!」
「ッ!」
スティアが光弾を放ちそれは姫めがけて飛んできた。しかし、ダリアはそれを庇った。
「ダリア!?」
「くっ…申し訳ありません、バシーリカ様。私は長い間あのもの達に操られていたのです。バシーリカ様を殺そうとしたのは私の意思では…!」
ダリアの目の色は赤から黒へと戻った。
「なんてことをするデスか!」
「フッ、殺したがってた相手に救われるなんて洗脳が足りなかったね」
「洗脳!?」
「バシーリカ様…どうか、敵に誘惑された心弱き私を…お許しください…」
「ダリア?ダリア!」
「ダリア様、ダリア様!!」
バシーリカとエイルが呼びかけてもダリアは返事をしなかった。
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「てめえ、一体何もんだ!?」
その光景を見てクリスは二人を怒鳴りつけた。
「ふふ、俺の正体が知りたいか?いいだろう、もはや隠す必要もないな」
騎士団のアルクトスとスティアがメットを投げ捨てた。
「やはりそうか!お前だったんだな!」
そして片方の男の表情に全員は衝撃を受けた。それはシカゴを壊滅させ各国聖遺物機関を襲撃して国際手配されたリコリス・タオ=リヒトだった。
「ふふ、まさかお前達がこんなところに来るとは思わなかったぞ」
「ちょっと、リコリスさん。僕の紹介もさせてくださいよ」
「ああそうだな、紹介しよう。こいつは俺の元に集まった錬金術師、エクストラだ」
「え!?」
「パヴァリア光明結社が潰れた後野良の奴らがあちこちにいるのは知ってるな?実はそいつらは俺の経歴を知って自ら訪ねてきたやつが多くてな。俺の恐怖による支配の手伝いをしてくれるそうだ」
「バカな!お前達がこの場にいると言うことはアルクトスとスティアはなぜ殺されたんだ!?」
「さぁーね〜!今頃土の下なんじゃなんじゃない?その真実もね、ハハハハハ!!」
「スティア自体はこいつが数年前から抹殺済みでアルクトスはそれを疑問に思ってたんだ。そこを俺が、だ」
「まだ、野望を捨ててなかったの?」
調が淡々と説明したリコリスを睨みつけた。
「当たり前だ、そうやすやすと捨てられると思うか?この国を滅ぼしてから王政を乗っ取るのは失敗したが、今の俺ならシカゴの惨劇をもう一度繰り返せる。ある筋の協力を得られてな!そして世界は恐怖に包まれるのだ。アハッハハハハハハ!!」
「あなたたちはそんなためにこの国を…!」
「ふん、小娘が!エクストラ。目的はもはや達したが楽しんでこい。あばよ、間抜けな装者ども!今回の目的はすでに達した」