戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回はマリアさんとクリスちゃんがママになります。一度こういったペット拾いました的な話はやって見たかったのですがどうしようか浮かばないまま本編を進めてましたが何話か進んでようやく執筆したといった感じです。

そして片翼の奏者の続編決定にそう来たかと感心しています。どんなストーリーになることやら…本編の二番煎じにはならないことを祈るばかりです。


第191話 ママになること

「ふう、今日も疲れちゃったわね。」

 

 ある夜マリアは街を歩いていた。

 

「今のところはギャラルホルンのアラートもないしリコリスの襲撃もない。平和なものだな。」

 

「そうね、アグモン。」

 

「おっ、珍しいな。」

 

 前を歩いているマリアの前にクリスが現れた。手にはコンビニの袋が握られていた。

 

「クリス、こんな夜遅くにどうしたの?」

 

「いや、なんか食いたくなってな。」

 

「そうなのね。それにしてm…」

 

 マリアが言葉を継ごうとしたが、その時爆音が響いた。

 

「なんだ!?」

 

「マリアくん、クリスくん!デジモンだ!今一番君たちが近いから迎え撃ってくれ!応援に拓実くんを向かわせてる。」

 

「分かったわ!行きましょう!」

 

「私が先に行く!」

 

 街中に突如現れて暴れていたのはレオモンとデビモンだった。

 

「落ち着いて避難を!慌てないで!」

 

 マリアが人々を誘導している間にクリスはメカノリモンでデジモンの被害をある程度抑えていた。

 

「待たせたな!エントリヒ・メテオール!」

 

 レーベモンの拓実がビル街から光線を放ち油断したレオモンを一撃で消滅させた。

 

「助かった!一気に行くぞ!」

 

「メカノリモン、レーベモン、デジクロス!

 メカノリモン ダークアーマー!」

 

 レーベモンとデジクロスしたメカノリモンはボディが紫色に変化してデビモンに掴みかかった。

 

「イビルスピアー!」

 

 そして片手で投げ飛ばし落下する中で両腕を槍状に変化させてデビモンを貫通させた。

 

 戦いが終わり、SONGは後始末を取っていた。その中で弦十郎に呼ばれたクリスとマリアはデジタマを見つめていた。

 

「実はさっきのデジモンたちが役所に送るはずのデジヴァイスが積まれた宅配便のトラックを破壊してしまったんだ。その中でこのデジタマだけが残ってな。それで確認を取ったところ、このデジタマは手違いで送られてしまったものだと判明したんだ。悪いが数日の間、このデジタマを保護して欲しいんだ。」

 

「まだ中身は孵ってない見たいなら安心ね。」

 

「ああ、孵っちまったらまったで大変だしな。」

 

 その時、デジタマが突如として揺れ始めた。

 

「…まさか」

 

「まさか…!」

 

 デジタマが割れてデジモンが飛びててしまった。

 

「うそぉ…」

 

 

 それからマリアとクリスはデジタマから孵ったデジモンを育てていた。

 

「可愛いモンだな、無邪気に跳ねてやがるよ。」

 

「…この子は親に会いたがってるはず。できれば返してあげたいわ。」

 

「ああ、そうだな。」

 

 幼年期デジモンが無邪気に肉を食べているのを見てマリアとクリスは一刻も早い発見を待ち望んでいた。

 

「おっはよ〜クリスちゃーん!」

 

「お前は敬語で話せっての!」

 

 翌朝、クリスは若干目に隈ができていた中の登校になった。

 

「どうしたの、クリス?」

 

 未来が心配して尋ねてくるとクリスは大きなあくびをした。

 

「昨日からマリアと迷い込んだデジモンの世話しててな。今マリアが面倒見てんだよお。ふわあっ…」

 

「無理しないでね、クリス!」

 

「ああ…」

 

「そうだよ〜!クリスちゃん!」

 

「お前は馴れ馴れしすぎるんだよお!」

 

 その頃のマリアは幼年期デジモンが進化したプカモンにご飯をあげていたが野菜を食べずにどうすればいいか考えあぐねていた。

 

「うーん…どうしようかしら。お野菜も食べないと立派なデジモンになれないわよ!少しだけ!少しだけでいいから!」

 

 野菜を上げようとしたマリアはデジモンの体当たりが顔面に命中してしまった。

 

「もう…お願いだから好き嫌いはしないで。」

 

 命中したところをさすりながらマリアがデジモンを抱いた。

 

 その時、警報が響いた。

 

「マリアくん!川崎周辺にマリンデビモンが現れた。すまないが爽谷くんと共に迎え撃ってくれ!」

 

「分かったわ!」

 

 

 マリアは急いでマリンデビモンを討伐するべく向かった。しかし、戸締りを忘れたためデジモンがついてきているのを知る由がなかった。

 

 

「はああっ!」

 

 すでに東京湾ではスナイモンがマリンデビモンを陸から遠ざけようと戦っていた。爽谷は近くの人々の避難誘導を行う中でマリアの到着を待った。

 

「爽谷!」

 

「マリアさん、避難は完了してます!今なんとかマリンデビモンを抑えてるところです!」

 

 マリアが横目でなんとか地上に上げまいと奮闘しているスナイモンを見つめた。

 

「私もライズグレイモンで!」

 

 デジヴァイスを構えると先ほどの幼年期のデジモンが飛び出してきた。

 

「あなた?危ないわ、ここはあなたが来るのには危なすぎる!早くお家に帰りなさい!」

 

 プカモンはそんなことにも構わず海に向かった。

 

 するとマリンデビモンがプカモンに気づいたのかプカモンを攻撃しようとした。

 

「危ない!」

 

 マリアがその攻撃をかばおうと海に潜った。

 

「無茶だ、マリアさん!」

 

 爽谷がデジヴァイスを構えた。

 

「スナイモンワープ進化!タイガーヴェスパモン!」

 

 タイガーヴェスパモンがマリンデビモンを食い止めて陸から遠ざけた。

 

「これ以上はマリアさんが危ない!一気に決めるんだ!」

 

「オッケー!マッハスティンガーV!」

 

 水中から浮上してきたマリンデビモンに連続突きが命中して空中に叩き上げられてから一気に水中へと叩き落とされた。

 

 

「全く、ダメじゃない!私が助けてくれたから良かったものの、危ないわ。お願いだからジッとしててちょうだい。」

 

 すると本部から通信が入った。

 

「マリアくん、デジタマから孵ったプカモンの親デジモンの目処がたった!今日にも送り返せるぞ!」

 

「え?そ、そうなのね。分かったわ!」

 

 それから日が暮れ、マリアはプカモンををゲートに戻そうとした。

 

「いい?もうあなたのママは私じゃない。本当のママはこの向こうにいるの。」

 

「ママー!」

 

 プカモンが泣きついてきたがマリアが頭を撫でた。

 

「ダメじゃない、ママが向こうにいるのよ。大きくなったらまた、遊んであげるわ。」

 

 プカモンはそういうと泣き止んで自分からゲートに入っていった。

 

「言っちまったのか?」

 

「ええ、でも…これでいいのよ。あなただってわかるでしょ?あの子には家族がいる。家族は大切にしないといけないから…」

 

「そうだな…なんか、食いにでもいくか?」

 

「ええ、行こうかしら。」

 

 プカモンを送り届けたマリアとクリスは近くのファミレスに向かった。

 


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