戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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最近暑いですね〜皆さんも熱中症には気をつけてください。あっという間に7月終了…もうじきこの作品は200話になろうとしてるのであっっという間に日がすぎてきますね。


第190話 サクラブリザード

クリスたちが現場に向かうとそこには巨大なカルマノイズが出現していた。

 

「くっ!まさかこんな…!」

 

「おいおいなんなんだよあれは!」

 

「村正のあった鳥居って言うのがボロボロに!」

 

 切歌が破壊された鳥居を指差した。

 

「まさか、こんなことになるなんて!」

 

 ウェル博士は巨大化したカルマノイズを見て呆然としていた。

 

「こんなことになるはずがなかった!僕の夢が!せっかくこんなことまでさせたのに…!」

 

「…どういうことだ?」

 

 ウェル博士の発言を聞いて3人とも顔色を変えた。

 

「何かあったらいうデス!でないと…!」

 

「じーっ。」

 

 クリスたちはウェル博士を追求しようと迫っていた。ウェル博士も狼狽えていたが少しして深呼吸した。

 

「…くっ、ここまでですか。そうですとも!僕と爽谷君ですよ!村雨をどこかに隠そうとしたんです!」

 

「てめえ何があってそんなことを!」

 

 ウェル博士も震え声だが虚勢を張ったような態度で立ち上がった。

 

「そ、そそそそれは!君たちが帰っては僕の計画が水の泡となってしまうからですよ!爽谷くんも僕の計画に賛同した上で協力しています!」

 

「爽谷まで!?」

 

「やっぱりなんか隠してたんだな!」

 

 デジヴァイスにいたデジモンたちもウェル博士と気絶した爽谷を睨んだ。

 

「そう、ばれてしまっては仕方がない!僕の野望とは!」

 

 ウェル博士がニヤつき出して突然高笑いをしだした。

 

____________________________

「僕の計画とは…

 

 

 

 

あなた方3人を!歌って踊って戦うアイドルユニットとしてプロデュースすることなんですよ!」

 

 それを聞いた3人はぽかんと開口したまま突っ立っていた。

 

「コノ…「「馬鹿があああああああ!!!」」

 

 ハグルモンとクリスは呆れながらウェル博士に腹パンを食らわせその場に放置してすぐにノイズの元へ急行した。

 

「ハグルモン、そのバカのお仕置きは任せた。」

 

「ア、アア…」

 

 クリスたちはハグルモンを残したまま現場に到着した。

 

「ここから先には行かせねえ!今のお前にはあたしら3人で十分だ!」

 

「もう、絶対に負けない。」

 

「負けられない勝負がそこにあるデース!」

 

「さあ行くぞ!」

 

 3人はギアを纏って巨大カルマノイズに向かっていった。

 

「調!」

 

「うん!」

 

 切歌と調はうなづくだけで左右に分かれ敵の巨体が持っている足元の脆さを利用して同時攻撃を仕掛けた。

 

「あたしたちのチームワークを馬鹿にしちゃいけないデス!」

 

「一人一人が弱くても共に時間を過ごして強くなればこんなノイズには負けない!」

 

 さらに足元を攻撃しながら2人は旋回して徐々に上半身を攻撃して行った。

 

 巨大カルマノイズも抵抗を試みるも素早く立ち回る2人に翻弄され防戦一方だった。それをクリスは神経を研ぎ澄ませながら弓を引いていた。

 

(あたしが放つ最高の一撃をぶっ放す!あの時みたいに先輩とバカでやったコンビネーションを今度は後輩たちでやってやる!)

 

 クリスの脳裏に浮かんだのは初めて自分が響たちと共に戦ったスカイタワーの一件だった。今深呼吸と共にクリスはすべての気を込めた。

 

「行くぞ!」

 

「「託します(デース)!」」

 

「これで最後だあああああああああ!!!」

 

 クリスの精神力全てを研ぎ澄ました一矢は空を切り裂きながら巨大カルマノイズを狙った。それを払いのけようとするも一矢は剣を貫いてカルマノイズを胸を射抜いた。

 

 命中したカルマノイズは膝をついてから地面に倒れやがて消滅した。

 

「やったああああ!!」

 

 切歌と調が喜びながらクリスに駆け寄った。

 

「ああ!お前らのおかげだ!」

 

____________________________

 ゲート前にしてウェル博士達が3人に礼をしていた。肝心のウェル博士は手に包帯を巻いてだが…

 

「これで行っちゃうのね。」

 

「ああ、いつまでもいられないしな。」

 

「寂しくなりますねえ…」

 

 ウェル博士に爽谷も別れを惜しんでいた。しかし3人も2人に対してはあまり良い感情を抱いてはいなかったが。

 

「ていうかいいのかよ?このままノイズやデジモンの被害は増え続けんだぞ?」

 

「大丈夫です。むしろ僕らはノイズたちになれるべきなんです。」

 

 爽谷が微笑みながら兵士たちを見つめた。

 

「そう!僕らが作った記録や研究を後世に繋ぎ生きていく。それが大事なのですよ。焦らずじっくりと積み重ねることが明日に繋がるんです。」

 

「至極まともなことを言っている!?」

 

「アナザーなドクターとはいえ違和感が…!」

 

「本当にドクターなの?」

 

「別人デース…」

 

 切歌たちは清々しい笑みを浮かべたウェル博士を君悪がっていた。

 

「うーん、それにしても後世に残すねえ…ジョンくん、それってなんだかヒーローみたいじゃない?英雄って言うのかな?」

 

 英雄というアケミの口からこぼれた言葉にクリス達は反応を示した。

 

「おいまさか!?」

 

「確かにそうですね、自分で言っておいてですが英雄か…」

 

「えええ!?」

 

 クリスたちのいたウェル博士を知っているためかクリスたちにひどい悪寒がよぎった。

 

「メンドそうですね、だったら研究とかアイドルの原石を探してる方がいいですよ。」

 

「ったくお前は反省しろ!」

 

「ドクター、そろそろお時間です。」

 

「はあっ…また呼ばれたんですか。僕らの世界も自分たちで守らないとですし、行きますね。御機嫌よう。」

 

 ウェル博士は爽谷たちを連れてその場から去った。

 

「いってらっしゃーい!」

 

 アケミが手を振る中、クリス達は呆れていた。

 

「ったく、なんでアイドルなんて考えてんだよ。」

 

「ごめんね、多分それ私のお願いなんだと思うわ。」

 

「え?」

 

「昔ね、ノイズの被害にあって生き残っちゃった家族がいたんだけどその人たち、音楽が大好きでそれを見てて思ったんだ。多くの人を歌で癒せる人がいればきっと誰かは前に進めるんだって私、ジョンくんに無理を承知でお願いしたの。そしたら彼、こう言ってくれたの。"分かりました!その夢絶対叶えましょう!"って。」

 

 アケミが近くで電話で受け答えしながら歩いているウェル博士を見つめていた。

 

「あんなこと言うなんて意外…!」

 

「それに、なんであんな奴と結婚したんだ?」

 

「私、彼が放って置けないのよね。色々責任背負ってて出来ることを探してる。頑張る人が好きだから、私も力になりたいって思っているだ。そういう理由でもいいんじゃない?これからそういう子に会えばわかるわよ。3人とも今は恋をするお年頃だものね。」

 

「も、もう!恥ずかしいこと言わないでほしいデス!」

 

「そ、それじゃあ、あばよ!」

 

 赤面する3人をアケミはニシシと笑いながら見送った。

 

「はいはーい!元気でね〜!」

 

「行っちゃいましたね、それでドクター、どうするんですか?」

 

「心配無用です。先程日本政府から連絡が入って天羽々斬という聖遺物が見つかったそうです。今後はそれの研究です。君の方も、確かアイドルを夢見る女の子を何人か見つけたんでしょ?」

 

「はい、彼女たちは歌うのが好きそうなので事務所さえ立ち上げれば必ず…」

 

 爽谷が見つけた原石と記されたリストを見てウェル博士は不敵に笑みを浮かべた。

 

「明日のアイドルたちですか。行きますよ!僕たちのアイドル道はここからです!」

 

 ウェル博士はアイドル道へ、クリス達は元の世界に戻った。世界は違えど別の朝が彼女たちにはやってくるのだ。


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