戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
それから本部に戻ると3人は経緯を説明した。
「驚いた、ドクターがいたなんて…」
「うーん、ドクターねえ。年下なら良かったんだけどなあ…爽谷、あの人がお兄ちゃんだったら嬉しい?」
「ええ…ちょっと困るかな。」
アケミと爽谷も流石の事態に困惑が隠せなかった。
「まあそんなことは置いといてだ。あっちにはシンフォギアの技術そのものを渡すことはできねえかおっさん?」
「うむ…それはできないな。やはり櫻井理論もまだ全てが解明したわけでもないし世界のバランスを壊しかねない行為には慎重にならなくては…」
「そうですね、司令の言う通りだ。とりあえず今後することときたらそのノイズの対策だ。エル、頼む。」
「はい、皆さんの話を推測する限りですが…今回のノイズは聖遺物の性質で取り込まれたものによると考えられます。」
「以前のクジラやイカのノイズがいたでしょ?あれみたいなものね。」
マリアがすかさずエルフナインの補足をした。本部もただジッとしてはおらずちゃんと現れた武者ノイズに関しての情報収集及び仮定を立てて対策を練っていた。
「ありがとうエルフナイン。けど対策って言ってもどうするんですか、拓実さん?」
「簡単なことだ。奴らと同じ土俵に上がれればいいのさ。」
「?」
拓実に発言に3人は首を傾げた。
「つまりはこれから心象変化の特訓をすればいいんだよ!」
「おいおいマジで言ってのか!?」
「ああ、マジだともさ。知は力なりってな。知識が時には勝つ時だってあるんだ。その提案は3人がいない間にマリアさんが出してくれたんだ。」
「心象変化でもしないと翼の負担が大きくなっちゃうでしょ?そう言うことよ。」
「ということでだ、3人には俺と拓実くん、緒川に翼の4人が担当になるぞ!」
「こりゃまたハードになりそうだな…」
それから3人は武士や忍者の映画を見せられ、緒川監修の元で実演することになった。
さらには翼と拓実の防人語教室などと言うものも受けさせられた。ちなみに拓実は通訳が主であった。
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「よし、これで一通りの特訓は終了だ!ほれ、卒業証書だ!」
拓実が3人分の卒業証書を渡した。
「さあ、俺や翼さんに見せてくれよ。その成果を!」
「言われなくてもそのつもりだ!行くぞお前ら!」
「はいデス!」
「了解…」
「Various shul shagana tron」
「Zeios igalima raizen tron」
3人は姿を変えると翼と拓実は笑みを浮かべてうなづいた。
「それがお前たちの…」
「新たな力だ!」
クリスのイチイバルは着物のようなものに、切歌は花魁を思わせるような姿に、調は忍者へとそれぞれギアを変化させていた。
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和装ギアを手に入れた3人はすぐさまとんぼ返りでギャラルホルンで戻った。
「いいか忘れるな、お前らはまだまだなりたて。3人で息を合わせることを忘れちゃいけないぜ。」
「お互いに背を預けて危難を打ち払うのだ。」
翼と拓実が3人を見送った。
ゲートから出た3人は早速武者ノイズ6体に遭遇した。
「準備運動にはちょうどいいな!今度は負けねえぞ。」
「鍛え上げたあたしたちの力を見るデス!」
「負けない…」
クリスたちはギアを纏ってすぐさまノイズに挑んだ。
「行くぞ!」
幸い近くにはデジモンはおらず、クリスたちは和装ギアの力を発揮し最初の頃よりも有利に立ち回っていた。
「相手の動きがわかる!」
「最初の頃とは大違いデス!」
調はアームドギアは手裏剣に変化しており投擲しながらヨーヨーのような機動性こそ無くなれど、相手の背後や死角への攻撃に関してはヨーヨーよりも当たり判定は大きくなっていた。
一方の切歌も鎌から薙刀へと変化しており戦い方は元のギアと相違なかったが戦い方としては薙ぎ払う方に力を入れていた。
「どりゃあああああデェス!」
クリス自体はアームドギアは大きく変化しておらずボウガンや長弓状に変えながら間接攻撃で攻め立てた。
「どんなもんだ!」
武者ノイズはあっという間に間合いを取られ、あっさりと押し負けていた。
「トドメ!」
「やったるデス!」
「これで終いだ!」
<殺Χ式・裂風残車輪>
<虚激・威Sゥん暴uシ>
<QUEEN’S ABYSS>
無数の手裏剣の攻撃と十字に振り下ろされた薙刀の斬撃とエネルギーを凝縮した一発が同時に命中し、ノイズ達はかけらを残して消滅した。
「これは…!」
駆けつけたウェル博士たちはその光景に驚きを隠せずにいた。
「素晴らしい…!素晴らしいですよ!」
「これであなたの長年の野望が熟して来たのですね。」
「爽谷くん、そうですね。チャンスが回ってきたと言うわけですね。」
ウェル博士の野望とは何か?少なくともまともなものではないがこの時の3人はまだ気づいていなかった。