戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
それと久しぶりのキャラが出て来ますよ。
さて、明日2018年5月5日はデジモンtri6章の公開日になりますが皆さんはどう思いますか?
やはり、賛否両論あるかと思いますが個人的には「如何なる結果であろうともう一度初代のデジモンがやるのならリアル世代でない自分はただ楽しみたい。」と思ってます。果たしてどうなるのか、大変楽しみです。
洞窟らしき場所には聖遺物らしきものが名前のタグがつけられて散乱していた。そして何者かがデジヴァイスと二枚のデジメモリをその手に握っていた。
「時は来た…これから始まるんだ。恐怖による新時代の夜明けがな。」
学祭から数日経ったある日、装者たちの緊急ミーティングが行われた。翼とマリアも緊急招集を受けて日本に帰国して、本部に到着した。全員を待っている弦十郎の表情は何処と無く不安そうなものであった。
「装者一同集合しました!」
「ではミーティングを始めよう。」
弦十郎の合図でモニターが表示されるとそこに映っていたのはなんらかの施設であった。
「数日後にロシア政府が我らに起動実験に携わってほしいとの依頼が先日届いたのだ。それと同時に…藤尭、頼む。」
「はい、司令。」
藤尭が画面を切り替えるとそこには廃墟のような施設とデジメモリが表示されていた。
「何?これは…?」
マリアがうなづくとその横で施設を見ていた切歌は何かに気がついて指をさした。
「ここ、アメリカ政府の施設じゃないデスか!?ほら、そこに国旗があるデス…」
「本当だ…」
ワームモンも切歌の指差す方向を見てアメリカ国旗を発見した。
「そう、ここ最近何者かがアメリカ政府の旧FISの研究施設を襲撃して、その研究成果やデジメモリさらにはApo-calypseと呼ばれるものも強奪されたそうだ。」
「Apo-calypseだって!?」
「?知ってるの?」
動揺した爽谷を見て調は尋ねた。
「うん、Apo-calypseについて話すにはまずデジメモリから話す必要があるね。みんなも知っているだろうけど、アメリカ政府が最初に聖遺物以外でノイズの位相差障壁をものともしないデジモンの性質に目をつけてこの世界に現れたデジモンのデータの一部を圧縮して力の一部として残すことに成功したんだ。それがデジメモリ…」
「ああ、そうらしいな。デジメモリは暴走したデジモンがタマゴに戻った際の暴走時に伴った残留エネルギーであるウイルスをそのまま圧縮あるいはデジモン自らが力の一端を圧縮させて作ったものだったな。そうしたら再びデジタマから孵っても暴走しなくなるだろ?」
拓実も補足すると爽谷がうなづいて首筋をなぞり出した。
「そしてアメリカ政府は自ら生み出した力で世界のデジモン技術においても最大手を得るためさらなる段階を踏んだ。それがフュージョンレボリューション…!人間を擬似的なデジモンの姿へと進化させることでノイズとの戦闘を可能にし戦争においても巨大な戦力になるとされている…」
「おい、それって今のお前には無くなったもんだろ!?それとアポなんとかとどんな関係があるんだよ!」
クリスが尋ねると爽谷がデジヴァイスを取り出した。
「Apo-calypseは本来、人とデジモンとの融合を密接にするため、デジモンの力のデータを書き換えて人間の遺伝子に馴染むようにするための謂わばLiNKERのようなものなんだ。
僕自身、それを補給してたからフロンティア事変の時に戦えてたんだ。その秘薬は神経に少しのダメージを負わせる代わりに定期的な摂取を必要としなくなるっていう効果があったんだ。一応中和剤はあるんだけど僕が手術を受けたときはあったけど今はどうなのか…」
「冷泉の力の源はその薬だったのか…」
「たしかに私があなたに関して突き放していた時もあなたは錯乱していた。あれもその薬のせいだったのね。」
「はい、そういうことになります。」
「そんな危険なものが盗まれたなんて…!」
響も危機感をあらわにしていた。ただでさえ、厄介だった技術を何者かが悪用すれば大変な被害が起こるだろうということがすぐにわかっていた。
「…しかも、それだけじゃないんだ。」
藤尭が切り替えると今度は神社や博物館などの画像が現れた。それらは何かにより壊された後が見られていた。
「それと並行して何者かが次々と世界各国にある聖遺物、ならびに哲学兵装を奪ってったみたい。さらには…」
友里が表情を気難しくしながら、墓標の画像を表示した。そこにあった何かを見て拓実は表情を険しくさせた。
「あいつはドクターウェル!!」
「おい、あいつのネフィリムの左腕がねえぞ!!」
クリスがウェル博士の遺体らしきものに違和感を覚えていた。
「そう、ウェル博士の墓も同時に何者かに荒らさて、ネフィリムの力だった左腕のみが切断された遺体が放置されていたのを今朝住民の通報で発見されたんだ。
その際にいくつかの一般人らの墓も荒らされて掘り起こされてた痕跡も発見されたんだ。警備員が徘徊していたもののどうも何者かに後ろから襲われたとして現在SONGのエージェントが捜索中だ。」
「司令、マムは!マムは無事なの!?」
マリアの一言で弦十郎は顔元を緩めた。
「幸い、ナスターシャ教授の墓は無事だったそうだ。掘り起こされたのはウェル博士の周辺だけだったため問題はなかったんだ。」
「ありがとう、安心したわ。」
「でも、いくらドクターと言えども死んだ人が眠っているところを荒らすなんて許せない。」
「関係のないおじいちゃん、おばあちゃんのバチが当たるデスよ。」
そのことを聞いてマリアたちは安堵の表情を浮かべるとともに犯人への怒りを募らせていた。
「師匠、一体誰がこんなことを?」
響が尋ねたが弦十郎には答えられなかった。
「皆目見当もつかないな。考えられるとしたらアヌンナキの関係者かあるいはパヴァリアの残党か…」
その場に重い空気が流れた。
____________________________
一向に暗い雰囲気が漂う中、数日後にロシアへと向かった。未来にはすでに響から話を聞いており、お土産を持って帰ると響が約束してSONGはシベリアにて起動実験の見張りを担当していた。
「それでは、説明いたします。今回起動実験を行う聖遺物はスラブ神話の神であるチェルノボグとベロボーグの杖2つになります。この2人はそれぞれ神話では相反する存在としての言い伝えがあります。」
「言い伝え?」
エルフナインの解説の首をかしげるとエルフナインが画像を提示して来た。
「古来からチェルノボグは黒い神とされ夜や悪といった負の面が、ベロボーグは白い神とされ昼や善といった正の面の伝承があるとされています。」
「まるでコインの裏表だな。」
拓実がエルフナインにそういうとうんうんと響はうなづいた。
「でもさ…ここ寒すぎない!?」
今のロシアは日本の冬並みの寒さであった。そのため見張り番は一時間毎に交代して見張りを行なっていた。今は装者たちが外の見張りをし、拓実や爽谷は内部の徘徊を行なっていた。当然全員は慣れない寒さを前にして互いに気を配りながら見張っていた。
「世界で一番寒いのは伊達じゃないデス…」
「火系統のデジモンのデジメモリをロシア政府は大量に持ってる噂はこういうことなのかもね…」
「風邪引くデスよぉ…」
「切歌、無茶はダメよ。」
装者全員は実験中のため慎重に見張りをしながら護衛用のメラモンでなんとか寒さを防いでいた。拓実と爽谷は内部にて弦十郎たちと共に実験の様子を観察していた。
「おやおや、随分みっともない格好を晒してるじゃないか。」
近くの木々から聞こえた声に全員身構えた。
そこには、かつてのパヴァリア光明結社と対立していたリコリスがいた。その視線はかつてよりも鋭くなっており威圧感を放っていた。
「なんのつもりだ、リコリス・タオ=リヒト!」
翼がペンダントを構えた。するとリコリスが翼の目の前に現れペンダントを奪い取ってそれを手で掴みながら見渡していた。
「別に…少し起動実験に興味があってね。これを見ろ!」
リコリスが翼にペンダントを投げつけ、手をかざすと風のバリアによってデジヴァイスと2枚のメモリを見せつけて来た。
「それはまさか…!」
「そう、アメリカ政府から奪い取ったデジメモリと新型デジヴァイスを改造したのさ。パヴァリアの研究施設を再利用してなぁ!」
「てめえが今まで人様のとこで盗人したり墓を荒らしてたんだな!?」
クリスが尋ねるとリコリスはクリスの目の前に急接近していた。
「なかなか鋭いじゃないか。少しだけ褒めてやるよ。」
「どうして!?サンジェルマンさんはもういない!あなたには守るものはないって…」
響が尋ねたがリコリスはああと思い出したかのように呟いた。
「たしかにあいつは死に、俺は全てを失った。
しかしあいつを失って初めて気づいたことがある。この世界はあまりに腐りすぎた。高潔な信念や理想はゴミどもの腐敗しきったプライドのせいで余計な犠牲がないと叶わない。そして救う価値もない連中がのさばっている。悲しいモンだよなあ…」
物悲しそうに空をリコリスは眺めた。
「なあ、お前らはそんな理想や綺麗事を妨げるゴミどもに守る価値があるとでも本気で思ってんのか?」
響の正面に現れたリコリスはすぐに瞬間移動してマリアの背後に現れ、その髪に触れた。
「お気楽なもんだよなぁ…どのみちアヌンナキの支配が始まればお前たちは必ずわかり合おうとするだろうが、それは無意味だ。」
「何を言っている!?」
マリアが殴りかかろうとしたが今度は調の横に立ってシャボン玉を吹き出した。
「神からすれば地上の命など全て泡沫に等しい。わかり合おうとするはずがないんだよ。神すら殺す力を使え!俺は知っているぞ…お前の中に眠る力を…何を迷うことがあるんだ?」
リコリスは横目で響を睨みながら、クリスの後ろに立った。
「お前もそうは思わないか?」
そして後ろから顔を近づけリコリスはクリスの肩に顎を乗せて笑みを浮かべた。
「俺はこれから人類の国家を崩す…そして混沌から新たな時代を作る!そのためにはある程度の人間には絶望の色に染まってもらわないと困るんだよ。」
「絶望!?てめえ、ほざくんじゃねえ!」
逆上したクリスの攻撃を受け止め、リコリスは余裕そうな表情で受け流した。
「ほざく?お前らはそう思ってるんだろうな。だが考えて見ろ?お前たちの知らないところで人は人を切り捨て成り上がり、不幸をなすりつけて私欲を貪り、自分だけがどうにかなりたいというくだらない希望にすがりつくほど醜いものさ。現にそういったものをお前らは知ってるはずだが?」
「だとしても…!「それ以外にいい面はあると?ヒャハハハ!!」」
響も感情的になってした反論をあっさりかき消したリコリスは響にデジヴァイスを構えた。
「どれだけお前らが尽くそうが結局クズどもは減らない。まともなやつから死んでいく世だからこそ人類に必要なのは理解ではない。破滅の道でしか人類は進化しないのさ!」
「そんな…」
「それに…お前らも同類だろ?存在するだけで誰かを守れてるんだろうが俺から言わせたら、お前らは厄病神と救世主のタイトロープを歩いてるに過ぎないのさ。」
「勝手こと言うなデス!」
「勝手?俺はそれを正しいと正当化した上で動いてる。力とは己の理想のために使うべきだ!存在意義を持たない個人まで守る必要はない!!」
「それでも!大切な人を奪っていいわけがない!誰とも笑えずに涙を流すなんてあっちゃいけない。」
調も声を荒げて反論をするがなおも不敵な笑みを浮かべてリコリスは瞬間移動で全員の前に一人一人現れて顔を間近で見つめていた。
「そうかな?お前らは気づいてるはずだ。この世界には滅ぶべき奴が多すぎることをな。
破滅こそが慈悲なんだよ。そして新たな力ある人類たちに恐怖の感情を刷り込んで新たな時代を築き上げる!それこそが俺の革命だ!」
「ふざけるな、貴様の思い通りになどさせるものか!!」
「あくまで邪魔をするのであれば容赦はしない。お前たちも平和を望んでいると思ったんだが残念だな。まあ綺麗事が似合うお前らに対しては想定内さ。もっとも、お前らじゃ壊すことしか能がないかもしれないな、昔もこれからも…はあっ!」
リコリスは風の術式を貼って響たちを吹き飛ばした。
____________________________
「くっ…!」
「さて、始めるぞ。」
メモリを取り出したリコリスはニヤリと笑いだした。
「ヴァンデモン、ピエモン。お前たちの力…頂くぞ!俺の物となれ!!」
<ヴァンデモン、ピエモン!フュージョンレレボリューション!!>
すると闇の波動が発生して研究施設を襲った。
「なんだ!?」
「高エネルギー反応あり、装者たちの警備しているエリアに出現しました!」
全員吹き飛ばされたかに見えたがデジモンを進化させてなんとか窮地を脱していた。
「大丈夫?みんな…」
「ああ…」
そして波動とともに異形のデジモンが全員を見下ろしていた。
「ジョグレス進化…ボルトバウタモン!」
ボルトバウタモン参戦です。このためにNext orderのストーリーをなんとかして把握しました。そして現れたリコリス、彼もサンジェルマンとは異なる信念で彼女は「弱者を支配者から解放する」でしたが彼の場合は完全に「偉いやつやそうでもないやつを取り敢えず殺して恐怖で世界を包み込む」という無茶苦茶なものになってます。その上響たちを否定するような物言いで接し、ちょっかいも出してくるっていう厄介なキャラに今後していきたいなあって思ってます。
そしてウェル博士にナスターシャ教授も久しぶりの現実世界における出番(笑)です。しかしウェル博士に関しては左腕を切断されて再登場っていう扱いですがwww
では久しぶりのcm風あとがきどうぞ!
「ふざけるな!どうして僕が死体で再登場なんだよ!?僕は何かやったか!?」
「ドクターウェル、落ち着きなさい。」
「ああん!?あんたには分からないでしょうねえ!醤油のおかげであのガキにスルーされたあなたにはねえ!(涙目」
第106回 ウェル博士、ナスターシャ共助(in墓地)