戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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次回からは2回戦になります。シード枠のキャラクターもでて来ますよ。その分、装者同士でもデジモンでの戦いが多くなっていきます。

では今回の未来さんと響ちゃん2人の対戦相手のプロフィールを載せます。

羽馬 貴之
性別:31
年齢:男
性格:誠実
好きなもの:キャラメル
苦手なもの:炭酸飲料
誕生日:10月29日

礼儀正しい性格で普段は飛行機のパイロットを務めている。常に相手に敬意を払うよう行動しているも、時々それを忘れてしまうこともしばしば。


深月 フウ

性別:女
年齢:17
性格:天真爛漫
好きなもの:飴玉
苦手なもの:酢昆布
誕生日:7月7日

とにかくテンションの高い北海道のチビマリモ。アクティブな性格でよくドジを踏む。
クリス曰くバカと同じ、未来曰く響ほどではないが元気な子


第172話 1回戦終了!

 切歌とレイの試合が終わった。結果は切歌のジュエルビーモンによる辛勝であったものの、無事2回戦に進出した。

 

「次は私だね。私の相手は、羽馬 貴之さん?」

 

「彼と戦うのかい?」

 

 振り返ると砂山がメモ帳に何かを記していた。

 

「砂山さん!」

 

「羽馬くんはヘリのパイロットが職業で予選ではパートナーのホークモンと共に予選を快勝した第5会場のテイマーさ。」

 

「そうだったんですか…ありがとうございます。」

 

 未来が入場口に入ると爽やかな笑みを浮かべた長身の青年が反対側に立っていた。

 

「よろしくお願いします、羽馬貴之です。良い試合にしましょう。この広き空で戦えることに感謝しましょう。」

 

「はい。」

 

 未来と羽馬はデジヴァイスを構えた。

 

「さあ、1回戦もようやく折り返し地点よ!戦うのは鳥デジモン同士、空の戦いが期待できるわ!!」

 

 マリアの実況のもとで試合が始まった。

 

「マジカルファイアー!」

 

 ピヨモンが先制を仕掛けたがホークモンをそれをひらりとかわし頭部の羽を投げてカウンターに成功した。

 

「ホークモン!アクィラモンに進化するんだ!羽ばたけ!」

 

「了解です!!」

 

「ピヨモン、こっちも進化だよ!」

 

「うん、未来!!」

 

「ホークモン進化、アクィラモン!!」

 

「ピヨモン進化、バードラモン!!」

 

 2体はジャンプして空中で光に包まれると互いにぶつかり合った。アクィラモンは自慢の角でバードラモンの脚部を押さえつけていたがパワーではバードラモンの方が有利だった。

 

「未来が有利だ、やったああ!!」

 

 響とアグモンは早くも浮かれていた。

 

「立花、少々浮かれすぎではないか?いくら小日向が気にかかるとはいえ、まだ始まったばかりだぞ?」

 

 翼もため息混じりに首を傾げた。

 

「すぐはしゃぐとろくなことが起きねえぞ。」

 

 クリスも呆れながら響にツッコミを入れた。

 

「バードラモン、このまま押し込んで!!」

 

「うん、任せて未来!」

 

 バードラモンは至近距離から必殺のメテオウイングを放とうとしていた。

 

「アクィラモン、やつに隙が生じた!風を身に感じてあの技を使うんだ!」

 

「分かりました!ブラストレイザー!!」

 

「なに!?うわああああああ!!!」

 

 翼にリング状の光線を受けたバードラモンは急速に地面に落下していった。

 

「トドメだ!アクィラモン、グライドホーンで決めるんだ!!」

 

「グライドホーン!!」

 

 落下していく中の追い討ち攻撃でバードラモンは地面に叩きつけられた。

 

「バードラモン!!」

 

 未来が見たのは気絶したバードラモンだった。

 

「そんな…!未来が負けるの?」

 

 響が唖然とした表情でバードラモンを見守っていた。

 

「お願い立ってバードラモン!響と一緒に約束したんだから頑張ろうよ!バードラモン!!」

 

 未来が声援を送るとバードラモンはボロボロになりながら立ち上がった。

 

「やめておけばいいものを…翼をちぎられた鳥に待つのは転落のみだ。」

 

 貴之が難しい表情を浮かべた。

 

「未来、もう一度私に飛ぶための力を頂戴!!」

 

 未来はそれを聞いて首を縦に振ってデジヴァイスを構えた。

 

「バードラモン超進化、ガルダモン!!」

 

 アクィラモンを握りしめたガルダモンはスタミナが残り少ない状況下で追い詰めていた。

 

「アクィラモン、相手のガルダモンはもうスタミナが残り少ない!体力を温存しながら翻弄するんだ!!」

 

「はい!」

 

 アクィラモンは旋回しつつ素早い飛行でガルダモンを攻撃していたがガルダモンはそれをも耐えていた。

 

「私は負けない!未来のために!!」

 

 するとアクィラモンを再び掴み、パンチで空に投げ飛ばした。アクィラモンも体勢を立て直す時すらガルダモンは与えなかった。

 

「うわあああああああああ!!!!」

 

「シャドーウイング!!」

 

 空中で防御の取れないアクィラモンをガルダモンの渾身の一撃が襲い、進化が解かれ気絶した。

 

「勝負あり!この試合、ギリギリの戦いを制して小日向 未来の勝利!!」

 

 会場も未来に戦いに対して賞賛の拍手を送っていた。

 

「おめでとうございます、健闘を祈りますよ。」

 

「貴之さん…」

 

 羽馬は何も言わずにその場を去った。

 

「なんとか勝った〜!心配したよ、未来!」

 

「響より先に負けたくなかったからね。」

 

 未来もふふふと笑みを見せた。

 

「意外と負けず嫌いなんだな。」

 

「そうかもしれないね、クリス。響が次の次だけど負けないでね。」

 

「うん、負けないよ。誰が来たって負けるもんか!」

 

 響は静かに自分の試合がくるのを待ちわびていた。

____________________

 

 第9試合は第2会場の室蘭 悠と第3会場の宮間 莉嘉が戦いを繰り広げていた。開始早々にライラモンに進化させて有利に事を運んでいた悠だったが莉嘉のエンジェモンの耐久力とスピードに次第に押されていた。

 

「エンジェモン、今よ!!」

 

「ああ、ヘブンズナックル!!」

 

「きゃあああああ!!!」

 

 ライラモンはエンジェモンの一撃で倒された。

 

「くっ…」

 

「第9回戦終了!勝者は宮間莉嘉!!これで残すはあと1試合。最後まで応援頼むわよ!」

 

「それじゃ行ってくるね、未来!待っててね。」

 

「うん、待ってる。」

 

 未来が笑顔で響を送り届けていた。

 

「おおお!!!君が私の大戦相手だね!?」

 

 響の後ろにはテンション高めのフウが立っていた。

 

「いやぁ〜お互い最後のとりを任されちゃったよね〜!」

 

「そ、そうだね〜ははは…」

 

 響とフウが緊迫した中で笑い合うと互いに握手を交わした。

 

「よろしくね、フウちゃん!」

 

「うん、わたしも全力で行くからね!」

 

 会場に入った2人が見たのは観客の歓声だった。

 

「さあ一回戦も残るはこの試合のみ!勝ったテイマーが2回戦に進出よ!オーディエンスの諸君も今しばらくこの戦いに魅入ってほしい。付いてこれるか!?」

 

「おー!!」「もっちろん!」

 

「では1回戦最終戦を始めるわ!立花響と深月 フウの戦いよ!」

 

 マリアが入場してきた2人を指した。2人はデジヴァイスを構えて電脳空間の山岳地帯へと飛ばされた。

 

「アグモン!」

 

「テリアモン!」

 

 2人のパートナーが現れ互いに掴みかかっていた。

 

「どっちも可愛らしいですわね。」

 

「アニメでいうとこの萌えキャラ同士のバトルか…どうなんだろうな?」

 

「いや、そこ関係ないっしょ。」

 

 寺島と板場の横に安藤も戻って来ていた。

 

「響、頑張ってくれよ!!」

 

 響の父である晄もどこかに移動しながら響の試合を応援していた。

 

「良かったのか?チケット手に入ったかもしれないんだぞ?」

 

「いいさ、シャコモン。響には響のすることがある。なら俺は俺の取り戻したもののために何かをするんだ。」

 

 晄がシャコモンに対して微笑みながら会場の方向を向いた。

 

「お前、変わったな。」

 

 

「メガフレイム!」

 

「ダムダムアッパー!」

 

 アグモンが進化してグレイモンとなり、メガフレイムでダメージを与えようとしたがテリアモンの進化したガルゴモンの剛腕で弾き返されてしまった。

 

「グレイモン!」

 

「うん、そら!」

 

 グレイモンは尻尾で打ち返されたメガフレイムをさらに跳ね返して命中させることに成功した。

 

(いつもクダモンに鍛えられてたから火球を跳ね返された対策は練ってるんだ!)

 

「ええ〜!?跳ね返しちゃう〜?でもこれからなんだよね〜!!」

 

 フウがデジヴァイスを構えるとガルゴモンは光とともに空に飛び上からグレイモンを殴り飛ばした。

 

「ラピッドモン!やっちゃって!やっちゃって!」

 

「ラピッドファイア!!」

 

 ラピッドモンの容赦ない攻撃にグレイモンは押されていた。

 

「随分、火力に物を言わせた戦いをするんだな。立花さんはこっからどうするかな?」

 

「響さんもトレーニングを積んでるから大丈夫デェス!拓実さんは心配しすぎデスよ。」

 

「いや、心配はしてないからな。ただどうなるかなってのを楽しみに…」

 

「ああ!!響のグレイモンが膝を!」

 

 拓実の声を遮って未来が立ち上がった。

 

「大丈夫グレイモン!?」

 

「うん、超進化しよう!」

 

「そうだね!!」

 

 響が息の上がったグレイモンをメタルグレイモンに進化させてラピッドに対抗していたが小回りのきくラピッドモンには有効打を与えられなかった。

 

「ほらほら行くよぉ〜!!ラピッドモン、アレを出すよ!」

 

「うん!!」

 

 2人は両腕を突き出した。

 

「まずい、メタルグレイモン!!」

 

 メタルグレイモンも防御態勢を取る中ラピッドモンの腕にエネルギーが収束していた。

 

「「ゴールデントライアングル!!」」

 

 腕からのレーザー攻撃が放たれメタルグレイモンは光線に包まれた。

 

「嘘だろ!?あのバカが負けた…?」

 

「響いいいいいい!!!」

 

「ラピッドモンの必殺技ゴールデントライアングルがメタルグレイモンを容赦なく襲う!スピード、テクニックで上回られたメタルグレイモンに勝ち目はあるのか!?」

 

 マリアの実況で会場に緊張感が走っていた。響予選では第2位ではあるものの、ほぼ個人戦で無双していたため優勝候補に数えられていたのだ。

 

「メタルグレイモン、大丈夫!?」

 

「う、うん…でももう力が出ない…」

 

 メタルグレイモンももうまともに立てるような気力もなく、フラフラしていた。

 

「残念だね、響ちゃん。もうおしまいだよ!ラピッドモン、もう一回行くよ!」

 

「オッケー!」

 

(負けない!こんなところで負けるわけにはいかない!)

 

 響はラピッドモンを見つめていた。エネルギー収束の中響は一か八かの賭けに出た。

 

「いまだメタルグレイモン!最後の力を振り絞った一発を撃って!」

 

「うん…!うおおおおおおおお、ギガデストロイヤー!!」

 

 最後の気力を振り絞って放った必殺のギガデストロイヤーはエネルギーチャージをしていたラピッドモンに命中した。

 

「ここでメタルグレイモンはギガデストロイヤーを放ったが果たしてどうなったのか!?」

 

 爆煙が晴れるとそこには気絶したテリアモンがいた。

 

「どうやら、ゴールデントライアングルはエネルギーを一点に集めて放出する必殺技みたいね。だからチャージ中のダメージはエネルギーを拡散させて一気に消耗させてしまう効果がある。見事な逆転劇だ!!」

 

 会場から響を称えるかのような拍手と歓声が聞こえて来た。するとマリアのデジヴァイスから通信が届いた。

 

「そして、ここで雪音クリスと冷泉アケミの試合結果が届いたので、発表するわ!結果は僅差で雪音クリスの勝利よ!敗れてしまったけれどオーディエンスの諸君には冷泉アケミの奮闘を拍手で祝福してほしい。」

 

 会場の観客も拍手を送った。

 

「あらら…ここまで来ちゃってクリスちゃんに抜かれちゃうなんてね。頑張ってね、クリスちゃん。」

 

 アケミがクリスの肩にポンと手を置いた。

 

「ああ…でも、あんたの本気はあんなモンじゃないだろ?」

 

「あら?バレてた?時間さえなかったらお互い危なかったかもね。」

 

 クリスはやれやれと行った表情で2回戦進出を決めた。

 

____________________

 

 デジモンバトルグランプリもいよいよ2回戦に到達し、対戦カードは以下のようになった。

 

 

 第1試合

 

  花谷 咲&パルモン VS 道楽 喜代人 & ドラクモン

 

 

 第2試合

 

  砂山 キンジ&ゴブリモン VS 冷泉 爽谷&クネモン

 

 

 第3試合

 

 月読 調&キャンドモン VS 雪音 クリス&ハグルモン

 

 

 第4試合

 

 水琴拓実&ベタモン VS 暁切歌&ワームモン

 

 

 第5試合

 

 小日向未来&ピヨモン VS 宮間莉嘉&パタモン

 

 

 第6試合

 

 立花響&アグモン VS 氷室樹里 & レナモン

 

 

「さあ、早速2回戦を始めるわ!今回は2試合を同時に進行していくわ!1回戦ではまだサーバーの調整が不十分だったけれど2回戦からは同時進行で行なっていくわよ!」

 

「運営の人も大変ね。色々変更点あげて受け入れてもらわないといけないからねえ…」

 

「でもでも〜それでも楽しそうにしてくれれば良くないですか〜?」

 

 控え室には和美、アケミ、カレン、貴之、フウの敗退したテイマーたちが何やら応援団らしい格好をしていた。

 

「何してんだお前ら?」

 

「いえ、皆さんの健闘を祈って和美さんがやろうというわけで載せていただいた次第です。」

 

 貴之が首を傾げたクリスに説明すると全員うなづいた。

 

「おお!気合が入りそうデスね〜!」

 

「うん、嬉しい。」

 

 切歌と調が笑顔で応援団を歓迎した。

 

「2回戦からは強豪ぞろい!みんな、頑張ってね。」

 

 アケミが笑みを浮かべていたがこの場には悠の姿はなかった。

 

「おお、私も是非混ぜてくれ!立花や水琴たちを鼓舞したいものだからな!」

 

 翼も立ち上がると和美がハチマキを渡した。

 

「ガニニニニ、そういうことならこのハチマキをどうぞですガニッ!」

 

 響たちの控え室がワイワイしている中もう一つの控え室では悠と咲が話していた。

 

「咲さん…ごめん。僕、負けちゃった。」

 

「いいわよ、私が優勝すればいいだけだから。」

 

「クハハハハハハッ!!」

 

 2人の会話に割って入るかのようにピエロのコスプレをした青年が現れた。

 

「あなたは…」

 

「おやおや?もしかして修羅場に入り込んでしまったかな?だとしたら謝罪しよう。すまないね。」

 

 軽い態度での謝罪に2人は顔色を変えずに見つめていた。

 

「いえ…まさか咲さんの次の相手であるあなたがどうしたんですか?道楽喜代人…」

 

 悠が睨みつけたが喜代人は気楽にその場で踊っていた。

 

「君らさあ…この祭りを楽しんでるのかい?一世一代の喜劇を楽しめないと損するよ?それに…気の合う知り合いに会えるかもしれないだろうからねえ…」

 

 喜代人は会場を見てニヤリと笑みを浮かべた。

 

「いえ、大丈夫です。私と彼の問題ですのあまり干渉しないでいただきたいです。」

 

「全く…人生は遊び心で変わるんだよ?それよりお隣の控え室では応援団なるものがあるが君らはいかないのかい?まあ氷室さんには騒がしいのは苦手ということで断られてしまったがね。君らも顔を出すといいかもしれないよ?クハハハハハハハハハッ!!」

 

 喜代人は呆れたように笑みを浮かべてそう呟くと部屋をさっさと出ていった。


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