戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回の大会ですが第5会場はメンバーがいないためスルーです。そして決勝トーナメントにすでに勝ち上がったテイマーは皆さんもご存知のあの人です。今後数回は予選をお楽しみください。


第163話 開戦、津々浦々のテイマーたち!

 装者たちは各地に散らばって選手となっていた。予選のルールは以下の通りである。

 

 ・制限時間以内に相手を見つけて戦い、最も勝利数が多いものが決勝進出

 

 ・決勝進出は各ブロック3名

 

 ・戦闘中の進化や退化は自由

 

「さてと、俺もこんな遠いとこまできた以上どうするかな?」

 

「確かにね、方法としては1人で出来るだけ頑張るか誰かしらと組んで上位3位に入れればいいけど…」

 

 拓実は第6会場のある福岡に着き、周りを見回していた。他のテイマーもデジモンと会話したり、お菓子を食べたりと各々が開始を待ち望んでいた。

 

「拓実さん!?」

 

 拓実が振り返ると安藤がポカンとした表情で立っていた。

 

「安藤さん!?君も参加してたのか?」

 

「はい、ってことはビッキーやヒナもですか?」

 

「ああ、きっと別の会場にいると思うよ。」

 

「そうなんですか…」

 

 その頃、第1会場ではクリスが寒そうにしていた。クリスが送られたのは札幌というこれから猛烈な寒さが迫りつつある街だった。

 

「ったく、さっさとぶっ飛ばしてこんな寒いとこオサラバしたいぜ…」

 

「ソーダネ、ハヤクオワラセタイネ。」

 

「あっ、ねえねえ!!寒そうならこれ使いなよ。」

 

 クリスの後ろから声をかけてきたのは緑髮の少女がカイロを渡そうとしていた。

 

「寒いならこれを使って、すっごい寒そうだもん。」

 

「おう、ありがとうな。」

 

「困ったときはお互い様だよ。それじゃ後でね…どわっ!!」

 

 少女は思い切り転んでしまった。

 

「おい、大丈夫かよ!?」

 

「うん!大丈夫だよ!」

 

 少女は鼻血を垂らしていたが平気そうだった。クリスはやれやれという表情を浮かべてその場から去った。

 

(なんかあのバカみたいで調子狂いそうだな…)

 

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 第2会場の仙台では未来が辺りを見回していた。

 

「響とは、別の会場だけど大丈夫かな?やっぱり少し寂しいかも…」

 

「誰かいてくれたらね…」

 

「うん…そうだn、きゃっ!!」

 

 その時後ろから誰かの手が未来の目の前にかざされた。

 

「って、寂しいこと言ってますよアケミさん!」

 

「そうね、少なくとも未来ちゃんには寂しい思いはさせないようにしましょうか、弓美ちゃん。」

 

「アケミさん!弓美!2人もここに来たの?」

 

 未来が驚くと満面の笑みを浮かべたアケミと板場が立っていた。

 

「大丈夫よ、私たちで優勝しちゃいましょう!」

 

「おお!!」

 

「全くもう…ごめんね未来ちゃん。アケミったら響ちゃんの友達の弓美ちゃんと出会って意気投合してるの。」

 

 ピコデビモンもため息混じりに未来に謝ったが未来は笑みを浮かべて首を横に振った。

 

「大丈夫です、知ってる人がいるだけでも頑張れそうです。」

 

 不安そうな表情から一転して未来も浮かべた。

 

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 第3会場___京都

 

「さてと、みんなが離れた分僕も僕で全力を出せそうかな。」

 

「ああ。しかし、さっきからお前に対しての視線を感じるんだが…」

 

「そうかい?こんなところじゃみんながみんなそう思ってるだけだと思うよ。」

 

 クネモンの予測は当たっていた。遠くから彼をじっと見つめる視線があった。

 

「ねえ、言わなくていいの?」

 

「いいのよいいの!!その方がサプライズにはなるしね。」

 

 二つに影がそっと爽谷を見つめていた。

 

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 第4会場__大阪

 

 ここには切歌と調がいた。2人の目標は2人で決勝トーナメント出場である。そのために錚々たるテイマーたちに2人で勝つべく作戦を練っていた。

 

「ルールが分かればそれに則ってどう進めるかがわかるんだけど…」

 

「まあ、そんなこと果たして切歌は考えてるかな?」

 

「そうだね…」

 

「目指せ優勝デース!!高級ブランド肉を調と!!」

 

 切歌だけ1人意気込んでいた。目標は優勝ただ一つ…彼女は猛烈に燃えていた。

 

(火のついた切ちゃんなら優勝も夢じゃない!けど、決勝じゃいただくよ。)

 

「あら、御機嫌よう。相変わらず、おげんきそうですわね。」

 

「あっ!!寺島先輩!」

 

「これだけの人の中で勝ち残るのは3名…とはいえナイスにお互い健闘です!!」

 

「はい(デス)!!!」

 

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 第7会場__東京

 

 そして響は第7会場に入った。

 

「あれ?響じゃないか!!」

 

「嘘、お父さん!?なんでお父さんも!?」

 

 振り返るとそこにいたのは響の父親の晄だった。

 

「いやあ…今回の優勝商品でな、母さんや婆さんを悦ばせようって思ってな。」

 

「お父さん…」

 

「でも、娘にいいカッコさせてた分今回は俺もカッコつけさせてもらうぜ!じゃ、後でな。」

 

 晄はもう卑屈な表情を浮かべずに昔のような頼もしい父親の顔に戻っていた。

 

「お父さん…よし!私も頑張らないと!」

 

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 各会場も嵐の前の静けさを迎えていた。すると、モニターから音楽が流れた。そこからさらに人の姿が現れた。

 

「こんにちは、テイマーのみなさん。今回の大会の応援大使になったマリア・カデンツァヴナ・イヴです。」

 

「うっそ!?あのマリアさん!?」

 

「サプライズキタコレ!!」

 

 各会場も唐突に現れたマリアに対して驚きや喜びの声が上がっていた。

 

「では早速ルールを説明するわね。

 今から90分の間あなたたちにはひたすらテイマーたちと仮想空間で戦ってもらい、その中で勝ち数の多い上位3名が本戦に出場できるわ!

 そしてみんなにお知らせよ!大会運営からの情報だけど、参加枠として1人すでに決勝トーナメントの出場枠を決めてるってことがわかったわ!」

 

 その発言に各会場はざわついていた。

 

「誰デスか!?」

 

「分からない…でも、とてつもなく強い人だってことはわかるかもしれない…」

 

「さあ、今から90分、あなたたちとパートナーの実力で必死になりなさい!

 もうすでにレースは始まろうとしている!ついてこれる奴が付いて来い!!ここにデジモンバトルグランプリを開催する!!そして今ここに予選開始!」

 

 すると各会場には巨大化したクロックモンが現れ、選手たちは一瞬で仮想空間に送られた。そして時計を見るや否や一斉に戦いを始めた。

 

「うおおおおおおおおおおお!!!!」

 

「はあああああああああ!!!」

 

 激動のデジモンバトルグランプリがここに始まったのだ!


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