戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回は、メタルエテモン大暴れ回です。そして今回から7大魔王に関して触れることになります。それによりあいつが大変なことに…
今回や次回は長めになりそうですがそれでも読んでいただけて感謝感激です。


第15話 戦慄 リディアン崩壊!

響、翼、クリスが決着をつける少し前、リディアンには多くのノイズが暴れまわっていた。さらには、ティラノモン、クリサリモン、ガルゴモン、オタマモンにゲコモンも暴れていた。

 

「ここは任せて!小日向さんは避難を!」

 

「未来!私戦ってくる!未来と響を守るんだ。」

 

表では既に自衛隊が動いており生徒たちの安全を守っていた。

 

「分かった。気をつけてね。」

 

「うん!」

 

リディアンでは既に自衛隊と二課のオペレーターのパートナーであるテントモンとカメモンが交戦していた。

 

「あっちは囮だったのか。頼むぞ、ベタモン!」

 

「ベタモン進化!シードラモン!」

 

「おお!拓実くんか!」

 

シードラモンに乗って自衛隊と合流した拓実が共同戦線を張る。しかし位相差障壁を兼ね揃えたノイズは倒せてもほんの数体で戦況は大きく傾くことはなかった。

 

「はい!みなさん、ここは任せてください!」

 

「すまない、任せた!」

 

シードラモンがノイズの一掃にかかっていた。ノイズの注意はシードラモンに向きはしたものの、デジモンは未だ暴れたままだった。

 

「早くこっちに!」

 

この隙に未来は教員達とともに何人かの生徒を避難させていた。自衛隊達も戦況が不利であると早期に悟り、武器に余裕のあるもの達を殿に、生徒達とともに避難することになった。

 

「きゃああああああ!!!」

 

オタマモンに襲われそうになった生徒を拓実鉄パイプを拾って殴打して助けた。

 

「早く避難場所へ!生きるのを諦めないで、あと少しだ!」

 

「ありがとうございます!」

 

生徒は走っていった。拓実は自衛隊の隊員たちと共に鉄パイプでオタマモンとゲコモンを殴り飛ばした。

 

「これ以上勝手に暴れないでもらおうか!」

 

<ピッコロモン!デジメモリオン!>

 

「ビットボム!」

 

ビットボムでゲコモンを一掃したピッコロモンは自慢の槍であるフェアリーテイルでオタマモンを全滅させた。

 

「さすがは完全体!」

 

「お見事でんな、拓実はん!」

 

「お見事に、全部を、ご苦労さん!」

 

「藤堯さんのカブテリモンに友里さんのガワッパモンか、助かった!」

 

カブテリモンとカメモンの進化形__ガワッパモンはたまたまリディアンの監視をしたところノイズが現れたのだ。

 

「じゃあ、お二人はシードラモンの援護を!」

 

「ああ!!任しとけぃ!」

 

ガワッパモンとカブテリモンはシードラモンの援護に向かった。しかし、シードラモンも成熟期3体に苦しんでいた。

 

「くそっ!3対1かよ!」

 

「ええや!これで五分ですわ!」

 

メガブラスターとDJシューターでティラノモンとクリサリモンは吹き飛ばされた。

 

「わいらでなんとかしまひょ!」

 

「ああ!」

 

「ったく、おっそいわねえ!」

 

その時暗黒の球体とともに一体のデジモンが現れた。ティラノモンとクリサリモン、ガルゴモンはそれに巻き込まれ、デジタマに戻った。

 

「お前は!エテモン!?」

 

「いいえ!あちきは今日からメタルエテモンに生まれ変わったのよ!」

 

「メタルエテモン!?」

 

その様子を物陰から見ていた拓実はデジヴァイスで連絡を取る。

 

「藤堯さん!友里さん!厄介なのが現れました。カブテリモンとガワッパモンを完全体への進化をお願いします。」

 

拓実はメタルエテモンのただならぬオーラを察し、通信機で連絡した。二課では現在響たちの戦いを見守りつつも周囲に敵がいないのかの調査を続行していた。

 

「分かった!この状況だ!」

 

「任せて!私たちの力を見せてあげるわ!」

 

次の瞬間である、カブテリモンとガワッパモンが光に包まれた。

 

「カブテリモン!超進化ああああああ!!」

 

「ガワッパモン!超進化あああ!!!」

 

カブテリモンが青いカブトムシの姿に変わり、ガワッパモンはカッパの姿をした魔人に進化した。

 

「俺たちも行くぞ!」

 

「シードラモン!超進化ああ!!メガシードラモン!」

 

完全体3体が向かって行く中それらの攻撃をメタルエテモンは軽くいなした。

 

「何よ!?そんなもの?」

 

反撃を受け進化したばかりの三体が追い込まれていく。

 

「だったら!一斉にッ!!」

 

  <クアトルモン!デジメモリオン!>

 

「フリーズウェーブ!」

 

螺旋状の光線を放ったクアトルモンだったが、メタルエテモンはそれを片手で受け止めた。

 

「今だ!同時攻撃だ!!」

 

「サンダージャベリン!」

 

「ホーンバスター!」

 

「降妖杖・渦紋の陣(こうようじょう・かもんのじん)!」

 

メタルエテモンに向けて更に3体の完全体の攻撃を受けたが平気だった。

 

「嘘だろ!?」

 

「じゃあこっちの番ね。ダークスピリッツ!」

 

光弾らしき攻撃で3体はあっという間に成長期に戻ってしまった。

 

(強い…ここは逃げるしかない!)

 

「覚えてろ!」

 

 <イッカクモン!デジメモリオン!>

 

「ハープーンバルカン!」

 

ハープーンバルカンを囮にして拓実はデジモンをまとめて抱え込み、その場から去った。

 

「逃がさないわよお!」

 

____________________

 

一方、メタルエテモンが現れる前に生徒の避難に関しては進んではいた。しかし生徒はもちろん、未来にも不安の表情が残った。そこに安藤、板場、寺島が近づいてきた。

 

「ひな!どうなってるの?」

 

「学校が襲われるってアニメじゃないのよ!?」

 

「みんなも早く!」

 

「小日向さんも!」

 

「ごめん!取り残された人がいないのか見てくる!」

 

未来が走り出した。

 

「ひな!」

 

「きみたち!はやく避難を!校舎内にもすでにノイズが…」

 

そういうと自衛隊の1人がノイズに貫かれ3人の目の前で炭化した。それを見た3人は悍ましいものを見たような表情を浮かべた。

 

「いやあああああああああああ!!!!」

 

そして板場が悲鳴をあげた。

 

その時、悲鳴を聞きつけたクリサリモンが現れた。その赤い目が三人を容赦なく見つめ、襲い掛かる。

 

「こいつ!よくも弓美を!」

 

「クリーは僕が守る!」

 

「あんた…許さない!」

 

ゴツモン、マッシュモン、フローラモンが咄嗟にデジヴァイスから飛び出した。

 

「マッシュー!」

 

「フローラちゃん!」

 

「ゴツモン…?」

 

「「「はやくエレベーターへ!」」」

 

「僕たちが食い止めるよ!」

 

「アングリーロック!」

 

ゴツモンが口から岩を吐き、クリサリモンが怯んだ。

 

その隙に3人はエレベーターに近づいた。

 

「アレルギーシャワー!」

 

「ポイズン・ス・マッシュ!」

 

花粉とキノコ爆弾が攻撃しようとしたがクリサリモンにかわされた。

 

「データクラッシャー!」

 

3体はあっという間に追い詰められエレベーター前の3人の元に転がった。いずれも真正面からの命中であり、かなりのダメージを受けていた。

 

「「「ぐわああああああああああああ!!!!」」」

 

鈍い音共に三体はあえなく地面に落下する。

 

「嫌…嫌だよ!ゴツモン!」

 

「ごめん…」

 

「フローラちゃん!?」

 

「通じなかった…あいつ…成熟期だよ…」

 

「悔しいよ…みんなを守れない…」

 

「そんなことない、マッシューは頑張ったよ!」

 

3人がパートナーを助け起こしたがクリサリモンがそんなことなど構わずに3人を襲おうとした。

 

「「「きゃあああああ!!!」」」

 

「弓美!」「詩織!」「クリー!」

 

3人の危機を前にパートナーが飛び出した。するとデジバイスがネイビー、向日葵色、紅色に輝いた。

 

「これって?」

 

「なんですの?」

 

「アニメじゃないのよね?」

 

すると3体のデジモンが光に包まれた。

 

「マッシュモン進化ああああああ!!!」

 

「ゴツモン進化ああああああ!!!」

 

「フローラモン進化ああ!!!」

 

突然の進化に三人は目を丸くした。

 

「嘘!?進化した?」

 

「かわいらしいですわ!」

 

「アニメじゃないのよ!?」

 

その時近くに来た拓実が驚いた。

 

「あれは!あの子たちのデジモンが進化したのか!?」

 

「ウッドモン!」

 

「モノクロモン!」

 

「キウイモン!」

 

マッシュモンは切り株に、ゴツモンは恐竜に、フローラモンは羽のない鳥にそれぞれ進化した。

 

「僕たちが守る!」

 

「君らの心が進化の光を呼んだみたいだね」

 

拓実が3人に迫った。

 

「拓実さん!?どうして?」

 

「こっちにも色々あるんだ。

 

 普段はバイトしてる高校生だけどある時の顔は、ってやつだよ。」

 

「アニメじゃなかった…」

 

ウッドモンがクリサリモンを押さえつけた。

 

「ブランチドレイン!」

 

クリサリモンから勢いが消えた。

 

「リトルペッカー!」

 

チビキウイモンの爆弾でクリサリモンは吹き飛ばされた。

 

「ボルケーノストライク!」

 

モノクロモンの攻撃でクリサリモンはデジタマに戻った。

 

「よし、じゃあ避難だ!」

 

「でも、小日向さんが!」

 

「大丈夫、今緒川って人が探してるはずだ。

 

 取り敢えず避難を!今は何とか逃げられたがこのままじゃ間に合わなくなる!!」

 

「はい!」

 

3人と拓実と6体のデジモンがエレベーターで地下に降りた。

 

____________________

 

その頃、未来は校舎に取り残された生徒がいないかを確認していた。

 

「誰かまだ残ってませんか!?」

 

未来が見たのは、ノイズや暴走デジモンによって蹂躙されたリディアンの姿だった。

 

「学校が!響の帰る場所が…!」

 

すると割れた窓ガラスをすり抜けてノイズが襲ってきた。

 

「メテオウイング!」

 

ノイズがバードラモンにより倒された。

 

「未来!ノイズしかいないから早く地下へ!」

 

「未来さん!」

 

緒川がその場に現れ、2人はエレベーターに乗った。ノイズがすり抜けようとしたが、超スピードで落下したためノイズがエレベーターの中に入っては来なかった。

 

「リディアンの破壊は依然拡大中です!未来さんや拓実くんにより被害を最小限に抑えられています。それよりも、風鳴司令!カディンギルがなんなのか分かりました!」

 

「なんだと!?本当か!?」

 

「物証はありませんがおそらく…!」

 

その時、ネフシュタンの鎖が緒川も左肩をついた。

 

「どうした、緒川!?」

 

そして本部に到着した緒川はその攻撃の主と交戦していた。

 

「なぜ、分かったのだ?」

 

「カディンギルとは巨大な塔を意味する!それを二課に築かれず建築するとしたら地下しかない!それも特異災害対策起動部二課のエレベーターシャフトこそがカディンギル!同時にそれを可能にできるのはただ1人!櫻井 了子しかいない!」

 

緒川は空中で拳銃で3発攻撃したが弾丸は威力を殺され、フィーネ否、了子の足元に落ちた。そのままフィーネは緒川に鎖を巻きつけ絞め殺そうとしていた。

 

「緒川さん!」

 

「はああああああ!!!」

 

拓実は地上で手に入れた鉄パイプでフィーネの顔面を攻撃するが、すぐに折れてしまった。

 

「なに!?ぐわっ!!」

 

「レディの顔を殴るなんて最低よ?」

 

突如として現れたメタルエテモンのパンチで拓実は吹き飛ばされた。

 

「ちきしょう…!いってぇ…」

 

未来も恐れずフィーネにタックルするが大して効かず、フィーネに顎をクイとされた。それから聞かされたのはリディアンが装者を増やすために国が用意した実験場であったということである。その事実に未来や拓実が唖然とした表情を浮かべる。

 

「バカな、そんなことを考えてたってのか?」

 

緒川が倒れた拓実を助け起こす。

 

「それでも誰かのために命を張って護ろうとしている人がいる!私はその人たちを信じている!」

 

フィーネの琴線に触れたのか未来ははたかれ倒れてしまった。

 

「くそったれ…!小日向さんを守るよう頼まれてんのに!なんも出来ねえのかよ!?」

 

フィーネが倒れた拓実の横を通り過ぎると自分の通信機を取り出した。しかし、緒川の弾丸にて通信機は破壊された。

 

「カディンギルの元には行かせません!この命にかえても!」

 

「ああ…でなきゃ、立花さんたちに合わせる顔がねえよ!」

 

緒川と拓実は拳を構えた。

 

「あんたたちに勝てるわけないじゃなーい!もしかして、バカ!?」

 

メタルエテモンが嘲笑する。

 

「待ちな、了子」

 

その時天井を突き破って弦十郎が現れた。

 

____________________

 

「行くぞ!」

 

「ああ!!」

 

「クダモン!ワープ進化ああああああ!!」

 

クダモンが光りに包まれた。その中ではクダモン、レッパモン、チィリンモンのビジョンをすり抜けて巨大な人馬がレッドクロンデジゾイド製の鎧とボウガンを見にまとった。

 

しかも身に纏うレッドクロンデジゾイドはメタルエテモンのクロンデジゾイドよりもはるかに高い防御力を誇っていた。

 

「こやつは電脳空間に引きずり込む!」

 

「任せた!さてと、了子。俺が相手だ!」

 

「私をまだその名で呼ぶか?」

 

「女を殴る趣味はない。しかしカタギに手を出すならお前をぶっ倒す!」

 

弦十郎は拳を構えた。

 

「司令…無理だ!」

 

「大人の力を見せてやる。そこで見てるんだ。」

 

調査部により弦十郎はすでにフィーネの行動範囲をすでに理解しており、わざと装者を全て動かしこの場にフィーネを引きずり込んだのだ。

 

(まじかよ…)

 

拓実はなんとか立ち上がった。

 

____________________

 

一方、電脳空間ではスレイプモンとメタルエテモンが待ち構えていた。

 

「嘘でしょ!?ロイヤルナイツ!?」

 

「いざ勝負!」

 

その時背後から火の玉が攻撃してきた。

 

そのデジモンは悪魔と言えるほどの姿をしていた。

 

「2対1か…」

 

「いいえ!あんたはディアボロモンには敵わない!」

 

するとディアボロモンは増殖を繰り返した。

 

「さあ、ディアボロモン!やっておしまい!」

 

メタルエテモンは勝てないと判断しその場から逃亡した。

 

「さあ!来るなら来い!」

 

「カタストロフィーカノン!」

 

ディアボロモンは一斉に必殺のカタストロフィーカノンを放った。大量の連続弾の攻撃であたりは爆煙に包まれた。しかし、スレイプモンはそれを防いだ。

 

「ではこちらから行くぞ!幼年期になっていた分、あまり長くは戦えないのだ!」

 

すると右手の聖盾(せいじゅん)ニフルヘイムをかざした。

 

「オーディンズブレス!」

 

すると超低温の冷気によりディアボロモンは氷漬けになり砕け散った。

 

生き残ったディアボロモンが一斉に飛びかかると、今度は左手の聖駑(せいど)ムスペルヘイムを構えた。

 

「ビフロスト!」

 

灼熱の光矢でディアボロモンはすべて一掃された。

 

「これで、よし…あとは…!」

 

その時、メタルエテモンがスレイプモンの懐を攻撃した。

 

「貴様!」

 

「何よ?あちきはねえ勝てる保証があったら戦うデジモンなの。文句ある?」

 

「おのれ!」

 

ビフロストでメタルエテモンを攻撃すると、スレイプモンはエネルギーが切れ、クダモンに戻ってしまった。

 

「やはり、久々になるとエネルギー消費が激しい…!」

 

「天下のロイヤルナイツも大したことないわね〜!なーんか力が溢れるかと思ったら絶好調ね~」

 

メタルエテモンからは闇のオーラがあふれ出ていた。

 

「そのオーラは!?」

 

クダモンは司令室のモニターに逃亡した。

 

____________________

 

そんな中、弦十郎はフィーネの鎖を避け、上から床がめり込むほどのパンチを放った。

 

「めちゃくちゃだろ…パワーバランス崩壊じゃねえか…」

 

拓実が未来を守りながらその場からできるだけ離れていった。

 

弦十郎のパワーは規格外だった。しかもその一撃はネフシュタンの鎧にヒビを入れるほどだった。

 

そして逆上したフィーネが放った鎖を受け止めそのまま腹部に鋭いパンチを浴びせた。

 

「完全聖遺物を退ける?どういうことだ!?」

 

「飯食って、映画見て、寝る!男の鍛錬はそいつで十分よ!」

 

(ええ…そうなのかよ。

 

 司令ってもっと筋トレとかしてんのかと思ったらそんだけかよ…)

 

拓実が唖然とした。

 

「なれど人の身なら!」

 

ソロモンの杖を翳したフィーネだったが、足元を激しく踏んだ弦十郎の蹴った瓦礫でソロモンの杖は天井に突き刺さった。

 

「ノイズさえ出なければ!うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

弦十郎が再び拳を構えて飛びかかった。

 

「弦十郎くん!」

 

なんとフィーネは卑怯にも了子の人格で弦十郎を見た。当然迷いの生じた弦十郎は鎖に腹部を突き刺された。

 

「司令!」

 

緒川と拓海が駆け寄る中フィーネは涼しげな表情を浮かべた。

 

「汚ねえぞ…この年増がぁあああああああああああああ!!」

 

「拓実くん!」

 

フィーネに無謀にも殴りかかった拓実も左腕を鎖で突き刺された。

 

「図に乗るなk

 

そしてフィーネは落ちていた通信機とソロモンの杖を持って逃亡してしまった。

 

「待てって言ってるんだよぉッ!!」

 

刺されたにもかかわらず拓実が飛び蹴りを放つが、フィ―ネには通用せず鎖で薙ぎ払われてしまった。

 

「なに!?」

 

「消えろ!!」

 

鎖で拘束されて壁に叩きつけられる。さらに壁の当たり所が悪かったのか刺された左腕が鈍い音を立てる。

 

「ぎゃあああああああああああああ!!!」

 

「殺しはしない!お前たちにはそんな救済など必要あるまい…」

 

そして奥に向かったフィーネはとうとうカディンギルを起動させてしまった。そうとも気が付かない二課のモニター室ではオペレーターたちが響たちが戦う様子を必死に見守っていた。

 

「司令!」

 

「応急処置をお願いします!」

 

友里ともう一名のオペレーターが弦十郎と拓実の応急処置をする間、緒川が友里に変わって端末を操作していた。

 

「本部に侵入者!狙いはデュランダル!そして敵の正体は櫻井…了子!」

 

オペレーターたちが愕然とした。なんとか回線を響たちに回したため未来がリディアンはノイズに襲われていると言おうとした瞬間にモニター室の電源が落ちてしまった。

 

「本部内からのハッキングです!」

 

「こちらからの操作を受け付けません!」

 

「こんなこと…了子さんしか!」

 

「響…!」

 

未来はモニターを前に立ち尽くしているだけだった。

 

(やはり、あのメタルエテモンから出ていたのは…嫉妬の紋章だった…やはり魔王の一体が脱走したのだ!)

 

____________________

 

案の定デジタルワールドでは魔王の一体が逃亡していた。

 

「まさか、我らに気づかれることなく逃げるとは…」

 

「ああ、厄介なことになった。しかも巨大なのだ。」

 

ガンクゥモンとエグザモンはイグドラシルに報告していた。

 

脱走したのはリヴァイアモン__嫉妬を司り、デジタルワールドそのものを呑み込む存在。




「はあ〜い!アチキはメタルエテモンよ〜!アチキ…強くない!?今ならロイヤルナイツとやっても負ける気しないわ〜!これからはお猿絶唱エテモギアでいいんじゃなーい?」

(どこかからか何者かがその様子を覗き込んでいる)

「愚かな…儂のチカラあってこそだというのに…お山の大将め…それにしても儂が最初かあ…」

第16回 メタルエテモン、??(リディアン、??)

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