戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

156 / 227
今回はまたアメリカ政府がやらかします。ほんとシンフォギアのアメリカ政府は余計なことしかしませんね。
とはいえ今回は過去にやらかしたことの中でぶっちゃけアメリカ政府的にはいい報復になったと思います。まず第1に、アメリカ政府が今失墜してるのはフロンティア事変があったからつまりはパヴァリア光明結社の暗躍による落とし前をつけさせることと、処刑しそびれたマリアたちの粛清およびSONG壊滅により自分たちが聖遺物技術において最大手に返り咲けるという3点をいっぺんに成し遂げられるだけでなく簡単に行えるというアドバンテージもあります。
そんな余計なことが起こった中決められた悲しき決断とは?


第155話 死を灯す唄

神の力が解けたと同時に八紘から国連の武力介入は否決されたという報告が本部で出され、SONGの面々は安堵した表情を浮かべた。

 

「いよっしゃああああああああ!!!」

 

「やったぜおい!」

 

「これで万事解決だね切ちゃん!」

 

「うん!やったのデェス!」

 

拓実たちも作戦成功に安堵のため息をつき喜びを分かち合った。

 

「響〜!」

 

「アグモン、まだ響は寝てるから起こしちゃダメだよ。」

 

アグモンもデジヴァイスごと取り込まれていたが未来の頑張りでなんとか死なずに済んだのだ。

「起きたらみんなで美味しいご飯食べようよ!今日は響の誕生日なんだ。」

 

「そう!響さんの誕生日は大事にしてほしいデース!」

 

「そうだね切ちゃん!」

 

____________________

 

しかし、それをぶち壊すかのように悲報が舞い込んで来た。なんとアメリカ政府の独断により反応兵器が一発照射されてしまったのだ。

 

「撃ったのか!?」

 

日本のとある離島では大統領とも思わしき人物がその様子を眺めていた。

 

「本来より我らアメリカの成り立ちは人が神秘に満ちた時代の独立こそが端を発しているのだ。この鉄槌は貴様たちに捧げる人類による人類の人類による新世界秩序の第一歩なのだ。」

 

その急な速報に一行はうろたえた。

 

「だったら切り捨てて!」

 

「ダメだよ切ちゃん!それじゃああたり一辺が焼け野原に!」

 

「だったら、ホーリーエンジェモンのヘブンズゲートなら!」

 

拓実がホーリエンジェモンのデジメモリをホルダーから取り出した。

 

「無理だ!あんな体積の大きすぎるものでは反応兵器を容するのは無理だ!」

 

「ここに来て僕たちごと消すつもりなのか!?」

 

「あなた、なんとかしなさい!」

 

マリアがリコリスを見つめた。

 

「無理だ!俺も今ので結構体力を消耗してんだ!仮にできてもあの兵器の熱量を抑え込んだら押さえ込んだで俺自身やここら一帯はもたねえよ!」

 

「そんな…」

 

反応兵器が発射されたことを知り訃堂も怒りの表情のままひと睨みでモニターにヒビを入れた。

 

 

サンジェルマンは1人意を決した表情を浮かべた。

「どうやら、私はこの時のために今日まで生きてたのかもな…」

 

「は?」

 

「おいあんた!一体何考えてんだ!?」

 

サンジェルマンが飛び立とうとしたところリコリスが立ちふさがった。

 

「待てよサンジェルマン!お前まさか…!」

 

「そうだ。私はやるぞ。」

 

リコリスは何かを察知して青ざめるがサンジェルマンは動じなかった。

 

「おまえひとりが背負うことじゃないだろ!?まだ方法はある!こいつは二つ分ある!だからこいつで…」

 

テレポートジェムを二つサンジェルマンに見せたリコリスだったがサンジェルマンはそれをリコリスに握らせた。

 

「すまない。お前にはいつも私のわがままで苦しい思いをさせてたな。しかし、これで最後だ。さらばだ…」

 

サンジェルマンは一瞬だけ憂いたような表情を浮かべた。しかし次にはリコリスの腹部に強烈なパンチを浴びせ拓実たちの方に放り投げた。

 

「その者は任せた。」

 

「え?ああ…」

 

サンジェルマンは1人空にまい歌を歌おうとした。

 

(解放の歌が命を燃やす!)

 

「漆黒の炎を照らすため…よね?」

 

「カリオストロ!?」

 

「1人で…やらせないワケだ!」

 

「プレラーティ!?」

 

サンジェルマンも困惑したが3人は歌い始めた。その中でテレパシーを交わした3人は事の顛末を語った。

 

____________________

 

カリオストロは死んでなどいなかった。彼女はアダムに猜疑心を抱いていたためあえて死んだように見せかけ、プレラーティも間一髪で救出し、3人でアダムを倒すべくスペルキャスターの弾の生成にかかっていたのだ。

 

「一体何が起こるってんだ!?」

 

「さっきから歌をあいつら歌ってるが絶唱でもするのか!?」

 

「しかしファウストローブにそのような機能はない!」

 

地上の拓実たちが見上げる中響も目を覚ましていた。そして弾丸は反応兵器に激突し爆発したが押しとどめられた。

 

「どういうことなの!?」

 

「まさかこれもラピス・フィロソフィカス!?」

 

(これは現時点で最高の輝きなワケだ!)

 

(呪詛の解放のためのラピスの研究がようやく誰かのために!)

 

(本当は局長にでも打ち込みたかったんだけど、驚いたわ。いつの間にあの子たちや元カレと手を結んだの?)

 

カリオストロの問いに対してサンジェルマンはただ手を取り合ってないと告げ響を一瞥した。

 

(手など取り合えない!たとえかつての理想を信じてついて来てくれた仲間であっても!死を灯すやり方でしかどうにもならなかった私になど!!)

 

そして爆発の余波は全て3人のラピスフィロソフィカスによって消された。

 

____________________

 

爆発の余波が消える中、3人はラピスの力を使い反応兵器の爆発を止めたためその命を燃やした。最期に拓実たちが見たのはサンジェルマンの笑顔だった。3人がどういう胸中で歌い最期にどんなやり取りをしていたのかさえ知る由はなかった。

 

「あいつら…消滅したのか?」

 

「歌と共に?」

 

愕然となる中一行の背後が突然ひび割れた。

 

「待っていたよこの時を!」

 

「アダム・ヴァイスハウプト!!」

 

「この野郎!!空気を読みやがれ!」

 

響以外の装者とデジモンたちがアダムを止めようとするが動きを封じられてしまった。

 

「さあ来い神の力よ!!」

 

「そうはさせない!」

 

響がギアを纏い神の力を壊そうとした。未来も退避してそれを見守っていた。

 

「アダムのいけず!」

 

なんとティキは上半身を失ってなおアダムを求めていた。予想外の出来事に完全に表情を崩したアダムはうろたえた。

 

「あの野郎人形のせいで隙が出たぜ!」

 

「いっけええええええええ響いいいいいいいいいい!!!!」

 

未来の声援により響は力を込めた一撃で神の力を打ち砕くべく空に舞い上がり、光に迫った。

 

「やめろぉ!!それは人の身で壊していいようなものじゃないんだよ!!それが都合のいい神殺しなものか!2000年もの思いが呪いと化した哲学兵装を使えば背負う!!」

 

「私はそれでも歌でぶっ叩く!!」

 

響の一撃は神の力を跡形もなく破壊した。

 

しかしその拳には悲しみが込められていた。

 




今回は少しシンフォギア世界のアメリカ政府のやらかした不祥事をここでおさらいしときます。もし不足等ありましたら感想でお願いします。

1.フィーネと結託し防衛大臣暗殺(1期)
2.ルナアタック後の情報統制(2期)
3.ナスターシャ教授をはじめとしたFISの暴走(2期)
4.ウェル博士の投獄記録を非公開にする(3期)
5.反応兵器の使用でサンジェルマンら3人の錬金術師の消滅(4期)

自分の知る限りではこのくらいです。今のところ3期に関してはこれがのちのファインプレーになったので自分的にはなんとも言えない感じです。4期では結果的に組織崩壊に追い込めた分、貰い物なのかもしれませんね。だからと言って許されはしませんが…



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。