戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回と次回は前後編で響を救出します。ぶっちゃけ響も誕生日に気づいたら変なとこに閉じ込められてたなんてなったら将来私は17の時に変な繭に入れられて誕生日を迎えたんだよって言う周囲から見たら何なんだよって言う話題を渋々言いそうwww


第153話 響、救出計画 前編!

  神の力が入ってしまった響に関しては周囲が封鎖され国連での対応を待たされることになった。その間SONGはドゥフトモンの協力の元、暴走した爽谷の解放を目指していた。爽谷は暴走してベルグモンに変化したがアダムに一度は結界に閉じ込められてしまっていた。しかしその結界ももうじき壊れ、下手をしたら響を救出させる前に繭の中身を目覚めさせかねないと判断したためである。

「さてと、あいつをどう取り戻すかだな。」

「私が行くわよ。弟があんなになってお姉ちゃんが黙ってろなんてできるわけないわ。あれから色々あって一応戦闘力はついたつもりよ。だから光をお願い。」

「わかりました。頼みます。俺よりもアケミさんならきっと…!」

「今度は私があの子を助ける!!」

 アケミが爽谷救出にかって出て、白衣から紫のジャージにエンブレムをつけて準備を進めていた。

「翼、クリス、拓実くん。立花響はあなたたちに任せたわ。私は拓実くんたちで爽谷を止める。」

「ああ、一刻を争う状況下だ。」

「では作戦を伝えるぞ!まず爽谷くんは響くんのポイントから5キロ離れた地点に位置している。もうじき結界が壊れれば彼は無差別に破壊して回る。そうなれば響くんが危ない。まずドゥフトモンと共同で動きを封じた後、闇のスピリットと対をなす光のスピリットで彼の心を浄化させるんだ。題してバースデー前夜作戦だ!緒川、そっちはどうだ?」

「はい、準備オーケーです!」

 弦十郎が緒川に連絡を取ると笑みをこぼして拳を合わせた。

「じゃあ前哨戦行くぞ!」

「はい!」

 

 

 神社の一角に向かったマリアたち5人は壊れつつある結界を睨んでいた。

「ずっとミーが見張ってたんだが日に日に爽谷の奴力任せで結界を壊そうとしてるんだ。」

 クネモンは戻るデジヴァイスがないためずっと結界の外から爽谷の監視を続け、マリアたちと合流した。

「あたしがああなっちゃったから爽谷がこうなった。だったら、あたしたちで何とかするデス!それで爽谷を入れたみんなで響さんを助けてお誕生会をするのデス!!」

「来たか、では始めようか。」

「ドゥフトモン…」

「私はロイヤルナイツ屈指の策士、救出作戦などお手の物。安心するがいい。お前たちのつながりとやらは必ず取り戻す。さあ来るぞ!」

 ドゥフトモンの声とともに結界が破壊された。今マリアたちにはギアはない。しかしスピリットが何とかあるため拓実の持ってるものを借りて闘う事になったがあまり訓練を積んではいないため、実力は拓実と爽谷よりも劣っていた。

「「スピリットレボリューション!!」」

 マリアはフェアリモン、切歌はアルボルモン、調はメルキューレモン、アケミはヴォルフモンに変化して結界を破ったボルグモンと向かい合った。さらに各々のパートナーも究極体に進化させなんとしても防衛ラインを突破させないように構えた。

「うをおおおおおおおお!!!」

 ベルグモンが羽ばたくとその気迫に全員気圧されていた。

「なんて力なの!ここまでだなんて!」

「まずは動きを封じるぞ!」

 ドゥフトモンが自らの剣で飛び立とうとしたベルグモンを叩き落とすとその闘争本能はマリアたちを狙った。

「ぐおおおおおおおお!!!」

 ベルグモンが口から闇の光弾を放ったが調の前に立った。

「オフセットリフレクター!!」

 腕の鏡を合わせて光の光弾を放ったがベルグモンの闇の力はあまりに大きくあっさり押し負けてしまった。

「頼んだ!」

「ディメンジョンシザース!」

「エルンストウェル!」

 グランクワガーモンが技を放とうとしたがベルグモンの爪でダメージを与えられ不発に終わった。しかしドゥフトモンが正面から攻撃を仕掛け、ベルグモンを低空飛行させたがすぐに持ち直された。

「くそっ!なんてやつだ!」

「まだよ!ストライクロール!」

 アケミのミネルバモンがすかさずグランクワガーモンを踏み台にして跳躍してベルグモンの頭上から追撃を仕掛けるとベルグモンは倒れ動きを封じることには成功した。

「オラオラ!」

 シャイングレイモンのラッシュ攻撃でベルグモンに隙が生じた。

「見事な連携だ!よし今だ!」

「頼んだわよアケミ!」

「任せて!ダブルスピリットレボリューション!ベオウルフモン!」

「ぐわああああああああああ!!!」

 ベルグモンが正面から突撃してきたが恐れないアケミが踏み込んでベルグモンの顔面にパンチを放った。

「いい加減、目を覚ませええええええええ!お馬鹿ちゃんがああああああああ!!」

 アケミのベオウルフモンが左手に持っていた武器を捨てて素手でベルグモンの顔面に1もう発パンチを食らわせて吹き飛ばした。

「ぐううううう…グルルルルルル…」

 ベルグモンのエネルギーが切れたのか爽谷に戻った。

「爽谷!!」

「戻ったよ切ちゃん!」

「うん、一件落着デス!」

 マリアたちが走り出した。

「はあ、はあ、はあ…」

 爽谷も人間体に戻ったが何かにうなされたような表情で苦しんでいた。

「うっ、うわああああああああ!!!!あ、ああああああああああああああああーーーー!!!!!」

「闇のスピリットの暴走の副作用だ!!このままでは…!」

「しっかりしなさい爽谷!!」

「どうやら、危機のようだな。」

 マリアたちが振り返るとその場に颯爽とサンジェルマンが現れた。

「何のつもりかしら?」

「別に…ただ借りを返すと約束しただけだ。ここは任せてもらおう。

その前に…いい加減隠れてないで出てきたらどうだ!?」

 サンジェルマンが辺りを見回すと近くの木からリコリスが飛び降りてきた。しかし肩や腕を負傷していた。

「バレてたか…さすがはサンジェルマン。」

「ああ〜!!」

 切歌がリコリスを指差した。

「よう、サンジェルマンと夜逃げしようと思ったんだが失敗してな。でサンジェルマン、俺が必要なんだな?」

「ああ、このものの治療を手伝って欲しい。意識を沈めさせる。」

「いいぜ、お前の頼みなら俺は断らねえ。ツー事でお前らはそこで見てるんだな。」

 するとサンジェルマンとリコリスが術式を組んでそれを爽谷に乗せた。

「これで彼はすぐにでも回復する。勘違いするな、これは立花 響に借りを返すためのものだ。すまないが私とリコリスを本部に連れて行ってもらえるだろうか?」

「おい、何を考えてる?ここまできたらトンズラこいたほうがいいだろうが!」

 リコリスが反論するがサンジェルマンが構わずついて行った。

「今はお前の力がいる。だから協力を頼む。私のためにな。」

 サンジェルマンが淡々と語り出すとリコリスも舌打ちをしてサンジェルマンの後を歩いた。

 

 

 それから1日後、爽谷も容体は回復し日付は9月13日になった。八紘によれば今現在国連の協議は最終段階へと入った。そのためSONGは国連が間も無く日本にて武力介入をする為先陣を切らせるというバルベルデの立場に立たされてしまっていた。さらには今回反応兵器と呼ばれるものも使われることも伝えられた。

「反応兵器!?あの中には響くんがいるんだぞ、兄貴!!」

「ああ、わかってる。しかし、どうやら今回の件で米国政府がかなり鼻息を荒くしてるそうだ。」

「まさか、アメリカ政府の軍事衛星を吹き飛ばしてしまったからだと言うのか八紘!?」

「ああ、くれぐれも慎重にな。こちらでも斯波田事務次官やハックモンにドゥフトモンが協力して何とか話はつけている。」

 今現在、響の入った繭はガングニールの神殺しで何とか抑えられて入る状況ではあった。

 そこで弦十郎は未来を呼び出し最後の賭けとしてエルフナインにAnti-LiNKERを作らせこれで神の力を引き剥がそうと考えていた。

「響は今どうなってるんですか!?」

「君はこの作戦の切り札だ。危険を承知で頼む!」

「はい!!」

 それから弦十郎たちはサンジェルマンに改めて協力を要請しに向かった。すでにギアに関しては賢者の石の知識を提供されたため除去は完了していた。しかしサンジェルマン自体提供はしたものの、己の罪があってが故に手を取り合えないと告げた。全員に緊迫した空気が流れる中訃堂から連絡が入った。

「護国災害派遣法を適用した。」

「護国災害派遣法!?一体何なんですか翼さん?司令?」

 護国災害派遣法という言葉を聞いて翼と弦十郎が凍りついたような表情を浮かべた。その意味がわからない他の面々は首を傾げていた。

「護国災害派遣法…それはノイズ以外で異端技術のものに関する災害で自衛隊を送りこむことができる法案だ。それに伴い国の兵器を無制限に送り込めるという利点を抱えているのだ。」

「このまま国連の加入を待たずしてすぐに第二種特異災害を排除___殺処分するのだ!」

 訃堂の威圧に対してリコリスは突然笑い出した。

「ハハハハハ!!!へえ、こりゃ面白い。散々使いまわしてきた人形を利用するだけ利用して不要になったからぶっ壊せと来たか。まあそうくるだろうな。悠長にしといて国を焼け野原にしないためにっていうのにはいい判断だ。」

 リコリスが薄ら笑いを浮かべながら訃堂を見つめた。

「お前、本気で言ってんのか!?」

 拓実がリコリスに掴みかかった。他の装者たちも心無い言葉に対してリコリスを見ていた。

「ああ、本気さ。あくまで第三者としてそのジジイを褒めてんだよ。

 第一、ちっぽけな存在だろう?あいつの犠牲は多くの尊い命のための犠牲だ。どうせ戦いでは犠牲は出るんだ。もし戦いがそいつの死で終われるんならそいつには死んでもらった方がちょうどいいってもんだ。無駄な頑張りが必ずしもいい結果を残す保障はない。それくらい理解してるんだろ?」

「待ってください!彼女__立花 響は私の友達なんです!第二種特異災害じゃあありません!」

 未来がリコリスの暴言や訃堂の気迫にも臆さずに響の殺処分の停止を要求した。それを見て翼も意を決した表情を浮かべた。

「国を守るなら私は人を防人ます!」

「翼!?貴様に何の血が流れているのかわかってるのか!?」

 訃堂が怒りをあらわにするが翼はそれを知るものかと一蹴して自分には天羽奏から託されたものがあるとして反論した。しかしすでに軍隊は向かっており猶予は二時間と告げて、通信を切った。サンジェルマンもそれを見て訃堂を支配者の形と評価を下した。その後翼たちが現場に向かう中サンジェルマンとリコリスも向かっていた。

「で、やっぱ助けるのサンジェルマン?」

「ああ、これは私の戦いだ。不服ならついて来なくてもいいのだぞ?」

「いやいや、サンジェルマンの戦いならやるぜ。ほら、こいつらとってのはやっぱ抵抗あるじゃん?なんつーか…」

「いいから行くぞ。」

「へいへーい!!」

(ったく、最後まで言わせろっての。)

 リコリスも拗ねた表情のまま現場へと向かった。

  響救出の猶予まで残り2時間___

 


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