戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
そしてXDのセレナの状態異常キラーに関しては彼女の心は誰かを守るってことだから一番シンフォギアの力としては彼女が一番優しい気がします。おっかない人?そりゃ未来さんですよ。
神の力を覚醒させたティキの一撃で街一帯が消し飛んでしまった。
「こんなデタラメな奴どうするんだよ!」
クリスが破壊された後を見て拳を握った。エルフナインも必死に反動汚染を取り除くべく奮闘するも未だ作業は滞ってはいなかった。
「シンフォギアでどうにかなるの?」
「くっ、今のやつに対抗できるのは神殺しのみか!いくら私が増援で向かってもヨルネスパズトォーリの並行世界にダメージを飛ばす性質を持ってる限り無駄になってしまう!少しでも助けに行きたいと言うのに!」
クダモンも目の前で敗色が濃くなっていく響を目にして悔しがっていた。なおも猛威をふるうティキはレーザーを放ち響のパンチで起動をそらして何とか防いだが、その余波で宇宙空間の一つの人工衛星を吹き飛ばした。それによりモニターが途切れてしまった。それから復旧作業に戻る中SONGに又しても危機が現れた。
「司令、先ほどの攻撃で消滅したものは米国政府のものと判明しました!」
「それに伴い、各庁のおじさんたちから苦情殺到です!」
「今はそれどころではない!」
友里とアケミが状況の説明をする中弦十郎が後回しにするように指示をした。しかし…
「どうなっておるのだ!?」
目の前のモニターから風鳴 訃堂が現れた。
「弦十郎…このたわけ者が!此度の騒動はもはや他国には明らかである以上次の動きは見えているであろう!」
(こいつが風鳴 訃堂か…随分と年をとってるようだが司令すらビビるなんて…なんて奴だ!)
翼から話を聞いていた拓実も気圧されてしまった。
「共同作戦、治安維持と称して各国が国連の旗を振って武力加入が行われるのだということがなぜわからない!!」
「ですがまだ手は…!」
訃堂は不甲斐ない弦十郎に呆れて通信を切った。
「やはりこの国を守るのはわしにおいて他はないな。真の防人たるこのわし以外には…」
「今の通信って…」
「この戦いに風鳴宗家が介入することになるのだ。」
「まじかよ…なんとかならないんですか翼さん!」
翼と弦十郎も深刻そうな表情を浮かべた。
「モニター回復しました!画面、出ます!」
一度モニターが途切れて再び姿を見ると響は倒れていた。
「あのバカ!!地面が好きすぎるだろ!」
遡ること数分前、サンジェルマンはアダムと向かい合っていた。
「君は何度も僕を人でなしといったがそうだよ。僕は人ですらないからねえ!」
「くっ、本当に人でなしか!」
「僕は作られたんだ。彼らにねえ!」
「彼ら!?」
「だけど廃棄されたんだ。完全すぎて進化が見込めないっていう理由でね!完全が不完全に負けるなんてね!!だから支配するのさ!」
そして響はティキの一撃で追い込まれてしまったのだ。そして現在、サンジェルマンが全力を込めた銃撃を放つもそれすらなかったことにする効果であっさりと帳消しにされてしまった。SONGではその圧倒的な攻撃力と絶対防御に前に諦めの言葉が出てきていた。
「さてと、もうDIVINE WEPONを振るうまでもないな。あとは僕で幕を下ろそう。」
「無為に天命を待つばかりか!」
「爽谷も切歌ちゃんが倒れた中でこんなのってあるのかよ!!このまま終わってバットエンドなのかよ!」
「諦めるな!そう、彼女はいうんじゃないのですか?」
そのとき聞いたこともない声の主から解析したヴァルベルデドキュメントが送られてきた。
「我らの持ちうる資料です。」
その時、緒川とハックモンが映った。
「緒川殿との強力でなんとか彼らと接触した。」
「それのよるとかつて神の子の死を確かめる際に振るわれたとされる槍で元から神殺しなど備わってはいなかったが諸々のでっち上げの逸話が本質をゆがめたのだ。」
ハックモンが解説を続けた。
「それってまさか、あのオートスコアラーのファラが用いていた!」
「哲学兵装…アレキサンドリア号事件の中心にあったというあの…!」
「そして前大戦時にドイツ政府が求めたそれこそが…!」
「ガングニールだとぉ!?」
それを聞いていた響は立ち上がった。
「大丈夫響?」
「アグモン、大丈夫だよ。私のできることなら全力で戦う!師匠、そうなんですね。だったら、まだ一踏ん張りやらんことはない!!」
(ここから先はUNLIMITED BEATを聴きながら読むのを勧めます)
「気取られたか!」
「そうか、あの時の黄金錬成は決してシンフォギアを倒す目的ではなく不都合な事実があってそれを消し去りたかったからか!!」
ティキが粒子砲を放つが響は背中のブースターで飛び立ち一気にティキを攻めに向かった。
「行かせるか神殺し!!」
アダムが横槍を入れるがサンジェルマンがそれの妨害に入り一対一に持ち込んだがアダムは千切れた腕でガードしてそれを剣がわりに振り回して剣戟がぶつかり合った。
「そのまま行け立花 響!!」
「乗りすぎだ調子に!!」
アダムが響を撃ち落そうとしたがサンジェルマンがなおも響を守った。
「私は前に進む!!ここで屈するわけには!!」
スペルキャスターからの閃光でアダムを響のところに活かせなかった。ティキはそのまま響と拳をぶつけ合いダメージを負うが、神殺しのために回復しなかった。
「よっしゃああああ!!」
絶望感に苛まれそうになっていた司令室で拓実はガッツポーズをとった。
「効いてる、あれが神殺しの哲学兵装…!」
その時、ドアが開くと切歌が入ってきた。
「切ちゃん!?」
「大丈夫なのかよ、寝てなくて!」
「大丈夫デス。治った以上じっとなんかしてられないデス!」
そして匿名の男が言うには以前バルベルデから飛び立った最後の輸送機にその資料はあったのだ。その時たまたま切歌と調に助けられて結果今に至ることを話した。
「あの時のあたしと調の努力は無駄じゃなかったんデスね…」
「それどころかMVPだよ切ちゃん!」
ワームモンもその場でぴょんぴょん跳ねて喜んでいた。
「君はなぜこんなことを?こんなことをすれば君は売国法で裁かれてしまうのだが…」
「そんなことは大したことじゃないです。歌が聞こえてきたんですよ。私の先輩が教えてくれたんです。燃え尽きそうな空に歌が聞こえてきたって…そんなの私だって聞いて見たいじゃないですか!!」
その男の横には話している本人とかつてナスターシャ教授のシャトル墜落を阻止した際のパイロットの男が写った写真があった。
「どこの誰かわからないけどこれなら行ける!!」
「ああ!!もう今なら、今の響さんなら行ける!!」
そして再生できなくなったティキを見て響はトドメのドリルパンチを放とうとしたがアダムがハグをしに来いといいティキは体から離脱した。しかしそれを響が見逃しはずがなくそれを砕き、ティキは上半身だけになってしまった。
「アダム、ハグして!ドキドキしたいの!」
上半身となってもなおアダムを求め続けるティキだがアダムに蹴飛ばされ無残に転がっていった。
「役にも立たない恋愛脳が…!だがこれで神の力は僕のものだ!さあ来たれ、神の力よ!」
神の力の粒子がアダムに向かったかと思いきや何と響の方へと向かって行った。
「バカな!?生まれつきに原罪を持った人になど…」
唖然とする中街中に響を包み込んだ不気味な繭が敷かれてしまった。
「失敗だ…僕の千年に渡っての計画が!おのれえええええええ!!」
アダムが失意のまま撤退し、アジトに戻ってくるとあたりが闇に包まれた。
「まさかこんなことになるだなんて…!」
「おや?随分と手間取ってるようだね。」
アダムの前に黒い影が現れた。
「バルバモン…何のつもりだ?」
「何、だと?君の計画が頓挫したなら簡単だ。あれの準備をしろ。あのままになった小娘はきっと周りに殺される害悪だ。となれば神の力は放出される。」
「それくらい分かっている!!」
「そうか、そうか。では頑張れよ。お前を失ってはビジネスに障害が出るのでな。」
バルバモンは姿を消した。
「彼らがくる前に何としてでも…!」
神の力が入ってしまった響の誕生日まであと2日____
「ええええ!?どう言うこと!?さっきまでなんか雰囲気良さそうな局を流しながらだってのにどうして私ったらこんな見晴らしのいい物件に住んでるのおおおお!?」
「響〜!呑気してる場合じゃないよ?」
「はっ!!そうだった!早く解約しないと〜!!最終決戦に遅れる〜」
第102回 響、アグモン