戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回は某ウルトラマンのタイトルからとりました。ぶっちゃけ今回の話はあのフォームの初変身を思わせるような展開にしました。実際、爽谷も戦う際に家族を傷つけるやつが許せないと心境を吐露していたので、前回それが最悪の形で実現してしまったのでもう彼は止まりませんよ。


第151話 闇の祝福

「どうして?切歌が倒れた…死んだ?マムやドクターのように、死んだ?」

「しっかりしろ爽谷!拓実の言ってたようにここはミズ立花と共闘してアダムを…!」

「うるさい…!」

爽谷は拓実にこの場を任されたが切歌が倒れたことにショックを受け立ち尽くしていた。そして手が血に汚れたと錯覚し取り乱していた。近くにいたクネモンを遠くに放り投げて爽谷は立ち尽くしていた。

「へえ、まだ生きてたんだ…」

アダムが呆れた表情を浮かべた。

「立花響たちには手を出させん!!ここまで来てようやくわかった。貴様は私の敵である支配者だ!!」

「全く実に頑なだねえ…まもなく神の力は完成する。そうなったら勝てないよ?君たちに何ができるの?」

すると響が立ち上がってサンジェルマンの横に立った。アグモンはすでにエネルギー切れのためデジヴァイスに戻していた。

「確かに私たちは互いに正義を信じて握りしめた者同士終始分かり合えてなんかいない…けど今は同じ敵を向いている!」

「敵は強大で圧倒的!ならばどうする立花 響!」

サンジェルマンが響に尋ねたが2人ともアダムを睨みながら構えた。

「いつの世も抗い貫き言葉は一つ!

だとしても!!」

「まったくよく群れるねえ〜!君たちもおとなしく虫けらのように死ぬか支配されてればいいのにね。さっきのやつみたいに。不完全は完全に蹂躙され支配されてこそなんだからさ。支配されることにこそ意義があるのさ」

「え?」

アダムがため息をつくと爽谷が立ち上がった。

「爽谷さん?」

「誰?誰がなんて…?お前か?お前?お前か?お前だよな!?」

爽谷が目を大きく見開きながらアダムを睨んだ。

「今なんて言った?お前が殺したのは僕にとって大切なつながりなんだ!それを奪ったてめえが軽々しくご大層に上から支配とかなんだとか語るんじゃねえよ…!」

鬼の形相で爽谷は立ち上がった。

「冷泉、あそこまでの憤怒とは…暁の負傷が衝撃だったのか!?」

「あんな爽谷見たことない…」

爽谷の憤怒を前にSONGの装者たちやアケミも愕然としていた。

「殺す…!お前を殺す…!」

スピリットを取り出した爽谷だったが闇のスピリットが殺意で一気に形が歪み禍々しい形態に変化した。

「うがああああああああああああ!!!!」

絶叫を上げながらヒューマンスピリットを手にした。本部でも爽谷の見たこともない変化の戸惑いを見せていた。

「一体何が!?」

「まさか恐れていたことが起こってしまったのか?」

「恐れていたこと?」

「本来、闇のスピリットは他のスピリットと違って負の意思が過剰に宿ると暴走し、悪のスピリットへと変化する伝承があった。その力の源だったエンシャントスフィンクモンではそんなこちは起こらなかったのだ。

しかし、そういった伝承が広まったのは他のデジモンがその力を完全にコントロールすることは大変難しく多くがそれに飲み込まれてしまった先例があったからなのだ!!このまま暴走をすれば最悪死ぬ危険性もある!」

「なんだと!?」

弦十郎が冷や汗をかいた。

「ダスクモン!」

 

 

ダスクモンに変貌した爽谷は憎しみのままアダムに向かって言った。

「やれやれ、行けギズモンMK!」

「あれは新たなギズモン!?」

「ただのギズモンじゃないよ。あらゆる武装を強化したギズモンの最終形態さ。マスターカスタムの名の下で止める!」

「爽谷、お前…」

クネモンが変わり果てた爽谷を見て愕然としていた。ギズモンMKを10体も呼び出したアダムも直接襲って来た響の攻撃を軽々と受け止めた。

「おい、冷泉はともかく神殺しはまだなのかよ!?早くしねえとあいつまで…!」

「わかっている。しかし緒川が調査中だ!しかし成果らしきものは報告されてない!」

「切ちゃんに続いて爽谷まで…!」

爽谷がギズモンを睨むとすでで掴みかかりあっという間に腕力で顔面をあっという間に握り潰した。

「ヒャハハハッハハハ!!」

そしてギズモンを地面に叩きつけ、ボディが黒ずむほど拳で殴りつけ動かなくなったのがわかるとニヤリと笑いだして手足と顔面を引きちぎり始め相手が悲鳴のような機械音がなっても構わずにあたりに放り投げた。顔面がギズモンの体液で汚れた中ダスクモンは振り返って他のターゲットに狙いを定めた。

「爽谷さん、落ち着いてください!」

「立花響!それよりもまずはアダムからだ!そいつはエネルギーが切れれば大人しくなる。」

「でも、「よそ見は禁物だ!!」」

サンジェルマンが響を制止しようとするとアダムが不意打ちを仕掛けてきた。

「はあああああああ!!!!」

そのダスクモンは剣を取り出して向かって来たギズモンを次々と切り捨て、さらに剣で一体ずつ敵の全身を突き刺して体を切り開き、内部にある機械を残らず剥ぎ取り、終いには四肢を引きちぎって悦に浸っていた。そしてアダムの姿を見るや否やギズモンの残骸を投げつけた。

「全く手に負えない化け物だ。」

「うがああああああああああああ!!!!」

絶叫のままにアダムを攻撃するダスクモンだったがアダムにあっさり防がれた。

「がああああああ!!!」

ダスクモンがさらに黒いオーラに包まれて黒い鳥___ベルグモンにスライドレボリューションを果たした。

「そんな…!スライドレボリューションまで…」

調が慄いた表情で目をそらした。

「し、司令、切歌ちゃんは無事拓実くんにより搬送されました。」

一行は安堵した表情を浮かべたが暴走した爽谷とアダムを前に安心して現状を見ることができずにいた。

「鬱陶しいねえ!!」

アダムが術式を貼るとそれがベルグモンを覆い隠した。それを破壊しようと試みるもみるみる術式が拡張され動きが止められてしまった。

 

「ふう、さてとどうする?」

「立花響、お前はなぜ私を助ける?」

「決まってるじゃないですか!それは私のわがままです。

昔、誰かの力に潰されたことでそれを変えたいと願ったことがあるんです。そう考えたら同じ立場のサンジェルマンさんとはどうしても話し合いたいと思ったんです。だから体が動いていた!」

サンジェルマンがフッと笑い冷静な表情に戻った。

「ならば私も改めて自らのわがままとして戦おう。その上で改めて借りを返す!」

アダムをサンジェルマンが、響がティキという構図で攻めるもアダムは守りに入っては攻めの繰り返しでまったくらちがあかずにいた。

「全く…させるわけないじゃないか。君たちにティキは触らせない。彼女のあちこちを弄れるのは僕だけなんだよ!」

ティキがさらにエネルギーを取り込む中、響とサンジェルマンが追い込まれてしまった。

「しかし黄金錬成はどうしました?打たないのですか?いや打てないのでしょうね!天からのレイラインはあなたにとって予想外のものだった!だから解放にエネルギーを費やす必要があって使えないのは見て取れる!」

これに対してアダムも舌打ちをして睨みつけた。響が正面からパンチを放ったがアダムは帽子でそれを防いで賢いと嫌われるぞという挑発を放った。

「だとしてもを貫け!!」

サンジェルマンが横から奇襲を仕掛けた。

「大丈夫か、立花響…!?」

響とサンジェルマンさらにはその様子を見ていたSONGの一同も言葉を飲んだ。なんとアダムの腕が切断された面から火花が出ていたのだ。

「まさかあなたは、人形?」

人形という言葉を聞いてアダムは余裕そうな表情を崩した。

「人形…?僕が人形だとおおおおおおおおお!!!!!?」

ティキが腕が切れたアダムを見て激昂した。

「アダムを傷つけるなんて許さない!!」

ティキが怒りとともに姿を変えた。

「なんだと!?」

「これが神の力の正体なのかよ!」

拓実たちもそのおぞましい姿に固唾を飲んでいた。

「ごめんねアダム、あいつらが許せなかった…」

「ふふ、本当は持ち帰りたかったんだけど仕方がない。

今から見せてあげるよ、DIVINE WEAPONすなわち神の力の脅威をねえ!」

 


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