戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
そして今回調ちゃんの名前の由来からもしかしたら!?ということがありますが個人的にはそうあってほしいかなって思ってますがそうだと切歌ちゃんが寂しいことに…
翌日、プレラーティの目的地を調べたSONGによって神の力に対して本格的な対策をするべく、本部に戻ることになった。
「ありがとうございました。」
「いえいえ、どうかまた来なさい。この老いぼれが生きてる間にでもね。」
「そういうの笑えない。」
「ブラックジョークですよ。」
調と宮司が笑い合うと切歌たちもやって来てお礼を言った。
「うーん。」
「切歌、どうかした?」
爽谷が切歌のみてたものを見ていた。
「これ、絶対"つき"って読めないデスよ…」
「もしかしたら"調べ"って言う字はつきって読めるのかもね。けど、それってまるで誰かの名前みたいだね。」
「ふたりとも〜!早くしないと置いてっちゃうよ!」
調は宮司からもらったお守を手にしてわずかに微笑んだ。
それから本部に帰還した装者たちは調神社で手に入れた資料を渡し解析の時を待った。
「ご苦労。すぐで申し訳ないが君たちにもう一つお願いしたい。どうかあのリコリスともう一度話し合ってほしい。敵の目的にしてはここまで随分と単調な流れでこちらが優勢になりつつある。
しかし、結社にはまだアダムが残っている。奴個人に関してリコリスから情報を得てくれ。」
「クダモン、なぜそこまで聞く必要があるんだ?」
弦十郎が首を傾げた。
「実はすでにロイヤルナイツの元にパヴァリア光明結社の征伐指令が出たのだ。」
「え!?どういうことなんですか?」
響たちが驚いた。
「実はデジタルワールドにもすでにギズモンが現れていたのだ。そいつらは暴走デジモンを自ら呼び出して村を襲いデジモンたちを虐殺しているのだ。」
「なんてことを…!」
マリアが拳を握って憤りを示していた。
「もしかしてこの間マグナモンが来たのは…」
「ああ、それを伝えるためだ。すまなかった。今まで話せなかったのは対抗策が具体的に見つからない上で皆を焦らせて全滅を避けようと判断したためだったのだ。」
「気にしないでください!それで他に何がわかったんですか?」
「ああ、あのあとマグナモンから連絡がまた届いたのだが奴らはどうやら魔王とも結託してるらしいこともその後判明した。」
クダモンがデジタルワールドの様子を見せながら一行に話した。
「なんだと!?」
「あたしたちが倒したリヴァイアモンやデーモンといったあの七大魔王デスか!?」
「ああ、考えられるのは強欲のバルバモンか傲慢のルーチェモン!そやつらは先の大戦で大軍を率いてデジタルワールドの大部分を蹂躙し、我らロイヤルナイツを始め、デジクロスの創始者や十闘士たちによってその野望は足止めされ最終的には我らに破れたのだ。」
「デジクロスの創始者だと!?」
弦十郎が驚愕した。
「ああ、彼の名はバグラモン。天界を自ら捨てた男だ。」
「そのバグラモンというデジモンは何者なのだクダモン?」
翼が疑問を投げかけた。
「ああ、彼はかつて天使型デジモンだったが世界の理不尽な秩序に反発し自ら天界を捨てたデジモンだった。
彼は古き秩序に辟易しており、時には三大天使やイグドラシルのやり方にさえ疑問を持ち自らその場に足と運び、話し合いをしようとよく我らの元にやって来たのだ。
それから奴は弟のダークナイトモンたちとともに当時根付いていたデジモン間の種族や世代間の格差で虐げられるデジモンたちに手を伸ばし、世代や種族問わずに手を取り合うことで本当のデジモンによる理想郷を作れるという考えの持ち主でデジタルワールドの革命児だった。」
「まるで響だね。」
アグモンが響に囁くと響自身わかってなかったのか首を傾げた。
「それから七大魔王が現れ、彼はロイヤルナイツに頼らず自分たち弱い存在でも力を合わせて戦えるようにとデジクロスを考案し、特訓の末それを編み出したのだ。
しかし七大魔王たちには及ばず弟もろとも完敗し最期は多くの幼きデジモンたちを守るべくルーチェモンの技をくらい立ったまま戦死した稀代の英雄だったのだ。その後生き残ったデジモンたちは今は我らの配下になったりして共に危機に立ち向かっているのだ。彼の意思を継いでな。」
「とにかくその、バルバモンが結社の裏側に隠れてるかもしれないというわけですね?」
エルフナインが尋ねるとクダモンがそうだとうなづいた。
「ああ、お願いできるだろうか?」
「分かりました!」
「おい、あいつに聞くのかよ!?あいつは何考えてるかすらわかんねえやつだぞ!?」
「でも、今シンフォギアで戦えるのは切歌と立花響だけよ。愚者の石は急ごしらえな分リスクが大きかった。それが反動汚染…今は待つしかないわ。だからもう一度話し合って見る価値はあるわ。」
「それではレッツゴーデス!」
「んで、ここに来たと?」
リコリスがだるそうに起き上がった。
「お願いします!結社、特にアダムに関してまだ知ってることはないんですか!?」
「ないね。強いていうならアレキサンドリア号事件はあいつらの仕業だったってくらいだっていうのとサンジェルマンの傍にいた奴2人は元男だったってことくらいだ。アダムの奴を実際知る奴ってのはそうそういねえんだ。わざわざご苦労なモンだな。俺から聞き出すことはもう搾り取ったろ?」
「いや、その割には重要なことをしれっといってね?」
拓実がツッコミを入れるがリコリスは興味なさそうに欠伸をした。
「で?あれからシュルシャガナのユニゾンは成功したのか?」
調のほうに尋ねたが、調はゆっくりとうなづくだけで敵意を以前ほど見せてはいなかった。
「うん、自分について考え直したらできた。あなたの言った通りだったわ。」
「そうかい、そうかい。てことはプレラーティもやったのか…」
「ぶー、何調に馴れ馴れしく話してるんデスか!?もう少し立場を自覚するデス!」
「はいはい、わかりましたよ。でだ、お願いがあるんだが…」
リコリスが笑みを浮かべながら、手錠を響たちに見せつけた。
「そろそろ鬱陶しくなってきたからこいつを解いてほしいんだけどな。」
「おいおい!!何考えてんだ?お前はあくまで捕虜なんだぜ!?」
クリスが面食らったような表情を浮かべた。
「考えてるさ!俺にも俺の計画があったんだよ。まあ行き当たりばったりだがな。」
「どういうことなの?」
「それは決まってるだろ?お前らをうまく奴らにぶつけさせてどさくさに紛れてアダムを殺そうと思ったんだよ。」
「なんだと!?貴様正気か?」
翼が尋ねたがリコリスが立ち上がって笑い出した。
「ああそうだ、そしてサンジェルマンを新たな統制局長に迎え入れる。それが俺の目的だ。
あんなアダムよりサンジェルマンこそがこれからの錬金術師たちを導くことができる。そのためにはあの2人は勿論、アダムも邪魔なんだよ。あいつの横には俺だけが一番近くにいればいい…たった1人俺だけをずっと見て欲しいんだよ」
リコリスの野望を前に一行は愕然とし、警戒心をむきだし始めた。
「なんて奴なの…!」
「こいつ、サンジェルマンしか頭にねえみたいだな。しかも行き過ぎたレベルだ…」
「当然だ、あいつは誰にでも手を伸ばし古きに疑問を抱き、変革をもたらしてきたやつだ。
錬金術を俺よりこなし、皆から慕われたカリスマ、魅力も桁違い!
俺はずっとこの時を待っていたのだ。あいつに最も近づくのはカリオストロでもプレラーティでもアダムでもましてやキャロルでもない!この俺だ…」
リコリスが感情を露わにして立ち上がり恍惚な表情を浮かべながらアピールした。それを聞いたデジモンたちはみるみる苦笑を浮かべ始めた。
「なんかキャラ違いますね…」
「女々しいのだな。」
「ただのつきまといじゃねえか。領空侵犯もいいとこだぜ。」
「なんだか頭が痛いわ…」
「ああ、彼女自慢もここまで来たらきりがないな。」
リコリスの発言は逆に響たちを呆れさせることになった。
「と言うわけで、俺がこれからサンジェルマンと交渉したいので解放を要求します。つーわけで頼む。」
リコリスが興奮したような表情からいつもの冷めたような表情に戻った。
「今の演説を聞いてますます野放しにはできなくなったな。とはいえ、お前の野望である本心を聞き出せただけでもまあ収穫だな。」
「なんて言うか怖いデス、好きなら好きと面と向かっていえばいいのに…」
「うん、そうだね切ちゃん。好きな人には好きって言わないとね。」
(所構わずイチャイチャしてる調達が言えたことじゃないような…)
「まあ、そう言うよな。お前らには感謝してるんだ。お前らのおかげで長年願って諦めかけてた野望が叶うんだ。けど、お前らの司令のお人好しっぷりが仇になったみたいだな。というかその気になればなったらでこうすればよかったんだがお前らには感謝の意があるしな。」
リコリス腕にグッと力を込めて口から術式を出して高圧水流で手錠を破壊した。
「バカな!?」
「止めるのよ!」
「やっぱ自由てのはいいなあ!お前らのおかげでサンジェルマンを迎えに行けそうだ。あいつは俺が頂く!あばよ!」
液状化したリコリスは通気口を通って脱出を図ろうとした。
「やられた!司令!」
「わかってる!なんとしても逃がさないようにはする!」
「ショタだから逃がさないわよ!」
アケミが施設を封鎖しようとしたがリコリスはそれを無理やり破って逃亡してしまった。
「やられた!ここじゃあデジモンも戦わせるほど広いスペースもないしエルフナインによって反動汚染が除去中でほとんど戦えないって言う盲点が…!」
「…奴もサンジェルマンを狙う以上警戒はしたほうがいいな。けどファウストローブを持たない以上、今までの奴らよりかは楽に対処はできるはずなのでそれよりもまずはパヴァリアからです。」
「そうね、あいつは楽に比較的対処できるだろうから今できることをする方がいいわね。
拓実が司令室に向かいながら悔しがるマリアを宥め、SONGたちに神の力の影が伸びていた。
一方、サンジェルマンはプレラーティ戦死の報告を受けて彼らを追悼した。アダムはその行為を自分の利益のためかと尋ねたがサンジェルマンはアダムのような人でなしにはわかりはしないと告げ、次の日にもう一度儀式を行うとだけ告げてその場から去った。
「さてと、どうしたものか…もう神の力が手に入るがシンフォギアの力は厄介。仕方ない、最悪あれを使おうかな?」
「あれって何〜?」
「ああ、あれって言うのわね、僕らと同盟関係にある彼に提供されたものだよ。」
すると辺りが暗くなり、アダムの目の前に禍々しいオーラを放つ影が現れた。
「どうだ人間よ?貴様もずいぶん手間取っとるようじゃな?」
「ご心配には及ばないさ、モンデーモン殿。あなたの提供したデジモン技術のおかげでギズモンを我らは生み出せたよ。」
「ふん、その名前はよせ。ただの商人としてデジタルワールドやお前達の間ではそう通してきたが儂に関してはお前も知っての通り立場的に下手に表立っては動けんのだ。だからお前たちにデジモンのデータを提供しあれを渡したのだ。どうだ?有効活用できてるか?」
アダムが笑みを浮かべた。
「ええ…破壊させたデータは喰わせてます。復活は時間の問題です。」
「期待を裏切るなよ。儂らのビジネスだからな。いい結果を待ってる。」
影は消えた。
「ねえ、アダム!さっき誰と話してきたの?私には全然わからないんだ!」
「ああそうだねえ、彼はデジタルワールド屈指の闇商人モンデーモン。至るところで暴走デジモンを呼び出して兵器利用したい僕らのような裏組織と地上蹂躙など危険思想を持つデジモンたちとビジネスを行い、戦争を引き起こす死の商人さ。」
「そんなのと手を組んでたのってサンジェルマン達は知ってたの?」
「いいや、僕ときみだけだよ。知っていたのはね。そして彼の本当の顔もね。」
「本当の顔?教えてアダム!あの人はどんな人なの?」
アダムは空をじっと見上げた。
「あらゆるものを欲して、たかが財宝ひとかけらであっても平気で他者を滅ぼすほどの強大な強欲の持ち主さ。きっと人やデジモンはこうとも言うね。七大魔王 強欲のバルバモンと。」
「全く、また愛で狂うものが出たのか…」
(フィーネため息をつく)
「やれやれだな。」
「しかぁーし!!人にとって愛とは欠かせないもの!愛こそ全て!愛こそ…!「黙ってろ、左巻き!!」」
「はあ…あんたたちもブレないわねえ…」
第101回 フィーネ、キャロル、ウェル博士
フィーネさんはカストディアン、キャロルはパパ、ドクターは愛ですよ!ということでシンフォギアって割と愛関係での悪役が多いような気がするので彼もそんな感じにしました。
そして、ついにセレナきたあああああああああ!!!!!
しかもスペシャルサイト付きという優遇っぷりに運営は力を温存したなと感心しました。