戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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前々回からデジクロスの共鳴が出て来たわけですが実際クロスアップにはこの作品のバグラモンは作らなかったという設定で行きます。その代わりデジクロスの共鳴はデジクロスを習得したもの同士でしか行えないという形になってます。
それと十闘士の属性を帯びた鎧のデジクロスを加えてSONGのパートナーが大幅に戦力アップしてます。これから先は出来るだけ十個の属性である火・光・闇・鋼・水・土・木・氷
風・雷の鎧を纏ったデジクロスも書けていけたらなって思ってます。


第147話 翳る月、巡る野望!

 響たちは八紘の指令で古くから神出づる門の伝承が伝えられている埼玉の調神社へと向かっていた。目的は神出づる門の把握ならびにパヴァリア光明結社の作戦の阻止であった。

 

「まさか、割と近いとこにそんな神社があるなんてな。」

 

拓実は爽谷を乗せてマリアたちの先を走っていた。翼はマリアの横でバイクを走らせていた。そんな中調の浮かない表情だけが浮かんだ。

 

(あれはかつての私そのものだ。狭量に囚われて人と手を結ぶことを拒んでいた、あの頃の私だ…)

 

翼も過去を思い出していた。その後、全員調神社についた。

 

「この調神社には他の神社と違う点がいくつかあるらしいよ。ほら、そことかね。」

 

爽谷が指差したのは狛犬の代わりになっていたウサギの石像だった。

 

「うさぎさんデース!」

 

「かわいいウサギさん…」

 

マリアがニコッと笑みをこぼした。

 

「マリア、ニヤついてるぞ。」

 

「ああ、スマイリングだな。」

 

キャンドモンが調と目を合わせないように言った。

 

「へえ、すげえなおい。ウサギがいるな。心がぴょんぴょん跳ねそうだな。」

 

拓実もじっとウサギを見つめていた。

 

「おやおや、来ましたね。」

 

すると一行の後ろから眼鏡をかけた宮司の老年男性が歩いて来た。

 

「あなたたちを見てると昔事故で亡くなった孫を思い出しますね。生きていれば、あなたたちくらいにはなったでしょうに。」

 

「ておい!あたしらも随分年齢がばらけてるぞ!?いきなりそんないい加減なことを言うか初対面の時にで!?」

 

「ハッハッハ!!これはいわゆる神社ジョークですよ!ハハハ!!」

 

「はあ、不信感で万里の長城が出来そうだな。」

 

「ケッコウ、イイカゲンナカンジナヒトダナ、クリス。」

 

「でもなんか、お茶目なおじいちゃんって感じもするわね。」

 

クリスたちも宮司の神社ジョークに苦笑いを浮かべていた。

 

 

 

響たちは神社に上がって地図のようなものを宮司が広げたのでそれを代わり番こで見つめていた。

 

「これは、オリオン座か?」

 

拓実が宮司が見せた紙を見つめた。

 

「いえ、それは氷川神社郡と呼ばれるものです。

 

 ここの神社を含めた7つの氷川神社に描かれた鏡写しのオリオン座とでも言いましょうかね。受け継がれる伝承の元に存在する鼓星の門すなわちこの神社より神の力は出づるとされています。」

 

響たちは地図を見てパヴァリア光明結社の狙う神の力の関連性を探っていた。

 

「この神社以外の6つにやっぱ奴らがいるんじゃないか?神の力を狙う以上どこかしらに奴らがスタンバイしてるのはあり得るかもしれない。」

 

拓実が端末で神社に画像を探していた。

 

「でも、こうしてもどうなるのかまるでわからないな。僕たちは奴らをまだ知らなすぎる。神の力に関しても…」

 

「ファルコモンの言う通りだ、もう一度あのリコリスという錬金術師に話を伺うのもいいかもしれぬがなんとしても神の力を得られないようにしなければならない今、迂闊に飛び込みはできない。」

 

一行に重苦しい空気が流れる中、突然腹の音が鳴った。一行はじーっと拓実やデジモンたちを見た。

 

「いや俺じゃないからな。」

 

「けたたましいのデス…」

 

「いえ、私の中の獣がですねえ…」

 

「って、立花さんかい!」

 

「ハッハッハッ!では夕ご飯にしましょうかね。私のキッシュは美味しいですよ。」

 

(何故そこでキッシュ!?)

 

「おいおい、普通は和食じゃねえのかよ。まあいいけどよ。」

 

食事になっても調とキャンドモンは隣合わせにはなろうとしなかった。

 

「絶賛お喧嘩中みたいだね、爽谷。ユーは何か言わなくていいのかい?」

 

「心配ないって。こういうのは調とパートナーでどうにかすべきだと思うから。」

 

それから夕食後、翼は一連の出来事を報告した。SONGでは今回調神社に向かったのは調神社がレイライン上に位置するため神出づる門の手がかりを得て敵の目的を探る意図があったのだが、今回わかった神いづる門に関する出来事を元に要石の利用を試みようとした。しかし、要石はキャロルによっていくつかが破壊されてしまっていた。

 

一方、サンジェルマンも確実に儀式の準備を整えていた。それと同じ頃プレラーティも目を覚ましてアダムの元に向かっていた。

 

(あいつは以前アダムは私やあいつの命を利用して神の力の祭壇を狙っているといっていた。それに奴の隠し事も気になるワケだ。)

 

「アダム〜!私ね、人間になりたい!人間になってアダムの子供をポコポコ産んで野球チーム作りたい!」

 

「そうだね〜そのためには計画を進めないとね。早くねえ…」

 

「そーそー、リコリスもいれば真っ先に使えたのにね。でもまああの三級錬金術師でも足しにはなるよね〜!」

 

「その話聞かせてもらおうか。」

 

アダムとティキの入浴中にプレラーティがやってきた。

 

「知らないとは言わせないよ、君は最初から計画遂行のための勘定に入ってたのさ。サンジェルマンの命もね。」

 

プレラーティの問いかけに対して悪びれる様子もなくため息をつきながら話すアダムに対してプレラーティは怒りがこみ上げるままにアダムを攻撃したが全く通用せず逃亡した。

 

「あいつサンジェルマンにチクる気だ〜!アダム、デジモンでも使う?」

 

「いや、ここはシンフォギアに任せよう。裏切り者の抹殺と彼女たちの戦力低下には貢献できそうだしね。」

 

卑劣なまでのアダムの野望に対してプレラーティはそのままサンジェルマンの元へ向かった。サンジェルマンを守るために…

 

 


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