戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

144 / 227
第143話は安心と信頼のOTONAの活躍でお送りいたします。ぶっちゃけこれをAパートで済ませたあたりさすがです。けど英雄故事は流せなかったのはまあ仕方ない。しかもDVDのCMでそれに突っ込まれる始末…どうでもいいけどマリアさんのいやいや待て待て待ちなさいが結構気に入ってます。


第143話 さらなる高みへ!

「おお!!これは!もしかして!」

「もしかするかもね、切ちゃん!」

切歌が泥の中から何かを発見した。

「イェーイ!やったデェース!」

「切ちゃん、あのね…」

調が切歌に落ち着くよう言ったがはしゃいだ切歌により泥を顔に浴びてしまった。

「おい!こっちも見つけたぞ!」

拓実がエルフナインに愚者の石らしきものを見せた。

「そのようですが少し小さいですね、もう少し大きいのもお願いします。」

「やっぱ、簡単に見つかりませんね。」

響たちも手作業で愚者の石を発見した。

「ああ!!せっかくの宝探しだ。気長にやらせて…「見つけたデェース!!」なにぃ!?

しかも俺のよりでかい…」

拓実が愕然としていた。

「見せてください!!うわっ!」

エルフナインが焦ったため転んでしまった。近くにいた拓実もそれに巻き込まれてしまった。

「あれ?おい!俺の石はどこだよ!?おい!」

顔を拭いた拓実は手元にあった愚者の石を手放していたのに気づいた。

「まさか、投げてしまったのか?水琴!!」

「やべえ!!どこだ?どこだ?無い!!やべえよ!やべえ!!」

「うろたえるな!!まだ大丈夫、落ち着きなさい!」

マリアの制止虚しく拓実は思い切り転んで全身泥まみれになってしまった。

「せっかく苦労したってのに…なんでだよ〜!なんでこうなんの?なんでだよおおおおおおおおお!!!!!」

拓実の絶叫がこだました。数分後無事に発見され一行はシャワー浴び終え弦十郎に呼ばれた。

 

 

「これからお前たちに訓練を施す!全力で来い!!愚者の石はあくまで対策だ!ゲストも呼んでるしな!」

すると、霧とともに緑のジャージを着たリコリスがむすっとした表情で現れた。

「あんまし乗り気じゃねえんだがな…」

「まあそう言うな!お前もちっこいまんまじゃ男としてあれなんじゃ無いか!?」

「なんでその人を?」

マリアが睨みつけてきた。

「錬金術師と戦うのに必要だと思ってな。本人も了承したんだよ。」

「って!そんなとこまで言わなくたっていいだろ!?」

リコリスがむすっとした表情でそっぽを向いた。

「弦十郎、始めるぞ!」

クダモンが呆れながら訓練を始めた。

「クダモンワープ進化!!スレイプモン!」

「いきなり究極体!?」

「お前らも究極体があまり使えてなさそうだからな!ここで思いっきりやらせてやる!拓実くんと爽谷くんは光と闇と火以外のダブルスピリットレボリューションの特訓だ!」

「はい!」

「さてと…」

「「ダブルスピリットレボリューション!!」」

「ジェットシルフィーモン!!」

「ライノカブテリモン!!」

「君らも究極体にしろ!ただしデジクロスなしでだ!!」

「はい!」

全員デジモンを究極体に進化させたが爽谷だけは完全体どまりだった。

(まだ、ダメか…!)

 

訓練が始まり、弦十郎がトレーニングを始めリコリスはひとまず全員の訓練の様子をシャボン玉を吹きながら見ていた。

(さてどう言うやつだ?)

響が真っ先に攻撃を仕掛けたがあっさりいなされ吹き飛ばされてしまった。

「まじかよ…」

「だったらこいつはどうだ!」

クリスもMEGA DEATH PARTYを放つが爆破する前にまとめてひと抱えされて打ち返された。

「人間をやめてるな。うちのアダムをぶっ殺すのには不足はないな。」

リコリスは淡々と眺めていた。

「数で攻めるな!心で攻めろ!」

「大人気ないわよ!」

マリアも大した抵抗もままならないまま吹き飛ばされ、翼もある程度善戦したがそれでも敵わず、切歌と調に至っては大した行動もないまま足踏みで破壊された瓦礫を飛ばした攻撃で倒された。

「あーあ、天下のシンフォギア様たちもここまでやられるとはな。あいつは完全に一種の人間兵器だなこりゃ。」

「どれだけ数をぶつけても意味はない!心を合わせろ!お前たちにいるのはそれだ!!さてと、向こうは…」

「よしみんな!一斉攻撃だ!!」

「おう!!」

「ブラックアウト!」

「ガイアフォース!!」

「天ノ尾羽張!!」

「ムゲンキャノン!」

「ディメンジョンシザース!」

「トマホークシュタイナー!!」

「グロリアスバースト!」

「アルティメットストリーム!!」

「ウルトラタービュレンス!!」

「コンデンサストーム!!」

デジモンたちも一斉攻撃を仕掛けたがスレイプモンはフフフと笑った。

「久しぶりの実戦だな。お前たちと手合わせできるのは嬉しい限り!!なれど、まだまだ甘い!!」

スレイプモンは左腕の聖盾ニフルヘイムをかざした。

「オーディンズブレス!!」

そう言うと強力な冷気を発生させ攻撃を全て打ち消してしまった。

「なんだって!?」

「ふふ、気概はあるな…だが恥じることはない!!お前たちは勇気を持っている!!さあ立ち向かえ!ビフロスト!!」

聖鴑ムスペルヘイムをかざし弓が1発ずつ確実にデジモンたちを一撃で退化させた。

「これがロイヤルナイツ…」

「いいか!!あくまで愚者の石は対策だ!!お前たちにこれから施すのはお前たちの絆だ!!このあいだの戦いを思い出せ!」

「このあいだの?」

「確か、2人がユニゾンでプレラーティを攻撃したのよね?」

「そうデスが…」

「おかげさまで鬱陶しい奴を藻屑にしてくれたんだってな。まあ、ありがたいかな。」

リコリスがチャチャを入れたがあっさりスルーして拓実が腕を組んだ。

「まさか…!そう言うことだったか。」

「どう言うことだよ拓実?」

クリスが尋ねると拓実はうなづいた。

「ズバリ、今回の特訓は新しいユニゾンの実戦ですかね?」

「新しいユニゾン!?どうしてそんな?」

調が感情を露わにして困惑した。

「今までの戦いを振り返ってみるんだ。奴ら松代に行く前にイグナイトのテスト目的があって幽閉をしたから、もしかしたらユニゾンもイグナイトの時のように恐れをなす場合がある。だったらまずその力をどうにか把握したい始める。」

「そうか!となれば対策が練られるのは必然!!」

「だからですね師匠!!」

「鋭いな!その通りだ、だが今回気にするのは誰と組んでも力を発揮出来るかだ!ここから先はリコリス、お前がやれ!」

「おいおい…バカはよせっての!確かに訓練はやるつったがこの俺が実験台になるとは言ってねえぞ!」

「大丈夫だ!お前は強いんだろ?それにそんな弱っちい図体じゃ何にもできねえぞ!」

リコリスも弦十郎の強さは知ってる為迂闊に反論出来ず、ため息をついた。

「はいはい、わかりましたよ。どうせここにいても捕虜なんだしな。さあどいつからだ?さっさと終わらせて欲しいんだがな。」

「じゃあ、調ちゃん!!一緒にやろう!」

「う、うん…」

戸惑う調が響と共に前に出るとリコリスが両手をかざした。

「はい、遅い!!」

「え?」

2人が構える前にリコリスが目の前に術式を張って、大きな水の球体に閉じ込めた。

「不意打ち!?」

「汚いデスよ!」

「悪かったな…実戦に近くさせるにはこれくらいダーティー要素は要るんだよ。これから戦う時に相手が聖詠中とかデジモンの進化中に攻撃してこない保証はないだろ?というか隙さえあれば俺なら平気で狙うけどな。

それに、ボーッとしてていいのかな?」

一行が足元を見ると渦のようなものができ全員を飲みこもうとしていた。

「さあどうする?協力しなければ訓練中に殉職だぞ。」

(このままじゃ…!)

マリアとクリスがとっさに手を伸ばした。

「おらあああああ!!!」

クリスのMEGA DEATH PARTYとマリアのEMPRESS†REBBERIONの同時攻撃で渦は崩された。

「ほう、いいじゃねえか!んで?あちらさんはどうかな?」

水牢では響と調が内側から足掻いていたが一向に割れなかった。

「そーそ、そいつは2人同時で割らないと中の圧力が低下するしくみになってるんだよ。さあ、無理矢理でもいいから心を合わせてみろ!でなきゃ、死ぬぞ。」

しかし数十秒経っても一向に割れる気配もせずうんざりしたのかリコリスが2人を解放した。

「やめだやめ。この組み合わせはハズレみたいだな。よし次行くぞ!!」

「大丈夫?調ちゃん?」

「大丈夫です…」

「お次はそこのやつと組め。みっちり鍛えてやる。手加減なしで行くかもしれねえから覚悟しとけ。」

「さて、水琴に冷泉はさっきの属性のトレーニングに励め。お前たちの属性は偏りがちになるため敵も対策は練って来る。だからそいつら以外で戦うことを忘れるな。それに、もし武器の使い方が難しいなら互いに戦い方を教えあうのだ。自らの知る全てを持ってして私に膝をつかせろ!」

「はい!!」

爽谷と拓実も立ち上がってジェットシルフィーモンとライノカブテリモンにもう一度ダブルスピリットレボリューションしてスレイプモンに立ち向かった。他のデジモンも立ち上がって各々が攻撃を放つのではなく、適当な組み合わせでタイミングを合わせてスレイプモンを攻撃した。

「先ほどよりは心が通じ合ってるようだな。今ならあの極意を教えるには不足なしか…」

スレイプモンがふふと笑った。

 

一方、とある場所では神の力起動の準備が着々と進められていた。

「七つの惑星と七つの音階…星っていうのはまるで音楽のようだね!!」

ティキが空に手を広げながらかざした。サンジェルマンはアダムにより肩に刻印を刻まれた。

「そろそろ選ばないとねぇ…生贄を。」

サンジェルマンを嘲笑するかのようにアダムが耳元で囁いた。

「さて!シンフォギアだね、あとは。」

「あーしがいくわ。」

カリオストロが宣言するとサンジェルマンが動揺した。

「自分にだけは嘘はつかないって決めてたけど、搦め手で決めさせてもらうわ。」

「だめだ、カリオストロ!!奴らの危険性はプララーティが教えただろう!?」

「そう、だからこそよ。今しかないの。」

「そぉーなんだ〜!じゃあ頑張ってねー!」

ティキがニコニコ笑いながらカリオストロを見送った。

(必ず戻ってきてくれ…カリオストロ!)

 




「さっきまでは準備運動!?いやいや待て待て待ちなさい!訓練って言ったって実戦じゃないのよ!?やりすぎはダメよ。それに本気を出したら本部が壊れちゃうわ!」
「はいそこうるさい。」
(リコリス、頭上から水をぶっかける)
「うう…なんでこうなるのよぉ…」

第96回 マリア、リコリス(in訓練中)

さて次回、新たなユニゾンとともに現れたデジモンの戦いとは?お楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。