戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
そして今思えばこっからアダムのメッキが剥がれてきた感じがします。とはいえ、サンジェルマンも散々犠牲犠牲言ってたし当然自分に跳ね返ってくるのはわかってましたが割と気の毒になってきました。
「全く…僕の命令を忘れたのかい?」
都内某所のホテルにてアダムは全裸でティキと戯れながらサンジェルマンたち3人を叱責した。
「よく言うわ、そっちだって黄金錬成なんて余計なことしなかったら今頃あーしらも苦労しないっての。」
「そういうワケだ。」
「ちょっと!アダムを悪く言わないで、この三級錬金術師!」
「まあ、仲良くしようじゃないか。目的はすぐそこまで迫ってるんだ。」
アダムはティキを抱きかかえたままその場から去った。
「ほんっとにいけ好かない!あんなのが統制局長なの?」
「しかし、あんな男などに私たちはついていかないワケだ。」
「そうね、あーしらが付いてくのはサンジェルマン、あんただけよ。」
「お前たち、すまない…」
「今はじっくり休んでおくワケだ。とりあえず私とカリオストロでどうにかするワケだ。」
カリオストロとプレラーティはその場から去っていった。
「お母さん…」
その後エルフナインは聖遺物の資料を一通り読み漁るが目立つ収穫はなく、アケミも徹夜しながら探していた。
「ほら追加のやつだ。あんまり無茶すんなよ。」
「大丈夫です、アケミさんの方こそ大丈夫ですか?わざわざ付き合うことはないのに…」
「いいのいいの!大丈V!可愛いエルくんに過労は良くないからね〜!」
するとエルフナインが転んでしまった。
「おい大丈夫か!?」
するとたまたま近くにあった資料に目を通したエルフナインがハッとして驚いた。
「こ、これは!」
数時間後、響たちはミーティングルームの集まった。
「これを見てください。」
「あれは!」
そこに写っていたのは響がまだ融合症例だった頃の画像だった。
「あれってカサブタの!」
「いや、あんな石っぽいカサブタがあるわけないでしょうが。」
拓実が響に対してツッコミを入れる中全員苦笑していた。
「この石はまだ融合症例だった響さんがガングニールの体内から生成されたガングニールの一部でもあります。」
「しかしその石には大した力はないと聞いていたのだがな。」
「翼の言う通り確か意味のないただの石ころじゃなかったの?」
ファルコモンが尋ねるとエルフナインは首を振って画像を見せた。
「本来賢者の石とは一つの大きな命に見立てて作られています。この石__すなわちガーベッジはそれとは全く逆に響さん1人の命から生成されたものなんです。」
「スケールがでかいな。」
「つまりどう言うこと?」
マリアと響のアグモンがそれぞれ首をかしげると藤尭がハッとした。
「そうか!これで相反する二つの性質を利用して賢者の石の効果を消すんだな!?」
「さすが藤堯先輩!」
「そう、藤尭さんの言う通り今回の強化にはミクロコスモスとマクロコスモスをぶつけての理論に基づきます。」
「ねえ、切ちゃん、しらちゃん。エルフナインは何言ってるの?」
「言ってることがパッパラパーだぜ。」
「それはこっちが聞きたいデスよ…」
言葉の意味に対して調と切歌そして2人のパートナーは頭を抱えていた。
「つまりは、紅茶に牛乳入れたら全く違う味になるってことだよね、エルフナイン。」
「はい、爽谷さんのいうことは牛乳がこのガーベッジで賢者の石は紅茶全体となるのです。一のものが全なるものを変えてしまうのがこのガーベッジなのです!」
「だいたいわかった。ありがと、爽谷。」
「で、そいつに名前は決めたのか?ガーベッジってのはあくまで仮の名称だ。何かしら名称はあったほうがいい。」
拓実が名称を思い出したので提案しようとしたがクリスがちらっと響の方を見た。
「んじゃあまあ、さしずめ愚者の石ってとこかな?あのバカからできたわけだしな。」
(クリス、そんなまたストレートな…ダストストーンとかの方がいいじゃねえかよ。)
拓実が苦笑いを浮かべた。
「ええ!?ひどいよ〜!クリスちゃん!」
「よし!では今後ガーベッジは愚者の石と名付ける!」
「そんな師匠まで!?」
その言葉に他の面々は笑いをこらえていた。
「まあ、愚者もどっかの占いじゃあ可能性って意味もあるからいいじゃないかな?」
「爽谷さんも…私ってやっぱり呪われてる。とほほ…」
「で?そいつは一体どこにあるんだ?」
「確か、一通り調査を終えてその後深海の竜宮に運ばれたはずよ…」
深海の竜宮と聞いてクリスはまたも暗い表情を浮かべた。過去にオートスコアラーのレイアを撃破した際に、クリスの攻撃が原因で深海の竜宮は破壊されてしまったからである。
(あたしのせいか…あの時も良く考えたらもっとマシなやり方ってのもあったかもしれないな。)
その後SONGは迅速に動き出した。マリア、響、翼と拓実、シードラモンが海に入って残骸の整理をして残った面々が残骸から愚者の石を発見しようと奮闘していた。
「水琴先輩のロマンバカっぷりには困ったものデス。」
「自分からトライしてくれるのはよかったけど、お宝探しって聞くと本当に目がないよね。」
「マア、アイツニモソウイウメンハアッテモイイダロウナ。クリス、ソッチハドウダ?」
「だめだ!全然見つからねえ!」
「焦らずゆっくりと探しましょう。まだ開始して二時間くらいです。」
その時、突如としてアルカノイズにギズモン軍団が現れた。切歌たちも戦闘態勢を整え、アルカノイズを撃破していった。
「落ち着いて避難を!」
「甘いのよ、お気楽系女子!」
カリオストロの光弾攻撃に現場の作業員たちが殺害された。
「誰のせいかしら〜?」
「貴様ーー!!!」
爽谷がブリッツモンで後ろからカリオストロを攻撃するがプレラーティに防がれた。
「こいつら!」
デジモンたちもギズモンATに苦戦を強いられていた。
「やっぱりこいつ、強い!!」
(今究極体になったらマリアたちが危ない!一体どうしたら!?)
「ダインスレイフを抜剣できないお前たちはここで終わりだ!」
「完全にぶっ壊してくれるわ!」
「なあ、あいつらもしかして愚者の石の存在を知らないんじゃないか?」
「かも知れないデスね。けどどうやって…」
「ねえ、切歌、調。現状イグナイトが使えなくても2人にはアレがあるでしょ?この場はとりあえずそれでしのぐしかない。僕が注意を引きつける!」
爽谷が跳躍して空中でミョルニルサンダーを放った。
「よぉ〜し!行くデスよ調!」
「うん!切ちゃん!」
響たちにも地上の様子は知られたがまだ敵は愚者の石の存在に気づいてないと判断した弦十郎により、響たちは作業を続けた。そして地上では混戦が繰り広げられていた。
「行くデスよ!ジュエルビーモン、グラウモン、アトラーカブテリモン、ディグモン!」
「負けないよ!デスメラモン、サラマンドラモン、オロチモン、バードラモン!」
「「デジクロス!!」」
新たな組み合わせでデジクロスしたジュエルビーモンX4β、デスメラモンX4βが構えを取りギズモンATに向かって行った。
(ここから先はギザギザギラリ☆フルスロットルを聴きながら読むのを勧めます)
「いっちょやってやるデスよ!」
2人のとった手段はユニゾンだった。本来適合係数ならば低い部類に含まれるであろう2人が他の装者たちと渡り合えるのもこのユニゾンあってのものである。ユニゾンはイグナイトモジュールを必要とせずに適合係数を刎ねあげることができるため敵のファウストローブの相殺機能の対象外になるのだ。
<災輪・TぃN渦ぁBェル>
切歌と調がプレラーティを相手にしている間、クリスは敵の守りを崩しつつカリオストロと拮抗していた。
「サンダーハンマー!」
爽谷もギズモンXTの大群をまとめて相手にしていたが敵が改良されていたため少し劣勢になっていた。
(僕はここまでなのか!?いいや、僕は負けない!)
「ダブルスピリットレボリューション!ライノカブテリモン!!」
ライノカブテリモンへとパワーアップした爽谷がギズモンをツノで弾き飛ばした。
「任せた!」
「任された!シャドウシックル!」
爽谷のスナイモンが投げ上げられたギズモンXTを切り裂いた。その横ではプレラーティがかつてのサンジェルマンのためにと奮戦したが切歌と調の連携に苦戦を強いられていた。
そしてジャンプした2人はアームドギアを組み合わせながら大鎌を振り下ろした。
<禁合B式・Zあ破刃惨無uうnNN>
「私を変えてくれたサンジェルマンのために!理想のためにいいいいいいい!!!」
プレラーティも気力を振り絞り攻撃を受け止めるも2人のユニゾン効果によりあえなく吹き飛ばされ、海の方に飛ばされた。
「今回はここまでね!」
カリオストロは不利と見て撤退した。
一方、サンジェルマンはアダムと1人話し合っていた。ティキはその辺りのプールを背にプカプカ浮かんでいた。
「順調のようだね…」
「はい。ですが生命エネルギーがわずかに不足しています。」
「そんなの簡単さ、あの2人のうちどっちかを生贄にさせるか、最悪あいつを捕まえてやらせるってのもいいかもしれないよ。」
「なっ!!あの2人をですか!?」
「そーそ、祭壇設置には事足りるじゃない。完全な肉体を持った者の生命エネルギーならどうにかなるはずだよ?」
仲間を犠牲にしろとの発言にサンジェルマンも表情を一変させてアダムに対して声色を荒げて人でなしと罵倒したがアダムには軽く流され、選択を迫られた。
SONGの牢獄でもリコリスが察知していた。
「ようやくあの鬱陶しかったプレラーティをやってくれたようだな。しかし、どうするかな?もうかれこれ数日くらい入れられてるがいい加減日の光は拝みたいところだな。」
今、神の力は動き出そうとしていた。
「今週はマリアの新曲発売日デス!」
「うん、そうだね切ちゃん!」
「じゃあみんなで買いに行こうか!」
(購入後、全員試聴する)
「マリア、また嘘なんかついてるデス…」
「仕事は順調だけど恋が順調なんて初耳…」
「まさか爽谷、お姉ちゃんたちがいない間に…!」
「いや、そんなわけないじゃない!!」
「怪しい…」
「やっぱりマリアは疲れてるのかな?」
「はあ、心配デス…」
第96回 切歌、調、爽谷、アケミ(inとある休日)
マリアさんの曲の何故そこで愛を連発してたのは一種のネタキャラ化が進行してるような…よし、疲れてるんだな。