戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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この辺から徐々にパヴァリア三人衆(サンジェルマンたちを自分はそう呼んでます)の好感度が上がりつつあり、アダムのヘイトが少しずつ見え隠れして居たのも事実です。
思えばナスターシャ教授も再登場した中で割と好感度下がったかに見えましたが、彼女自体結構苦労人街道をまっしぐらなのかもしれません。上からの指示と子供の狭間で揺れ動いたりはしゃぎ回る大きな子供とマリアさんたちで悩んだりという行為が後から良い結果になって悪い結果だけが明らかに先にやってくるには皮肉なものです。ましてやレセプターチルドレン解放も本人すら知らないってのがなんともねえ…


第139話 襲来!パヴァリア東京進撃!

 マリアとエルフナインが脳内空間で閉じ込められてる間、響に未来、クリス、切歌、調はおやつを食べていた。

 

「でも、そんなことがあったんだね。拓実さんと爽谷さん以外であのスピリットを使ったことあるけど、使ってる時に何か新しい感じがしたけど…」

 

「あのイグニートモンの戦いね、未来」

 

 夏休み中に一度、夢の世界に閉じ込められ未来は100体のデジモンを相手にする際、拓実と爽谷にスピリットを分け与えられたことのある人物だったのだ。

 

「けど、そう言った類は2人から見当たりませんでしたよ、未来先輩」

 

「ワームモンの言う通り、拓実さんや爽谷さんがそれに気づいてたら気づいてたなら、何かしら動いてた筈です」

 

「うっはあ〜!」

 

 切歌が横でうう…と言いながらむせていた。

 

「切ちゃん、チョコめんたい味のクレープなんて頼むから…」

 

(やっぱ、切歌ってストレンジだ…)

 

 キャンドモンが切歌を白い目で見てるうちに広場のモニターにニュース速報が入った。

 

「近日中に紛争地域のステファンくんが帰国し本格的な治療に移るとのことです」

 

 バルベルデは今国連軍が介入したことで軍事政権はすっかり衰え穏健派の政党が勢いを増し続けていた。

 

しかし、その戦いで負傷した現地の人々はあまり医学の発展していなかったバルベルデでの治療が困難とされたため、医学の発展した国での治療を国連が進めていたのだ。

 

もちろん穏健派を立たせたのはハックモンがあらかじめバルベルデ政府の穏健派と交渉をつけていたからでもある。

 

「アノコ、ダイジョウブダッタネクリス」

 

 ハグルモンがホッとしたような表情を浮かべた。

 

「ああ、そうだな」

 

「響?アイス溶けちゃってるよ?」

 

「僕もアイス食べたいのに〜!」

 

「ああごめん!ごめん!にしてもあの子またサッカーできるんだね、クリスちゃん!」

 

「ああ、でも悩んで下した決断だけが必ずしも正しいとは限らない。ろくな正解すら無い場合だってあるんだ」

 

 

 一方、SONG本部もパヴァリアへの対策を練ってはいたが現状エルフナインがいないため作業効率は落ちていた。すると、アルカノイズが現れた警報が響いた。

 

「新型アルカノイズ、東京湾を縦断!このままでは上陸してしまいます!」

 

 藤尭が進路を予測するとすぐさま響たちに出動命令が出た。しかし、マリア、拓実そして爽谷は現在それどころではないため、響とクリスそして翼の3人で迎え撃つことになり、調と切歌はエルフナインとマリアの看病へと向かった。

 

「未来は学校のシェルターに!行ってくるね!」

 

「響!」

 

 未来が呼び止めようとする中、響は俯いた表情を浮かべていた。

 

「世の中、誰もが譲れない思いがあるのはわかってる。けどそれは勝てないって理由になんかならない…」

 

 未来が響に対して笑顔を浮かべて声をかけた。

 

「いいよ、勝たなくたって。けどね、絶対に負けないで!」

 

 未来の激励で響は嬉し涙を流しながら走り出した。

 

(大丈夫、響が困ったって私が響を助けるから!)

 

 未来はピヨモンとともにシェルターに向かった。

 

 一方、アルカノイズが現れたと聞き、リコリスも喫茶店でジュースを飲みながらサンジェルマンの気配を察知していた。

 

「本格的にやるみたいだな…さてと、俺はどうするかね?久しぶりの運動も兼ねて行くかな。そろそろ潮時か」

 

 リコリスはどこかに向かって歩き出した。サンジェルマンたちがバルベルデで手に入れていたものはティキだけではなかった。本格的なパヴァリア光明結社の野望が動き出すのである。

 

「我らにあるのは大義のみ。完全なる霊長こそが我らの理念…シンフォギアに阻まれてたまるものか…」

 

 サンジェルマンの胸中には響の言葉が残っていた。

 

「決して振り返らない!たとえそれが1人になって駆けてしまったとしても!」

 

「1人ではないワケだ」

 

「そーそ!サンジェルマンのお陰であーしたちはいるんだから。いつだって一緒よ!」

 

 敵が団結を深める中、響たちは合流してクリスのミサイルに乗りながらアルカノイズを範囲攻撃で撃破していった。地上ではウォーグレイモン、レイヴモン、ムゲンドラモンがアルカノイズとギズモンATの軍団と交戦していた。

 

「二度もお前らなんかに負けはしない!」

 

「この身を防人たらしめるのは血にあらず!その心意気だ!」

 

「スパイラルレイブンクロー!」

 

「ムゲンキャノン!」

 

 アルカノイズを順調に撃破している装者とパートナーだったが遠距離攻撃を得意とするメタルシードラモンと拓実がいないため、本体の新型ノイズを撃破するのには手が回らなかった。

 

「そして私は片付けられる女だああああ!!!」

 

 3人の一斉攻撃でノイズを攻撃したが完全には倒し切れず、3つに分裂してしまった。

 

「くっ!装者を分断したのか!」

 

「それぞれ別々に散らばってしまいましたね」

 

「司令!入間基地より必要があれば応援をよこすと申請が!」

 

「無茶だ!空自の通常兵器じゃ足止めもままならない!」

 

「いいや、ここはコード814を頼む!」

 

「ハリアーを使うのだな、弦十郎…」

 

「ああ!この場合はこれが最善だ!奴らは見た所最初のやつよりかは小さい!だから各個撃破でも問題ない!それにエルフナインくんももうじき目を覚ます!ここは踏ん張りどころだ!」

 

 

 各所に散らばったのは良かったものの、攻撃がさらなる分裂を引き起こし、別の場所に向かっていた。

 

「なかなかどうして!」

 

 デジモンたちも攻撃に加わるが本体を全て撃破してもそこからさらに大量のアルカノイズが現れてしまった。響もアルカノイズを倒すが、さらに増援が現れ追い込まれていた。

 

「くっ!あの方向はまさかリディアン!けどクリスちゃんたちが!」

 

「お前は早く行け!ここは私らが残りを引き受ける!お前は大事なものを守りに行け!

 

 あたしらで守れるもんなんざたかが知れてる!お前はお前の正義を握りしめろ!」

 

「クリスの言う通りだ!ここは僕たちに任せてください!」

 

 ムゲンドラモンも響を未来の元へ行かせようとトライデントアームでギズモンを破壊した。その時、バルベルデで拓実たちが撃ち落としたのと同型の巨大戦艦が現れた。そこからさらにギズモンATが現れた。

 

「ありがとうクリスちゃん!」

 

「でも僕たちは仲間を見捨てたりなんかしない!その上で未来たちも助ける!」

 

「使うよ!イグナイト…「そのイグナイトちょっと待ったあああ!!デェス!」」

 

 すると上空から戦闘機に乗った切歌と調がやってきた。

 

「ここはあたしたちに任せるデスよ響さん!」

 

「響さんはそのガラクタを!」

 

 切歌と調は戦闘機のシートごと射出され落下しながら聖詠を唱えた。

 

「Various shul shagana tron」

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

(ここから先はメロディアスムーンライトを聴きながら読むのを勧めます)

 

「ギザギザジェノサイド 尖った回転音、泣いたって許さないから 小ちゃいってナメないで!」

 

 調と切歌が上からサンジェルマンたちを強襲した。さらにデジモンたちも成熟期に進化させて響たちのカバーに向かわせた。プレラーティは腕から火を放って反撃するがLiNKER投与でキレの戻った調に素早くかわされれは攻撃され一進一退の攻防を繰り広げていた。

 

「お薬打ったくらいどうにかなるとでも!」

 

「LiNKERをただの薬なんかと甘く思って欲しくないデス!」

 

 カリオストロがほくそ笑んだが切歌は冷静にカリオストロの隙を伺い反撃した。

 

「みんなの生み出した奇跡!それを無駄になんかしない!」

 

 そしてリディアンではマリアが守っていた。

 

「LiNKERに必要だったのはギアと私たち装者を結びつける脳領域をつなぎ"自分を殺してでも誰かを助けたい"と言う願いが大切になる…そう、それは愛!最高なんて言わないわドクター、あなたはやっぱり最低の最低よ」

 

 一方船上では切歌と調の連携でカリオストロとプレラーティが攻防を繰り広げていた。

 

「行くよ切ちゃん!」

 

「調!」

 

 2人はかつてミカに防がれてしまったダブルキックを放った。しかし今の2人はModel-Kではなく調整したLiNKERでこの場で戦っているためそのパワーは何倍にも跳ね上がっており、サンジェルマンのバリアを貫き一気に艦隊を破壊した。

 

 

「やってくれたな!だがその命をもってして革命の礎とさせてもらおうか!」

 

 即座にファウストローブをまとったサンジェルマンの弾丸が調と切歌を狙った。

 

「間違ってるよ!命を奪うことで成し得る革命なんて間違ってる!」

 

 響が割り込んで掌で弾丸を静止させた。

 

「3対3で気が大きくなってるワケだ」

 

 その時、遠距離攻撃が後方から放たれた。

 

「残念だったな!これで6対3だ!」

 

「お前たちの目的はすでに知れている!いい加減白状することだな!」

 

「そうだよ!これ以上戦うのはやめようよ!あなたたちが戦ってるのだってあのリコリスって人から聞いた!誰かのためっていうなら一緒に戦おうよ!きっと私たちは手を取れる!」

 

「フッ、あいつめベラベラと喋ったようだな。その通りだ!私たちは神の力を持ってして月の遺跡を掌握するのだ!」

 

 その時、大波が一行を襲った。

 

「これは!?」

 

「予想外なワケだ!」

 

 大波を全員避けるなり、攻撃でかき消すなりしてダメージは通ってなかった。

 

「面白そうなことしてるな。俺も混ぜろ、今日こそサンジェルマンを俺だけのものにしてやる。待てないんだよ、お前を俺だけのものにしたい…」

 

「何よもう!ちょこちょこ付き纏って!」

 

 カリオストロが攻撃を仕掛けたが水の盾であっさり防がれた。

 

「いい加減、肩を潜めるのもウンザリしてたからな。今日は少し気分がいい、ここらでSONGと結社を纏めて叩き潰したいんだよ。特にお前ら!」

 

 リコリスが指差したのはマリアに切歌、調だった。

 

「私たち!?」

 

「お前らはフィーネの器だったそうだな。俺とサンジェルマンを引き裂いたフィーネの可能性がある者は皆殺すと決めた。以前あった時は知らなかったがここで滅ぼさせてもらう!

 

 そしてフィーネの真似事をしたお前らもな!俺たち錬金術師は万象の心理の追求が目的だ。なのにてめえらだけのうのうと神の力なんて借り物のお陰で革命だとかのたうち回るのが許せねえ!」

 

「そう思うも勝手!この場でカタをつけてくれる!せめて私の手で消してくれる!」

 

 サンジェルマンとリコリスが戦い始めた。それを合図にここ___チフォージュシャトー跡地にて混戦が起こり、戦いはどこに向かおうとしているのかさえわからなくなってしまった。あるものは革命を、あるものは理解を、またあるものは私怨をそれぞれ胸に秘めて戦いは始まった。

 

 




「ふわああ〜日曜の朝なのに変な時間に目が覚めちまったな…」
「クリス、コンナバングミガヤルンダケドドウオモウ?」
「あん?これは、歌ずきんねえ…試しに予約だな。」
「ヒビキノトモダチニクワシイコガイタネ。」
「そーいやそうだな。うっし、明日聞いてみるか!」

第96回クリス、ハグルモン(inクリス宅)
まさかAXZのクリスちゃんの曲に歌ずきんが来るのは予想外で聞いてみたときの歌ってる本人にもそれっぽいシーンが連想されるから困るwww

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