戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
しかもショータイム!とかいうセリフで仮面ライダーウィザード思い出したのは私だけじゃないはず…
夜が明けて3人は島の探索を始めた。
「にしても日中は暑いわね。熱中症には気をつけましょう。」
「ああ、こまめに休みながら水分を補給しようぜ。」
3人は歩いていくうちにこの島の漁村らしき場所を発見したが島民はみな避難したらしく村にはまるで人影がなかった。
「わずかな住居があったことはわかったが一体どこに言ったのだ?」
「どこかに避難したかあるいは全員にノイズのやられてしまったのか…」
「ソノセンモヒテイハデキナイナ。トキドキヒビクアノオタケビガカンケイシテルンジュアナイカナ?」
「ハグルモンが辺りを見回していた。
「うむ、おそらくそれがあのソロモンの杖の役割となってノイズを操っているのやも知れぬな。」
3人はまた歩き出した。
「う、うわあああああああああああ!!!」
すると遠くで悲鳴が聞こえていた。
「悲鳴!?行きましょう!」
3人が砂浜に出るとノイズに人が囲まれて動けなくなっていた。
「頼みわよ!アグモン!」
「ああ!!アグモン進化、ジオグレイモン!」
翼とクリスもペックモンとメカノリモンを向かわせた。
「メガバースト!」
ジオグレイモンの攻撃でノイズが吹き飛ばされた。
「早くこっちへ!」
「す、すみません!」
マリアは人々を誘導する中でハッとした。なんと男たちに紛れて爽谷がいたのだ。
「苦無羽!」
「トュインクルレーザー!」
ペックモンとメカノリモンの攻撃でノイズを追い詰めるが謎の雄叫びでノイズたちはその場から逃亡しようとした。
「させるか!」
<スコピオモン!オオクワモン!メカノリモン!デジクロス!>
メカノリモンの頭部にサソリの尻尾と腕にオオクワモンのハサミが取り付けられた。
「メカノリモンX3!逃すか!」
メカノリモンX3が飛行しながら海に逃げようとするノイズを挟み込んだ。
「シザーアッパー!」
メカノリモンX3が逃げ出そうとしたノイズを挟み空から急降下して叩きつけた。
「こんなモンだな。」
ノイズを倒したマリアたちは人々たちとともに漁村まで避難した。
「大丈夫でしたか?」
「あんたら、何もんだ?」
「国連組織のものです。この島の異変を聞きつけ調査に来ました。」
「悪い事は言わない、直ちにこの島から出た方がいい。この島は呪われている。」
人々によると数ヶ月前から島に捧げていたものが地震により破壊されてしまったため、ノイズが見られるようになった。そして島民は政府から一時的な退去を命じられていたのだ。
「じゃあ、あたしらがそいつを引き受けるぜ。任せときな。」
「お願いしま…「ちょっと待ってください、村長!」」
3人の会話に青年が割り込んで来た。
「嘘だろ?」
マリアたちは、この世界の爽谷を見て驚いていた。身体は元の世界よりも屈強で眼鏡をかけておらず逞しさがにじみ出ていた。
「爽谷、気持ちはわかるがここはこの方達に任せようじゃないか。」
「嫌だ!こんな余所者に頼るなんて真似なんて真っ平御免だ!ここは僕らの育った故郷だから僕らだけの手で明日を切り拓かなくっちゃ!それなのに…もういい!」
爽谷は3人を睨みつけてすぐに走り去っていった。
「やれやれ、頑固なものだ。すみません」
村長が頭を下げた。
「あれがこの世界の爽谷ね。」
「雰囲気違うな。」
「どうする?駆け出していったが戻しに行くか?」
「娘さん方、頼みます。あの子は村が大好きなんです。小さい頃母を病気で亡くし、父を事故で失い、姉の女手ひとつで育って来たんです。」
「わかったわ、あなたたちは準備をお願いします。私が説得して来ます。」
「おい!いいのかよ、あたしや先輩も行くぜ?」
「いいえ大丈夫。それよりも2人はこの人たちを守ってて。ノイズがいつまた現れるかわからないわ。」
マリアは爽谷を追いかけて、ただ1人村から数キロ先の山についた。
「なんだよ?僕らを追い出す気か?」
爽谷は海を眺めていた。
「いいえ、ひとつ話でもしましょうか?あなたにとって家族とはなんなの?」
マリアは振り返ろうとしない爽谷に対して冷静さを保ちながら尋ねた。
「家族は僕にとって大切なものだ。人は孤独に耐えられない…それを教えてくれる。
けど、母さんや父さんは死に、姉さんは苦労してた。それでも村のみんなが僕と同じ場所で見守ってくれていた。一緒に笑いあえた。 それだけが嬉しいんだ!だからそれを取ったあなたたちが許せない!それで僕たちの場所を奪ってあんたたちはのうのうと今を生きてるんだろ!?」
「なるほどね。あなたにとって家族とはそれほどのものなのね。羨ましいわ。」
爽谷が睨みつけながら振り返った。
「何だと?知ったことを抜かすな!僕は見た、帰りたい帰りたいって泣いている村の人たちの痛みが!悲しみが!それを他人事のように…!」
するとマリアが爽谷を優しく抱き寄せた。
「私は!幼い時に父と母それに妹を喪った…
だから、あなたが羨ましい。ひとりぼっちにならなかったあなたがね。」
マリアは一瞬暗い表情を浮かべたがすぐに凛々しい表情に戻った。
「あなたの意思は分からなくない。けど、死んでしまっては何も残らない!あなたのお姉さんをひとりぼっちにさせたいの?嫌なら、任せて。大丈夫、ここは私たちが絶対に守ってあげる。約束するわ。」
マリアが爽谷の手を寄せて手を握った。
「本当だね?もし嘘だったら、海に沈めて魚の餌にしちゃうよ。」
「そ、それはやめてちょうだい!けど、約束は守るわよ。」
魚の餌という言葉に震え声になったマリアだがすぐに爽谷を説得して港に連れて行った。
「爽谷、もういいのですか?」
「はい村長。この人は約束を守ると言いました。もし出来なかったら、魚の餌にするって脅しときました。僕たちの故郷を取り戻してくれるはずです。」
黒い笑みを浮かべた爽谷はマリアを見つめるとマリアが手をブンブン振った。
「いや、いや、いや!そんなこと一言も行ってないわよ!」
「だったら他の2人をつけて一生この村の人の世話でもしますか?」
「それはもっと困るわよ!」
「なぁーにやってんだ?」
「分からん。」
その後村人たちを避難させたマリアたちは再び歩き出した。
「全く、どんな約束したんだよ。」
「マリア、分かってるのか?」
クリスと翼も呆れながらマリアを見つめた。
「仕方ないでしょ!?まさかあんな感じで要求されるなんて思わなかったんだもの!」
「お前、自分の知ってる爽谷と重ねてたか?」
「そんなわけ無いじゃない!」
マリアが狼狽えながらデジヴァイスを見つめた。翼とクリスも苦笑いを浮かべた。そうこうしているうちに船は見えなくなっていった。
「それにしてもこの島から時折鳴り響く雄叫びはなんなんだ?」
「ねえ、雄叫びばかりじゃあひねりがないから"セイレーンの歌"っていうことにしないかしら?」
「いいな!ちょうどどういう風に言おうか悩んでたんだ。」
「テ、クリスソンナノタイシテカンガエテナイデショ?メンドイカラテキトウニソウシヨウッテイッテルンジャナイ?」
「そんなわけあるかよハグルモン!」
3人は島を歩き回ったが分かったのは島の大まかな形で内部の地形はあまり把握できなかった。
「どうする?このまま一度帰還するか?」
「そうしましょう、報告もしておかないとね。」
3人はギャラルホルンのゲートに入って元の世界に一旦戻った。果たしてセイレーンの歌を放つノイズを倒して島に平和を取り戻せるのか?それともマリアたち3人は一生漁村の人々の世話をされるのだろうか?
今回の爽谷は真面目だけどどこか腹黒な青年です。そして無茶な約束頼まれた以上引き受けないとマリアさんに翼さんにクリスちゃんは一生村の人の世話をしてもらうことに…
さて、CM風あとがき行きます。
「ついに!ついに!僕がアプリに参戦〜!いえぇーい!」
「小うるさい奴だ。」
「おいおい〜リトルレディ、毎日のように殴られたりして大変な君は僕に嫉妬してるのかぁい!?」
「こっちも好きでやっとんじゃないわ!」
「うぎゃあああああ!!!」
(セレナ、監視してる)
「なぜ私は来ないの…」
第87回 ウェル博士、キャロル(inあの世)