戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回、アケミの活躍回になります。それとデジモンサイバースルゥース ハッカーズメモリーにまさかのアルカディモン参戦にえええ!!!と驚きが隠せないです。しかもメルクリモンにディアナモン、ダゴモンにマグナガルルモンとか俺得デジモンが多すぎて興奮状態ですwww


第122話 ロイヤルナイツの依頼!アケミの奮戦!

アレキサンドリア号の1件から数日が経ち、世間はお盆を迎えていた。拓実に響や未来も実家に帰り、SONGの一部のメンバーでも休暇を取るなどしてでいつもより人員が少なくなっていた。もっとも、親のいないクリスや切歌たちには関係ないわけだが…

「はあ〜!人が少ないと暇ねえ〜」

アケミがデジモンに関する文献を読んでいた。

「お疲れ様です、アケミさん。」

エルフナインと友里が入ってきた。

「お疲れ様です、友里先輩、エルくん。アレですか?」

「ええ、ドクターウェルのチップです。藤尭さんはまたぼやいてました。」

「でも、あいつが言う通り結構プロテクトが固いわ。あれを完全に解くのはまだかかりそうかもね。」

友里が2人にコーヒを渡した。

「はは、先輩は平常運転ですね。けど、あのもやしの忘れもんですしきっと役に立つとは思いますよ。あのもやしは色々カオスだけど、一応結果は出せてますしね。」

すると、本部に連絡が入った。司令室にはDVDを持ったままの弦十郎に藤尭がいた。

「司令、どうしました?」

「デジタルワールドからの入電だ。」

するとモニターが赤く包まれた。

「久しぶりだな。二課の、いや今はSONGか。」

 そこからピンクの鎧を纏ったデジモンが現れた。クダモンはそれでも動じずにモニターを見つめた。

「ロードナイトモン、どうしたのだ?」

「うむ、アルフォースブイドラモンがウルカヌスモンの接近に成功したのだ。」

かつてロードナイトモンはクダモンの代理として響たちとともにネフィリムとリヴァイアモンを撃破した仲間で今はデジタルワールドに戻っていた。

「誰だそりゃ?」

「ウルカヌスモン…オリンポス十二神でありながら七大魔王の侵略に関与したとされるデジモンよ。」

アケミのピコデビモンがクリスに対して解説した。

「奴か、でどうだったのだ?」

「奴に錬金術を教わるのは失敗した。その代わりに1つ人類に課題を付した。これだ。」

ロードナイトモンがデータのようなものを見せた。

「ドゥフトモンやハックモンは各々の仕事で奔走している。すまないが君たちの力を貸してはくれないか?」

「わかった、お前もSONGの仲間だ。構わぬな、弦十郎?」

「ああ、アケミくん頼めるかな?」

「はい、お任せください!やったりますよ!」

その後、お盆で暇になってるクリスたちにも要件を伝えた弦十郎はアケミと協力するように頼んだ。

 

 

「で、頼まれたんだが、あたしらはどうすりゃいい?」

「ひとまず、デジタルワールドからの情報によると異界の軍師呼び出すとき異なる鏡現われるっていうのがウルカヌスモンの内容だったわ。だから異界の軍師という異名を持ったデジモンに関してのデジメモリ情報を使えばいいわ。」

「とはいえ、どのデジモンなのか分からないデスよ…」

「異界の軍師って言っても、流石にヒントがないのは辛いね。」

切歌や爽谷も頭を抱えていた。

「いっそ、これだって思うデジモンを使います?」

「とりあえずそうするか…」

 クリスたちは調の提案の元、現状SONGの持つデジメモリのうち軍団長に関係ありそうなデジモンをピックアップさせてアケミの元に持ってきた。

「ええっと候補になりそうなのは、デビモン、ヴァンデモン、エンジェモン、ホーリーエンジェモン、エンジェウーモン、レディーデビモン、ヘラクルカブテリモン、ピエモン、ムゲンドラモン、メタルシードラモン、ピノッキモン、メタルエテモン、ザンバモン、ヴェノムヴァンデモンにベリアルヴァンデモンか…」

 アケミがメモリを一枚一枚確認した。

「で、どうする?こいつらの中にはカンケーなさそうなのがあるけどってのがあるが…」

「別にいいわよ。そんなことよりもこのメモリのデータをどうやって…そうだ!」

「わあっ!どうしたデスか?」

「今から訓練室でデジモンたちの訓練をお願い!デジクロスなら手っ取り早くデータ収集が出来るわ!いちいち起動じゃデータも集まらないしね。」

「ああ!!」

その後、デジモンたちは候補のデジモンにデジクロスしてホログラムのデジモンではあるもののデータを採集したが一通りの整理は夕方になって完了した。

「ふう、疲れちまったな。」

「ありがとう、こっから先は私がデータを使ってプログラムを開けないか試してみるわ。」

アケミが必勝と書かれたハチマキを巻いた。

「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

「いつになく気合が入ってる!」

「普段割とグータラなイメージ強いけど姉さんだってやる時はやるんだ…」

アケミはプログラムを開けようと必死になっていた。クリスたちは邪魔をしないようにその間訓練をしたりで時間を潰していた。数時間後、再び訪れるとアケミはまだやる気があり、効率はあまり落ちてはいなかった。

「もう少し!もう少しでええええええーーーーーーーーーー!!」

アケミはすでにデータのうち四つを試していた。

「五つ目じゃい!でええええええええ!!!

…はうっ!」

すると、突然アケミが倒れた。

「あ、アケミ!?どうしたデスか!?」

「しっかり!」

切歌が揺さぶったがアケミから寝息が聞こえてきた。

「って、寝てるだけみたいだね。プログラム開けるのに必死になりすぎて逆に燃え切っちゃったみたいだ。」

「燃え切ったって…燃料かよ!いつから燃料になったんだよお前の姉ちゃんは!」

クリスが突っ込む中クネモンがチョンチョンと爽谷に触れた。

「ひとまずマイシスターアケミは寝かせといてっと…」

爽谷が肩を貸してアケミは近くの椅子に寝かしつけられた。

「すいません、アケミったら張り切りすぎちゃって…」

ピコデビモンがクリスたちに謝罪した。

「おう、頑張れよな。」

クネモンがアケミを立たせて椅子で寝かせた。そして部屋を出ようとしたが、

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」

なんとすぐに目を覚まして再びアケミは作業を開始した。

「嘘だろ!?」

「ありがとおおおおおお!!!けど大丈夫、ちょっと寝ただけだから。作業を続けるわよ!ふわっと!」

「元気そうで何よりだね、切ちゃん。」

「あんまり無理しないデスよ〜!」

アケミが早速続きに取り掛かった。それから、クリスたちが家に帰る中、アケミは何度も寝落ちして復活し作業、また寝落ちと繰り返していた。

「ほわっ!へやあっ!うちゃあああ!!!」

奇声を発しながらアケミは必死に作業を続けていた。

 

 

数時間後、爽谷たとが帰ってもまだ作業を続けていた。一応インスタントやジュースなどを持って少しずつだが食料補給をしていた。

「ははははははははは!!!!!!」

すると突然アケミがトチ狂ったかのように笑い出した。

「どうかしましたか、アケミさん!?何かうまくいったんですか!?」

エルフナインがたまたま通りかかり、倒れそうになったアケミに詰め寄った。

「ダメええええええええええッ!!!!!」

アケミがエルフナインに泣きついた。

「え?」

「聞いてええええええ!エルきゅーーーん!さっきから全然うまくいかないのよ〜!うええええええええええん!!!!!」

「え、ええ!?ちょっと!苦しいですよぉ〜アケミさん!!」

エルフナインが困惑しながらアケミの泣き言を聞いていた。

「はあ…どうしよう…」

グスンとアケミは涙を流していた。

「とりあえず、これをどうぞ。さっき自販機で買ってきたものです。」

エルフナインがジュースを渡した。

「はあ、飲みながら話しましょうか…私だって本当は色々考えてんのよ?けどね、なんていうか、うまく動けないのよね〜」

「はあ…」

唐突にアケミは愚痴をエルフナインにぶつけながらため息をついた。

数分後___

「それでなんかヘラヘラしてアハハ、オホホ笑いたくなっちゃうのよ。そうしてるのも楽しいけど、したいこととどうしても平行になっちゃうのよね〜!そんで回り道を繰り返して…はあっ…」

アケミがジュースを少し飲んでため息をついた。

「そうなんですね。アケミさんもそう言う悩みあったんですね。」

「何よ〜!エルきゅんには私がダメダメでやる気ないブラコン女にしか見えないの!?」

「いえ、そうじゃないです。アケミさんは友里さんや藤尭さんたちと同じく僕のことを見守ってくれてるんです。僕にとってはみんなは憧れのような人たちなんです。だから、アケミさんは弱気にならなくていいです。僕はアケミさんならきっとできるって信じてますから!」

エルフナインがぎゅっとアケミの手を握った。

「え、エルきゅん…」

アケミが顔を真っ赤にした。

「それじゃあ、僕はもう上がります!明日もまた!頑張ってくださいね!」

エルフナインが部屋を出た。するとアケミは涙を拭いてデジヴァイスを掴んだ。

「ピコデビモン、起きてる?」

「ふわああっ〜!!なあに?」

「試したいことがあるのだけどいいかしら?」

 

 

翌日、弦十郎たちが司令室に集まっていた。

「アケミくんはどうした?」

「どうもあの後も作業して徹夜したそうですよ。」

藤尭がコーヒを飲みながら答えた。

「その証拠に家にも帰ってないんです。じつは寝てたりして…」

「うむ、少し彼女に対しての荷が重すぎたのか…「なあーんて、思っちゃってるってことくらい分かってましたよ。」」

すると、部屋にアケミが入ってきた。顔にはクマがほとんどなく生き生きとしていた。

「あの後私は無事完成させました。そこにはこんな文章がありました!モニターに移します!ほいっ!」

そこに書かれていたのは異界の軍師マスティモンにより別世の扉垣間見えんという内容だった。

「マスティモンにそんな力があったのか…」

「けど、どうしてそんなことがわかったのアケミ?」

調が尋ねてくるとアケミがエルフナインの頭を撫でた。

「エルくんが色々手伝ってくれたのよ。ありがとね。」

「い、いえ!僕は何も…」

エルフナインが顔を赤くした。

「アーン!そう言うとこが可愛いわ!」

アケミがエルフナインに抱きつこうとしたが、クリスに待ったをかけられた。

「んなことはいいから、早くかどうなったのか教えてくれよ!」

クリスがため息混じりでアケミとエルフナインを見た。

「ええ、どうやら今回ウルカヌスモンは異界の軍師っていう存在を使って世界を一時的に第3者の視点で見ることができるデバイスを作らせたみたいね。なんで作らせたかなんてどうだっていいけど、これを端末につなげばマスティモンの力で世界をビデオテープのように見れるはずよ。」

説明をひとしきり聞くとクダモンが首を傾げた。

「そんなものを我々に渡したのか、一体何を?我らに渡したところで対したものではないというのに…」

「うむ、ひとまずご苦労だった、アケミくん!君一人でやらせてすまなかったな。今エルフナインくんたちはドクターウェルのデータ解析で手が離せない状況でな。」

弦十郎が頭を下げたがアケミは驚きながら首を横に振った。

「いえいえ!あのモヤシのデータは今の切歌たちにとって必要なものです。それに今回は、私一人じゃなくて切歌たちが手伝ってくれたんです。その結果がこれですから…」

アケミが切歌たちを見て微笑んだ。

「そ、そうか。」

「とにかく、これを一度動かして見るか弦十郎?せっかくのものだ。何かわかるかもしれないぞ。」

クダモンがデバイスを指した。

「そうだな、こっちが頑張るか!藤尭、頼む!」

「じゃあ、モニターに写してみます!」

藤尭がデバイスを受け取り、再生しようとした。

「あれ?おっかしいなあ…」

「どうした、藤尭?」

「いえ、再生しようとしてるんですが装置自体にエネルギーが入ってないんです。」

「エネルギー?」

「そんなものがいるのか!?しかし、そういったエネルギーの類はなかったはず…」

クダモンと弦十郎が頭を抱える中、藤尭が開けようと試行錯誤していた。

しかし、何度試行しても一行に再生されず、ひとまず装置はプログラムを開けたアケミが管理することになった。

一方、デジタルワールドの山岳地帯では小柄なデジモンがその様子を見ていた。

「やはり、人間もやるようだな。魔王を二体撃破しただけあってかどうなのかと思っていたが予想外だな。」

そのデジモンは石を選別しながら様子を見ていた。

「やれやれ、何度も何度もこのワシに用とはお主も暇なものだな、アルフォースブイドラモン。何度言われてもワシは認めたものしか手を貸さないと言っとろうに…」

「でしたら、なぜ我らではなく人類を?」

「ワシは秩序というのが苦手でな。お前らみたいなバリカタよりも多少荒々しいレボリューショナルなやつに興味があるのだ。例えそれが魔王であったとしてもな。」

「あなたには、あなたの意図があるということはわかった。しかし今は危機的状況下だ。そんな悠長なことは言ってられない!我らに手を…」

ウルカヌスモンはアルフォースブイドラモンの話を聞きながらネックレスを作っていた。

「なら、魅力のあるやつを連れてくるんだな。お前さんは穏やかだがどうにも堅物そうなとこにイマイチな印象を与える。まっ、来てやったことには敬意を表するよ。このネックレスでもやろう。少しはシャレくらい学べ。」

「…わかった。いずれまた来る。僕、いや私は何度でもあなたの元に現れるつもりだ。」

そういうとアルフォースブイドラモンは飛び去っていった。

 

 

それからその日の夜、アケミは家に帰ってソファーでのんびりしていた。

「姉さん、もうすぐご飯だから手伝ってくれだって。」

「ふふふ、甘いわね爽谷!私はもう今までのアケミじゃあない。」

「どうしたデスか?アケミ…」

切歌もやってきてぽかんとした表情を浮かべながら部屋に入った。

「今から私は冷泉アケミ改め…私は"新"冷泉アケミよおおおおおお!!!!!!」

「…」

突然のキャラ崩壊に2人は苦笑いを浮かべた。

「ごめん2人とも。アケミったらエルフナインに言われて今すっごい調子に乗ってるの。名前に新とか入れて、子供っぽいわよね。」

ピコデビモンが飛んできて2人に謝罪した。

「はあ…姉さん、ご飯いらないならいいよ。」

「ああ、ちょっと待つデスよ爽谷!」

爽谷がドアを閉めた。

「ああ!!ちょっとまってよ〜!」

アケミがとっさにドアを開けて3人の元に歩き出した。

「やれやれだね、切ちゃん。」

「けどなんやかんやですっかりいい感じデスね、調。」

「そうだね。」

「何よ、勝手に無視しちゃって!」

「そんなこと言ったって変だよ、名前に新とかつけるなんてロボットじゃないんだから!」

「いやだから、新をつけて生まれ変わった感出そうと思ったのよ!」

調と切歌の前ではアケミと爽谷が喧嘩していた。

「ほんとに仲がいいよね、切ちゃん。」

「けど程々にしてほしいデェス…」

(キャンドモン 、こうは言ってるけど…)

(ああ、2人が言うもんじゃナッシングだ。)

今日も切歌たち4人と4体は平和である。

 




最後のシーンですが結構最近のネタだったりします。言っておきますが彼女は神ではありません。新とか入れてるのはもう完全に彼女の悪ふざけです。悪ふざけが過ぎるとろくなことないよね。
さて、次回からはヴァルキリーサマー編です。お楽しみに!

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