戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
司令も今回で超進化ですよ(ボソッ、
その日は雨が降っていた。未来と響は未だにすれ違ったままだった。
そしてその日、路地裏にてクリスは追ってきたノイズを倒したものの、倒れてしまった。
「クリス!クリス!」
ハグルモンが呼びかける声が1人で通学していた未来に聞こえた。
ノイズが現れた情報は二課に届いた。現場には弦十郎がいた。
「明朝だったのでノイズの人的被害は無かった。しかし、その中にイチイバルの反応があったんだ」
「ってことはクリスちゃんが戦ってたんですか?」
「響、どうしたの?」
アグモンがデジヴァイス越しに尋ねた。
「あの子……もしかしたら帰る場所がないかもしれません」
「え?まあ、こちらでなんとかするからそれまでは待機だ」
響が教室に入ると未来がいなかった。どうやら欠席したらしいがどこに行ったのか分からずじまいだった。そんな中板場とゴツモンはアニメだったらどうするか一人考えていた。
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その未来はと言うと、未来は傷ついたクリスとフラワーのおばちゃんの家にいた。
「はっ!」
「クリス──!!」
ハグルモンが抱きついて来た。
「おい、やめろって!」
「良かった……目が覚めたんだ」
クリスの服はおばちゃんに洗濯されており、今は未来の体操着を着ていた。しかし、下は裸だった。
「ありがとう……って、何にも聞かないんだな」
「私、そう言うの苦手みたい。今までの関係を壊したくないからって言うのが怖くて、大切なものを……壊しちゃった」
「未来……」
「ソレハ、ケンカデモシタカラナノカ?」
「喧嘩ねえ……あたしにはそんなの分からないな」
「喧嘩したことってないの?友達と」
「あたしにいるのはハグルモンだけ……パパとママは地球の裏側で殺されあたしは1人で生きてきた。周りにいた同じような子たちはみんな怯えていて、それでも優しくはしてくれたがみんな離れて行った。
大人は私をこれっぽっちも見てくれやしない。やめてと言っても辞めないし、痛いと言っても聞いてくれやしないんだよ……!大人はクズ揃いだった……!
おまえ、その喧嘩したやつをやっちまいな。どっちが強いか見せて仲直りだ」
「クリス……」
「できないよ。そんなの……でも、ありがとう。優しいんだね、クリス」
未来が微笑んだ。するとクリスはそっぽを向いた。
「あたしは……別に……」
「私は小日向未来……クリスと友達になりたい」
「おまえ……」
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その時警報が鳴った。響と翼もその連絡を受けたが翼はまだメディカルチェックが終わっていなかった。拓実も急いで現場に向かっていた。クリスは単独でノイズが現れた場所に向かった。
「私は何やってんだ!」
クリスが着くとそこにはノイズにデビドラモン、エアドラモン、グラウモンが暴れていた。
「あたしのせいで関係のないやつまで……うわああああああああ!!!!」
クリスが泣き崩れる中、3体のデジモンが迫っていた。
「私のすることがいつも、いつも!いつも!」
グラウモンのエキゾーストフレイムが迫っていた。
「危ない!」
拓実がクリスを突き飛ばした。拓実自身もシードラモンに守られた。
「おまえ!」
「ここは協力して迎え撃ちましょう!クリスさん!」
「うっせえ!お前が年上なんだぞ!?」
「マジで!?
…じゃあ行くぞ、クリス!」
クリスも聖詠を唱えた。
「私はここだ。だから関係ない人のとこに行くんじゃねえ!」
クリスは無防備だった。
「何やってんだクリス!?」
その時、弦十郎が現れ、足踏みでコンクリの壁を展開し、拓実とクリスを避難させた。
「司令……相変わらず無茶苦茶ですね」
「大丈夫か?」
「ああ……あたしのことはいいから他のやつのとこにいきな!」
「しかし!」
「こいつらはあたしが引き受けるって言ってんだ!ついて来いクズども!」
クリスのボウガンがガトリングガンに変化した。ハグルモンもデジヴァイスから現れメカノリモンに進化した。
<BLIION MEIDEN>
「俺はまたあの子を救えないのか……!」
「大丈夫ですって。俺もいます。ひとまずこの場は俺たち2人でなんとかしましょう」
「そうだ、弦十郎!私もお前の相棒なのだ!」
「わかった!頼むぞ!一気に片付ける!」
「ああ!」
デジヴァイスが茶色に輝いた。
「クダモン!進化!レッパモン!
レッパモン超進化!チィリンモン!」
「マジかよ……敵も終わったな」
拓実と響が修行する中、アグモンとベタモンはクダモンと移民してきたピッコロモンにより鍛え抜かれて、その時の訓練は鬼のようだったらしい。
「迅速の心得!」
チィリンモンが何十体にも分裂した。
「疾風天翔剣!」
近くのノイズは一瞬で倒された。
その向こうの河原ではクリスがボウガンでノイズを一掃していた。
「トュインクルレーザー!」
「アイスアロー!」
メカノリモンはグラウモンと、シードラモンはデビドラモンと戦っていた。
「こうなりゃこれだ!」
<アンドロモン!クワガーモン!デジメモリオン!>
「スパイラルソード!」
「シザーアームズ!」
その一撃で市街地に入ろうとしたエアドラモンを撃ち落とした。
「どいてろ!」
<MEGADEATH PARTY>
ミサイル攻撃で2体のデジモンは動けなくなった。
「今だ!」
「アイスアロー!」
「トュインクルレーザー!」
グラウモンとエアドラモンは避けられずに直撃した。
「くそ、一体は逃したか。自分はデビドラモンを見てきます!」
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一方、響は市街地に入ったが1つの悲鳴を聞きそこに駆けつけた。
そこには未来とおばちゃんがいたがおばちゃんが負傷していた。響はそんなことに気がつかずノイズの攻撃を避け聖詠を唱えようとしたが未来に止められた。
「静かに。あれは大きな音に反応するノイズなの」
携帯の画面で入力したものを未来は響に見せた。シンフォギアの聖詠をすれば未来やおばちゃんも危ないという絶体絶命の中、未来がまたもや携帯の画面を向けた。
なんと未来が囮になるというのだ。当然響はそれに反対したが、未来は元陸上部だから大丈夫と励ました。しかし響から不安は消えない。
「そんな……なんともならない!」
「じゃあ、なんとかして」
2人は携帯で入力させた画面を見せ合っていた。
「危険なのは百も承知よ。だって未来を任せられるのは響だけ」
ピヨモンも落ちていた携帯に入力した。
「どんなにひどいことをしたか、分かってる。
けど……私だって戦いたいのよ?」
「無理だよ。そんなのできない……」
未来が抱き寄せた。
「響に背負わせたくないから……もう、迷わない!」
大声を出して未来は走り去った。ノイズは未来を追いかけた。
(やっぱり、ほっとけない!未来がなんと言おうと……未来は私の陽だまりなんだ!)
響は聖詠を唱え、未来の元に向かった。おばちゃんは無事緒川に保護された。
(私は今までシンフォギアがあればきっと人を助けられるって思ってた。
でも、それはとんだ思い上がりだった!本当の人助けは助けられる側と助ける側が一生懸命になって成り立つんだ!)
「さあて、やっちゃおうかしら……」
響が未来を探す中、エテモンが未来を発見した。
「暴走デジモン!」
未来は必死に逃げたが運悪く、その辺りを飛び回っていたデビドラモンがノイズが視界に入ったので難なく撃破した。
そして今度は走っていた未来に狙うを定め、目の前に立ち塞がった。
「ああん!もう!こいつでいいわもう!」
<アンティラモン!コンバート!>
コンバート能力は元々フィーネから与えられたものであり、クリスは既にその能力を失っていた。今の使用者であるエテモンはアンティラモンを呼び出した。未来はそれでも走り続けるが、転んでしまった。
「きゃあああああ!!」
「未来うううううううう!!!!」
(怖くない!私は戦うんだ!それはあの惨劇の負い目じゃない!私1人の気持ちなんだ!だから!)
響がデビドラモンを殴り飛ばした。
(ここからはBrave Heartを聞きながら読むのをすすめます)
その時、未来のデジヴァイスが黄色に、響のデジヴァイスも激しく輝いた。
「ピヨモン!進化!バードラモン!」
「アグモン進化!グレイモン!」
「そんな進化でどうにかなるわけ?じゃ、後は任せたわよ」
エテモンが消えた。しかし、デジヴァイスはなおも輝いていた。
「これって!」
未来が驚愕した。
「バードラモン超進化あああああああああああああ!!!!!!」
「グレイモン超進化あああああああああああああああ!!!!!!」
バードラモンが炎に包まれ、グレイモンには体の一部に超合金___クロンデジゾイド製のパーツが結合した。
「ガルダモン!」
「メタルグレイモン!」
メタルグレイモンとガルダモンはアンティラモンを攻撃し始めた。
「見つけた!」
拓実も駆けつけた。そのあいだにアンティラモンはメタルグレイモンの攻撃を回避し、ガルダモンと殴り合いを展開していた。
「拓実さん!」
「立花さん、小日向さん、行こう!」
「シードラモン超進化!メガシードラモン!」
<ドクグモン!デジメモリオン!>
「スティンガー・ポレーション!」
牙の噛みつき攻撃でデビドラモンに毒を回らせた。
「今だ!チャンスを逃すな!」
「サンダージャベリン!」
デビドラモンは黒焦げにされデジタマに戻った。メタルグレイモンはトライデントアームでアンティラモンを攻撃した。
「アシパトラヴァナ!」
メタルグレイモンは両手の宝斧の攻撃を受け、空中から地上に落とされようとしていた。
「はああああああ!!」
響は右手の腕部をスライドさせた一撃を放ってアンティラモンが怯む。
「私も戦うんだ!ガルダモン!」
「ええ!私たちも仲間だ!シャドーウイング!」
未来の声援を受けたガルダモンの真空の刃がアンティラモンを貫いた。そしてメタルグレイモンが落下したと同時にトライデントアームでアンティラモンを捕らえ、力強く投げ飛ばした。
「ギガデストロイヤー!」
アンティラモンが空中でミサイル攻撃を受け、デジタマに戻った。
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「未来……」
「じゃあ、俺はちょっとおばちゃんのとこに行ってるから」
拓実はおばちゃんを保護した緒川の元へと向かった。
「ありがとう!きっと響なら助けに来てくれるって思ったから」
「うん、だって未来は私の親友だもん!」
すると未来は泣き出した。思わず未来は響を押し倒した。
「怖かったよお……ほんとはね、怖かったの……響、最近は辛いこととかを1人で抱え込んじゃう所があるから。また怪我しちゃんじゃって思ってた。けどそれは私のわがままだ!」
「それでも未来は私の……ププ……」
響が笑い出した。
「だって、髪の毛ボサボサで涙でびちょびちょでシリアスなこと言ってるし!」
未来がそっぽを向いた。
「そういう響だって、髪の毛ボサボサだよ……」
「え~?どこどこ~!?」
2人はこの時、鏡で見る代わりに携帯で自撮りして笑いあった。
「良かったね、響!」
「未来との夫婦関係も元どおりね!」
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その夜、響と未来は緒川からリュックを受け取り戦いを見られたのも報告したが、後日報告書で聞くことになり、何よりも人命救助の立役者を責めるわけにはいかない弦十郎によりその場は無事にすんだ。
「イエイ!」
2人がハイタッチをかわすと、了子の車がやって来た。
「後は頼り甲斐のある大人の出番だ!響君たちは」
「あの、私避難する時に友達とはぐれてしまって……その子、雪音 クリスって言ってたんです」
「幸い被害者は出なかった。きっと君の友人は無事さ」
そして帰宅後風呂に入って寝ようとしている2人はいつも以上にイチャイチャしていた。今日撮った写真はその復活した友情を示していた。
一方で、クリスはハグルモンを連れ1人寂しく歩き出した。しかし、今彼女も響たちと同じ月を見ている。同じ月が見えればいつかは分かり合える。そうなる日は遠くない。
「最近出番がないな…プロローグ以外全くだ。」
「ほんとそれな。そろそろ出番とかねえかなあ…」
「まあ、どうせその後報告イベントみたいなので発言はできるだろう。」
「メタいぞそれは。」
「お前らはいいよな。ただでさえ輝かない戦績持ちなんだぞ…俺は」
「大丈夫、出たら死ぬレオモンや出たら負けそうなセラフィモンよりマシだよ。何よりセリフが一個しか与えられなかった俺が言うんだから。」
「アルフォース…」
「よし、仕事行くぞ。」
第12回 オメガモン、アルフォースブイドラモン、マグナモン
(in デジタルワールド)
今回のあとがきはロイヤルナイツのお留守番組です。シンフォギアのCM同様のシリアスブレイカー(?)になっててすみません。もう、あとがきはこういうギャグ路線で行きます。