戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
カルマノイズを逃し、SONGは改めて奏を交えて作戦会議を始めた。
「何かいい方法はあるのか?」
「下手に市街地や広い土地でもこの前のように避けられてしまう…デジメモリを使ってじゃあ現実的じゃないわ。きっと二度もうまく行く保証はない。」
「あの、方法ならあります。あのカルマノイズは広い場所じゃ効果を発揮できないなら狭い場所でかつフォニックゲインを高められそうなところが一箇所だけ…」
エルフナインがキーボードで何かを検索していた。
「どこなんですか?」
「はい、ライブ会場です。」
その言葉に奏は驚きを露わにした。
「ライブ会場だと!?」
「すまない、君のことは聞かせてもらった…君に辛い真似はさせない。響くん、翼をこちらに呼び出してくれ。」
「だったら、わたしとクリス先輩が向こうに行くデス!」
「あいつが残ってるしな。それにちょいと休んだからもう行けるぜ!」
「…分かった。向こうの世界に切歌くんとクリスくんを向かわせて現地の二課と協力しカルマノイズと当たってくれ。」
「分かった!」
「驚いたぞ。まさか戻って来て早々にライブとはな。」
翼が戻る中奏は思い悩んでいた。作戦としては翼とマリアが擬似ライブを行いカルマノイズをおびき出して撃破するというものだった。
(私は歌いたい!けど…翼には別のやつがいる。なんであたしは翼の隣に立てないんだ!なんで!いや…あたしには無理かもしれないのかもな。あたしじゃ翼の代わりになんかなれない。)
「奏、大丈夫か?」
コテモンが心配していた。
「ああ、コテモン。あたしはどうしたらいいんだ?あたしだって歌いたいのに…あたしの歌は戦いのためだけの歌になっちまった!あの頃のように…歌える自信がないんだ。」
「奏…それはn「奏!!」」
コテモンの言葉が遮られ奏が声の主の元へ振り返ると翼が手を差し伸べた。
「一緒に、歌わない?私と…」
「あたしは…」
奏は歌おうと言おうとしたが口ごもってしまいできないと伝えた。翼はマリアと共に歌い始めた。
「みなさん、ノイズが時期に来ます!恐らくカルマノイズも…!」
「わかったわ!翼、あなたは向こうで疲れてるはずだからここは私たちに任せてちょうだい。」
「ああ!!気をつけてな!」
翼が退避すると響たちは戦闘準備に入った。
「今回はある程度疲弊させるわよ!」
「はい!」
カルマノイズが現れると響たちはノイズの相手をパートナーに任せ迎撃しに向かった。
「てやあああああああああああ!!!!」
響の蹴りをカルマノイズは持ち前のスピードで難なくかわした。
「まだまだ!!」
<PHANTOM†BRAVE>
マリアはアームドギアの左腕から短剣を投げナイフの要領で攻撃した。
「こいつもくらいな!」
<STAB∞METEOR>
アームドギアの先端から、小型の竜巻を発生させカルマノイズは軽く吹き飛ばされた。
「今度こそ!S2CAトライバースト!!」
響がS2CAの攻撃を仕掛けカルマノイズが吹き飛ばされて障害物にぶつかる前に攻撃を放ったしかし、それは読まれていたのかカルマノイズは高速移動でかわした。
「そんな…!またかわされた!?」
その様子見て奏が深呼吸してから響に声をかけた。
「…なあ、それをあたしにくれよ!あいつはあたしが倒してみせる!」
「え、でも…」
「…わかったわ!アガートラームの力で再配置するわ!一気に行きなさい!」
「ああ!!」
アガートラームとガングニールの力でS2CAの力を奏に分け与えた。
「ぐっ、がああああああああ!!!」
しかし、奏1人でそんな大きな力を抱えられる訳でもなく、苦しみ出してしまった。
「奏!?」
ディノヒューモンがノイズを蹴散らす中、奏はゆっくりと立ち上がった。
(やり直すんだ!あたしはもう逃げない!翼ともう一度!)
奏は気力でそれをねじ伏せ一気にカルマノイズ目掛けて攻撃した。
「うおおおおおおおおお!!!!!」
奏の一撃が予想外だったのかカルマノイズはかわす余裕もなく先回りされ真っ正面から攻撃を受け今度こそ撃破された。
「奏!」
戦いの後翼がフラフラの奏に肩を貸した。
「無茶をしたけどやっぱり奏はすごいよ!」
翼が目を輝かせたが奏は暗い表情を浮かべていた。
「悪りぃ…先帰って寝てるわ。疲れちまった…」
奏には向き合う勇気がまだなかった。
(あたしの迷い…翼と歌いたいけど…あたしには無理だよ…)
残るカルマノイズは後2体___
今週の土曜からデジモンtri5章が公開です。また劇場には行けそうにはありませんが動画サイトとかで感想を載せます。お楽しみに!