戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
そして新しいパートナー登場です。理由は次回あたりに話します。
では、どうぞ。
それとハグルモンのイメージCVを載せます。
ハグルモン イメージCV:鈴木達央
未来とピヨモンは煙が上がったところを見ていた。
「響……どうして?それに……拓実さんも」
其の場所では響が構えを解き、拓実はただ唖然としていた。そしてクリスは大技を受けても生きており、立ち上がった。しかし、メガドラモンは大ダメージを受けたためデジヴァイスにもどされた。
「チッ!なんて無理筋な力の使い方だよ!」
クリスも拓実もゾッとした表情を浮かべていた。
「サンドバックでやってたパンチを生でやるとこうなんのかよ……」
響の放った一撃は絶唱に匹敵するレベルではあるものの、絶唱数回分のエネルギーにほぼ等しいため、効率は良いとはいえないものだった。しかし今こうしてクリスを吹き飛ばしただけでもその力を伺えるだろう。そのクリスを纏っていたネフシュタンは再生しようとした。
「グッ、食い破られるまでにかたをつけないと」
クリスが次に見たのは歌っている響だった。
「お前……!あたしをバカにしてんのか!あたしを___雪音 クリスを!」
(ええ……フルネームで言っちゃったよ……)
「雪音……クリスか……」
飽きれた表情を浮かべた拓実の横でぱぁっと明るい表情を響が浮かべた。
「クリスちゃんって言うんだ。だったら、こんな戦いを止めよう?私たちは言葉が通じるんだ。私たち……同じ人間だよ!?」
「そうだ!これ以上やったら双方得なんてない!」
グレイモンも響に近づきながら言った。
「臭えんだよ……!」
「はあ?」
拓実は何を言ってるんだこいつはというほど目を丸くしてした。
「嘘くせえ!青くせえ!」
怒り心頭のクリスは響を殴りつけ、一方的に攻撃した。そんな中ネフシュタンの侵食が進んでいた。
「クリスちゃん……」
「吹っ飛べよ!アーマーパージだ!」
なんとクリスは自分の鎧を弾丸がわりに発射し自ら真っ裸になった。
「ぐわあッ!」
拓実は飛んできた破片により左手に切り傷を負った。
「大丈夫ですか?」
「ああ…にしても何を考えてるんだ?わざわざ裸になるなんておかs……」
「Killiter Ichival tron」
クリスは聖詠を唱えた。
「バカな!?3つ目のシンフォギア!?
まずい、メガシードラモン!一旦守りの態勢に入るんだ!」
「ああ!」
メガシードラモンは響と拓実をガードするかのように構えた。
「見せてやる……!イチイバルの力だ!」
(ここからは魔弓 イチイバルを聴きながら読むのを勧めます)
「イチイバルだと!?」
「3人目の装者であると同時に第2号聖遺物の……何故彼女が?」
クダモンも疑問に思った。モニターにも表示され、オペレーターの照合の結果第2号聖遺物のイチイバルと分かりその姿は赤かった。まるで燃え上がる闘魂のように__
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「あの人も……ってことはやっぱ立花さんや翼さんと同じ……!」
「歌わせたな……」
「は?」「え?」
拓実と響が疑問に思う。そんなに歌うのが嫌な理由でもあるのかと……
「私に歌を歌わせたな!?」
「そうですが……何か?」
恐る恐る拓実が尋ねた。
「私は歌が嫌いだ!!」
「歌が……嫌い?」
「おい、それってどういう……!」
「傷ごと 抉れば 忘れられるってことだろ?
イイ子ちゃんの正義なんて剥がしてやろうか?」
(すげえ危険な感じだ……離れないと!)
<ユニモン!デジメモリオン!>
拓実はなんとか近くの木に隠れてユニモンにまたがりながら響と一旦その場から離脱しようとしたが、クリスがボウガンのようなものから攻撃を放った。
「クソッ!メガシードラモン、頼む!」
「サンダージャベリン!」
「お前の相手はこいつだ!」
<イビルモン!ゲコモン!コンバート!>
クリスはイビルモンとゲコモンを召喚した。
「チッ!立花さんを助けられねえ!」
「大丈夫。立花は私が守る……」
拓実の通信機に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「その声は!」
響を蹴飛ばしたクリスのボウガンは次の瞬間マシンガンに変化した。
「HAHA!さあ、it's showtime!火山のような殺伐 Rain! さあ お前らの全部 全部 全部 全部 全部 否定してやる そう……否定してやる」
<BILLION MAIDEN>
ガトリング攻撃が逃げ回る響に襲いかかった。
「なんてやつだ。広範囲を無茶苦茶にしてやがる…どうすりゃいいんだ?」
<MEGA DEATH PARTY>
さらにランチャーからの攻撃が響をなおも追い詰めた。しかもその一発は拓実に向かっていった。
「うっ、うわああああああ!!!」
「拓実ィ!」
メガシードラモンは連戦で疲れており、撃ち落とされた拓実を守りにいけない状況だった。一方、グレイモンも響を守ろうと攻撃はしたがクリスによりすぐに蜂の巣にされ、デジヴァイスに戻された。爆炎が上がってもなおクリスは響を殺さんとするような気迫で攻撃を続けた。
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煙が晴れ息切れを起こしたクリスが見たものは青い鉄の板だった。
「盾!?」
そして拓実を救ったのはダチョウのようなデジモンだった。
「お前は……誰だ?」
「僕はペックモン。新しいパートナーさ。そう彼女は生まれ変わった……」
「「剣だ!」」
ペックモンとハモったもう1つの声は入院したはずの翼だった。
「ヘッ、死に体で入院している話を聞いたがノコノコと戻ってくるとはなあ!足手まといをかばいにきたか?」
「もう……何も失わないと決めたのだ。ペックモン、お願い!」
翼はクリスの挑発を決意で受け流した。
「うん!」
翼のデジヴァイスが青く光った。
「ペックモン、超進化アアアアアア!!!」
光に包まれてからその中でダチョウから巨大な黒い鳥に変わった。
「ヤタガラモン!」
「大丈夫か、立花。わたしはまだ完全ではない……共に戦ってくれ!」
「はい!」
「水琴!その子は私の新しいパートナー__どこもまでもそのヤタガラモンと飛ぶ!だからその子と一緒に戦って!」
「翼さん…!オッケー!復活した翼さんがいれば俺らの勝ちは近いです!」
「翼……!無茶はするなよ!」
弦十郎が通信で翼に念を押した。
「分かっています」
翼が降り立ち、クリスの攻撃をかわしながら肩に剣をの峰を当てた。
「この女……以前よりも強く……!」
「翼さん、その子は!」
「大丈夫!私もこの子に問いただしたいことがあるの!」
(敵じゃないことを信じたい……それに10年前に紛失した2号聖遺物についても気にかかる……)
「ウッフーン!楽しそうじゃない!ダークスピリッツ!」
声が聞こえたかに思うと、黒緑色の光弾がイビルモンとゲコモンを消滅させ、クリスを攻撃した。その攻撃を響が庇った。
「お前何考えてんだよ!?」
「クリスちゃんに、当たるところ……だったから……」
「何者!?」
「はああっ!?アチキは未来の大スター__エテモン様よ!?あんたらの敵ってわけ。そうそうそこのイチイバルだけど、あんた__用済みだって」
「なっ!?」
「命じたこともできないなんて……あなたはどこまで私を失望させるのかしら?」
「なんでだよ、フィーネ!」
「フィーネってなんです?翼さん」
拓実が尋ねた。
「フィーネ……終わりの名を持つものよ」
クリスが響を突き飛ばした。
「こんな奴がいなくたって戦争の火種くらい、私1人で消してやるよ!そうすりゃあんたのいう呪いが溶けて世界は1つになるんだろ!?」
「戦争の火種……?」
(こいつ、いやクリスの戦う理由はそれなのか)
そしてフィーネはクリスは不要と告げ、クリスはその後を追った。
同時に二課の情報網でわかったことは雪音クリスは現在16歳で2年前ギア装着候補として選ばれた少女だったことである。そして、モニターには黒服にガードされている未来の姿が映っていた。
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本部に降りるエレベーターにて翼は物思いに耽っていた。
(奏の戦う理由……それが分かったような気がするけど受け入れるのが怖い……人のみならざる私に出来るだろうか?)
「自分で人間になればいい。それだけの話じゃないか?あんまりガチガチだとポッキリだ、って意地悪されそうだ。けどそれを今知ったところで何をしたら良いのやら……」
翼はエレベーターが開いたので歩き出した。
「好きなことしたらいいんじゃねえの?」
奏の声を聞き自分の好きなものとは何か改めて考えながら再び翼は歩き出した。
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響は先ほどの戦いの後検査に入ったがほとんど平気な状態だった。とはいえ過労が本人には残ってはいた。
「まさか、イチイバルが敵の手に……」
「それだけやありまへん。雪音 クリスもや」
テントモンが付け加えた。
「そうだね。状況は良くないね」
カメモンも頷いた。
「ええ、聖遺物をパワーにして戦う面において我々の優位性は完全に失われたわけですね」
「フィーネの目的がなんなのか分からないのが不安を余計に煽らせるな」
クダモンもソファーに座りながら悩んでいた。
「深刻に考え過ぎよ。シンフォギア奏者2名に拓実くんだっている。きっと大丈夫よ」
響、翼、了子が入ってきた。
「翼……全く無茶しやがって!」
「勝手なことに関しては謝ります。ですが、仲間を見捨てられませんでした」
「翼さん……!」
響が笑顔になった。
「今の立花なら戦場(いくさば)にもう一度立てるな」
突然、了子が響の胸を触った。彼女曰く、響の胸のガングニールが以前よりも体組織と融合していたから、驚異的な力を出せたからだそうだ。その発言で翼はクリスとネフシュタンを思い出し何か引っかかったような表情を見せた。
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その頃、拓実が未来を寮に送っていた。
「えっと、すみません。迷惑かけて……」
「いいって!いいって!どうも立花さんも検査あるみたいだし、一応二課で手が空いてたのは俺くらいだしさ。」
「でも、響がそんなことに……」
「立花さんは何か守りたいものがあるっていうのは聞いたことはあるんだ。そのために自分が辛い目にだ。今の俺には出来ないね」
拓実は腕を組んだ。
「響は私に隠し事なんてしないって言ったのに……隠し事をしていた!どうしたらいいと思います?拓実さん?」
「うーん……やっぱ正面から話すしかないんじゃない?正面から話せば自ずと道みたいなのは開けるはずだし……まあ、そこは自己決定でしょ。俺がとやかくいう筋じゃねえし……そんじゃ!」
「ありがとうございます……」
未来と拓実は分かれ道で別れた。
「ピヨモン……あなたは何か聞いたの?アグモンから……」
「実は……でもね。響の気持ちを察してあげられるようにしたらいいんじゃない?きっと響って未来を守ることに頭いっぱいだったんじゃない?」
「でも……」
未来が自宅に向かう中、拓実はお使いを頼まれた。そして公園に向かうと近所の小さい兄弟とクリスがいた。
「お兄ちゃんを虐めないで!」
「ウッ!」
「よっ!どうした?トラブルにでもなったか?」
「ああ!水琴のお兄ちゃん!」
「お前は!」
クリスが構えようとしたが、それを拓実が止めた。
「あ~ストップ、ストップ。ここでやんのは行けないでしょ?まずはこの子たち!」
クリスと拓実は兄妹とはぐれた父親を探すことになった。クリスは鼻歌を歌いながら、歩いていた。
「歌……好きなの?」
「いや、別に……好きじゃ……ねえし」
(クリスは俺たちの仲間になる予定だったんだ……
俺に出来ることはクリスを説得することなのかもしれない。こういうのは寧ろ立花さん向けかもしれないけど彼女は小日向さんとは一悶着ありそうだし、翼さんには出来るかどうか……あの人結構素直じゃなかったりするしなあ……)
その後、未来と響、翼がくしゃみをしたのはいうまでもない。すると兄妹の父親を見つけた。
「お父さん!」
「良かったな」
「ありがとうございます!ご迷惑をおかけしました。ありがとう、拓実くん」
「いや、成り行きだし……なあ、お前らってどうやったらそんなに仲良くなれるんだ?」
「分かんないよ。いつも喧嘩しちゃうし……」
「でも、仲直りしちゃうんだ。後でね!」
そして親子と別れた後、拓実はクリスと公園のベンチに座っていた。
「で、どうすんだ。やるかい?今なら問題ないだろう?」
「いいや。お前に聞きたいことがあったんだ。それからでもいいんじゃないか?それほどお前は忙しくはないだろ?」
「で、何だ?」
「頼む……二課に来てくれないか?」
「はあ!?」
突然の出来事にクリスが立ち上がった。
「雪音 クリス……あんたは本来、二課で共に戦う防人だったんだ。つまり俺の先輩になるはずの人だったんだ。頼む!俺たち二課と一緒に戦ってください!クリスさん!」
拓実が頭を下げた。
「バカいうな!一度戦っていた奴らが簡単に分かり合えるわけねえんだよ!そんなのありえねえんだ!」
「いいや、あり得るね。あの兄妹を見たろ?仲直りさ。大丈夫、立花さんはそういうのうまいぞ」
「うるっせえ!お節介なんだよ……あたしは……そんなことはできない!」
「そうか……じゃあ、仕方がない。また会えたら気が変わったか聞かせてください。クリスさん……俺は疲れてるんだわ。また後日ってことでさ。」
拓実が去った。
「何でだよ!何で私に構うんだよ!ほっとけってのに!」
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そして響が自宅に着いてものの未来とは険悪な雰囲気になってしまった。
「あのね……未来……私!」
「どうせまた……嘘、着くんでしょ?」
未来を雑誌を置いて立ち上がった。
「嘘つき!隠し事なんてしないって言ったのに!」
「未来……」
いつも上で一緒に寝ている未来とは今日は一緒に寝られなかった響であった。
(私……何で響のこと聞かなかったんだろう?多分それは怖いからなのかも……拓実さん、私には勇気がないの……向き合おうとする勇気が……)
2人は翌日になっても険悪なままだった。
「ピヨモン……僕らはどうしたらいいのかな?」
「分かんないよ。私たちが知っていることよりも深いんじゃないかな。この2人に関しては……」
そして、お昼になっても大して変わってなかった。2人に寺島、板場、安藤がやって来た。
「何か、お二人の様子……変じゃありません?」
「うん、いつもの感じじゃないわ」
「一体どういうこと?アニメで例えてよ」
「恋愛アニメ?それとも好き嫌いなアニメでもあって喧嘩した?」
「な訳あるか!」
マッシュモンが突っ込む中で安藤は「はは……」と笑い、響に尋ねた。
「もしかして……ビッキー、バイトとか?」
そう言うと未来が席を立って走り去って行ってしまった。屋上にて2人は向かい合った。
「ごめん……私、未来に隠し事しないって言ったのに、嘘をついた……」
「言わないで!これ以上……私は響の友達じゃあ……いられない」
未来は歩き去ってしまった。その事実に響は震え、涙した。
「嫌だよお……そんなの……」
「響……」
「嫌だよお……私は……」
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そのころ、クリスはフィーネの屋敷に入りドアを開けた。
「あたしがリストラって、どう言うことだよ!?あたしをもののように扱って……」
フィーネはクリスを見ながら、電話に受けこたえていた。
「頭ん中がグチャグチャしてんだよ!」
「ソウダ!イマクリスハナニガタダシイカヨクナイカガワカラナイ!タノム!オシエテクレ!」
ハグルモンも抗議した。
「全く……見苦しいわねえ……」
エテモンがフィーネの横に現れた。
「どうして、私の思い通りに誰も従わないのかしら?」
振り返るとフィーネはガジモン、ベタモン、ギザモン、ゴマモン、フライモンとノイズを数体呼び出した。クリスはイチイバルを纏うことを躊躇っていた。
「そうねえ……あなたにできるのは精々争いの火種を2つ、3つ増やすことくらいかしらねえ……」
「キサマ!」
「痛みもギアもあんたがくれたんじゃないか!」
「私のギアも纏えない者に用はない。私とこのギアさえあれば、未来は続いていくわ。
あとはカディンギルの完成を待つだけ」
するとフィーネがネフシュタンの鎧をまとったが、その姿は白から黄金に変わっていた。
「カディンギル……それって……!」
「あなたは知りすぎた」
ノイズをクリスに襲わせたがハグルモンは必殺のダークネスギアで倒し、フィーネも攻撃するが、ネフシュタンには傷1つなかった。
「ちくしょー!」
クリスはハグルモンを進化させ、メカノリモンに乗って逃亡した。行くあてもなく____
「やあ、僕ファルコモン!今回はペックモンだったけど、翼の新しいパートナーなんだ!」
「よろしく〜」
「よろしくな!」
「うん、翼とともに羽ばたくよ!」
「僕と響も未来と仲直りしたいなあ…」
「拓実は…特にないなあ…」
「オイオイ、イイノカソレデ?」
第11回 ファルコモン、アグモン、ベタモン、ハグルモン
(in 戦闘後)