戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回からXDUの片翼の奏者編がスタートです。アプリ版のストーリーのネタバレを遠慮なく出していくので注意してください。今日から未来さんイベントですがそれもそのうちここでも書いてこうと思います。


101話 未知の聖遺物起動!

魔法少女事変から数週間___世界では未だキャロルの背後関係を探ろうと躍起になる中でまた一つ異変が生じようとしていた。

「これは…!直ちに装者たちを緊急招集するんだ!」

数時間後、響たちが本部に集まった。そして今イギリスへと向かっていた。

「一体どうしたのでしょうか?」

「なんか悪いことでもあったのかもな。」

「…キャロルとの戦いから数週間経ってでか?」

拓実がクリスに尋ねた。

「オッさんがマジになってんだ。それなりの覚悟がいるかもな。」

3人はイギリスまで向かう道中にトレーニングを行なっていた。装者たちにとってトレーニングは肉体だけではなく心も鍛えるものでもあるのだ。そして今切歌は爽谷と戦っていた。

「じゃあ、始めようか!」

「手加減なしデス!」

「爽谷、頑張りなユー!」

爽谷と切歌のパートナーもそれぞれ観戦していた。

「スピリットレボリューション!」

「Zeios igalima raizen tron」

爽谷はチャックモンで切歌と戦い始めた。

「そりゃあああ!!!」

爽谷は雪玉を連続で発射して切歌を攻撃するが、鎌であっさり切り捨てられた。

「スノーボンバー!」

「甘いデス!」

背中の触手のような部分で次々と雪玉を破壊しながら確実に走り出した。

「決まった!」

響が切歌の勝利を確信した。

「いやいや、危ないな。」

「ああ、爽谷のやつ考えてやがる。」

「とどめ…?」

すると切歌は違和感に気がついた。なぜ爽谷は動きもせずにただ雪玉を放ったのかで一度距離を置いた。

「ちぇっ、やっぱ気づかれちゃったか。」

足元には水たまりが広がっていた。爽谷は雪玉を攻撃する目的ではなく動きを鈍くさせるために切歌の油断を誘っていたのだ。

「動きを鈍くさせたからと言ってうっかりやられるあたしではないデス!」

「じゃあ、これで振り出しだね!スライドレボリューション!ブリザーモン!」

チャックモンからブリザーモンに変化し爽谷は正面から切歌と真っ向勝負を始めた。

「どうやら務めは怠っていないようだな。」

すると翼にマリアが入ってきた。

「数週間後にまたここに来るなんてね。…切歌に爽谷は?」

「今、訓練中…」

「おっ、どうやら終わったみたいだ。」

拓実がモニターを指差した。どうやら勝負は切歌の勝ちだったようだ。

「やっぱ、ビーストスピリットは慣れないね。」

爽谷は息を切らしていた。

「最近の切ちゃん、なんだか頼もしい…」

「ありがとうなのデス調!」

「ったく、そういうのは家でやれっての…」

「アハハハ…」

爽谷が苦笑いを浮かべた。

そしてすぐに装者たちは司令室に向かった。

「集まってもらったのは他でもない。これを見てくれ。」

モニター表示されたのはアンモナイトの形をした虹色の物体だった。

「これは…新手のアンモナイトですか?」

「アホ!んなわけあるか!」

クリスに拓実がしばかれると警報がなった。

「ポーツマス市街地にノイズが発生しました!」

「なんだと!?」

「バカな!バビロニアの宝物庫は焼き払っちまったはず…!」

「まさか、再び開け放たれてしまったのデスか!?」

「分からん!今の所はノイズを一掃するしかない!すぐにポーツマスに向かってくれ!」

「「はい!!」」

 

街中に突如として現れたノイズを奏者とデジモンたちは一掃していた。しかし、それと同時に暴走デジモン アンキロモンが現れ街がパニック状態に陥った。

「ここは僕と拓実が街の人を避難させる!だからみんなはノイズを!」

町に着いた拓実と爽谷はいち早く避難の誘導を始めた。

「はあああああっっ!!!」

翼が斬撃でノイズを切り捨てる中、調と切歌にマリアはLiNKER未完成に伴い、極力派手に動かずサポートに徹していた。

「どんだけこようがもうお前らなんざ雑草みてえなモンなんだよ!」

<BILLION MEIDEN>

クリスのガトリングでノイズの軍団は一掃されあとは大型ノイズを残すだけだった。

「わたしが決める!はあああ!!」

<天ノ逆鱗>

剣の持ち手を足に取り付けて翼はノイズを脳天から押しつぶして撃破した。

「ぐおおおおおおおおおおお!!!!」

しかし、まだアンキロモンは健在だった。

「ここは一気に行きます!」

響がデジヴァイスでアグモンを呼び出しグレイモンに進化させた。

<メラモン!デジメモリオン!>

メラモンのヴィジョンが進撃を続けるアンキロモンの目の前に飛び出した。

「バーニングフィスト!」

顔面に火の拳を受けたアンキロモンはあっという間にグレイモンに背後を取られ、海まで投げ飛ばされた。

「メガフレイム!」

そして投げ飛ばされながら空中で爆死した。

「これにて、任務完了!」

 

「一体どういうことなんですか!?どうしてまたノイズが?」

「そのことなのですが…」

「いや、その前にみんなには知っておいてもらいたいことがある。」

クダモンがエルフナインの言葉を遮ると弦十郎が首を縦に振った。

「先ほどノイズが現れたのは並行世界からこちらの世界にノイズが流れ込んできたからなんだ。」

「並行世界?」

「なんデス?それって?」

「並行世界っていうのは今僕たちが暮らしてる世界とは異なる歴史を進んでいた世界___パラレルワールドともいうべきかな。」

爽谷が切歌と調に補足した。

「異なる歴史…」

「よくテレビで使うアレだな。」

「そう、ギャラルホルンには並行世界への移動を可能にする機能が備わっているのだ!」

「厳密には繋ぐ能力です。とはいえここ最近になってギャラルホルンは起動したんです。それまでギャラルホルンは一切機密として扱われ一部の人間にのみでしか知られていなかったんです。僕も今朝知りました。」

「じゃあそれで並行世界のノイズがこっちに来たってわけか?」

「そう考えてもらって結構です。とはいえ僕も今までそんな聖遺物があったなんてことに関しては初耳でした。」

そして弦十郎の口から語られたのはギャラルホルンには"並行世界で異変が起こった時に他の世界を繋ぐ"という危険な性質があったということらしい。そして以前にもギャラルホルンの影響で大量のノイズが現れたことがあったらしい。その時は今は亡き天羽奏により一掃されたらしい。

「マジかよ…」

「なぜそれをわたしに話さなかったのですか!?」

驚きながらも翼は弦十郎に問いかけた。

「すまぬ、当時貴重とされていた高い適合係数を持った翼に何かあってはという意向があり、代わりに奏が引き受けることとなったのだ。とはいえ無事にノイズは一掃され奏も幸い無事だったがな。」

「そんなことがあったのかよ…」

拓実も翼を除けばSONGの中で奏をよく知る人物でもある。しかし、彼は出逢って数ヶ月というのもあってか本格的に知ることはできなかった。

「そこでだ。今回集まってもらったのは並行世界への移動をギャラルホルンで行い現地の調査をしてほしいのだ。このまま野放しにしておくとこちらでも対処が難しくなってしまう…あらかじめ調査をお願いしたい。」

「調査か…早速行こうぜ!」

クリスが弦十郎の言葉を聞くとすぐに行動を移そうとした。

「待ってください。奏者が全員移動してしまってはこちらにノイズが現れた時に拓実さんと爽谷さんでは持ちこたえられません。せめて戦力を分けてください。」

「むっ…そうか…じゃあ誰が行く?」

「わたしが行こう。奏がやったのなら私だって…!」

「1人では行かせないわよ!」

「マリア…」

「お前…」

「クリスに爽谷、調と切歌をお願い。私は翼にもしものことがないように見守る必要があるわ。」

「うん、任せといてマリアさん。」

「これであと1人…誰が行きますか?」

「そうね、あと1人はなるべく…」

マリアは響を見つめた。

「分かりました!私が行きます!」

そして数時間後の夜に全員ギャラルホルンが保存されているSONG本部の一室に入った。その中に未来がいた。響の見送りが目的なのだ。そこには虹色の輝きを放ちながら佇んでいるギャラルホルンが見えた。

「これがギャラルホルン?」

「では響さん、翼さんにマリアさん。準備はできましたか?」

「いつでもいいよ!」

「それにしてもギアを纏ってでないと行けないのね。」

「はい、ギャラルホルンには聖遺物に反応し扉を開くのです。」

「じゃあ、行ってくるね!未来!」

「行ってらっしゃい!」

3人はゲートを通って行った。

「さてと、行くぞ。あたしらは出動命令がない限りは学生なんだ。」

「にしても並行世界か…ちょっと行って見たかったかもな。色んな歴史が見られるなんて夢見たいだろ。」

「そうデスね。次こそは行きたいデス!」

「そうだね切ちゃん。」

「うむ…」

弦十郎の表情は険しかった。

「どうかしましたか弦十郎さん?」

「いや、並行世界とは我々の知らない歴史を歩んで来た世界。それにそこではバビロニアの宝物庫は開かれたまま…ルナアタックはおろかフロンティア事変や魔法少女事変すらない世界にそれらを体験してしまった我らの世界がもし与えてしまったとしたら…!」

「無用だ。たとえ絶望に陥っても光は現れる。闇には光が付きまとう。それに私は彼女たちを信じている。人を希望へと導いてくれる彼女たちの可能性をな。」

クダモンが残ったクリスたちを見てフッと笑みを浮かべた。

 




「なぁーんかエルのやつ今回俺と爽谷じゃ持ちこたえらんないって行ったけど実力なわけねえよな。」
「そりゃそうだよ。僕らだって仲間だし、多分人員的な問題だと思う。救助とか避難誘導とかそういうのだって。取り敢えずどっかその辺の街でも行ってみる?」
「おっ、いいなそれ!んじゃ行くか!」

第81回 拓実、爽谷(inSONG本部)

さて、今回はSONGの奏者たちデジモンのおおまかな実力を並べてみようと思います。今回はSONG所属のパートナーデジモンの成熟期編になります。

最上位:レッパモン
上位:ジオグレイモン、ペックモン
中の上位:シードラモン、グレイモン、カブテリモン、ガワッパモン
中位:メラモン、スティングモン
下位:スナイモン、メカノリモン、アイスデビモン

最上位は言わずもがな司令のパートナーでロイヤルナイツなわけですから他のメンバーとは経験が違いすぎるんですね。そして上位は装者として別格の強さを誇る翼さん、マリアさんのパートナーになります。そして下位になってしまったスナイモンとメカノリモンに関してですが前者はあまり実戦経験が他に比べて乏しいのと、後者は元々コックピットにはバケモンが乗ってるがクリスちゃんの場合コックピットには誰も乗っておらず、自動操縦ですので本来よりも実力が落ちてます。


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