戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

10 / 227
そういえば二課がデジメモリをどれだけ持ってるかをまだ話していなかったのでここで触れときます。現在二課が所持しているデジメモリは成長期はすべて揃っています。成熟期に関してはまだ半分以下しか集まっていません。とはいえフィーネはかなりの数のデジメモリ、それも完全体をも所持しています。


第9話 ガングニールVSネフシュタン 響の戦う理由!

 山中の屋敷にてクリスは立ち尽くしていた。

 

「本来、完全聖遺物には相応のフォニックゲインが必要になるんだ。それをあいつはバカみてえなパワーを解放した。しかもあいつに夢中と来たら……あたしはまた、1人になるんだ」

 

 クリスは元々、両親が2人とも音楽家で紛争地域にある目的で向かったのだが現地のゲリラにより両親は殺害されクリス自身も奴隷に近い扱いを受けた。

 

 その中で知ったのは大人を信じてはいけないこととそこで見たものは自分と同じくらいの子供が殴られ、殺されていくことだった。

 

 その紛争は今では終結し、クリスたちは保護されたがクリスには帰るような場所はなかった。唯一ハグルモンがクリスの友達のような存在だった。

 

「クリス……ダイジョウブ。ボクガイルカラ……」

「ありがとう、ハグルモン」

 

 クリスが振り向くと背後にはフィーネが立っていた。

 

「あいつを捕まえてやるよ! どちらが優秀かを見せてやる! こんなのを使わずともなあ!」

 

 ソロモンの杖を投げつけた。

 

 

 

 一方、リディアンでは翼が目覚めリハビリに明け暮れていた。そんな中で翼は窓から響の姿を見ていた。

 

(私は……もっと強くないと。デュランダルの力であの子にひどいことを……)

 

 響は考え事をする中、未来は先にゴールした。

 

「お疲れ様!」

 

 ピヨモンがタオルを渡した。

 

「うん、ありがとう。ピヨモン」

 

「響! もうゴールだよお?」

 

 響はなおも走り続けた。その様子はまるで響と未来の距離が遠くなっていくかのようだった。その後2人は家の風呂場でイチャイチャしているのがアグモンたちにも聞こえた。

 

「いいねえ……夫婦だね……」

 

 ピヨモンがうなづいた。

 

 その頃、二課ではデュランダル移送作戦が頓挫し本部の守りを強化することが決定していた。

 

 そして新防衛大臣が旧副防衛大臣になることを知った。彼は本部の強化を後押しした人物であると同時にアメリカの意向が日本に入るやすくなる危険性があるほどの親アメリカ派の人物であった。

 

____________________

 

 1日を終えた響の元に緒川から連絡が届いた。なんでも、忙しいから翼の見舞いに行って欲しいと言うことだった。突然の連絡により響は未来との用事を断り、翼の病院に向かった。

 

「失礼します……翼さ……ん!」

 

 響は部屋を見て唖然とした。

 

「何してるの?」

 

「翼さん! 無事でしたか!?」

 

「入院患者に無事を聞くって、どう言うこと?」

 

「だって……これは!」

 

 響が指差した部屋は酷い有様だった。そこは雑誌が開きっぱなしで、新聞や衣服が散らばっていた。

 

「私てっきり翼さんがどこかの国の陰謀で誘拐されたんじゃって思って!」

 

 翼が赤面した。

 

「え? もしかして?」

 

 そんな中、約束を断られた未来はたまたま窓の外を見ると、響と翼の様子が図書館から見えてしまった。

 

 そんなことはいざ知らずな響は翼の部屋の片付けをしていた。なんでも翼自身、部屋の片付けが苦手というかあまりできないため普段は緒川にやらせているのだとか。

 

「いつも報告書は見ているわ。何でも、あなたと水琴で私の抜けた穴を埋めようと頑張ってるそうじゃない」

 

「いいえ! 私はまだ……みんなに助けられっぱなしです!」

 

「そう、でもだからこそ聞きたい。あなたの戦う理由は何?」

 

「私は人助けが趣味だってのもあるけど、やっぱり2年前の事件が始まりですかね。あの日奏さんをはじめとして多くの人たちが亡くなりました。

 

 でも私は今もこうして生きているから……せめて誰かの役に立ちたいんです」

 

「いいことかもしれないけど……

 

 それは前向きな自殺衝動なのかもしれないわよ。自分が傷つくことで誰かが助かりたいという名の自殺衝動なのかも……」

 

 そして響はデュランダルに触れ、闇に飲み込まれていたことも告白した。

 

 自分がアームドギアを持たないからと言ったが、それを翼は力の使い方を知れば人から遠ざかり、戦士になる覚悟があるのかと問うと、響は真剣な表情になった。

 

「守りたいんです。何でもない日常を守りたいんです。でも、思うばっかりで空回りなんです」

 

「戦うときあなたはどう思ってるの?」

 

「最短で、最速で、まっすぐに、一直線にノイズに襲われてる人を助けたいです。でも、戦う相手が人間だったら……どうして戦うのかという疑問をぶつけたいと考えています」

 

「あなたの胸の中にあるものをはっきりと思い描きなさい。それがあなたの……立花 響のアームドギアに他ならないわ!」

 

 翼も一言を受け、響は病院を出た。

 

____________________

 

 一方、未来はフラワーに1人で向かっていた。

 

「いらっしゃい! あら、今日は1人?」

 

「はい……」

 

「やあ、小日向さん」

 

 バイトの拓実も挨拶したが、未来の顔が浮かない。

 

「実は……ちょっと悩み事があって……」

 

「そうかい。でも、お腹減った状態だと悪い答えばかり出る。こういう時に食べておくんだよ。ね、拓実くん?」

 

「ええ、僕の父さんもそうです。悩んだら色々食べてます。

 

 いっつも、悩んだら食っとかねえと悪い答えだらけだ! って、言うんですよ」

 

「ありがとうございます。拓実さん、おばちゃん」

 

「また、いつでもおばちゃんのとこにおいで」

 

 数時間後、街にネフシュタンの反応が現れた。響は現場に駆けつけるとそこには未来がいた。

 

「見つけた!」

 

 クリスが鎖を振り回した。

 

「未来、来ちゃダメだ!」

 

「きゃあああああ!!!」

「危ない!」

 

 未来の危機を前にして未来のデジヴァイスが黄色に輝いた。

 

「ピヨモン、進化ああああああああ!!! 

 

 バードラモン!」

 

 ピヨモンから赤い巨鳥のバードラモンに進化した。

 

「どうして?」

 

「ちっ、他にもいたのか!」

 

 その時、突然モノクロモンとアンドロモンが現れボルケーノストライクでバードラモンに襲いかかった。アンドロモンもスパイラルソードで未来を攻撃しようとした。

 

「きゃあああああ!!」

 

 その時、響がガングニールを纏いアンドロモンを殴り飛ばした。

 

(ここから先は 私ト云ウ 音響キ ソノ先ニを聴きながら読むのを勧めます)

 

「未来……ごめん……」

 

「鈍臭いのがいっちょまえに挑発かよ!」

 

 響はクリスとともにその場から離れた。

 

「何が……どうなってるの?」

 

「スパイラルソード!」

 

  <エレキモン! ゴツモン! デジメモリオン! >

 

「スパークリングサンダー!」

 

「アングリーロック!」

 

 アンドロモンを足止めし、技を不発させたのは拓実だった。

 

「拓実さん!」

 

「間に合ったみたいだ。このデジモンたちを止めるぞ、ベタモン!」

 

「ああ! ベタモン進化! シードラモン!」

 

 シードラモンがアンドロモンに襲いかかったが、アンドロモンのパワーに押されていた。バードラモンは飛行しながら、モノクロモンに一発ずつダメージを与えた。

 

「小日向さん、君のバードラモンに声援や命令を! このままじゃ危ない」

 

「えっと、わかりました。バードラモン! 頑張って!」

 

「うん、メテオウイング!」

 

 バードラモンは旋回し、羽ばたいた。すると火の玉がモノクロモンを襲い、モノクロモンはデジタマに戻った。

 

「よし、あっちは大丈夫だ。こっちはこれだ!」

 

  <ガルルモン! デジメモリオン! >

 

 ガルルモンの幻が現れた。

 

「フォックスファイアー!」

 

 アンドロモンがそれを払いのけたため隙が生じた。

 

「行くぞ、シードラモン!」

 

「おう! シードラモン超進化ああああああああ!!! メガ……シードラモン!」

 

 メガシードラモンとアンドロモンがぶつかり合った。そして素早くメガシードラモンが尻尾でアンドロモンを縛り上げた。

 

「喰らえ! サンダージャベリン!」

 

 サンダージャベリンでアンドロモンは大ダメージを受けたが上空に上がった。しかし、バードラモンには気がつかずメテオウイングで撃ち落とされ、落下する途中で再びサンダージャベリンを受け、アンドロモンはデジタマに戻った。

 

「よし! 小日向さん、俺は立花さんのところに向かう! もうじき君のことを保護しに来る人たちがいるから早くここから避難するんだ」

 

「そんな、でも!」

 

 拓実は森の中に入った。

 

____________________

 

「鈍臭いのがやってくれる!」

 

 拓実は何とか2人の間に入り込めたがすでに睨み合いを果たしていた。

 

「間に合った。ありがとう、メガシードラモン」

 

「お安いことさ」

 

「鈍臭いじゃない! 私は立花 響 15歳。誕生日は9月の13日で血液型はO型! 身長はこの間の測定じゃ157cm、体重は、もうちょっと仲良くなってから教えてあげる!」

 

「どうしたの? 響?」

 

「趣味は人助けで好きなものはご飯アンドご飯! あと、彼氏いない歴は年齢と同じ!」

 

「そこはいらないでしょ? 響?」

 

 アグモンが呆れた。

 

「んじゃあ、俺も。俺は水琴 拓実 17歳! 誕生日は8月の1日でAB型。身長は167cm! それ以外はプライベートだ!」

 

「拓実……悪ノリするか?」

 

「いや、なんか言っといたほうがいいと思ったんだよ。まあ、知っておいて損はないだろう」

 

「お、お前ら何をトチ狂ってやがるんだ!?」

 

「私たちは言葉が通じるんだ。そうすればきっと分かり合える!」

 

「なんて悠長を……! 此の期に及んで!」

 

 鎖を鞭のようにして攻撃したが響はそれを素早く交わした。

 

「話し合おうよ! 私たちは戦っちゃいけないんだ! だって、私たちは同じ人間なんだ!」

 

「立花さん……あんた」

 

「うるせえ! 人間はそんな風にできちゃいない! 気に入らねえ! 気に入らねえ! 気に入らねえ! わかったかのように知った口でベラベラ言うお前が!」

 

 怒りのままクリスは響を攻撃した。

 

「もう、お前を生かしたりはしない! お前の全てを踏みにじってやる!」

 

「私だって負けるわけにはいかない!」

 

「僕だって……! アグモン進化! グレイモン!」

 

「吹き飛べ!」

 

 クリスの背後からメガドラモンが現れ、ジェノサイドキャノンを放った。

 

「サンダージャベリン!」

 

「メガフレイム!」

 

 3つの技は拮抗した。グレイモンは尻尾で攻撃したがメガドラモンに受け止められた。メガシードラモンも背後から攻撃をしかけ、メガドラモンを地上に落とした。クリス自身は響にNIRVENOR GEDONを放った。響はそれを受け止めた。

 

「持ってけダブルだ!」

 

 クリスは容赦なく響にもう一発放った。

 

「立花さん!」

 

 しかし、響はその上で新しくアームドギアを形成しようとしたが、暴発した。

 

「これじゃダメだ!」

 

「甘いんだよ!」

 

 クリスが鎖を振り回した。しかし、響はそれを握りしめた。

 

「バカな!?」

 

「これなら! 最速で! 最短で! まっすぐに! 一直線にこの胸の響きを! この思いを! 伝えるためにいいいいいいいい!!!!!!」

 

 響の渾身の一撃がクリスに命中した。

 

「うまい!敵の攻撃を利用して一気に反撃をぶつけるなんて流石だ!!」

 

生身の拓実も木に隠れながら、様子をうかがっていた。

 

「クリス! ハッ!」

 

<サンダーボールモン! デジメモリオン! >

 

 メガドラモンが余所見をしているとサンダージャベリンとメガフレイム、サンダーボールを受けメガドラモンは吹き飛ばされた。

 

「ネフシュタンの……鎧が!」

 

 クリスは一撃を受けメガドラモン同様吹き飛ばされ壁に激突した。

 

「よし! これで勝てる!」

 

 戦況は響と拓実に傾いた。




「そういや今日からデジモンtriの4章だっけか?」

「作者は見に行ったの?」

「それが、作者も用事があったりしたからアニチューブで見たんだと。」

「そうなのか…で、感想は?」

「おっと、ネタバレになるから一言だけいうとしたら「フラグが折れたww」だそうだ。」

第10回 拓実、ベタモン(in水琴家)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。