魔法少女靖子~暁の水平線に平和と友情の絆を~ 作:ラフィーネ
最後に案内されたのは、プールのようなところだった。
「ここはね、練習コースになってるの。初めての人はここで練習するの」
「おもしろそうなとこだね。今度ラジコンボート浮かべてあそぼっかなぁ。それと暑かったらここで水遊びしよっかなぁ」
靖子は少々不真面目であった。しかし、吹雪は笑った。
「やっぱりおもしろい人だねあなた。お友達になれそう。」
靖子はちょっと照れ笑いした。そこへ天龍と龍田、神通が帰ってきた。
「お!元気になってよかったな。そういや自己紹介まだだったな。俺様は天龍ってんだ、よろしく」
「あ、よかった。もうお目覚めだったんですね。私は神通です。宜しくお願い致します。お体のほうは?」
「もう大丈夫です。傷のほうはまだですが。」
「私は龍田です、よろしくね」
「あの、この度は助けていただいてありがとうございます。」
「おいおい、やめろよ。照れるじゃないか。」
3人はコンビニとディスカウントショップの帰りだった。一回りし終わった靖子は、吹雪に礼を言い、病室に帰っていった。夜の執務室、提督と明石、金剛が話し合いをしていた。
「どんな名前にしたんですか?」
「もう決まってたんだけど、あの子の前で話すのはちょっとあれだったから」
「もう艤装の設計図は完成してますよ」
「よし!あとはあの子との話し合いだけね。」
名前も決まったし、艤装の設計図も完成していた。あとは服装、靖子の承諾だけであった。金剛は先日のイチゴティーの話を持ち出した。
「ヘイ提督、イチゴティー、買ってくれましたか?」
「ええ、約束したものね、はい!」
「サンキュー!」
「ついでにこれも!お詫びよ。」
金剛が包みを開けると・・・・・なんとイナゴの佃煮であった!
「オーマイガット!!」
金剛は大きな声でそう叫んだ。
「・・・引っ張りますね」
明石は少々苦笑いだった。2日後、靖子の傷はすっかり治った。目覚めた靖子は、診断の結果、普通の食事が食べられるようになった。朝食をたべたかったが、どこでたべたらいいかわからなかった。そこへ吹雪と大淀が入ってきた。
「おはようございます。」
「おはようございます。」
「紹介するね、こちらは軽巡の大淀さん。」
「初めまして大淀です。」
靖子は、大淀に挨拶した。大淀がなぜここに来たかというと、一緒に朝食を食べるためであった。もちろん、彼女も靖子同様、眼鏡をかけていた。そして、大淀といっしょにご飯をたべる靖子と大淀の姿が、食堂にあった。もちろん、朝食を食べていたほかの艦娘たちの注目の的だった。
「あの子ね。助けられた女の子は。ツインテールかぁ、なんだか龍驤さんっぽい!」
「あたしもツインテールよ。」
「うちがどうかしたん?夕立、村雨。」
「なんでもない、あの子が助け出された女の子だって。ちょうど大淀さんの隣にいるっぽい。」
「そうよ、あたしたちその子のことでお話ししてたのよ。」
「そうなんか、あの子が噂の女の子か。」
夕立と村雨と龍驤が靖子のことでお話していた。そして、靖子と大淀は朝食を食べ終えた。
「どう、おいしかった?」
「ええ、ごはんと味噌汁、そしてししゃもにたくあんおいしかった。」
ちょうどそこへ金剛が現れた。
「グッドモーニング!」
「おはよう金剛さん、おかげさまですっかりよくなりました。」
「それはよかったでーす!提督があなたにお話がありまーす。一緒に執務室に来てくださーい」
言われるままに靖子は寝巻のまま執務室に向かった。そして金剛と一緒に執務室に入った。パジャマのままは失礼ではないかと不安げだったが、郡津提督はそのままでいいと許した。そして、靖子に艦娘にならないかと話した。
「え?あたしが艦娘に!?」
「そうよ。報告書はよんだわ。あなたはあの戦艦ル級たちと善戦した。ならばあの艤装もつかえるかと思って。」
「・・・あれ、本物だったんですか?着ぐるみじゃなくて。」
「ええ、あのル級は本物よ。特撮じゃないわよ。あなたなら絶対戦えるとおもってるの。どう?このまま出て行っても戻るところないでしょ?断って、ここで身の回りの仕事してもいいのよ。間宮さんには私から言っておくし。」
靖子は迷った。今は通信機が壊れてる以上連絡が取れない、それに助けてもらった礼もしたい、考えた末、靖子は決断した。
「ご迷惑でなければお願いします、やってみます!」
「艦娘になってもいいのね」
「はい!」
「ごめんなさいね、私のわがままなのに、話を聞いてくれて。」
郡津提督を涙を流しながらは靖子を抱きしめた。
「絶対あなたを死なせたりしないからね。」
「へい提督!そうと決まったら早速服のデザインきめましょう!」
早速、服のデザインの設計に入った。
「そうねぇ、服は・・・、あ、こんな感じで!」
靖子はスケッチブックに、着る服のデザインを描いた。もちろん、色も塗った。そして、諸々の準備ができると・・・。
「へーい!霧島!この子とお買い物よ!着るもの用意してあげて!」
「はい、お姉さま」
服、艤装、武器など作る所要時間は重巡洋艦波だという。もちろん妖精さんがつくってくださるってことで、その間靖子は霧島と一緒に、車でお買い物にいった。艦娘にも免許を持ってる人がいるんだなぁと、靖子は思わずうなずいた。
「このブラとショーツ、あなたにはいいかもね。」
「んもう霧島さんったら。」
下着を選んだり
「これいいかな?お姉ちゃん!」
「あら猫ちゃん?かわいいわね。」
上着を選んだり
「このスカートと靴下、似合ってるわね」
「あ、ほんとだ!あたしかわいー!」
スカートや靴下を選んだりと、お買い物を楽しんだ。この世界へ来て初めて充実した1日を過ごした。靖子は霧島にお礼を言った。そして、鎮守府に帰ってくると、もう服と艤装、武器は完成していた。翌日の朝礼で公開するということで決まり、靖子は初雪に案内されて部屋に向かった。
「わたしは初雪、と申します、よろしくお願いします。」
「あ、よろしく」
「あなたのお部屋、ここ、です。」
部屋は1人部屋で、テレビ、ブルーレイデッキ、パソコン、エアコン、オーディオとかがあって充実していた。靖子は初雪に礼を言い、部屋に入った。
「今日から新生活スタートか。けどあの初雪って子、ツインテールにしたらかわいいかも。」
靖子はワクワクしていた。そして翌日、朝礼で提督が靖子を紹介した。
「今日から新しい艦娘さんがデビューします。名前は軽巡洋艦、島雪です!」
「天龍型3番艦、島雪です!よろしくお願いします。」
こうして、靖子の艦娘、軽巡洋艦・島雪としての生活がスタートした。
今回は大淀さんと靖子の初対面の回でもあります。