魔法少女靖子~暁の水平線に平和と友情の絆を~ 作:ラフィーネ
晴れたある日、島雪は千歳と千代田と一緒にウィッチーズ基地へと向かっていた。なにしろ、郡津提督と同行したときは、うれしいはずの再会で喜べなかったのだから。でも今回は休みなのでウィッチーズ基地に遊びに行くことになったのだ。芳佳たちの基地で遊べることになってすごく楽しみにしていた。さて、千歳と千代田は水上機母艦である。もちろん姉妹である。
「ついたらお友達紹介してあげるよ!」
「それは楽しみね。」
「どんなお友達だろう?」
もちろん、来てからのお楽しみである。その様子を見ていた少内提督は駆逐艦に乗って指揮をとっていた。失態続きだった少内提督はもはや追い詰められ、最後の戦いを挑もうとしていた。駆逐艦30隻、軽巡10隻、重巡5隻という構成であった。もちろん、人型も入っている。そして、戦艦闇光(やみびかり)、軽空母・赤鷹(せきよう)もいる。もはや負けられないのである。
「ふふふ、今日は総力戦で挑むぞ。資材もすべてつぎ込んだからな。」
「大丈夫なんですか?この戦力で。」
「ああ、総力戦だからな。賀千谷提督の力は借りないぞ!なにしろありったけの駆逐艦とか軽巡とか出してるからな。」
そのころ、ウィッチーズ基地についた島雪たちは芳佳たちと再会を果たした。
「靖子ちゃ・・・じゃなくて島雪ちゃん、こんにちは!」
「こんにちは芳佳ちゃん!」
「久しぶりだな島雪。また会えてうれしいぞ。」
「こんにちは、島雪ちゃん!」
なんと!岡山提督も駆逐艦川霧として来ていたのだ!この日は日向、島風、足柄、鬼怒(いずれも岡山提督所属)も来ていた。
「岡山提督がなぜここに?」
「ぼくはこの坂本さんと知り合いなんだ。もちろん、ネウロイの情報も共有してるんだよ。」
実は、岡山提督の鎮守府とウィッチーズ基地は連携してネウロイや深海棲艦の対策・撃破とかに力を入れていた。最も、ネウロイはここの所姿を見せてはいないが。
「初めまして、千歳です。」
「千代田です。よろしくお願いします。」
千代田と千歳は、坂本少佐に挨拶した。もちろん、初対面である。そのとき、島雪は何かを思い出した。
「ねえ、芳香ちゃん、あたしのストライカーユニットある?」
「あるけど?あ、島雪ちゃんもしかして・・・。」
「そう、空を飛びたくなったの!」
「ははは、ちゃんと用意してあるぞ、こっちへ来い。」
島雪は、坂本少佐に案内されてドックへ向かった。千代田たちも案内されていった。そして、島雪は服を着替えて、みんなに披露した。ネクタイに紺色の制服、それにストッキングも着けていた。
「どう、かっこいい?」
「かっこいいね。」
岡山提督も、島雪のストライカーユニットを装備した姿を見るのは初めてだった。これから島雪は、芳佳とリネット、そしてルッキーニと一緒に空中散歩することになった。そして、4人は空へと飛び立った。
「坂本さん、なんであの子あのストライカーユニットで空を飛べるんです?」
「ああ、靖子(島雪)は宮藤達とは異なる仕様のものを使ってるからな。なんなら、岡山提督のも作るよう頼んでもいいんだぞ?」
「考えておきます。」
そのころ、新入りの駆逐艦・山雲を連れて涼風と鈴鹿は15分の遠征に出かけていた。郡津提督の鎮守府では、新しく入った艦娘はみんな、戦艦、駆逐艦、軽巡、重巡、潜水艦などの区別なく15分の遠征が行われている。明石も着任したとき、15分の演習に出かけているのだ。その際は2隻の駆逐艦が随伴することになっている。
「なんかあなたたちのお名前似てるわねぇー。」
「まあ、似てると言えばいてるな。」
「間違えないでね。って、あれは?島雪ちゃん?」
「何だい?友達かい?」
涼風が空を飛んでいる島雪たちを見つけた。もちろん島雪たちである。
「あいつ、あんなふうに空を飛べるんだ。」
そのとき、島雪が鈴鹿を見つけた。
「鈴鹿ちゃん、あなたもよっといで!」
「うん、長門さんに連絡入れるから・・・ん!?あれは?」
遠くに、少内提督の艦隊がいるのが見えた。これは大変だと思い、全員ウィッチーズ基地に避難した。もちろん、長門さんにも連絡を入れた。ここでいう長門さんとは、戦艦のことである。もちろん、坂本少佐と岡山提督もそれに気づいた。ペリーヌは双眼鏡で遠くの様子を見ていた。
「島雪ちゃん、ぼくも手伝うよ。今日は航空戦艦の日向さんと軽巡の鬼怒さんいてるから。」
「みなさん、軽巡鬼怒です!よろしく。」
軽巡鬼怒はみんなに挨拶した。もちろん、駆逐艦山雲も挨拶した。
「駆逐艦山雲でぇーす!よろしくお願いしまぁーす!」
「おい!せっかくだが挨拶は後にしろ!すぐに郡津提督に連絡しろ!」
坂本少佐たちは、少内提督の艦隊を迎え撃つことにした。少内提督は威嚇射撃を命じた。
「よし、あの基地に威嚇射撃だ。そののち、攻撃開始だ!」
「はい、提督。この戦艦闇光が目に物を見せてあげます!」
闇光は威嚇射撃を行い、一気に攻撃を開始した。すでに坂本少佐たちは臨戦態勢を整えていた。
「よし、こちらも攻撃開始だ!気を抜くなよ。」
「はい!坂本少佐!みんなもいい?」
「はい!」
島雪たちも攻撃を開始した。航空戦艦になったばかりの日向(岡山)は瑞雲を飛ばし、駆逐艦2隻撃破、島雪、千歳、千代田も駆逐艦2隻を撃破した。鈴鹿と涼風も駆逐艦2隻撃破した。芳佳とリネットは軽巡1隻撃破、坂本少佐も日本刀で軽巡1隻撃破した。
「これだけの数用意できたね。岡山さん。」
「うん、どんどんいくよ!足柄さんたちもお願いします!」
「分かりました提督!この足柄にお任せを!いくわよ!島風さん、鬼怒さん!」
「あたしも手伝うよ!」
島風(岡山)の素早い攻撃、鬼怒(岡山)の砲撃で重巡を中破させ、とどめは足柄と島雪でとどめをさした。サーニャもミサイルランチャーで人型の軽巡を1隻撃破した。
「おい鈴鹿、まだ来ないのかよ?提督は?」
「もう少しの辛抱だよ。涼風ちゃん。あ、来た!」
軽巡木津と薄野、吹雪と睦月が来た。
「待たせたな、みんな。」
「提督は?」
「今準備に手間取ってるって。あとの2人も来るってよ。」
「さあ、攻撃開始するわよ!」
木津はミサイルランチャーで人型の駆逐2隻を撃破した。吹雪と睦月も力を合わせて軽巡1隻を撃破、薄野も駆逐2隻を一気に撃ℋした。
「ううむ、まさかこれほどとは。16隻も沈められるとは。」
「提督、もう駆逐艦半分になりました。軽巡も・・・。」
「こうなったら軽空母と戦艦にかけるか。」
結局、すべての駆逐艦、軽巡、重巡は撃沈されてしまった。ついに戦艦闇光、軽空母赤鷹の出番が回ってきた。闇光は扶桑形をモチーフにしており、赤鷹は飛鷹型をモデルにしており、30機も艦載機を積める性能を持っていた。その時、艦載機10機が島雪たちのほうに飛んできた。
「な、何なのあれは!?あたしあれ怖いのよぉー!」
「島雪ちゃんどうしたの?」
そう、彼女は1話か2話あたりで艦載機に襲われてからその艦載機が怖くなっていた。
「ほう、艦載機が怖いか。よし、全部の艦載機を出せ!」
残りの艦載機も飛び出した。さらに戦艦闇光も攻撃を開始した。その戦艦には少内提督が乗り込んでいた。その提督にとっては初の操縦できるタイプのものだった。
「ふふふ、38センチ連装砲くらえ!」
突然連装砲から砲弾が発射され、砲弾に当たった大きな岩は跡形もなくなった。
「こ、これは・・・」
「なんて威力だ。」
赤鷹の艦載機の攻撃と戦艦闇光の攻撃で、島雪たちは防戦一方だった。芳香たちも同じだった。
「足柄さん、郡津提督に救援は?」
「出しました。少々遅れるとのことで・・・きゃー!」
艦載機の攻撃で足柄(岡山)が中破した。
「大丈夫?」
「な、なんとか・・・」
続いて、山雲や千代田まで中破してしまった。
「このままでは・・・。そうだ!」
思いついた島雪は、ウィッチーズ基地へ向かった。
「ん?一人逃げたか?まあいい、攻撃続行だ!」
「わかりました」
基地に入った島雪は自分の艤装を外しストライカーパックを装備しようとした。
「お願いします!あたしにあの装備を使わせてください!」
「ですが、坂本少佐の許可がないと。」
「使わせてやれ。構わん。彼女なら敵を倒せる。」
「わかりました。」
そして、ストライカーパックを装備した島雪はマシンガンをもって出撃した。
「あ、芳香ちゃん、あれ」
「あ、靖子ちゃん!え?ストライカーパック!?」
それを見た少内提督は
「何だあれは!?とにかくあれも撃ち落とせ!」
と命令し、赤鷹の艦載機10機が島雪めがけて飛んできた。しかし、マシンガンで10機すべてを撃墜した。
「すごい!提督、あの子艦載機怖がってたはずじゃ。」
「うん、全部撃ち落としちゃった。」
「さすがはやるなぁ!」
そしてついに残りの艦載機20機すべて撃墜された。