魔法少女靖子~暁の水平線に平和と友情の絆を~ 作:ラフィーネ
鎮守府では、新しい仲間に加え、最上型重巡洋艦の三隈が仲間入りしてますます賑やかになった。とくに最上は、三隈とあえて喜んでいた。そんな鎮守府でも潜水艦の艦娘はいた。といっても2人だけだった。ゴーヤと呼ばれる伊58、イムヤと呼ばれる伊168であった。島雪たちも、なかなかお会いできない潜水艦たちであった。郡津提督は、7人を案内することにした。
「潜水艦・・・・・、ですか?」
「そうよ。うちの鎮守府には2人いるのよ。」
「そういやあたしたちがここにはいってから1回もあってない。朝礼のとき以外は。」
そう、島雪たちは朝礼以外はまだ1回もあっていなかったのだ。そして、のぞみの重巡の時の名前も未定ではあったが、青葉型になることは決定していた。
「のんちゃん、あの闇の鎮守府のことは?」
「ああ、もうリンディさんには報告しておいたよ。」
「はやっ!もう連絡したんや!」
島雪はのぞみの対応の早さに驚いた。のぞみの艦娘のときの服装は衣笠さんと同じタイプではあるが、少々仕様が異なっていた。郡津提督はあと2人重巡をお迎えの予定らしい。しかももう服装は決定済みとのこと。
「提督、あと2人重巡をお迎えするということですが、誰がくるんですか?ボク気になります。」
「それは内緒よ。いずれわかるわ。」
7人は気になって仕方がなかった。そして、潜水艦がいるお部屋についた。
「着いたわ、ここよ。」
そこには、伊168、伊58の2人がいた。お部屋といっても、待機するための専用のお部屋だが。潜水艦たちは、ここで準備や着替えなどを済ませたり、待機したりしているのだ。ただし、入渠や手当、入浴や食事などはみんなと一緒、お部屋も個室になっているのだ。もちろん、休日もそうだが。
「こんにちは、私は伊168、イムヤって呼んでいいわよ。」
「あたしは伊58、ゴーヤって呼んでね。野菜じゃないでち。」
7人もきちんと挨拶した。潜水艦の2人は、島雪たち7人を珍しそうに見つめていた。
「ここの鎮守府はいい所でち。ちゃんと休みもあるし。休憩ありの任務もあるし。ところで、提督からきいたけど、あなたたちはほかの世界からきたでちか?」
「そうよ。あたしたちは別の世界から来たのよ。ここでは艦娘としてここにいるの。」
のぞみは、そう伊58(以下ゴーヤ)にそう話した。そんな中、闇の鎮守府では、少内(すくない)提督と、別の闇の鎮守府の提督・賀千谷(がちや)提督が新しくできた潜水艦に乗っていた。潜水艦の名前はまだ決まってはいなかった。
「提督、潜水艦の名前は?」
「そうだな・・・、よし!この船の名前はわかりません号にしよう!」
「ぶっ!」
賀千谷提督は思わず飲んでいた茶を噴き出してしまった。即行である。今回は秘書艦はお留守番である。
「それで、今回はどんな奴を投入するんだ?少内提督。」
「駆逐艦闇火(やみび)を投入する。見た目は陽炎型ににてるけどな。」
装備は単装砲、3連装魚雷、7ミリ機銃だが、もうひとつある装備も取り付けていた。郡津提督の鎮守府では、島雪たちが南西諸島沖へ行くところだった。行く人は軽巡島雪、駆逐艦は陽炎(かげろう)、与謝野(笛吹)、ゴーヤ、伊168(以下イムヤ)と行くことになった。さらに郡津提督から新人の艦娘の連絡が。
「初めまして、瑞鳳(ずいほう)です。よろしくお願いします。」
この6人で南西諸島沖に向かうことになった。この瑞鳳は、隼鷹や龍驤とおなじ軽空母だ。6人そろったところで南西諸島沖に向かった。そこにはあの潜水艦わかりません号が海底にいた。
「少内提督のところは資材が不足していると聞いたが、よくこんなものつくる費用があったな。」
「・・・ん、まあな。」
一方そのころ、島雪たちは新しく入ってきた瑞鳳と会話していた。
「瑞鳳さんも矢で飛行機を飛ばすんですか?加賀さんみたいに。」
「そうよ。あたしだってちゃんと飛行機飛ばせるんだから。」
島雪は気になっていたことを聞いた。
「瑞鳳さん、艦娘さんたちの飛行機プロペラでしょ?ジェット戦闘機は使わないんですか?」
「ん、まあ、本で見たことはあるけど、使ったことないわね。」
まあ、この人の言う通り、加賀さんや赤城さんとかはプロペラの戦闘機を使うらしい。ジェット戦闘機や戦闘ヘリを飛ばす艦娘はいないらしい。そのとき、ゴーヤとイムヤが4人を止めた。
「待って!この海底に潜水艦がいる!」
「な、何ですって!?調べてみる。」
与謝野(笛吹)は空間ディスプレイを出し、海底を調べてみた。すると、そこにはあのわかりません号が海底に潜んでいた。同時にわかりません号でも6人を乗っている乗組員が発見した。
「提督!あの艦娘たちが海上にいます!」
「どうやら見つかったようだな。よし!重巡リ級たちを呼べ!」
そこへ重巡リ級が襲いかかってきた。ほかに闇の鎮守府の軽巡闇火、駆逐イ級型2隻、ロ級型、ハ級型も来た。島雪たちも潜水艦たちと瑞鳳とともに戦闘態勢に入った。初めて重巡リ級と対峙した・・・が、そのとき電話が鳴った。
「イムヤ!またあんたスマホ持ってきたの?」
「違うわよ!あたしのじゃないわよ!」
「じゃあ陽炎?」
陽炎もスマホをもっているが、もちろん違う。むろん島雪、与謝野(笛吹)、瑞鳳のものでもない。
「あ、あたしだ。もしもし。あ、はい、はい、はい、え!バーゲンセール!そのあとあのうまいスイーツのお店があるって!いいよ、一緒に行こう!ごめーん、あたし用事できちゃった。だからあとはよろしくね!じゃあね!」
重巡リ級はそのまま去っていった。それをみた少内提督は
「あいつをバイトとして雇ったのが間違いだったか。また探さなければ。」
「それよりどうする?」
「決まっている!攻撃開始だ!闇火!」
闇火たちが攻撃を開始した。
「島雪、与謝野(笛吹)、瑞鳳さん、よーく見てて、あたしたち潜水艦の実力を!」
駆逐艦たちが島雪たちめがけて単装砲や連装砲などで攻撃してきた。しかし、海底のゴーヤたちは駆逐イ級2隻にターゲットロック!一人ずつ魚雷を発射し、2隻とも撃破した。瑞鳳も
「あたしも負けてられないわ!」
戦闘機を飛ばし、ロ級とハ級を撃破した。島雪たちはただただ驚くばかりだった。これなら正規空母の人達と組んでもいいと思った。
「ふ、なかなかやるな。だが、私はこれまでの作られたものとはわけが違う!」
島雪はピンときた。対潜水艦のための武器があるのではないかと!急いで回線を開いた。しかし、その間にも攻撃は止むことはなかった。
「ゴーヤちゃんたち、よけて!」
「もう遅い!」
闇火は爆雷投射機を使用していた。そう、郡津提督の鎮守府でも採用していなかったものだ。ゴーヤたちは爆雷投射機の前では防戦一方だった。
「ああ!だめだぁ!やられたでちぃ!」
ゴーヤが大破してしまった。イムヤも中破してしまいとうとう追い詰められてしまった。島雪たちもゴーヤたちをたすけようとするが、魚雷と連装砲のダブル攻撃の前には歯が立たなかった。与謝野(笛吹)は、あの軽巡を潜水艦で倒せないかと思った。と、その時、どこからか魚雷が闇火に向かってきて、中破させた。
「あの・・・、お待たせしました。伊13です・・・。」
新しい潜水艦伊13がやっと到着した。
「伊13!?」
「ヒトミと呼んでください。」
「あ、はい。あ、これだね!対艦ミサイル!」
ようやくディスプレイでそれを知った島雪は、少内提督の潜水艦をターゲットロック。
「ようし!」
対艦ミサイルを発射、ミサイルは提督の潜水艦に当たった。
「うわぁ!被弾しました!」
「やむを得ん、この海域から直ちに離脱する!!」
すぐにわかりません号は海域から離脱した。
「よぉーし!この陽炎と与謝野(笛吹)がとどめをさすわよ!」
「ok!」
「待って!とどめは私たちがさすわ!」
潜水艦たちがとどめをさすことになった。島雪たちも任せることにした。
ゴーヤたちは、新しく来たヒトミとともに3人で魚雷を発射、見事闇火に命中した。
「ぎゃぁーーー!やっぱ潜水艦は強いわぁー!」
こうして、闇火は撃破された。これで郡津提督の潜水艦は3人になった。郡津提督はあと2人か3人は欲しいと考えていた。一方そのころ、わかりません号では・・・。
「あーあ、ずぶ濡れだぁ。賀千谷提督、資材少しでいいから回してくれ。」
「おまえ、やっぱ資材使いすぎだなぁ。無駄使いの癖を直せよ」
そして、島雪たち6人は帰ってきた。郡津提督と大淀、霧島が待っていた。
「お疲れ様!」
「これ、すごいですね。対潜ミサイルって。」
「あとで夕張さんにお礼を言うのよ。」
「はぁーい!」
島雪、与謝野(笛吹)、瑞鳳は潜水艦たちと別れ、食堂に向かっていた。
「あの子たち、心強い戦力になるわね。」
「うん、楽しみだね。」
「あたしたちにも対潜ミサイルつけるよう夕張さんに言いなさいよ。」
「わかったわよ。」
島雪は、与謝野(笛吹)にそう約束した。
まだ新キャラクターの重巡バージョンの名前が決まりません。決まり次第更新します。