魔法少女靖子~暁の水平線に平和と友情の絆を~ 作:ラフィーネ
曙(あけぼの)には、同じ制服の子が2人居る。それは潮(うしお)、朧(おぼろ)である。しかし、彼女たちには同じ制服の子がもう1人いる。それは漣(さざなみ)である。翌日、奈半利たちのクラスにやってくることになったのだ。妙高からそのことを聞いた曙たちは喜んだ。
「早く会いたいなぁ。」
「そうだね、ほかの鎮守府じゃもういてるって話だし。」
「明日が楽しみだなぁ」
奈半利たちはもちろん、島雪たちも知らなかった。いや、少なくとも島雪と鈴鹿はおそらくは知ってはいたが。放課後、6人は伊良湖のお店でデザートを食べていた。彼女たちにとってここは憩いの場である。もちろん、提督やほかの艦娘も利用する。
「へぇー、曙ちゃんにはほかにもう1人同じ制服の子がいたんだぁ。」
「ぼく知ってるよ。っていうか、艦これの演習でみたことあるよ。」
「やっぱり、この世界はあたしたちの知らないことがまだあるのかな?」
「それは言えてるぜ。」
「でもあの服着てる子、秋雲ちゃんだけなのかなぁ。あの制服は。」
「もしほかにもいてたら見てみたいなぁ。」
確かに、例外はあるでしょうが、同じ級の駆逐艦などは、同じ服装になっていることがあるのだ。島雪も、駆逐艦潮風のときは同じ型のクラスの制服なのだ。しかし、春日は縞模様の長い靴下を着用したりと、ほかの5人も同じく、好きな靴下やリボン、下着などは各々(おのおの)好きなものを着用している。
「ねぇ、もしここで大食い大会があったら参加する?」
「まさか、赤城さんが圧勝で終わっちゃうと思うけど?」
島雪と鈴鹿はもし大食い大会がどうなるか話した。そのころ、闇の鎮守府では、前日お花見で出撃をすっぽかし、秘書艦に大目玉を食らっている提督の姿があった。重巡が完成していたにも関わらず、お花見をしていたのだから。提督はただただ平謝りであった。
「まったく!なに考えてるんですか!」
「だって、お花見したかったんですよ。」
「提督ならもっと自覚をもってください!で、次の艦娘の用意は?」
「それなんだが、今回は駆逐艦で行こうと思う。しかも人型、ちゃんとしゃべぞ。」
すっかり秘書艦にしぼられしょんぼりする闇の提督であった。翌日、漣がクラスに来た。全員海軍式の敬礼で挨拶した。奈半利たちも敬礼はしたが・・・。やっぱり間違えて陸軍式の敬礼をしてしまった。もちろん、妙高に無理矢理敬礼をなおされてしまった。まあ、何はともあれこれで郡津提督の鎮守府では、曙、潮、朧、漣の4人がそろったことになる。曙たちは大喜びであった。放課後、伊良湖のお店では4人そろったことを祝して曙たちが歓迎会をやっていた。
「かんぱーい!」
曙たちは漣がきてくれたことに大喜びだった。
「ねぇ、あの子たちのことを紹介しなくていいの?」
「あ、そうね。」
むろん、島雪たちのことであった。
「この6人が別の世界から来た駆逐艦たちよ。ほら、あんたたちもちゃんと自己紹介して!」
曙に言われるがままに、6人は挨拶をした。駆逐艦といっても、授業を受けている間や、その他命令があったときだけだが。島雪たちは、まだ姿を見せていない軽巡や駆逐艦もあるのではと考えていた。そのとき、鈴鹿は
「漣ちゃん、ぼくたちの装備見せてあげる!島雪ちゃん、長門さんに演習場使っていいか聞いてみたよ。そしたら使っていいって!」
島雪は、長門から許可をもらい、さっそくその武装を披露することとなった。なお、この時は全員駆逐艦のままだった。島雪(黒潮)は手持ちの自動小銃や連装砲などで腕前を披露した。
「すごいですね!」
「この子たちは本当は軽巡なのよ。」
そう、島雪たちは軽巡なのだ。
「そうだよ、曙ちゃんの言う通りよ。軽巡だろうが駆逐艦だろうが刀とか魚雷とかつかえるよ!」
「それじゃ、あたしたちのほんとうの軽巡の姿、見せてあげますか!」
笛吹の提案で、全員は軽巡に戻った。いちいち着替えないといけないのだから仕方がない。だってそのままだとわからなくなるから。
「おまたせぇー!」
6人全員はそれぞれ着替え終えた。早速腕前を披露しようとしていたその時・・・。
「大変でーす!敵が南西諸島沖に現れました!緊急出動デース!」
金剛からの緊急出動要請が下った。妙高が出動するメンバーを言った。
「旗艦は古鷹(ふるたか)、ほかに島雪、菊月、龍驤(りゅうじょう)、木津、漣で行きます。今、漁船6隻が追われています。今のところ沈められた船はありませんが急いでください!」
「わかりました。よし、行くか!」
出撃カタパルトで6人全員スタンバイしていた。島雪はサイボーグ形態に変身した。それを見て漣は驚いた。
「島雪さん、あなたは一体!?」
「お話は後だよ。助けを待ってる人達がいるから。」
「はい!」
南西諸島沖では、その駆逐艦たちが大暴れして、漁船を追い回していた。駆逐艦・黒月である。闇の提督がすでに完成させていた。黒月は連装砲を漁船1隻に向けていた。
「がはははは、沈んでもらうぞ!」
その時、島雪の自動小銃にセットしたグレネードランチャーが黒月の連装砲にターゲットロック!破壊した。
「ん!?来たな。」
古鷹は漁船たちにすぐ避難するように指示、木津と菊月は漁船の護衛のために海域を後にした。さらに島雪はさらなる増援を本部に要請した。あと数分で来るという。
「今までに見たことがない駆逐艦、しかも言葉もしゃべるなんて。ほかに人型駆逐艦2隻、イ級1隻、ロ級2隻か。」
島雪はこれまでにない駆逐艦だと判断した。なぜならデータベースにもない駆逐艦だったからだ。それを見ていた漣はこれが軽巡洋艦・島雪なのかと感心していた。
「さあ、攻撃開始や!みんないくでぇー!」
「こら龍驤!それ私がいうのよ!人のセリフ取るな!」
古鷹に怒られた龍驤の一声で攻撃開始!古鷹は連装砲で人型駆逐艦2隻を次々と中破させ、島雪は頭部バルカンと刀でとどめを刺した。龍驤の戦闘機は残りの駆逐艦3隻を攻撃、次々と撃破した。うち1隻は大破したが、漣が連装砲でとどめをさした。
「ふ、やるな。だが、私をこれまでの駆逐艦といっよにしないことだ」
「これまでって、あ、お給料もらってるってこと?」
「あり・・・。違うわい!私を甘く見るととんでもないことになるぞってことだよ!」
そう、この黒月には、連装砲、魚雷以外にガトリング砲が装備されているのだ。
「このバルカン砲で沈めてくれるわ!」
すさまじいガトリング砲の攻撃に島雪たちは防戦一方だった。今までの敵の艦とは一味違うとはまさにこのことであった。
「よし、あれを使うか!」
島雪は何かを取り出した。そして、ライターで火をつけて黒月のほうに投げつけた。そして大きく鳴り響いた。漣たちはびっくり!しかし、相手には効果がなかった。
「爆竹鳴らしたけどだめだった?」
「こんなんで倒せるわけないでしょ!」
古鷹は島雪にどなった。そうしてる間にもガトリング砲の波状攻撃が続いた。この攻撃で龍驤は[中破]した。古鷹も[小破]した。
「あかん、艦載機飛ばされへん。」
「そろそろとどめと行くか。」
そのとき、6発のミサイルが黒月めがけて攻撃、ガトリング砲を破壊した。続いて赤城が放った戦闘機が黒月を攻撃した。
「ぎゃあー!」
黒月は[大破]した。
「間に合った。よかった。」
そう、木津と菊月は、応援の笛吹、赤城、川内(せんだい)、敷波、夕立、白雪をつれてきたのだ。
「よっしゃ!とどめといきますか!」
川内の一声で一斉攻撃、黒月は撃破された。しかし敵も、どんどん新兵器をくりだしてくると予想される。12人はそう感じ、帰路に就いた。川内は島雪と会話していた。
「あんたね、爆竹で倒せると思ったの?」
「いや、向こうが派手にならしてたから。」
「感謝しなさいよ。笛吹がミサイルで助けてくれたんだから。」
そう、先ほどのミサイル攻撃は笛吹がミサイルランチャーで飛ばしたものだった。島雪はお礼を言った。同時にガトリングで爆竹にかなうわけがないと川内にどやされたのだった。こうして12人は、全員無事に帰ってきた。川内と古鷹は、新しい武器を装備した重巡のことを郡津提督に報告した。
「そう、わかったわ。ゆっくり休んでね。」
「提督・・・。」
「わかってるわ榛名、もうすぐ、例の新型重巡と、軽空母を使うときがきたようね。」
闇の鎮守府では提督が報告を聞いて悔しがっていた。
「おのれぇー!あいつらめぇ!次こそは!」
「提督、資材のほうは?」
「心配するな!ちゃんとたくさんある!」
「・・・・・はい。(資材はもう5000くらいしかないのに。)」
そう、闇の鎮守府ではたっぷりあった資材が5000くらいしかのこってなかったのである。一方、郡津提督鎮守府では、島雪たちが、自分たちの装備、技、機能などを説明していた。それを見て漣は関心していた。
「へぇー、すごいなぁ。そんなのついてるんだ。」
「そうだよ、すごいでしょ。」
「次にあたたたちの世界ののこと聞かせて。」
島雪たちが話そうとすると・・・。
「ぜひ聞かせてください!」
突然青葉が顔を出し、みんなは驚いた。
「あ、青葉さん・・・。」
「島雪さん、ぜひ聞かせてください!」
青葉は島雪をおいかけまわした。
「いやぁー!助けて!」
それを見て、みんなは笑った。
最後に青葉さんが登場しましたが、次回はその青葉さんのお話です。