魔法少女靖子~暁の水平線に平和と友情の絆を~   作:ラフィーネ

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今回は扶桑姉妹がご登場です。


扶桑さんと山城さんのお花見

 島雪は自室でアクション映画とアニメを見ていた。近くのレンタルビデオ店で借りてきたのである。

 

「あーおもしろかった。」

 

この鎮守府の近くにはレンタルビデオ店があり、品数も豊富である。洋画からアニメ、ドラマ、時代劇、バラエティーまで、もちろんcdも充実しているのだ。艦娘の多くもこのレンタルビデオ店を利用しているのだ。主に那珂はアイドルが出ているバラエティー番組を、天龍は時代劇を借りてみている。まあ、借りるジャンルは艦娘によってはまちまちだが。そんなとき、外では扶桑がスマホを見ながら占いをしていた。そして、ふと空を見ていた。

 

「ああ、今日はこんな天気がいいのに」

 

木津はそれを見ていた。過去に何があったのではないかと。それを木曾に聞いては見たが、彼女にもそれがわからなかった。翌日、鎮守府の石油施設で鈴鹿、奈半利、高雄、加賀、そして扶桑姉妹が戦艦ル級たちと戦っていた。しかし、山城は戦闘中にもかかわらずぼーっとしていた。

 

「あたしは本当に不幸なのかしら?」

 

と、呟(つぶやき)き、ため息をついた。そこへ

 

「山城さん危ない!」

 

と、奈半利が声をかけたが、山城が気が付いた時には戦艦ル級から発射された砲弾が山城に命中、山城は中破してしまった。

 

「よくも山城をこんな目にあわせてくれましたね!覚悟なさい!」

 

怒った扶桑は戦艦ル級を攻撃、続いて鈴鹿や奈半利、高雄と加賀が攻撃、戦艦ル級たちは全部撃破された。

 

「大丈夫?山城。」

 

「ええ、なんとか。」

 

「早く鎮守府へ運ぼう高雄さん。」

 

「そうね。」

 

扶桑たちは山城を鎮守府の病院へ運ぶべく帰って行った。そのころ、闇の鎮守府では、提督が占いをしていた。が、それをやって思いついた。今回送り込む敵は重巡洋艦にしようと決めたのだった。闇の提督は秘書艦に重巡洋艦の建造を命じた。これまでは駆逐艦、軽巡洋艦の建造しかやらなかったのだが、今回初めて重巡洋艦に着手した。

 

「提督、なぜ重巡洋艦を?」

 

「ふふふ、試したくなったのさ。なんとなくな。」

 

「提督、ひょっとして提督も占い好きですか?」

 

「ん?あ、こ、これは、なんでもない・・・。」

 

闇の提督は慌てて占いの本を隠した。そのころ、鎮守府では島雪たち6人が、山城と扶桑を元気づけようと、どこがいいかと話し合いをしていた。島雪は同人誌即売会はどうかと提案したが・・・。

 

「それは島雪ちゃんと秋雲ちゃんがよろこびそうなことじゃん!」

 

と、木津は反対した。ならばお花見はどうかと奈半利は提案した。

 

「おおう、いいねぇ!ちょうどもうすぐ桜が咲くころだし。」

 

「それならさ、坂本さんたちも誘っちゃおうよ!」

 

「そうだよ、にぎやかにやるのはいいことだし、たのしそうじゃん!」

 

「んじゃ、決まりね!提督に提案してくる!」

 

提督室では郡津と金剛が今度やるお花見について話し合っていた。今回のお花見は盛大にやろうと考えていた。

 

「へーい提督、今年の花見は盛大にやろうと思ってまーす。仮装大会とかもやりたいデース。」

 

「そうね、このときばかりは賑やかにやりましょう!」

 

そこへ奈半利がやってきた。コンコン!

 

「どうぞ」

 

「あの、提督、お花見のことですが・・・」

 

「あら、ちょうどよかった。わたしたちもお花見考えていたところよ。奇遇ね。」

 

「それでなんですが、ウィッチーズ基地の人たちも・・・。」

 

「わかってるわよ。それも予定にはいってるわよ!」

 

「やったぁ!これは、山城さんたちを元気づけようと・・・。」

 

「わかってるわよ。あの子たちを元気づけるためにもお花見を開催します!」

 

そして、島雪たちは準備をすべく、近くのショッピングセンターにいって、お花見に向け買い物した。ある者は漫才の練習、またある者は合唱、またある者はダンスの練習と余念がなかった。そして島雪はというと・・・。

 

「じゃーん!ついに完成よ!」

 

「うわぁー!やったじゃん!!」

 

なんと島雪たちは、コスプレを披露することになった。いっぽう扶桑はというと、病室で山城と一緒に桜を見ていた。今度お花見があると知って、楽しみにしていた。山城も楽しみにしていた。

 

「山城、具合は?」

 

「とてもよくなりましたわ。ご心配をおかけしました。」

 

「いいのよ。無事でなによりよ。」

 

そこへ島雪と鈴鹿が見舞いに現れた。島雪たちは今度やるお花見について話した。もちろん、2人は楽しみにしていた。あとはお天気だ。晴れたらいいなとみんなは思うばかりだった。そして、翌日。見事に日本晴れだ。司会は提督進行でお花見大会が始まった。そこには芳佳、サーニャ、シャーリー、ルッキーニ、ペリーヌ、ミーナ、リネットの姿もあった。しかし・・・、坂本少佐の姿がなかった。

 

「芳佳ちゃん、坂本さんは?」

 

「お仕事だからいけないって。」

 

「残念だなぁ。あたしのコスプレ見せたかったのに・・・。」

 

龍驤(りゅうじょう)と黒潮の漫才、金剛4姉妹の歌とダンスと余興は続いた。続いては・・・。

 

「さあ、島雪ちゃんと秋雲ちゃんのコスプレ披露だよ。」

 

「なんでも時雨と皐月もでるんだって。」

 

「それだけじゃないわ。那珂さんも出るんだって。」

 

「へぇー。楽しみだ。」

 

そして、島雪たち5人が登場した。時雨は北上のコスプレ、皐月は秋雲のコスプレ、秋雲は皐月のコスプレ、島雪は榛名のコスプレ、那珂に至っては赤城のコスプレで登場した。榛名は思わずジュースを霧吹きみたいに噴き出した。

 

「まあ、島雪ったら、あたしの格好で。」

 

一方、金剛たちには大うけだった。

 

「オー島雪、とてもお似合いでーす!」

 

「島雪、気合い、入ってますね!」

 

「あの子本当にコスプレ好きなんですね。」

 

それを見て榛名は思った。

 

「まあ、別にいいけどね。似合ってるわ。あとで一緒にたのしくやろっと。」

 

時雨のコスプレを見た北上は

 

「大井っちがいたら楽しかっただろうなあ。早く会いたいなぁ。」

 

とつぶやいた。赤城は思わずむせかえってしまった。

 

「な、何よあれは!?ゴホッゴホッ!!」

 

とビックリ仰天!しかし

 

「ふふふふふ、とっても似合ってるわ、那珂は。」

 

加賀には受けていた。それを見た最上と比叡は

 

「よぉーし!ぼくも飛び入りで参加してい?」

 

「いいよ!」

 

「よし!この比叡も参加します!」

 

許可をもらうと早速着替えてきた。最上は日向、そして比叡に至っては芳佳のコスプレで登場した。日向と芳佳は思わず飲みかけのチューハイとジュースを思わず吹いてしまった。お花見会場は思わずお花見から仮装大会か物まね大会のような盛り上がりとなった。

 

「も、最上め、私の同じ衣装持ってたのか。」

 

「いいじゃないの。次回のあの子たちのコスプレ楽しみね」

 

「んもう比叡さんったらぁ!」

 

「いいじゃない、比叡さんもたのしみたいんだし。」

 

そこへ、榛名のコスプレをした島雪がやってきた。島雪という艦娘になった靖子は、この世界にきても、艦娘になっても、コスプレが楽しめることに喜びを感じていた。

 

「坂本さん、どうしてるかなぁ?お仕事かなぁ?」

 

「だと思いますわ。」

 

「坂本さんも一杯やってたりして。」

 

「まさか。」

 

島雪とリネットは冗談半分で坂本少佐のことを話していたが・・・。そのウィッチーズ基地でも桜が咲いて、坂本少佐たちは宴たけなわだった。

 

「あはははは!宮藤たちも楽しくやってるが、こっちも楽しくやってるぞ!」

 

「私たちは私たちで楽しくやりましょう!」

 

そう、坂本さんたちは、残ったメンバーでお花見を楽しんでいた。日本酒、焼き鳥、珍味、スルメイカ、おいしい重箱に舌鼓だった。一方、闇の鎮守府でも・・・。

 

「提督、重巡黒桜完成しました・・・あら!」

 

秘書艦が見たら、なんと、提督たちもお花見で酒盛りをやっていたのだった。いらついた秘書艦は深海棲艦たちに連絡をとったのだが・・・。

 

「わはははは、今日はお花見日和(びより)だね!」

 

「今日はパーとやろうよ!」

 

「さんせーい!」

 

深海棲艦たちまでもがお花見でわいわいやっていた。

 

「あいつら、高いバイト代払ってるのに。」

 

「おーい、君もどうだい?一杯やるか?」

 

「・・・あ、はーい。(仕方ない、今日は私もパーとやるか!)」

 

結局、出撃は延期とあいなった。鎮守府付近では、こうして、楽しい時間は過ぎていった。鎮守府では山城と扶桑は、みんなとたのしくやって、幸せをかみしめていた。

 

「お姉さま、またこうして楽しくにぎやかにやりたいですね。」

 

「ほんと、今日はたのしかったわね。」

 

島雪は金剛たちと、秋雲と皐月は長月たちと、時雨と北上は村雨たちと、那珂は赤城たちと川内たちと、最上は伊勢たちと、さらに比叡は芳佳たちと、鎮守府のみんなは提督たちと一緒に楽しい時間を過ごした。

 

 




お花見は楽しいですよね。たまにはみんなでたのしくやりたいですね。

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