魔法少女靖子~暁の水平線に平和と友情の絆を~ 作:ラフィーネ
夜、自室でリンディ提督と今回の新型の敵の軽巡について報告していた。リンディ提督は、島雪たちとの連絡のために通信機を置いておいたのである。
「そう、新しい敵の巡洋艦が。」
「ええ、調べましたが、この鎮守府の資料にはないタイプのものです」
島雪たちは、あれが深海棲艦のものではなく、だれかが開発したものではないかと推測した。でなければ、あのようなデザインのものは開発できないと考えていたからだ。
郡津提督もそう考えていた。そして、薄野はデータをリンディ提督に送った。薄野はパソコンにもたけていた。
「また新たな敵のこととかわかったら連絡してね。」
「わかりました。」
通信を終えた6人はそれぞれの個室に帰ろうとしたが、そこへ霧島がやってきた。
「あのー、提督があなたたちにお話しがあります」
それを聞いた6人はいぶかしげに提督室へ向かった。そして、6人は、ほかに提督がいることを知った。島雪たちは艦これの世界ではいろんな提督がいることは知ってはいた。それはこの世界でも同じことだったと確信しつつあった。だが、実際あってみないとわからなかった。
「伊達一(だていち)提督?」
その名前を聞いた島雪たちは初耳の提督の名前に驚いていた。
「その人はね、この前、ここの技術を知って、私に艦娘の建造を依頼したのよ。まあ、戦略、射撃の腕は優秀なベテランなんだけど、はみ出し者と言われている提督なのよ。」
それを聞いた島雪は、この提督もひとのことは言えないと思った。しかし、同じはみ出し者でも中身は異なるし、一概にはいえないのではないかと考えた。
「明日、授業はいいから、あなたたちのほかに選ばれた6人で行きますから。」
「ねえ提督、その人とどういう関係?ひょっとしたら提督の恋人?」
鈴鹿の質問に郡津提督は真っ赤になった。
「違うわよ!この前の旅行のお土産を渡すついでに行くのよ!」
さらに奈半利はからかった。
「中にラブレター入れて渡すつもり?」
「違います、いい加減にしなさい!」
さらに金剛もからかった。
「oh!ロマンスグレーもいいじゃないですか!提督ぅ!!」
ついに郡津提督は大激怒!!頭にきちゃった!!
「いいかげんにしなさいあなたたち!!」
「いやぁーん!!」
7人は悲鳴をあげ黙り込んでしまった。怒鳴った郡津提督は息を切らした。
「はあ、はあ、とにかく、あたしと金剛は一緒にいきます。」
「あとの5人は?」
「今日中に考えておきます。」
という回答にとどまった。いったい誰が行くのか、島雪たちはきになって仕方がなかった。そして翌日・・・。
「あー、島雪の中にこんなゆったりくつろげるコクピットがあったなんて。」
「ええ、あたしはサイボーグといってもロボットみたいに操縦可能ですから。」
郡津提督は知ってか知らずか、島雪の中にゆったりくつろげる空間のコクピットでくつろいでいた。島雪は、鎮守府のミサイル艇2隻あるからそれに乗ればいいのにとふと思った。一応ミサイル艇は1隻同行はしているが。その頃、少内提督の鎮守府では、駆逐艦黒雪を完成させていた。吹雪型をモチーフにしている。
「うーむ、いい出来だな。まあ、私が開発したわけではないが。」
「提督、この付近に航行する船団があります。」
「よし、追尾しろ。」
部下に追尾を命じ、攻撃する機会をうかがうことにした。その頃、郡津提督は、伊達一提督と挨拶していた。伊達一提督の鎮守府は、宿毛湾泊地にあった。
「郡津と申します。」
「伊達一だ。ようこそわが鎮守府へ。貴官らを歓迎する。そしてこちらは駆逐艦の若桃桜だ。」
「駆逐艦桃桜です。」
そして、島雪たちも挨拶した。ひょっとして、この子が郡津提督に頼んで作ってもらった艦娘かな?聞いてみた。
「提督、この子が?」
「そう、この子が私が設計、作った艦娘よ。たっぷり時間があるから、休憩していいわ。」
「桃桜、休んでいいぞ。それにほかの鎮守府の艦娘とのコミュニケーションも大事だからな。」
「はい。」
この伊達一提督の鎮守府は、広大な畑があり野菜作りもしていた。ここの艦娘たちは畑仕事もしている。島雪は、ひょっとしたら提督は、ほかの鎮守府の見学のために自分たちを誘ったのかもと思った。
「ここで野菜を作ってるの。イベントの際には手作り野菜を売ったり、お料理の食材にしたり、お料理の食材につかったり。」
「ふぅーん。ぼくたち、人間だけど艦娘でもあるんだよ。」
「そのことはあの提督から聞いたわよ。」
いろいろと彼女たちの会話は続いた。と、その時、爆発音が響き渡った。奥から白雪(伊達一)と多摩(伊達一)が飛んできた。
「大変だにゃー!敵が攻めてきたにゃー!!」
「何ですって?」
「どこなの白雪ちゃん!」
「あっちよ!演習場が。」
急いで演習場に駆け付けると、その場所が被害を受けていた。そこには黒雪が立っていた。ほかに人型駆逐艦イ級、駆逐ロ、ハ級合計10隻がいた。
「さあ来い!これは演習じゃないぞ!」
「円周率か?」
「違う!」
「違うよ、円周率じゃなくて遠州灘だよ。」
「それも違う!行くぞ!」
ついに戦いが始まった。