魔法少女靖子~暁の水平線に平和と友情の絆を~ 作:ラフィーネ
教室では、こんど来る新しい戦艦でもちきりだった。
「なぁ、島雪。どんな戦艦がくると思う?」
「え?陸奥さんはもうここにいるし・・・」
「なんでも聞くところによると陸奥さんのお姉さんらしいぞ」
長月と島雪、望月で話していた。薄野と鈴鹿も誰が来るかはわからなかった。ただみんなは長門型の1番艦がくるという情報だけで、それ以外はわからなかった。
島雪は考えていた。もう陸奥はここにはいるが、そのお姉さんがわからない、しかし、戦艦ではないかと考えていた。郡津提督所属の鎮守府の大型戦艦は金剛さん4姉妹を除けば扶桑姉妹、日向、陸奥ぐらいである。いったいどんな人なのか・・・。
そのころ、深海棲艦のアジトでは、通信が入っていた。闇の提督と名乗る人物からであった。
「どうだ、新開発の駆逐艦は?」
「まずまずの性能です。しかし、例の艦娘の邪魔がはいりまして。」
「報告は聞いている。ならばそれに対抗できる軽巡を送り込もう。」
「ありがとうございます。お礼に深海饅頭をどうぞ。深海温泉名物です。」
「・・・・・なんだそりゃ?」
深海饅頭とは、深海棲艦たちのあいだで人気のお饅頭である。しかし、提督はお断りした。
「この饅頭、おいしいのに・・・。おかしな提督ね。」
そのころ、鎮守府の教室では、新しい戦艦はまだかまだかと島雪たちがまちわびていた。そして、長門と提督が教室に向かっていた。戸を開けたら島雪たちがお喋りしていた。そこへ長門がきた。島雪はあわてて号令をかけた。
「あ、来た!起立!礼!着席!」
このあと、提督は長門を紹介し、長門も自己紹介した。
「今日、この鎮守府に新たにきた長門さんよ。」
「私が新しくここに来た長門型1番艦の長門だ。陸奥ともどもよろしくな。」
全員起立して、敬礼をしたが・・・、島雪、鈴鹿、薄野は慌てていたのか、陸軍式の敬礼をしてしまった。
「あ、ご、ごめんなさい。」
それを見て長門が笑った。
「ふふふ、そのままでいいよ。それよりお前たちか?異世界からきたってのは」
「はい!軽巡洋艦の島雪といいます。」
「ぼくは軽巡洋艦の鈴鹿です。」
「私は軽巡洋艦の薄野です!」
一通り挨拶が終わると、授業に入った。島雪たちは、長門は提督からいろいろと聞いているのではないかと思った。しかし、陸奥と同じ戦艦なら、すごい威力をもった強い戦艦ではと確信した。その威力とかを見たいとおもっていた。長門もまた、島雪たちの実力を見たいとおもっていた。もちろん、長門は陸奥、提督たちから島雪たちのことを聞いていたのである。それならば、この日は演習の時間ながあるので、それを利用して、彼女たちの能力を試そうと思いついた。演習の時間、島雪たちは、3対1で演習を申し込まれた。島雪は、たった1隻の戦艦が軽巡洋艦3隻にかなうのかと疑問におもっていた。
「うーん、1隻で挑むなんて、よほどの自信があるのかな?」
しかし、鈴鹿は気にしてはいなかった。薄野も同じだった。
「たった1隻で3隻の軽巡に勝てっこないとおもうよ。」
「そうそう、相手は1人よ。」
そこには、隣のクラスの艦娘たちの姿もあった。もちろん、陸奥もいたし、奈半利たちの姿もあった。
「あの人が新しい戦艦、長門ね。」
「長門といえば山口県に同じ地名があるね。」
「けどどんな戦いになるのかな?」
長門は、隣のクラスにも島雪たちの友達がいることも知っていたし、特別な装備もあることも聞いていた。この際、隣のクラス、自分のクラス全員にも自分の戦い、模範演習(っていうのかな?)を行うことになったのだ。
演習開始!島雪たちは自分たちの連装砲で攻撃したが、まるで歯が立たない。
「くっ、なかなかやる!」
鈴鹿は連装機銃で攻撃するが、やはり歯が立たない。薄野は連装砲で長門を攻撃、みごとに当たった。が、致命傷にはならなかった。
「なかなかやるけど、みんなまだまだだね。今度はこっちから攻撃するよ。」
長門が20.3cm連装砲を発射、薄野と鈴鹿に命中、[大破]した。
「どうした?提督からきいたが、お前たちは規格外の強さだとはきいてはいたが、訓練がたりぬようでは、死ぬぞ。」
「まだまだぁー!」
鈴鹿と薄野は大破してもハンドガン、魚雷で攻撃してきた。島雪もかすり傷ながらも連装砲で攻撃してきた。さすがの3人の攻撃に長門は[小破]した。
「ふふふ、それでいい!その諦めない気持ちが大事だ!」
長月たちや吹雪たちも、演習といえど、釘付けになって見ていた。
「すごいな、あんなにぼろぼろになってもまだ戦ってる。」
ついに島雪も[中破]した。しかし、それでも残った武装で立ち向かった。
「こんなかっこうになっても、あたしは負けない!」
「ぼくも最後まで戦う!」
「こうなったらみんなで力を合わせて!」
そして、3人は1つになって長門に立ち向かった。
「でやぁーーーーー!」
「!!」
ついに長門は[中破]した。それを見ていた長月たちは驚いた。
「ふ、見事だ。それでこそ規格外の強さというものだ。」
そこへ提督が現れた。提督は3人の頑張りに驚いた。長門も3人の奮闘ぶりに驚き、これなら深海棲艦も倒せると太鼓判を押した。長門は、ぼろぼろになった3人の服装をみて下着がみえてることに気が付いた。
「・・・それにしてもお前たち、今日はその下着着けてきたのか?」
「あ、見えてました?」
服が破れてたから当然である。3人は照れ笑いした。
「女の子はおしゃれするには当然です。そりゃ、ブラやパンツだってかわいいのえらびますよ。」
「ふ、そうだな、今日の授業は終わりだ。早く帰って着替えるように。」
やっと授業が終わり、3人は新しい服と着替えた。長門があのような強さだったことを痛感した。さすがは戦艦だと感心した。しかし、長門の頭のアンテナが、なんかつのっぽいという感じはしていた。ふきのの提案で、6人は伊良湖のところへ軽食にいこうとしたとき、緊急の知らせが多摩から届いた。
「大変にゃー、緊急出動だにゃー!!南西諸島沖にて深海棲艦出現だにゃー!」
「わかった!今行くから!」
島雪たちは出撃準備を済ませ、急いで南西諸島沖に向かった。島雪、薄野、鈴鹿、三日月、初霜、長門が出撃した。そこではみたこともない軽巡闇椿が駆逐ロ級たちと暴れていた。右腕は連装砲とクロー、左腕にはミサイルランチャーを装備していた。
「なにあれ?みたこともないやつだ。」
「みんないくぞ!」
「あ、はい。」
長門の号令で6人は軽巡たちに攻撃を開始した。島雪と三日月、初霜は連装砲で攻撃、そして鈴鹿と薄野は刀で次々と駆逐イ級、ロ級、ハ級たち(数は合計5隻)を倒していった。薄野は刀を普通使わないが、この時ばかりは特別であった。長門は軽巡闇椿(やみつばき)と対峙していた。
「ビッグ7のこの長門の実力をみせてやる。」
長門は連装砲で攻撃するが、軽巡闇椿はまるで攻撃をよんでるかのように次々とかわし、長門の弾はなかなか当たらない。
「くそ、なかなかあたらない・・・。」
長門は攻撃を続けたが、一発もあたりもかすりもしなかった。そして弾切れを起こした。
「く、弾切れか・・・。」
それをまっていたかのように、軽巡闇椿はクローで長門に襲いかかった。クローは長門の右側の連装砲を破壊した。そして左側の連装砲も破壊した。次々と繰り出される攻撃で[中破]した。
「く、さすがにやる。このままでは・・・。」
軽巡闇椿は長門に襲いかかった。そのとき、薄野と鈴鹿の連装砲が火を噴き、軽巡闇椿は吹っ飛んだ。
「大丈夫ですか?長門さん」
「大丈夫だ、助かった。さあ、攻撃を続けるぞ。」
「はい!」
5人は軽巡闇椿に連装砲、魚雷で攻撃、軽巡闇椿は[大破]した。そこへ木津、陸奥、笛吹、奈半利、島風、吹雪もかけつけてきた。
「いくわよ、みんな、攻撃開始!」
「はい!」
そして、陸奥たちの攻撃によって、軽巡闇椿は撃沈した。島雪は長門によってきた。
「大丈夫ですか、長門さん。」
「ふ、さすがだな、私が太鼓判をおしたことだけのことはある。これからもよろしくな。」
長門は、島雪たちの活躍をだれよりもよろこんだ。それは陸奥も同じだった。これからもこの6人といっしょにやれると確信した。その報告を聞いた提督も金剛も喜んだ。しかし、新しい深海棲艦の軍艦が出たことも知り、これからの6人の役割が重要性も再認識した。
「了解、金剛、あの6人やったわよ。」
「hey、やりましたね!期待どおりでしたね。でもあの見たこともない軽巡、データにはありませんでしたね。」
「そうね、これからのあの6人の力はますます重要になってくるわね。それに敵の新しいデータも作らないと。」
「そうですね、提督のこれまでのはみ出した行動をデータにしないと。」
「なんでその話になっちゃうの!話をそらすな!!」
鎮守府に戻り、6人はいらこやで蜜豆をたべていた。そこへ三日月、初霜もきた。島雪は2人をねぎらった。
「ありがとう、初霜ちゃん、三日月ちゃん」
「てれるなぁ、島雪ちゃん」
「でも敵は倒せたし、無事に帰ってこれたんだし。」
「そうだね、これからも一緒にがんばろう!」
「うん!」
この日も鎮守府のいらこやは笑顔であふれていた。
やっと終わりました。これからは計画的に投稿しないと。