東方ド・コア   作:咲夜ブランドー

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どうもどうも
お久しぶりでござる(数年ぶり)


目覚め

鳥の鳴き声、そして木々が風で揺れる音が彼の耳に響いた

 

「ん………」

 

目を覚ますと見慣れない天井があった

いかにも木造住宅という雰囲気で、シミがちらほらとあり、少し年季を感じさせる

 

彼は身体を起こし周りを見回した

 

「ここは…?森ではない………」

 

畳敷きの床にタンス、障子

そして彼の近くには縁側があった

恐らく鳥の声は縁側の外にある木からなのだろう

 

(見た感じ木造家屋か?誰かが助けてくれたのか…)

 

彼はぬくぬくと温まった布団から出て、黒いズボンに付いたゴミを払い落とし、縁側の方に脚を向けた

 

外には小さな小屋や石畳があった

『そしてその景色の中には少女がいた』

紅い巫女装束を纏い、髪には大きなリボンをつけていた

 

彼はそれに目を奪われ一瞬の思考のあとに硬直した

 

(あれは、博麗霊夢!?いやまさか…)

 

(しかし!…あれは!!!)

 

彼が驚きと困惑で固まっている所に彼女は気がついた

 

「あら、意外と早く目を覚ましたのね」

 

彼女は箒で落ち葉を掃くのをやめ、微笑しながら言った

 

「あ、あの…えっと……はいぃ…」

 

「ちょっと待っててね、今お昼にするから」

 

雅の歯切れの悪い返答に対して彼女はそう言い放つと小屋に箒をしまい、彼が寝ていた部屋から奥へと歩いていった

 

(え、なんで?!あれって…コスプレじゃあないよな…)

 

(何かのテスト??…そんな訳がない!!)

 

(じゃあ俺は幻想入りでもしたってのか!?フッ、笑わせる…)

 

自分の考えに対してツッコミをし、ゆっくりと彼女の向かった先へと行った

 

その先には広い部屋に真ん中にはポツンとちゃぶ台が置かれ、周りには座布団が敷いてあった

 

彼女はその先の部屋に立っていた

 

(釜?てことは台所か)

 

(しかしどうしようか…、取り合えず手伝いでもするしか…)

 

彼は台所の入り口にあったサンダルを履いた

 

(妙に現代っぽい代物だな、それに俺の靴下がない)

 

そんな事を考えながら彼女の後ろに立ち、彼は

 

「あのぉ、何か手伝えることはあり…ますか?」

 

「あ〜、傷の方は大丈夫なの?結構やられてたみたいだけど」

 

「え?傷…」

 

彼は来ていた黒いシャツのボタンを何個か外し、確認した

彼の胸は包帯で巻かれていた

 

彼は包帯で巻かれた部分を指先で押してみたりしたが、特に痛みは感じなかった

 

「大丈夫です、すみません…治療までしていただいて」

 

「あ、それ私じゃないわよ」

 

「魔理沙の奴がアンタを森の中で見つけて、ここまで運んできたのよ」

 

「え、魔理沙さんが…?」

 

「そ、まぁ大丈夫ならそれでいいわ」

 

「じゃあ、ご飯食べ終わったらキッチリとその分働いてもらおうかしらね」

 

彼女は顎に手をあて、少し考える素振りをしてから

 

「まぁ、特にしてもらう事もないから……そうね、さっき箒をしまった所は知ってるでしょ?」

 

「まだ掃き途中だから、それやっといて貰える?お昼出来たら呼ぶから」

 

「あ…、はい!分かりました」

 

霊夢が料理に戻ると彼は外へと行き、箒で落ち葉を掃き始めた

 

(見渡す限りモリ…と山、集落のようなのもある)

 

(やっぱりここって幻想郷なのか…、霊夢?さんは俺の事を魔理沙さんが助けてくれたと言っていた)

 

彼は、今目の前に広がる景色、紅い巫女服の彼女とその言動、そしてあの時の化け物から認められるはずもない考えが、どんどん確信へと変わっていくのを感じていた

 

(ここは幻想郷なのか……)

 

 




生活に余裕が出てきたので久しぶりに投稿しました
なんかスミマセン…

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