東方ド・コア   作:咲夜ブランドー

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私はナニカサレタヨウダ


その力で、貴様は何を守る?

ごく短い声明が日本に発信された。

armored core 6 today, release start

それは、全てのフロム信者にへの明確な発売開始宣言であった。

それは、彼らを動かすには十分過ぎた。

そして、これが運命の始まりであった。

 

 

 

一人の少年がすこしばかり古ぼけた店から歩みくる。

そう、彼こそがこの物語の主人公である

[坂本 雅]である。

片手には綺麗にパッケージされた薄い箱が入ってる袋がぶら下がっていた。

 

「いやぁ、遂に来たか。アーマードコア6!!!」

 

袋から薄い箱を取りだし、歩きながらじっくりと見つめる。そこには黒いACが写っていた、前作よりは少しばかりシンプルな機体だ。

 

「速く帰って、やるぞぉぉぉぉぉぉぁあ!!」

 

彼は自分の興奮を周りには聞こえないように宣言する。

 

(カチャン フォォォ ツーー!!! ああ、OBがあったらな↓

懐かしいものを思い出す)

 

「さてと、走って帰りますか。」

 

彼は箱を袋に戻し、走ろうとした

 

「あ……」

 

彼は失望した、自分は知らない内に道路の真ん中に飛びだしていたのだ。だが、気づいたときには既に遅かった。すぐ目の前に大型のトラックが迫っていたのだ。恐らくは、高い位置にある運転席からは彼が見えていないのだろう。

 

(運命を受け入れろ)

 

轢かれる瞬間に彼はそう聞こえた気がした。

バァン

辺りには赤い鮮血が飛び散る。

 

(認めない……こんな終わり方‥は嫌……だよ。)

 

赤く彩られた場で彼は息をしなくなった。

 

 

 

 

彼の耳に鳥のさえずりが聞こえる。

風の音が聞こえる。

 

(…ここは?)

 

彼はゆっくりと目を開けた。

先程まで身体中に染みていた鮮血は綺麗さっぱりと無くなっていた。そしてAC6も。

 

「森?」

 

彼はゆっくりと立ち上がり、周りを見渡した。

 

「見渡す限り、森……ハァ?!」

 

彼は困惑した。無理はなかろう、先程までのコンクリートで出来た場所ではなく、緑で彩られた森にいるのであるから。

 

「ハハッアハァッハハッ!……こ、この程度、俺は認めんぞ!な、何なんだよ、何が起きた!?くそ!何だこれは!? そうだ、俺は死んだ、死んだよ……だが何だこれは?人は死んだら森に行くってのか?

あぁあ、そうだ。墓だ!墓に埋められて俺は幽霊になったんだよ!それしかありえん」

 

彼は時々顔をグレゴルーの様に顔を必死に叩きながら歩く、しかし叩く度に顔に伝わる痛みに次第に彼は自分が生きているのだと実感した。

 

(これだ!この感覚だ!生命だ!ちゃんと、………生きている…ハハ…良かった)

 

彼は赤く 少し火照った手で胸を撫で下ろし、

黙々と森を歩きつづけた。

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると、彼はナニカニつけられて

いると感じた。後ろからは足音が聞こえてくる。

それも結構な音だ。まるで最初からスニーキング

するつもりなど元より無いのかもしれない。

 

(くそ、何だこれは!!!なんなんだよ、後ろの奴は!?

肌がピリピリと痛む。まずいぞ!)

 

彼は必死に後方を確認しようと首を回そうとした

だが、その度に首輪に繋がれた狗の様に何かに

前を向かせられる。足音はどんどん近づいてきていた。相手が近づいてくる度に相手が人間では無いことを仮定から、証明へと変えてくれた。

 

「ガルルルゥ…」

 

後ろから突然鳴き声が聞こえた。雅はただでさえ

ビビっているのにこんな声が聞こえたため、身体中に悪寒走り、ビクッと身体が震えた。

遂に彼は後ろを瞬時に向いた。

 

「あ……あぁ!」

 

彼は絶望した。目の前には二足歩行をしている

デカイ狼の様な化け物がいるのだから

 

「ひっ!!‥がはぁ!!」

 

彼が悲鳴を上げた次の瞬間には化け物に片手で

空中に投げられていた。

ドサァッ

化け物から10m程離れた所に彼は投げ捨てられた。

 

「うぐァ…はぁ、はぁ、かはぁ……」

 

地面に強気たたき付けられ肺の空気が全て抜け、

必死に彼は呼吸をしていた。

彼は自分の身体に鞭打ち、化け物から倒れた状態で必死に後ずさりをしつづけた。

化け物はどんどん近づいてくる。

 

(あ、あぁ、嫌だぁ!死にたくない!)

「はぁ、はぁ、はぁ、うぐぅ」

 

ゴツ

彼の背中に固いものが当たった。

ゆっくりと後ろを向く

 

「なっ!!」

 

彼の後ろには絶壁が広がっていた

 

(は、ハハ。死ぬ?また死ぬのか?化け物はどんどん近づいてくる。終わり、終わった、終わった)

 

彼は壁に背中を預け、自らの死を受け入れた

 

「ブルゥゥゥァアアア!ガルルルゥ!」

 

化け物はよだれを垂らしながら近づいてくる

彼の身体に力が入る

 

(終わりか、此処までか…)

 

今までの思い出を思い返しながら待っていると

彼の頭にピピッと機械が発生させるような音が響いた、彼は単なる幻聴だと思っていたが次の瞬間、幻聴ではないと確証する

 

(メインシステム、パイロットデータの認証を

開始します。メインシステム戦闘モード 起動)

「は?なんだこ…」

 

突然彼の身体が前に押し倒された感覚に襲われ、ゆっくりと立つ

彼は後ろを即座に振り向いた。

プシュー

背中から白い煙りが僅かに出る

そこから現れたのは彼が何度も、何度も見た兵器が背負われていた。

 

「グ、グラインド…ブレード…」

 

ガコン

鈍い音をたててブレードユニットが右腕に手錠をかけるように装着され、左肩にアームが接続され

ブレードが展開した

 

(不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています、直ちに使用を停止してください。)

 

酷くノイズのかかった音声が響く

ブレードは展開されたままで刃だけがギュインギュインと音を立てて回転している

 

「なんだよ、これ!目の前が!!!くっ、す、砂嵐!?

……これで、やれってか!!」

 

目の前の化け物は彼の視界が砂嵐で見えにくくなっているとはいえ、首を傾げているのがよくわかる。

 

「グルルルゥ!グゥァア!」

 

化け物は決心したのかこちらに向かってきた。

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

雅もそれに対抗するように走ろうとするが、

OWが重かったのか小走りで近づいた

化け物は両腕を振り上げ振り下ろす

しかし、瞬時に彼が目の前にはブレードをかざす

ズバァン

雅の目の前に大量の血が飛び散る

化け物の腕がミンチにされていたのだ

 

「グァァァァァァアア!」

「んン!!」

 

雅は化け物から少し距離を置き、相手を見る

腕が繋がっていた所は肉がチリヂリになっていた

足元には原型をも留めていないミンチが落ちていた

 

「グォギャァォォォオオ!」

 

化け物は奇妙な雄叫びを上げながら森の奥へと走って行った

 

「はぁ、はぁ、お…わっ」

 

ドサァッ

 

OWに体力を持って行かれた為か、雅は勢いよく倒れた。ブレードの刃は止まっていた

 

 




これからもどうぞ

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