NARUTO-空-   作:Teru-Teru boy

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暗殺と作戦

 波の国。

 

 タズナの家に着いた第11班だったが、そこにはカカシ班の姿がなかった。タズナの家の人に話を聞くとナルトとサスケは修行中、サクラと病み上がりのカカシは橋職人のタズナ護衛についているとのこと。

 

 サクラが使っている寝室をソラが使うことが決まり、心労を多く抱えていたソラは布団に入るとすぐに寝てしまった。

 

「ソラ?」

 

 シカクが明日の打ち合わせをするためにソラを呼ぶが返事はない。

 

「…入るぞ?」

 

 シカクの視界には寝息を立てるソラがいた。

 

「ソラはどうですか?」

「今はそっとしておいてやれ、ここまで来るのも大変だったんだ」

「そうですね」

 

 ハザマはソラを見ていないが、ソラの心情の負担はわかっている。

 

「カカシ班が帰ってきてくるまでソラは寝かせておく」

 

 時刻は午後の1時。ソラは睡眠が必要だが、シカク達は腹拵えといったところだ。

 

 

 

 ソラ…

 

 誰かに呼ばれた気がして、ソラは目を覚ます。

 

「ここは…」

 

 曖昧な思考回路にチャクラを起こして覚醒する。ソラはここが依頼に携わる家だということを理解し、気遁を使い始める。

 

「起きたか?」

 

 気遁を展開し始めるとすぐに担当上忍のシカクから声がかかった。

 

「はい」

「入るぞ」

「どうぞ」

「大丈夫か?」

「はい、なんとか」

「そうか…」

 

 シカクもソラに対して思うところがある。一旦静寂が場を包む。

 

「当初の予定とは異なり、任務は明日に延長する」

「…詳しい理由を聞いてもいいでしょうか?」

「ああ、理由としては第7班との連絡が取れていないということ。それからお前さんの回復を優先させた」

「わかりました」

 

 シカクの気質を視たソラは安堵する。どこか失態を責められるのではないかという不安があったからだ。

 

「お前はまだ若い」

「…そうでしょうか?」

「お前の年で暗殺任務を熟す奴も忍者の世界にはいるだろうが、そんなのは稀だ。ついでに言えば長生きしない使い捨てのような人生になってしまう。いつか限界が訪れる」

「それでも、中には例外がいるのですよね?」

「負けん気はないと思っていたんだがな…、俺が知る限りそんな奴はうちはイタチ以外には知らん」

 

 ソラの表情が暗くなる。ソラはうちは一族の悲劇に関して少しだけしこりが存在することを知っている。それとは別に、そのうちはイタチの起こした惨劇を目の当たりにした。それを鑑みて今シカクに話していた内容のことで負けず嫌いのようなものを発言するのをやめる。

 

「隣の芝生は青いってのとは少し違うが、自分に無いものってのは光って見えるものさ」

「私には殺人の経験がなく、慣れている人が羨ましく見えると?」

「まあ、そういうことだ。慣れてしまえば、心を痛めることも無い。そういう風にお前は感じ取っている」

「…」

「敵の忍を殺した痛みから逃げたい。そういうことを考えていなくてもお前は感じ取ってしまっているんだ」

「そう、ですか…」

「当たり前の反応だ」

 

 ソラは俯いていた顔を上げシカクを見る。

 

「まだお前は12歳の下忍のひよっこだ。焦る必要はない。もちろん、下忍とはいえ、忍者であることを忘れていいわけではないが」

 

 ソラは思い出す。昨日にも自分の悩みを相談するべきだが、ツカイは時間をくれた。そして今回、新たに忍としての在り方という新しく自分を苦しめる要素が浮上した。

 

「何か悩んでいることもあるみたいだしな。ま、おいおい聞かせてくれ」

 

 この人は蒼井一族かと疑ってしまう。シカクはそれほどに鋭い。

 

「カカシたちが戻ってくるまで休養だ。今は体を休めておけ」

「了解しました」

 

 その時、戻ってきましたという男性の声が耳に届く。

 

「どうやら、休んでいる暇はなかったらしい」

「大丈夫です。結構な睡眠は取れましたから」

 

 カカシ班の担当のカカシと教え子のサクラの帰宅である。何やら居間では騒がしくなっている。サクラの声がよく響く。

 

「なんかトラブルでもあったか?」

「さあ?」

「カカシなら担当の子に事情を伝えていないこともあるけど」

 

 それって、問題では?ソラは疑問にしかならない。伝えても十二分に問題ない任務のはずであると、ソラが頭の中で再確認する。動かないソラを見てシカクが指でついてこいと指示する。ソラたちがタズナ家の面々に加え、班員とカカシたちを見る。

 

「おや、お嬢ちゃんは初めましてかな?」

「初めましてカカシさん」

「うんうん、うちの班と違って真面目だねえ」

 

 サクラがジト目でカカシを睨む。サクラにとって真面目じゃない班員はナルトとカカシである。その1人が不真面目を認めていたら怒りも湧いてくるというもの。

 

「それで、どうして第11班が波の国に、タズナさん家にいるのよ?」

「うーん、俺も具体的なことは聞いてないんだけどね」

「なんで一緒に行動していたカカシ先生が具体的じゃなくても知ってるのよ」

「そりゃ、木の葉と連絡とってたし」

 

 任務の基本情報すら第7班は把握していない。第11班は第7班がCランク任務として扱われた任務がBランク以上の任務と詐称されていたことすら通達されている。ソラたちから見てもサクラはCランク任務の延長くらいにしか考えていないことは容易に想像がついていた。ソラはカカシに気遁を使う。カカシはソラの気遁に触れた瞬間、ソラの方を一瞬睨んだ。ソラは苦笑いして気質の調査を辞めた風を装う。一瞬で十分なのだから。ソラはカカシが変に気張るより、少しだけ緊張感の増した任務を受けている状態をベストとしているようだ。任務内容をはっきり伝えないことにも利点が明確に現れている。

 

「カカシ、やりあった忍ってのは?」

「…再不斬って奴よ。あいつのせいで大変だったんだから」

 

 カカシに聞いているのにサクラが答える。実際のところ、カカシはサクラの前で再不斬のことを話し、それがAランク任務だと第11班の者に指摘される可能性を危惧していたためすぐに口を割らなかったこともあり、サクラが話し始めた。

 

「再不斬?」

「再不斬って言えば、霧隠れの抜け忍で元上忍、鬼人と呼ばれた奴だ」

「それってA___いてぇ!?」

 

 ツカイが迂闊にもサクラに真実を伝えそうになる瞬間、隣に座っていたソラが思いっきり太ももを抓った。ついでにシカクも影縛りの術でツカイを影ながら拘束。身動きのとれないツカイは口を閉じるほかなかった。

 

「ど、どうしたのよ?」

 

 痛いと叫んだのになんのアクションも起こさなかったツカイにサクラは戸惑いながら質問をする。ソラはサクラに気遁を使う。サクラはツカイのことが苦手らしい。自由奔放なナルトに似た性格ではあるが、他人に被害が出るナルトと違い、サクラは一度術に巻き込まれかけたこともある。それでツカイが苦手らしい。むしろ関わりたくないといった感じだ。

 

「ちょっとナイフが太ももに刺さっちゃったみたい」

 

 ソラはそういってツカイに食用ナイフを握らせ、あたかも太ももに当たった体を装う。無理にもほどがある。シカクが影縛りの術を解除すると、ツカイも不服だと言わんばかりの表情を押さえ込んで、ちょっとドジしたと苦笑いをする。

 

「そう。案外、抜けているのね」

 

 そういって興味が失せたのか、シカクの方を向くサクラ。視線から外れた瞬間にツカイの怒りの顔がソラに向く。理由があるの、と小さい声ながら強くツカイに言い聞かせる。これらのやりとりを見ていたカカシは羨まし気な顔でソラを見ていた。

 

「…やらんぞ?」

「いやあ、いい子だなって思っただけですよ」

 

 

 

 カカシから詳しい事情が話される。ガトーに就いている忍の詳細だ。主だった戦力は鬼人・再不斬、そして再不斬を追ってきたと見せかけた追い忍を装った謎の人物。

 

「ガトーの連中にはあまり戦力はないのだな」

「そうですね。俺たちの班でどうにかなる程度の戦力しかありませんから」

 

 どうにかなるというが、かなりの無茶が必要なのでカカシは嘘をついている。再不斬とカカシで戦力が拮抗したとして、他の3人で追い忍もどきの少年に勝てるかどうかはわからない。なにせカカシですら自分よりも隠遁術に長けていると判断した人物だ。カカシはソラを横目で見る。おそらく同等程度の隠遁術が扱える。

 

「そちらの任務内容を聞いても?」

「いや、サクラくんには聞かれるわけにはいかない」

「そうですか」

 

 上忍同士の決定にサクラは不服と言わんばかりの表情だ。

 

「ソラ」

「はい。サクラ、外で待機よ」

 

 サクラだけ除け者扱いするわけにもいかず、ソラ達3人とその場を後にする。

 

「あー、もう。どうして聞かせてくれないのかしら」

「知らない方が請け負った任務に集中できることも多いから」

「そう。あなた達に聞いても教えてくれないのでしょう?」

「伝えるな。そう言われてるからね」

「仕方ない。じゃあ、私、サスケくんたち呼んでくるわ」

「いってらっしゃい」

 

 夕刻になり、外も暗くなっている時間。明日辺りから再不斬が復活を果たすというから、修行に集中できるのは今日まで、サスケとナルトは時間いっぱいまで修行をしているらしい。

 

「修行ねえ、あのナルトが…」

「言っておくが、この班で一番チャクラを練るのも、チャクラをコントロールするのも苦手なのはツカイだぞ」

「うるせえ、そのうちなんとかする」

「はあ…」

 

 この班で最もチャクラコントロールができないのはツカイである。チャクラを練るのも実は下手ということで燃費が著しく悪い。

 

「サスケか…、どこまで強くなってるんだろうな」

「案外ナルトの方が強かったりして」

「それはねえだろ」

 

 ツカイの呟きにソラが反応する。才能という点では、ナルトは群を抜いて一番に躍り出てもおかしくない生い立ちを知っているのはソラだけだ。もちろんうちはの宗家の血筋のサスケもまた才能の塊なのには違いない。

 

「ナルトのバカみたいな体力なら修行をずっと続けられるでしょ?」

 

 ナルトの本当のことは2人には言えない。

 

 組手の授業の後に授業を抜け出して悪戯をし、そのまま里の忍と追いかけっこをしているナルトはソラから見ても異常なスタミナである。もちろん、九尾の影響もあるが、ナルトの才も影響しているとソラは睨んでいた。

 

 

「まあ、確かに」

「それはあるだろうな、あいつはアカデミー時代一番のスタミナを誇ってた」

 

 そしてソラの気遁のような特別な力は持たずとも、ツカイやハザマはナルトのことには以外と詳しいものだった。ツカイはナルトに限らず、仲の良かった4人とサスケに関してはライバル心から相手の特徴を知り得ていた。ハザマは分析能力に元から長けているため、日常生活で目に付くナルトのスタミナくらいは把握している。もちろんナルトの忍術や幻術のスキルの低さも把握している。

 

「チャクラのコントロールという点では、ツカイ、お前は負けてしまうかもな」

「うるせえ、別に忍術が負けなければどうでもいい」

 

 3人が雑談をして時間を潰していると家の中から声が届く。

 

「3人とも入れ」

「「「はい!」」」

 

 サクラのいなくなった後、作戦会議が本格化する。

 

「ガトーの暗殺任務か、まさか新人がこんな任務を受け持つとはな」

「さっきも言っただろう。うちの班はレベルが違う」

「信じられませんよ。アカデミーを卒業して2週間でCランク任務を7つも達成していると言われても」

「ソラが封印術に長けているおかげで色々な任務を受け持つことができたからな」

「はあ、なるほど」

 

 幾ばくか時間を置いて、2人の上忍の目つきが変わる。

 

「それで、明日はどう考えるソラ?」

「私の意見でいいのでしょうか?」

「ああ、お前がこの班の指揮だからな」

 

 今日カカシは何度目かわからない驚愕をする。木の葉の頭脳とも称されるシカクが班の指揮を取っているから任務の達成が素早いと考えていたが、実のところはこの蒼井一族の娘が指揮をしていながら、Cランク任務を次々に熟しているのだ。上忍までエスカレーターのごとく昇進を果たしたカカシではあるが、昨今の平和な期間においてこの優秀さは例外中の例外だ。蒼井、それはカカシですらあまり関わることのなかった一族。ここまでの者か。聞いてきたもの以上である。それほどの衝撃を受けた。

 

「ガトーの忍、再不斬と追い忍を装った少年の2人の行動で作戦を変えます」

「具体的には?」

「ガトーの潜伏している可能性のある箇所は波の国にあるかぎり100箇所ほど、そこへは最短ルートを確保し、しらみつぶしではありますが、私の感知を用いてガトーの居場所を探ります。本来のようにじっくりと作戦を練り、相手の行動を予測した暗殺ができるほどの時間はありません。そして暗殺に就く私たちが再不斬たちと交戦をした際は、ハザマの空間・口寄せの術で、サスケとナルトをお借りします」

 

 カカシの顔が一瞬だけ変わる。援軍の依頼にナルトを指名するソラを訝しむ。それとは別の事柄だが、空間・口寄せとはあらかじめ口寄せしている動物を再度口寄せして自分の側に転移させる際に近くの空間ごと連れてくる大技だ。

 

「逆に再不斬たちがタズナさんの暗殺に動いたとするならば、私たち第11班はガトーの暗殺に専念し、先にガトーを暗殺します。第7班の協力ありきの作戦ですが、私たちが再不斬に遭遇した場合、私とハザマはチャクラを大きく失っているため戦いにはなりません」

「なるほどな…、質問がある」

「なんでしょう?」

「再不斬の居場所をどう伝えるんだ?」

 

 カカシの質問にソラはカバンをゴソゴソと漁る。

 

「こちらを」

「これは?」

「相手に信号で何が起きたかを簡潔に伝えることができる巻物です」

「見たことないが」

「ただの色が着くだけの巻物です」

 

 巻物に刻まれた文字の中に3つの丸い白紙が目立つ。もう一つ広げた巻物の3つの白い空間にソラがチャクラを流し込む。

 

「ほお」

 

 するとカカシが持っていた巻物の一番右に青い丸が浮かび上がる。

 

「言葉を伝える高等なものもありますが、今回の作戦では不要でしょう」

「これに意味を与えるのか」

「はい。こちらが青を示せばガトーの暗殺完了、赤を示せば再不斬がこちらにいる合図です」

「もう1つ黄色があるが?」

「それは不測の事態、例えば再不斬以外にも強い忍がおり、交戦していたり、こちらの任務の遂行が滞っている合図です」

「なるほどな」

「そしてそちらは、赤が再不斬との遭遇、そして黄色がこちらと同じ合図になります。青を示す必要性は私には考えられなかったので、何か必要とあらば付け足しますが?」

「ふむ、まあないかな」

「任務への協力依頼お願いできますか?」

「…火影様への報告は?」

「里を出る前に合同の任務の許可をもらっています」

「さすがだな」

 

 普通の暗殺任務とは懸け離れた内容だった。情報をほとんど集めないと不測の事態に陥りやすい。本来暗殺任務というのは潜伏と情報収集に長けていなければならない。しかしソラはそのどちらも選択しなかった。

 

「今日交戦したんだ。ガトーが新しく忍を雇っても不思議じゃないが?」

「だからです。この国は波の国、この国に忍者がいなければ雇うのは火の国か水の国。それか隣国の小国になります。そして火の国はガトーへの協力はしませんし、水の国は抜け忍の再不斬たちと相性が悪い。そして雇うのに時間がかかるならば、戦力を増やされる前に叩きます。ガトーは波の国の一般庶民を殺す戦力しか持っていない今の方が都合がいいので」

「なるほどな」

「ですが、抜け忍の再不斬たちに報酬を払うことなく、水の国に抜け忍を引き渡し恩賞を得ようとすれば?」

「なるほど、比較的近い隣国に依頼を出す可能性も低い。それに隣国ならば正規の忍、指名手配されている再不斬たちとは相性が悪い。一触即発な状態となり、任務が終われば再不斬たちのことを水の国に報告するだろうな。たとえガトーの意向に添えた結果を残しても再不斬が裏切る可能性が上がるから、逆に水の国以外に依頼するというのは考えられない。そして水の国に依頼するならばガトーにとっては一石二鳥というわけか」

「正規の雇用ならば水の国でしょう。ですが、可能性なら他里の抜け忍ということもあります」

「…それが」

「ええ、不確定要素として黄色の発信を付ける主な理由です」

「そこまで読んでいたのか」

 

 ここまでの情報を推察する能力。師が師なら弟子も弟子というわけか。カカシはシカクを見る。シカクはなんのことかわからないなと惚けたような態度だ。十中八九水の国にガトーは任務の依頼を出す。だが、それだとタズナの暗殺が失敗する可能性もある。タズナ暗殺を諦め、木の葉の忍を撒いた後で暗殺を実行する作戦である。それだと橋が完成してしまうかもしれない。ならば再不斬と同じ抜け忍であれば作戦もうまくいく上に正規の任務依頼ほどに金銭負担が少なくて済む。新たに抜け忍を雇う確率は決して0ではない。

 

「わかった。第7班は今の任務を受け持ちつつも第11班に協力しよう」

「ええ、こちらも任務を優先しますが、第7班への援護を約束します」

 

 作戦が決まった。すると、ちょうどいいタイミングで第7班の面々が帰宅する。

 

「おおー、本当にソラちゃんたち来てるってばよ」

「久しぶり、ナルトくん」

 

 互いに忙しくて下忍になってからは会えていなかった。2週間ぶりの対面である。

 

 

 

「なるほど、木登りの修行か」

 

 チャクラコントロールの講座を第7班から受けているのはツカイだ。

 

「ツカイってば木登りもできねえのか!?大したことねえってば」

 

 ナルトは目に見えて他に優秀な面を持つのは自分の中では初めてのことであるためか自慢げになっている。

 

「サクラは一発で成功したんだ。すごいね」

「私チャクラの扱いには才能あるって言われたわ」

 

 煽てれば気分を良くしたサクラは饒舌になる。その反面少しだけムッとするサクラの思い人がいるのだが、サクラは気付かない。

 

「ちっ、俺だってサクラのようにすぐにチャクラコントロールくらいマスターしてやる。ナルトと違って一週間どころか1日で十分だからな」

「何を!?」

 

 自慢げにされムカついているツカイは根拠のない自信でナルトに言い返す。ナルトはそれにすら反発するくらいには口も脳も達者ではない。

 

「何を根拠に言ってるんだ、この馬鹿は」

「僕としても疑問だ」

 

 ナルトとツカイの2人のやりとりを冷めた目で見るサスケとハザマ。以外とこの2人は相性がいいらしい。

 

「この任務が終わったらチャクラコントロールの修行だ」

 

 最近ではチャクラの練り方を鍛える修行をしていた。その修行内容は精神エネルギーと身体エネルギーを体内できちんと練り上げてから術を発動させるというもの。つまり、じっくりと時間をかけて術を使うという訓練だ。基本的にツカイは実践を想定した訓練をしていたためチャクラを練り上げてから術を発動するまでのタイムラグは上忍レベルに早い。その反面上忍とは打って変わりチャクラが十分に短時間で練ることができないため膨大な量の精神エネルギーと身体エネルギーを消費していた。その改善の修行と並行してチャクラのコントロールを学ぼうとしている。

 

「チャクラも上手く練れないのに何がチャクラコントロールだ」

「おい、それ言うな」

 

 アカデミー生で学ぶはずの事を今になって修行しているという恥ずべき事態を、ハザマが漏らしてしまう。それを止めようとしたが間に合わず。

 

「お前ってばそんなこともできないのかよ」

「黙れ!俺だって上忍レベルの忍術は使えるんだよ」

「へ、俺だって上忍レベルの影分身の術使えるってばよ」

「俺は火遁・火龍弾に雷遁・雷龍弾も使える!」

「つ、使える数じゃねえってばよ!?」

 

 精神年齢ガキじゃねえか、サスケの呟きにサクラとハザマが同意する。そんな2人をソラは別目線で眺めていた。九尾のチャクラを持つナルトはチャクラを練るのもコントロールするのも下手、それがアカデミー時代に判明していた。そしてナルトのような理由はないが、ツカイもナルトと同様である。

 

 この二人がもしもサクラやハザマレベルのチャクラの練度とコントロールを手にすればとてつもなく強い忍者になるのは明白である。ソラは考える。現状のチャクラ量、つまり精神エネルギーと身体エネルギーを混ぜ合わせた総量では班の下忍で一番多いのはソラである。だが、もしもツカイがうまいことチャクラを生み出せるようになればソラは自分の何倍ものチャクラを持つのではないかと予想する。

 

「ふふっ」

「ん?どうしたってばソラちゃん」

「2人ともすごいなあって思ってね」

「ば、馬鹿にしてるってば!?」

 

 ツカイはソラの事を少しずつ理解しているため、人を小馬鹿にするタイプではない事を知っている。だが、ツカイにはソラが何に対して笑ったのかがわからない。

 

 馬鹿にされてきた2人が周りを度肝を抜かせるほど強くなった時、笑ってる3人はどういう表情をするのだろう。それを考えたソラは笑みがこぼれてしまっていた。




ちゃんと推敲しないとなあ
ちゃんとタイトル考えないとなあ
ちゃんと物語考えないとなあ

今更見切り発車だなんて言えない

オリジナル忍術
空間・口寄せの術
説明は本文中

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