……考えながら書いていきます(T-T)
どうぞ!
「おっし!着いたぜ~」
「ったく……あんたのスピードは健在ねぇ」
「あぁ。やっと着いたか博麗」
「お帰り~!!」
魔理沙の箒に乗って数分、私は古風な神社に降り立った。当主である霊夢も追いつけない程のスピードだったが、私はこういうアトラクションは大好きだ。
「スキマはズルくないかしら?!」
「そうだぜ~」
「ふふっ♪だって私の大事な家族よ?良いじゃないの」
答えたのは、藍でも橙でもない妖怪だった。なぜ妖怪だと思ったかと言われれば、妖怪っぽいとしか言い様がないが。
その妖怪は私を見つけると、満足そうに微笑んだ。まるで宝物を全部掘り出したかのような顔だ。
霊夢と魔理沙が先に上がると、紫がこそっと言った。
「そういえば藍、あの子は?」
「はい、此所に」
藍は屈む事もなくウサギを宙に放った。ウサギは無様に落ちることもなく、宙に浮かんだ。よく見ると小さな羽が付いている。
「紫さんっ!酷いじゃないですか?!」
「あら、燐乃亜の所に行くと言ったのは貴女じゃなくて?」
「そっそれは……!」
ウサギの頬が真っ赤に染まる。というか本当にこいつウサギなのか?どう考えても人間にしか見えない。
私が色々と思考を巡らせていると、霊夢がとりあえず上がるように声をかけた。
――――――――
「私は八雲紫よ。宜しくね燐乃亜」
「あぁ、宜しく」
「あら?あまり驚かないのね」
「奇妙な体験なんて既に幾つもあったしな」
「……"夢"とか?」
「!?」
「霊夢ったら、気が逸り過ぎよ~♪」
「え、あぁ……ごめんなさいね?当てる気無かったんだけど、つい……」
「……」
そうだった気がする。私が言ったのは、箒で空を飛ぶとかそういう事だったのだが。
心なしか魔理沙の表情が少し曇っている。私はこういう顔を知っている。思い出したくないけど思い出してしまった、そんな顔だ。
紫はそんな彼女を横目に、私へ話しかけてきた。次は何が告げられるのか、息を飲む。
「さて……貴女は帰れない、それは良いわね?」
「あぁ…………ん?」
「じゃあ次に能力査定を」
「ちょ、ちょっと待て!帰れない、って何?!」
「言葉通りよ?あ、でも冬休み中には帰れるわ……多分」
「お、おう……」
正直、学校生活に戻れなくても然程困りはしない。まだそう思ってしまうのが現状だ。ふとそこら辺をフヨフヨしていたウサギが入ってきた。
「紫さーん?見つかりましたよ~」
「あら、ご苦労様」
「「……紫、こいつは?」」
霊夢と魔理沙は、ウサギについて知らないらしい。紫は意味ありげな顔をして、こう言った。
「燐乃亜にお供してもらう、新しい式神よ。そうねぇ……名前は強いて言うなら"みぃ"よ」
「お、おう」
「……」
魔理沙は無理矢理といった感じで頷いたが、霊夢はより一層表情を険しくするばかりだった。
「さて……能力査定は要らないわね」
「ん、どうしてだ?」
「えっ……ま、魔理沙まだ気付いてないの?」
「何がだぜ?」
「ふふ……燐乃亜、貴女の能力はね、」
――"夏の宙を操る程度"よ。
それを聞いた瞬間、霊夢は何か確信した顔をした。魔理沙は唖然として、何か思い出したようだった。そんな二人を見て、満面の笑みを浮かべる紫と橙。そして何故か私に申し訳なさそうな顔をしている藍。
ただ一人反応の薄い私に、紫がゆっくり訊ねた。
「ねぇ、貴女。この二人に見覚えは無い?」
「え……?」
私の思考を遮ったのは、意外にもウサギだった。
「……全部、話すんでしょう?」
「……ふふっ、相変わらずみぃは察しが良すぎるわ」
「そう、やっぱりそうなのね……」
「となるとやっぱり……」
「あら、そこまで言っちゃあダメよ?そのくらいは自分で見つけてもらわなくちゃ」
話の内容が飛躍している、故に着いていけない。簡単な事だ。それを感じとったのか、みぃが何枚か写真を差し出した。
「それもこれから話される事だよ、ね?」
「えぇ……そうね。どこから話しましょうか……」
――――――――
昔々、といっても半年くらい前かしら?
貴女のようにこの世界に来た一人の女の子は、とても楽しそうに馴染んだわ。でも事件は起きた。
不審火よ。しかも夜な夜な訪れる謎の火。女の子とその仲間たちは、その異変を解決するために色々したの。
そうしたら、女の子たちは一人の女の子に出会った。
ふふ、心当たりがあるようね。そうよ、それが貴女。
そこからは思い出したかしら?……えぇ、そうよ。
そう、その後女の子は帰っていったわ。あ、ちなみにその子と貴女を襲ったのは藍よ。色々あって……ごめんなさいね?
さぁ、これが貴女の全て。この世界の真実。
分かってくれたかしら?
ありがとうございました!
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