幻想郷は夢を見る。   作:咏夢

46 / 76
新章の展開どうなるんでしょ((殴
……考えながら書いていきます(T-T)

どうぞ!


神社、大妖怪、記憶

「おっし!着いたぜ~」

「ったく……あんたのスピードは健在ねぇ」

「あぁ。やっと着いたか博麗」

「お帰り~!!」

 

魔理沙の箒に乗って数分、私は古風な神社に降り立った。当主である霊夢も追いつけない程のスピードだったが、私はこういうアトラクションは大好きだ。

 

「スキマはズルくないかしら?!」

「そうだぜ~」

「ふふっ♪だって私の大事な家族よ?良いじゃないの」

 

答えたのは、藍でも橙でもない妖怪だった。なぜ妖怪だと思ったかと言われれば、妖怪っぽいとしか言い様がないが。

その妖怪は私を見つけると、満足そうに微笑んだ。まるで宝物を全部掘り出したかのような顔だ。

 

霊夢と魔理沙が先に上がると、紫がこそっと言った。

 

「そういえば藍、あの子は?」

「はい、此所に」

 

藍は屈む事もなくウサギを宙に放った。ウサギは無様に落ちることもなく、宙に浮かんだ。よく見ると小さな羽が付いている。

 

「紫さんっ!酷いじゃないですか?!」

「あら、燐乃亜の所に行くと言ったのは貴女じゃなくて?」

「そっそれは……!」

 

ウサギの頬が真っ赤に染まる。というか本当にこいつウサギなのか?どう考えても人間にしか見えない。

私が色々と思考を巡らせていると、霊夢がとりあえず上がるように声をかけた。

 

――――――――

 

「私は八雲紫よ。宜しくね燐乃亜」

「あぁ、宜しく」

「あら?あまり驚かないのね」

「奇妙な体験なんて既に幾つもあったしな」

「……"夢"とか?」

「!?」

「霊夢ったら、気が逸り過ぎよ~♪」

「え、あぁ……ごめんなさいね?当てる気無かったんだけど、つい……」

「……」

 

そうだった気がする。私が言ったのは、箒で空を飛ぶとかそういう事だったのだが。

心なしか魔理沙の表情が少し曇っている。私はこういう顔を知っている。思い出したくないけど思い出してしまった、そんな顔だ。

 

紫はそんな彼女を横目に、私へ話しかけてきた。次は何が告げられるのか、息を飲む。

 

「さて……貴女は帰れない、それは良いわね?」

「あぁ…………ん?」

「じゃあ次に能力査定を」

「ちょ、ちょっと待て!帰れない、って何?!」

「言葉通りよ?あ、でも冬休み中には帰れるわ……多分」

「お、おう……」

 

正直、学校生活に戻れなくても然程困りはしない。まだそう思ってしまうのが現状だ。ふとそこら辺をフヨフヨしていたウサギが入ってきた。

 

「紫さーん?見つかりましたよ~」

「あら、ご苦労様」

「「……紫、こいつは?」」

 

霊夢と魔理沙は、ウサギについて知らないらしい。紫は意味ありげな顔をして、こう言った。

 

「燐乃亜にお供してもらう、新しい式神よ。そうねぇ……名前は強いて言うなら"みぃ"よ」

「お、おう」

「……」

 

魔理沙は無理矢理といった感じで頷いたが、霊夢はより一層表情を険しくするばかりだった。

 

「さて……能力査定は要らないわね」

「ん、どうしてだ?」

「えっ……ま、魔理沙まだ気付いてないの?」

「何がだぜ?」

「ふふ……燐乃亜、貴女の能力はね、」

 

――"夏の宙を操る程度"よ。

 

それを聞いた瞬間、霊夢は何か確信した顔をした。魔理沙は唖然として、何か思い出したようだった。そんな二人を見て、満面の笑みを浮かべる紫と橙。そして何故か私に申し訳なさそうな顔をしている藍。

ただ一人反応の薄い私に、紫がゆっくり訊ねた。

 

「ねぇ、貴女。この二人に見覚えは無い?」

「え……?」

 

私の思考を遮ったのは、意外にもウサギだった。

 

「……全部、話すんでしょう?」

「……ふふっ、相変わらずみぃは察しが良すぎるわ」

「そう、やっぱりそうなのね……」

「となるとやっぱり……」

「あら、そこまで言っちゃあダメよ?そのくらいは自分で見つけてもらわなくちゃ」

 

話の内容が飛躍している、故に着いていけない。簡単な事だ。それを感じとったのか、みぃが何枚か写真を差し出した。

 

「それもこれから話される事だよ、ね?」 

「えぇ……そうね。どこから話しましょうか……」

 

――――――――

 

昔々、といっても半年くらい前かしら?

貴女のようにこの世界に来た一人の女の子は、とても楽しそうに馴染んだわ。でも事件は起きた。

 

不審火よ。しかも夜な夜な訪れる謎の火。女の子とその仲間たちは、その異変を解決するために色々したの。

そうしたら、女の子たちは一人の女の子に出会った。

 

ふふ、心当たりがあるようね。そうよ、それが貴女。

そこからは思い出したかしら?……えぇ、そうよ。

 

そう、その後女の子は帰っていったわ。あ、ちなみにその子と貴女を襲ったのは藍よ。色々あって……ごめんなさいね?

 

さぁ、これが貴女の全て。この世界の真実。

分かってくれたかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました!

感想等お願いいたします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。