幻想郷は夢を見る。   作:咏夢

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はい、何か色々ありましたけど、この章はこれで終わりです!v(・∀・*)

ここまで書けたの奇跡っ……はいっ。
伏線(?)も書きつつ、次章も頑張ります!


全ては夢物語でも

「さて……手荒な真似をしてごめんなさいね?こうするくらいしか、思い浮かばなくって」

「誠に申し訳ない……」

「ごめんなさぁい……」

 

結局、紫さんと式神の藍さん、橙ちゃんが私に謝罪する形でこの騒動は終わった。

私達を襲ったのは、他でもない藍さんが変化していた。私と燐乃亜を和解させる、というか燐乃亜を丸くするという所業だったらしい。正体不明の爆発、誰が張ったか分からなかった結界、それらも全て藍さんがやったらしい。

霊夢と魔理沙は結界を壊しに行った際に話を聞き、あえて本気で手出しをしなかったという訳だ。まぁ流石にやりすぎだということで最後は思い切り怒っていた訳だが。

 

「何はともあれ、無事解決、ね。」

「おう、さっさと戻って呑もうぜ~」

「えっ!魅空羽さんて呑ませちゃダメなんじゃ……」

「妖夢~お腹すいた~」

「……上海、片付けましょ」「シャンハーイ(-_-;)」

 

思い思いに日常的生活に戻ろうとする皆をゆったりと眺めていると、近くで咲夜が眉を下げていた。

 

「お嬢様、そろそろ……」

「えぇ。でも、今すぐには帰れないわよ」

「ですが、もうすぐ日が昇りますよ?」

「だから帰れないと言っているのよ……魅空羽」

 

今の会話からどうして私に話が向くのか分からない。妹紅は何か察した様子で皆を呼び戻した。

一連の流れを見た紫は、スキマから降りてきて言った。

 

「さ、魅空羽。用意はいいかしら」

「え……?」

「お、おい!どういうことだよ?!」

「……。何も説明しないのは関心しないわね」

「気づいているくせに良く言うわよねぇ~」

「……魅空羽」

 

私の名前をもう一度レミリアが呼ぶ。小さな吸血鬼はこの結末を知っている、そう思い訊ねる。

 

「……レミリアさん、私……行かなくちゃダメですか」

「……えぇ、それが貴女の"運命"よ。一つの決まった通過点。」

「行く、って……」

「そっか……帰っちゃうんだ……」

 

何かと察しのいいフランの言葉に、現実がのし掛かってきた。燐乃亜が帰ったのも、私の期限が来たからなのだろう。

紫が気を遣って、皆を一列に並ばせる。私は、霊夢達と向かい合う形になった。

何と言えば良いのか分からなくて、私は一通り皆を見回す。

 

霊夢、魔理沙、アリス、レミリア、フラン、咲夜、美鈴、パチュリー、小悪魔、妹紅、慧音、チルノ、大ちゃん、妖夢、幽々子、紫、藍、橙。

 

誰も皆、私の大好きな仲間だった。

過去形になってしまうのは、少し寂しい気もするが……。

 

「あら、何を勘違いしているの?また来れるじゃない」

「そうよ、一度選ばれたんですもの。歓迎するわ」

 

紫と霊夢の言葉は、あくまで事務的な物だが温かみがあった。

 

私は真っ直ぐ顔を上げて、微笑んだ。ひきつっていないと良いな、と思いながら、息を吸う。

 

「えっと……じゃあ、また来るね……」

「おう!待ってるぜ♪」

 

魔理沙の声と先頭に、色とりどりの声が飛び交う。

 

アリス「今度来たら、もう少しゆっくり話しましょうね」

レミリア「奇怪な運命に、乾杯しましょうね」

フラン「また遊ぼうねっ!絶対だよ!」

咲夜「紅茶淹れて、待ってますね♪」

美鈴「またお手合わせ願いますよ~!」

パチュリー「……楽しかったわ」

小悪魔「また来てくださいねぇ」

妹紅「えっと……またおいでよ。待ってるから」

慧音「次来たときには、寺子屋にも来るといいぞ!歓迎する」

チルノ「ぜーったい!つぎはあたいがかつからっ!」

大ちゃん「えっと……。また、来てください?」

妖夢「今度会ったら勝負です!負けませんよ!」

幽々子「ふふっ。良い人世を送りなさいな」

藍「……今度は何かお詫びをさせて下さいね?」

橙「次は私とも遊ぼーねー!」

 

「……魅空羽」

「霊夢……」

「楽しかったわ。ありがとう」

 

涙腺は緩まなかった。もう散々泣いて怒ってしたからだろうか、少し残念だ。

私はもう一度皆を見回して、最後に伝えた。

 

「本当にありがとう!」

 

――すごく、楽しかったよ……!

 

――――――――

 

「魅空羽~?魅空羽~!」

「ん~……」

「ただいま~……起きてる?」

「今起きたよ~……お帰り」

 

私はベッドから起き上がる。お土産の説明を聞き流して、鏡の前に立つ。ふと、違和感を感じて手を上げる。

そのまま顔に持っていき、思い切り頬をつねる。

 

「いだい……」

 

夢では無い、なのに私の瞳は黄金色の一番星を宿していた。まるで前々からそうであったかのように。

 

「……大事にしなくちゃ、ね」

 

鏡越しに誰かが見ている気がした。振り返らない、そうじゃないと戻りたくなってしまうから。

 

「魅空羽~?ねぇ、あなた学校は~?」

「♪~……え?」

「遅刻するわよ~?」

「えっ、ええええええ!!!?」

 

こうして、私の夢物語――幻想入りは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当にありがとうございました!

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