評価が貰えるその日までっ!
「うっわぁ……!すごい……!」
人がゴミ…ゲフンゲフン。豆粒よりも小さく見える。
私は、さっきの星の件もあってか、この高さからの眺めを純粋に楽しんでいた。
「へへっ。どうだ面白いだろ?私も、いくら飛んでもこの景色は飽きないぜ……」
魔理沙は嬉しそうに言いながら、こちらを振り返った。
私は力強く頷く。が、同時にお願いだから前を向いてくれと強く願う。
時折、雲にぶつかる…というか突っ込むのだが、とてもいい気持ちではない。それ故に避けてほしいという単純な理由だ。
「おぉ、すまんすまん。よし!少しスピード上げるぞ!」
しっかり捕まれよ、と言いながら魔理沙は急加速した。私は慌てて魔理沙の腰に手を回す。
――――――
下の景色は移り変わり、ふと霧の濃い湖に通りかかった。いかにも何か出そうな雰囲気に身震いしていると、ふと魔理沙が溢す。
「あー……少し急ぐぞ。ここはその……面倒なやつがいてな」
魔理沙でも面倒とか思うのか。私は了解の意を伝える代わりに、腰に回した手をより一層強くした。
「おい!」
ふと聞こえたその幼い声に、私は素早く振り返ってしまう。
「振り向くなっ……あー遅かったか……」
魔理沙から半ば諦めた制止の声がかかる。
うん、遅い。遅すぎる。もう目が合ってしまった。
「こそこそにげるだなんて、さいきょーのあたいにおじけづいたようね!」
「あー……まぁな、そんなとこだぜ。」
幼い口調の妖精の対応に、魔理沙は対応に困っているようだった。
「仕方ないな……魅空羽!飛ばすぜっ!」
いきなりの超加速に、当然ながら付いていけずに私は一瞬宙に浮く。
「……!?」
慌てて箒の枝を掴もうとするが、虚しく宙を掻いてしまう。
「あ、魅空羽!?」
魔理沙が箒から身を乗り出して、私の右腕を掴んだ。
涙目の私を見て、魔理沙は状況を理解したらしく、
「すまんな……大丈夫か?」
と、引っ張りあげてくれた。
そして、幼い妖精…チルノと言うらしい、を振り切って、眼下に人里が広がる頃。
魔理沙が少し高度を上げながら言った。
「そういえばさ、お前さっきよく冷静でいられたな。」
「え?」
そういえばそうだ。あんなに高いところから落ちかけたのに…
(あれ?)
何か無かっただろうか?私は……
「夢に出てきたんだ、おんなじこと。」
自分で言ってから気付く。あぁそうだ。
こんな風景を私は夢で見たのだ。あの時も薄寒い湖の上だった。
そういえば、この風景も見たことがある気がするが……気のせいだろうか。
「へぇ~!お前やっぱ面白いなぁ~!」
魔理沙は笑わなかった。それに怖がりもしなかった。
他の人のように、気味悪く思わなかった。
ここが全てを受け入れる……異世界なのだろうか。
そんなことを思いながら、私たち二人は神社へと降下していった。
ありがとうございました!
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