幻想郷は夢を見る。   作:咏夢

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3話目!まだまだ頑張ります!
評価が貰えるその日までっ!


全ては夢のように。

「うっわぁ……!すごい……!」

 

人がゴミ…ゲフンゲフン。豆粒よりも小さく見える。

私は、さっきの星の件もあってか、この高さからの眺めを純粋に楽しんでいた。

 

「へへっ。どうだ面白いだろ?私も、いくら飛んでもこの景色は飽きないぜ……」

 

魔理沙は嬉しそうに言いながら、こちらを振り返った。

私は力強く頷く。が、同時にお願いだから前を向いてくれと強く願う。

時折、雲にぶつかる…というか突っ込むのだが、とてもいい気持ちではない。それ故に避けてほしいという単純な理由だ。

 

「おぉ、すまんすまん。よし!少しスピード上げるぞ!」

 

しっかり捕まれよ、と言いながら魔理沙は急加速した。私は慌てて魔理沙の腰に手を回す。

 

――――――

 

下の景色は移り変わり、ふと霧の濃い湖に通りかかった。いかにも何か出そうな雰囲気に身震いしていると、ふと魔理沙が溢す。

 

「あー……少し急ぐぞ。ここはその……面倒なやつがいてな」

 

魔理沙でも面倒とか思うのか。私は了解の意を伝える代わりに、腰に回した手をより一層強くした。

 

「おい!」

 

ふと聞こえたその幼い声に、私は素早く振り返ってしまう。

 

「振り向くなっ……あー遅かったか……」

 

魔理沙から半ば諦めた制止の声がかかる。

うん、遅い。遅すぎる。もう目が合ってしまった。

 

「こそこそにげるだなんて、さいきょーのあたいにおじけづいたようね!」

 

「あー……まぁな、そんなとこだぜ。」

 

幼い口調の妖精の対応に、魔理沙は対応に困っているようだった。

 

「仕方ないな……魅空羽!飛ばすぜっ!」

 

いきなりの超加速に、当然ながら付いていけずに私は一瞬宙に浮く。

 

「……!?」

 

慌てて箒の枝を掴もうとするが、虚しく宙を掻いてしまう。

 

「あ、魅空羽!?」

 

魔理沙が箒から身を乗り出して、私の右腕を掴んだ。

涙目の私を見て、魔理沙は状況を理解したらしく、

 

「すまんな……大丈夫か?」

 

と、引っ張りあげてくれた。

 

そして、幼い妖精…チルノと言うらしい、を振り切って、眼下に人里が広がる頃。

魔理沙が少し高度を上げながら言った。

 

「そういえばさ、お前さっきよく冷静でいられたな。」

「え?」

 

そういえばそうだ。あんなに高いところから落ちかけたのに…

 

(あれ?)

 

何か無かっただろうか?私は……

 

「夢に出てきたんだ、おんなじこと。」

 

自分で言ってから気付く。あぁそうだ。

こんな風景を私は夢で見たのだ。あの時も薄寒い湖の上だった。

そういえば、この風景も見たことがある気がするが……気のせいだろうか。

 

「へぇ~!お前やっぱ面白いなぁ~!」

 

魔理沙は笑わなかった。それに怖がりもしなかった。

他の人のように、気味悪く思わなかった。

 

ここが全てを受け入れる……異世界なのだろうか。

 

そんなことを思いながら、私たち二人は神社へと降下していった。




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