今回からちゃんと主人公目線です!
「どうやって使うんだろ……。」
ダメだ。さっぱり心当たりがない…。
まぁそんなことを言ったら、この服装も景色も…なんだけどね。
「……えいっ」
力任せに振ってみる。瞬間、瞳に焼け付くような痛みを覚えた。私は杖を取り落とし、思わず目を抑える。
「~っ!?」
一体どういうことなのだろう。ぼやいても仕方ないので、そっと目を開ける。……驚いた。
空中に……きっとさっき杖を振った所だろう、小さな星が舞っていた。私は、触れても大丈夫か、なんて気にせずに星の欠片に触れる。
とても澄んだ音がした。もう驚くことはない。ただひたすらに美しいと想わせてくれた。
先程落とした杖を拾い、もう一度今度は優しく振ってみた。
杖の跡を引くように、光が溢れる。その光は、木漏れ日に当たって、小さな星に姿を変えた。
「キレイ……」
そうだ、と閃く。この状況を、何とか打開できるかもしれない。
私は杖を振るうと、天へと突き上げた。
「いっけぇ!!!」
案の定、深緑の葉と共に落ちてくる欠片もあった。が、私の狙いは決して、自分で星を浴びる事ではない。
あいにく運動は得意ではないが、近くの木に登る。
ややあって、空を拝める所まで来ると、狙い通り星が上空に舞っていた。
「ま、これなら誰か来てくれる……多分。」
「おーすげぇな~!」
「全く、今度は何処の輩よ……」
声の来る先を見ると、見覚えのあるワンピースの少女と巫女服の少女。二人が空を飛んできていた。
狙いに引っ掛かってくれたようだ。声をかけようとして、ここが山の斜面だということに初めて気付いたが、構いはしない。
「あの……!そこの……っ!」
巫女服の方は、構わずに山の上の方へ行ってしまった。まるで、面倒事を避けるようだ。
が、ワンピースの方が近寄ってきた。
「何だ?お前さん、天狗の類いじゃ無さそうじゃないか。何でったってこんな所に……」
「わっかんないです!」
気づけば、反射的に答えていた。
ワンピースの少女はそれを聴いて豪快に笑った。
「あはははは!面白いやつだな?名前は何て言うんだ?」
「み、魅空羽。如月魅空羽!」
たどたどしくなってしまっただろうか。つい顔を俯かせてしまう。すると、ふいに顎に手を添えられ……
(あ、顎クイ?!)
戸惑う私をよそに、少女は満足そうに自己紹介を始める。
「私は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだ!」
鼻の下をこすり、屈託なく笑う魔理沙につられ、私も微笑みを返す。
「で?何でこんなとこに居るんだっけ?」
「分からないんですってば!」
あーそうだったな、と魔理沙はしばらく黙る。
「ま、とりあえず霊夢ん所に行こうぜ!そうすりゃどうにかなるだろ!」
私もその言葉に異論を持たず、頷いた。
「そうと決まりゃあ、ほら!」
箒に乗った魔理沙は、少し前にずれると私を誘った。
私は迷いもせず(自棄とも言う)魔理沙の後ろに座った。
「よぉしっ!そんじゃフルスピードで行くぜ!」
やった!同日に書けました!
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