幻想郷は夢を見る。   作:咏夢

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今回から異変を始めます!

……これ言っちゃいけなかったんじゃ!?まぁいいです!

どぞ!


不審火か前兆か

「う……ん……?」

 

起き上がると、そこは霊夢の家、もとい博麗神社だった。昨日はあのまま夕飯までご馳走になってしまったので、そのまま寝てしまったのだろう。

 

「せめて朝ごはんくらいはなぁ……」

「作りたいか?朝ごはん」

「うわっ……!」

 

髪を適当に結い上げた魔理沙と、二人で静かに笑い合う。魔理沙は台所に立つと、冷蔵庫を漁り始めた。

 

「魅空羽って料理出来るのか?」

「うーん……まぁ、スタンダードなのは出来るかな」

「味噌汁とか、そういうことか?」

「うん、そういうこと。」

 

暫くして出来上がった渾身の和食に、二人で満足げな笑みを浮かべていると、後ろから眠そうな声がかかった。

 

「ん……おはよ」

「おう、霊夢。おはようだぜ」

「おはよ~」

「……二人で作ったの?」

「「うん」」

「……そ、冷めない内に食べましょ」

 

三人で座る食卓は、やはり暖かくて自然に笑みが浮かぶ。霊夢も心なしか嬉しそうだし。こんな平和な夏休みなら、案外いいかもしれない。

 

―――――――――

 

朝ごはんを食べ終わって、霊夢が紅魔館まで送ってくれると言うので、私達は空を飛んでいた。

朝の風はまだ涼しく、澄んでいる……はずだった。

 

「なーんか焦げ臭くないか?」

「それ思ったわ」

 

怪訝そうな顔つきで振り返る魔理沙に、霊夢も神妙な顔で応える。

言われてみれば確かに、火事のような匂いがする。

 

「……嫌な予感がするわ、少し行ってくる」

「私も一緒に行くぜ!」

「わ、私も!」

「……勝手にしなさい。」

 

結局、霊夢の勘を頼りに、三人で人里に向かうことにした。

 

――――――――

 

「のわっ!?」

 

飛んできた火の粉に、思わずのけ反る魔理沙を見やり、霊夢は呟いた。

 

「見たところ火事のようね。」

「だな~」

 

二人とも暢気なのだが、良いのだろうか。そわそわしていると、魔理沙が言った。

 

「あー大丈夫だぜ、人里には焔のエキスパートがいるからな」

「は、はぁ……?」

 

もう今更誰が来ても驚くまい。そう思っていた私だが、絶句してしまった。火事現場のど真ん中で、炎を手で吸い取っていく女の人が居たのだ。

魔理沙たちはその人……ではなく、避難した住民の先頭にいる、少し変わった服装の女性の所へ降りていった。

 

「不審火か何かかしら?」

「あぁ、そうらしい……。私としたことが、気づくのが遅れてしまってな。妹紅が居てくれて助かったよ」

「けーね!こっち終わったよ!」

「あぁ、すまんな妹紅……」

「ホントお前便利だよな~」

 

私は置いてけぼりを食らいつつ、何か、前兆を感じるのだった。

 




ありがとうございました!

妹紅に関してちょっと独自性ががが……

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