失礼しました、今回ちょっと独自性が出てきました!
それを踏まえてどぞ!
「夢の、迷い人……?」
衝撃的な告白のはずだが、私には全く理解できない。両サイドを見ると、魔理沙は怪訝そうな顔で何だそれ、と呟いた。しかし、霊夢はそっと口を開いた。
「紫いわく、夢の中でこちらに来ている人……だったかしら?菫子みたいな」
「あー、そういうことなんだな」
「え?一番理解しなきゃいけない張本人置いてかないで?!」
「おぉ、すまんすまん」
半笑いで魔理沙が説明してくれる。どうやらその菫子さんという人は、精神だけ此方に来るのだそうだ。
「でもどういう事だ?魅空羽は別に何かしら仕組んで来た訳じゃないんだろ?」
「だから言ったでしょう?迷い人、と」
「あ……」
私は気づかない間に、精神だけ此方に来てしまった、ということなのだろうか。だとしたら、彼方の私はどうなっているのだろう?考えるとゾッとした。
「彼方の貴女は眠っているわ。貴女が此方にいる限り、ね。」
「そう……ですか。良かった」
実際、両親は帰ってこないのだから特に困った事はない。紫は少し和らいだ表情で続ける。
「新しい子は半年に一度、一人来るか来ないかなのよねぇ。新しい子は、一定の期間……と言ってもどのくらいかは不明だけれど、ここに居続けることが出来るわ。そして、その一定の期間中は他の夢の迷い人も来ることが出来るの。」
「は、はぁ……?」
仕組みは理解できたが、いまいち自覚が持てない。私は選ばれたということなのだろうか。だとしたら、どうして?
「特に理由なんて無いわ。ただ人類からまた一人、幻想の存在を知る者が増えただけのこと。」
余計意味が解らなくなったが、つまりはそういうことなのだろう。
当分帰れないとはいえ、夏休み中に帰れれば万事解決なのだから、私にとって悪いことはない。
「さて、一段落付いたし、改めて自己紹介といきなさいな。」
「はあぁ……そう言いつつ逃げるとか卑怯よね」
「全くだぜ」
紫が帰ると、魔理沙が切り替えて私に向き直る。
「じゃ、まぁ。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ!よろしくな!あ、能力は魔法を使う程度な。」
「博麗霊夢よ。巫女やってるわ。能力は空を飛ぶ程度よ。……宜しくね、魅空羽」
「!……はい!宜しくお願いします!」
「別にタメでも良くないか?」
「えっ!!!」
いきなり知らない場所に来たんだから、ちゃんと敬語は使っておこうと思ってた。
「えぇっと……それは、でも、えぇ……」
「それがあんたの話し方なんでしょ、いいのよ勝手にして」
「えと……うん、ありがとう霊夢」
「!……えぇ。」
「へへっ♪何だ霊夢ぅ~照れてんのか~?」
「て、照れてないわよ~っ!!!」
鮮明な始まりを告げる声は、澄んだ昼の空へ響いた。
ありがとうございました!
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