幻想郷は夢を見る。   作:咏夢

24 / 76
これどーすんだろ……ハッ(゜ロ゜) 

失礼しました、今回ちょっと独自性が出てきました!
それを踏まえてどぞ!


夢の迷い人、鮮明な始まり

「夢の、迷い人……?」

 

衝撃的な告白のはずだが、私には全く理解できない。両サイドを見ると、魔理沙は怪訝そうな顔で何だそれ、と呟いた。しかし、霊夢はそっと口を開いた。

 

「紫いわく、夢の中でこちらに来ている人……だったかしら?菫子みたいな」

「あー、そういうことなんだな」

「え?一番理解しなきゃいけない張本人置いてかないで?!」

「おぉ、すまんすまん」

 

半笑いで魔理沙が説明してくれる。どうやらその菫子さんという人は、精神だけ此方に来るのだそうだ。

 

「でもどういう事だ?魅空羽は別に何かしら仕組んで来た訳じゃないんだろ?」

「だから言ったでしょう?迷い人、と」

「あ……」

 

私は気づかない間に、精神だけ此方に来てしまった、ということなのだろうか。だとしたら、彼方の私はどうなっているのだろう?考えるとゾッとした。

 

「彼方の貴女は眠っているわ。貴女が此方にいる限り、ね。」

「そう……ですか。良かった」

 

実際、両親は帰ってこないのだから特に困った事はない。紫は少し和らいだ表情で続ける。

 

「新しい子は半年に一度、一人来るか来ないかなのよねぇ。新しい子は、一定の期間……と言ってもどのくらいかは不明だけれど、ここに居続けることが出来るわ。そして、その一定の期間中は他の夢の迷い人も来ることが出来るの。」

「は、はぁ……?」

 

仕組みは理解できたが、いまいち自覚が持てない。私は選ばれたということなのだろうか。だとしたら、どうして?

 

「特に理由なんて無いわ。ただ人類からまた一人、幻想の存在を知る者が増えただけのこと。」

 

余計意味が解らなくなったが、つまりはそういうことなのだろう。

当分帰れないとはいえ、夏休み中に帰れれば万事解決なのだから、私にとって悪いことはない。

 

「さて、一段落付いたし、改めて自己紹介といきなさいな。」

「はあぁ……そう言いつつ逃げるとか卑怯よね」

「全くだぜ」

 

紫が帰ると、魔理沙が切り替えて私に向き直る。

 

「じゃ、まぁ。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ!よろしくな!あ、能力は魔法を使う程度な。」

「博麗霊夢よ。巫女やってるわ。能力は空を飛ぶ程度よ。……宜しくね、魅空羽」

「!……はい!宜しくお願いします!」

「別にタメでも良くないか?」

「えっ!!!」

 

いきなり知らない場所に来たんだから、ちゃんと敬語は使っておこうと思ってた。

 

「えぇっと……それは、でも、えぇ……」

「それがあんたの話し方なんでしょ、いいのよ勝手にして」

「えと……うん、ありがとう霊夢」

「!……えぇ。」

「へへっ♪何だ霊夢ぅ~照れてんのか~?」

「て、照れてないわよ~っ!!!」

 

鮮明な始まりを告げる声は、澄んだ昼の空へ響いた。

 

 

 

 




ありがとうございました!

感想等お願いいたします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。