幻想郷は夢を見る。   作:咏夢

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紅魔館第2段!

書いていたら、今回はレミリア回になりました。


紅い月と語らいの窓辺

「私の事……ですか?」

 

戸惑いを隠せない。いきなり私の事を語らうって言われたって……ねぇ?

 

「ふふ。難しいことじゃあ無いわ。ただ運命を辿る貴女をもっと知りたい、それだけよ。」

「は、はぁ……?」

 

やっぱりよく分からない。とりあえず私は改めて名乗る。

 

「私は如月魅空羽です。」

「えぇ、レミリア・スカーレットよ。」

 

礼儀のように名乗られてしまった。どうしようかと迷っていると、レミリアが言った。

 

「私の能力は、"運命を操る程度"よ。」

「あ、えっと私は……」

 

そういえば、具体的に聞いてなかった。

あれは魔法か?星か?私が二の句を継げずにいると、レミリアがやさしく言った。

 

「貴女は、霊夢の所で調べてもらったりしたのかしら?」

「へっ?あっ、はい!」

「そう、なら話は早いわ。その札を見せて頂戴?」

「は、はい……」

 

私は言われるがままに、魔理沙から借りたポーチから札を取り出す。

ふと気付いたが、私、魔理沙にお世話になりすぎてないか?落ち着いたら、恩返し?もしないといけないな。

 

「ふぅん……なるほどね。」

「えっと、失礼ですが、それから何か判るんですか?」

「あら、判るもなにも書いてあるじゃない?」

 

私は慌てて札を覗きこむ。見逃していたが、下の方に小さく文字が書いてあった……読めないけど。

 

「すいません、あの」

「読めないでしょう?無理もないわ。貴女はここに来て間もないもの。」

「……?」

「ふふ、そのうち分かるわ。貴女の能力はね、」

 

"冬の宙(そら)を操る程度"の能力。

 

それが、私の能力だそうだ。

序に、紫に言われた、"想像の許す限り"という言葉についても聞いてみた。答えは単純だった。

 

「さぁ、分からないわ。ただ、外来人でそういう人はよくいるみたいね。」

「そういう人……?」

「想像の許す限りは、能力を使って何でもありって感じかしら?結構いるわよねぇ……」

「ほえぇ……!」

 

何だか凄いな外来人よ。まぁ私もなんだけど。

 

―――――――

 

ここら辺の地形だとか、たわいもない会話を繰り返し、紅茶のポットが空になった頃。

陽は沈みかけ、アンティーク調の時計が午後四時を告げる。

レミリアは、咲夜を呼んで言った。

 

「悪いけど、パチェに星座表を借りてきてくれる?」

「星座表…ですか?畏まりました。」

 

咲夜さんが行ってしまうと、レミリアはふわりと微笑んで言った。

 

「能力を使うにも想像するにも、知識は不可欠よ。持っていきなさい。とはいえ、日が暮れてから外に出るのも危ういし、泊まっていきなさい。」

「あ、ありがとうございます。」

 

突然の優しさに戸惑いながらも、私は心地よさを感じていた。二人が並ぶ窓辺を、夕闇がゆっくりと飲んでいった。




ありがとうございました!

紅魔館に長居してしまいそう……(^-^;

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