書いていたら、今回はレミリア回になりました。
「私の事……ですか?」
戸惑いを隠せない。いきなり私の事を語らうって言われたって……ねぇ?
「ふふ。難しいことじゃあ無いわ。ただ運命を辿る貴女をもっと知りたい、それだけよ。」
「は、はぁ……?」
やっぱりよく分からない。とりあえず私は改めて名乗る。
「私は如月魅空羽です。」
「えぇ、レミリア・スカーレットよ。」
礼儀のように名乗られてしまった。どうしようかと迷っていると、レミリアが言った。
「私の能力は、"運命を操る程度"よ。」
「あ、えっと私は……」
そういえば、具体的に聞いてなかった。
あれは魔法か?星か?私が二の句を継げずにいると、レミリアがやさしく言った。
「貴女は、霊夢の所で調べてもらったりしたのかしら?」
「へっ?あっ、はい!」
「そう、なら話は早いわ。その札を見せて頂戴?」
「は、はい……」
私は言われるがままに、魔理沙から借りたポーチから札を取り出す。
ふと気付いたが、私、魔理沙にお世話になりすぎてないか?落ち着いたら、恩返し?もしないといけないな。
「ふぅん……なるほどね。」
「えっと、失礼ですが、それから何か判るんですか?」
「あら、判るもなにも書いてあるじゃない?」
私は慌てて札を覗きこむ。見逃していたが、下の方に小さく文字が書いてあった……読めないけど。
「すいません、あの」
「読めないでしょう?無理もないわ。貴女はここに来て間もないもの。」
「……?」
「ふふ、そのうち分かるわ。貴女の能力はね、」
"冬の宙(そら)を操る程度"の能力。
それが、私の能力だそうだ。
序に、紫に言われた、"想像の許す限り"という言葉についても聞いてみた。答えは単純だった。
「さぁ、分からないわ。ただ、外来人でそういう人はよくいるみたいね。」
「そういう人……?」
「想像の許す限りは、能力を使って何でもありって感じかしら?結構いるわよねぇ……」
「ほえぇ……!」
何だか凄いな外来人よ。まぁ私もなんだけど。
―――――――
ここら辺の地形だとか、たわいもない会話を繰り返し、紅茶のポットが空になった頃。
陽は沈みかけ、アンティーク調の時計が午後四時を告げる。
レミリアは、咲夜を呼んで言った。
「悪いけど、パチェに星座表を借りてきてくれる?」
「星座表…ですか?畏まりました。」
咲夜さんが行ってしまうと、レミリアはふわりと微笑んで言った。
「能力を使うにも想像するにも、知識は不可欠よ。持っていきなさい。とはいえ、日が暮れてから外に出るのも危ういし、泊まっていきなさい。」
「あ、ありがとうございます。」
突然の優しさに戸惑いながらも、私は心地よさを感じていた。二人が並ぶ窓辺を、夕闇がゆっくりと飲んでいった。
ありがとうございました!
紅魔館に長居してしまいそう……(^-^;
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