ローグライク転生=二度死んだ男の生き足掻き放浪記=   作:パンデミック!

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べぜスタなら当然だよね!


スタート地点は牢屋

 

 

「私■■■、あなたは?」

「あっ!■■もそれ好きなんだー!いいよねーその絵本!」

 

時が過ぎる

 

「彼女は僕のだ!僕のものだぞ!!」

「えへへ、来ちゃった!」

「もって半年でしょう」

 

また時が過ぎる

 

「”何でも切れる剣”があれば、■■も”勇者”になれたかもねー?」

「まあイケメンじゃないから”勇者”って分かってもらえないかもねープークスクス!」

「そしたら私はお姫様でー、私の中に封印された悪者をやっつけてー、めでたしめでたし!」

 

「でもそうじゃなくても私は幸せ(ハッピーエンド)だよ!だって■■と会えたから!」

 

善なる神は悪神と戦うために必要なものを与えようと言った

だから”何でも切れる剣”を頼んだ

一振り当たれば何でもやっつけれる凄すぎる剣だ

 

一番倒したかった悪い奴はもう居ないし、助けを待ってるお姫様も居ない

でももしかしたらあの物語みたいにかっこよくなれば、あいつも喜んでくれるかもしれない

そう思って冒険に出た

 

だが俺はあの物語の勇者のように勇ましくなかったし

俺の旅はあの物語の筋書きのように華々しくもなかったし

俺の”二度目”の最後はあの物語の結末のように悪神を倒せず

 

俺はまたあっけなく死んだ

 

_____

 

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______________

 

「……?」

 

目が覚めると、そこは牢獄だった。

手には枷、足には鎖、服はぼろきれ、目の前には鉄格子

まさに「THE囚人」といったスタイルである。

なぜこんな格好なのか疑問に尽きないがそれ以上におかしいことがある。

 

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「どういうかったこりゃ?」

 

確かに俺は邪神の巣窟に挑み、

そしてでっかい(そして滅茶怖い)悪魔?に返り討ちになったはずだ。

その時俺は確かに死んだ。

一回死んだからか”二度目”の死は明確に分かった。(出来れば分かりたくはなかった)

ここはどこだ?地獄か?まさかの天国?或いは閻魔様の留置所か?

その疑問はすぐに解決した。

 

「ここは悪神のおもちゃ箱だよ。」

 

目の前の鉄格子越しに立っているかなり胡散臭い男によって

 

「おもちゃ箱……?」

「正確には違うのだがまあそういったものだ。

 いや君は実に運がないな、善なる神が呼び寄せた魂など普通此処には来んよ。

 まあ加護が物品では善なる神も回収に手間取ったのだろう。

 そうであってもあの悪神は大したものだ、

 いくら自分の領域とはいえああも見事に横入りするとは。

 全く尊敬に値する腕前だ。」

 

……この男の言うことを信じるなら俺は相当運がなかったらしい

まあ今のところ目の前の男は全く信用できない輩であるから俺の不幸云々は問題ない

 

「しかしそれを除いても……」

「なんだ?てかあんただr」

「君は実に愚かな男だな」

 

………うん?

 

「少々記憶を拝見させてもらったが実に見事な蛮勇の典型例だった。

 彼は別に放っておいてやれば人を襲うことなどほとんどない比較的いい奴なのだよ

 それを勝手に恐れて自分から挑み挙句一太刀も入れられず敗れる

 まさにこれぞ無知の蛮勇といったものだったよ、一種の芸術作品だなあれは」

 

……。

 

「それに前世も相当だな、愛する者も満足に救えずに喪いやけになってあっさりと死ぬ。

 まさに無能の一言に尽きるよ。

 いやはや彼女ほどの才女が君のようなもの愛すとは。

 これは運命という他ないな。」

 

…………。

 

「無能をさらして死に、再び得た生と力も無知によってふいにする。

 無知無能とは正に君の為にある言葉だな。」

 

こ、こいつ……!

 

「初対面の相手に失礼すぎるだろがよおおお!あんた一体何様なんだ!!」

 

「しがない一悪魔だよ。」

「……はあ?」

 

「付け加えるなら君に契約を持ちかけようとしている悪魔だ。」

「はあ!?」

 

「正直自分の営業トークの腕前に惚れてしまいそうだ。」

「はあああああ!!!???」

 

何言ってやがんだコイツーーーー!!

 

「営業トークっていつしたよあんた!」

「君が愚かな男からの部分からだよ」

「あそこから!!??」

「我ながら君がいかに私の契約者にふさわしいか存分に褒められたよ」

「あれ褒めてたの!!!???」

「勿論だとも悪魔の契約者というものは愚かであればあるほどいいものだよ」

 

至極真面目にこの自称悪魔は肯いた

 

「というわけで私と契約したまえ、親愛なる愚かもの君」

「誰がするかーーーーーー!!!!」

 

これが”二度死んだ””愚かな””無知無能”男と

”営業センス0””失礼な””胡散臭い”悪魔の

悪神おもちゃ箱脱出冒険譚の始まりであった。




無知で無能でついでに運もなかった男は激怒した。
必ずやかの悪魔と契約なんぞしないと決意した。
と羊飼い並みに怒髪天の男がクッソ下手くそな営業で契約するわけもなく騒々しい商談は進まない。
しかし悪魔によって男はあることに気づく。
それは自分の名前が分からなくなっていることだった!
そして明かされる悪魔の目的とは!?
「その時君は救世主を超える三度目の復活を果たすのだ」
次回「チュートリアルが鬼畜」
来週も投稿できたらいいな!

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