異世界から異世界へ   作:しろねこパンチ

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どうもしろねこパンチです。



それではどうぞ


問題児は幹部と戦うそうですよ?

ロキが嫌がらせ(試験を受けされろ)と言ってからフィンはガレスとリヴェリアを交え試験について話し合った。

 

「さてロキにああ言われてしまったけどどうしようか」

「ダンジョンで見た限り恩恵無しでもかなりの実力者じゃろう、問題なかろうて」

「私も同意見だ。複数のミノタウロスを相手取って無傷、並のヒューマンで無いのは確かだ」

 

2人の言う通り十六夜は普通では無い。恩恵無しでモンスターを倒す。レベル2の冒険者のパーティでも手こずるミノタウロスの群れを単身で、しかも肩慣らし程度でだ。十六夜は異世界から来た人物、話を聞くにこの世界よりも凶悪な世界から来ている。その中でも十六夜は群を抜いて強いと思われる。十六夜の実力がこの世界でどの程度かは分からないがレベル3や4では話にならないだろう。低く見積もってもレベル5以上であると考えられる。

 

「ロキの言う通りにする訳じゃ無いけど個人的に彼の実力に興味がある」

「ほう、フィンにそれを言わせるか」

「なかなか面白くなってきたの」

「それじゃあ行こうか、彼も待っているだろうしね」

 

《英雄》フィン・ディムナは稀に見る楽しげな笑みを浮かべた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「…フィンの奴はまだかよ…退屈だぜ」

 

ロキファミリアの修練場に案内されて30分、未だにフィン達が現れる気配は無い。

 

「アイツだれだ?知らない顔だ」

「団長達が連れてきたらしいよ」

「団長達が?強いのかな?」

「そうじゃなきゃ連れてこないんじゃない?」

 

フィン達の代わりにじゃじゃ馬達が増えていく。賑やかなのは嫌いじゃないが見世物になるのはいい気分ではない。

 

「アンタ達邪魔よ!どきなさい!」

 

ガヤガヤとした喧騒の中から一際大きな、女性と思われる声が聞こえた。人垣が割れ現れたのは褐色の肌に大きな女性の象徴を2つ携え、扇情的な服装をした女性だった。

 

「あんたね、団長が連れてきたヒューマンは」

「確かに俺はフィンに連れてこられた人間だが、あんたは?」

「ティオネ・ヒリュテよ」

「ほう…」

「…なに見てるのよ」

「いや、100人が100人美人だと思うであろう容姿に褐色の肌、男の目を引く豊満な胸に扇情的な服装が相まって何ともそそ」

「私をそんな目で見ていいのは団長だけだァァァァ!」

 

突然怒りを露わにしてティオネは十六夜に飛び掛る。ティオネ・ヒリュテ、レベル5にして怒蛇(ヨルムガンド)の二つ名をもつロキファミリアの幹部の1人であり、団長大好き(ショタコン)である。そのスピードは姿が霞む程であり、その拳は大地を砕く。無論恩恵を持たないヒューマンがそれを受けたら間違いなく死ぬ。

 

「おっと、スゲー速いんだな。ビビったぜ」

「避けただァ!?」

 

しかし、ここにいるのはイレギュラーの中のイレギュラー。

 

「ほら、お返しだ!」

 

ティオネの拳を避け殴り返す。手加減しているとはいえミノタウロスを殴り飛ばした時よりは力を込めていた。

 

「グッ!アンタほんとに恩恵無しなの!?」

「ハッ!マジか!」

 

十六夜のように避けることは出来なかったが腕をクロスさせガードはしていた。しかしティオネは驚きを隠せなかった。

 

(腕が痺れるっ!恩恵無しって嘘じゃ無いの!?)

 

殴られた勢いで十六夜から距離を取る。先程の怒りは形を潜め、冷静に十六夜を観察する。

 

(恩恵があれば屈強な身体が無くとも力を手に入れることはできる…でもあいつは恩恵無しだって言ってる。嘘には見えないけど嘘であって欲しいくらいに強いわね)

 

「ところで俺に何か用か?いきなり殴りかかられたもんだから聞きそびれてたが」

「…別に用があった訳じゃ無いわ、ただ団長がヒューマンを連れてきたって聞いたから気になっただけ」

「なんだ嫉妬か」

「死ね!」

「ヤハハ!」

 

顔を赤くし十六夜に殴りかかるが笑いながらのらりくらりといなされる。それによりティオネはむしろムキになってしまった。

 

「絶対1発ぶん殴ってやる!」

「ヤハハ!頑張ってくれ!」

 

殴る蹴ると怒涛の攻撃をするが全ていなされる。

 

「あ、ティオネなにしてんの?」

 

攻撃を避けながら声のする方を見ると、ティオネに似ているが胸部装甲の薄い女の子がいた。

 

「ティオナちょっと手伝いなさい!今からこいつぶん殴るから!」

「えぇ…いきなり何言ってんの?」

「いいから!手伝ってくれたらウルガの修理代ちょっと出してあげるから!」

「ホント!じゃ手伝う!誰だか分かんないけどごめんね!」

 

ティオナと呼ばれた女の子はティオネと同等の動きで十六夜に襲いかかる。2対1となり手数は2倍どころか絶妙なコンビネーションによりそれ以上に感じる。

 

「ヤハハ!お前らスゲェな!」

「くっ!当たりなさいよ!」

「キミ何者!?めっちゃ強いね!」

 

ティオナが加わったことで避け続けるのは難しくなったがまともに当たることは無かった。

 

「あいつスゲェ…ヒリュテ姉妹相手に余裕があるぞ」

「恩恵無しって聞こえたけどほんとなの?」

「団長もスゲェやつ連れてきたな」

 

じゃじゃ馬も3人の攻防に注目していた。そんな中3人の攻防はますます苛烈になっていく。

 

「そろそろ受け身もキツいな!」

「じゃあさっさと殴られなさい!」

「あははは!たーのしー!」

 

受け身だった十六夜も少しずつ攻撃に転じていく。

 

「オラオラァ!手数減ってんぞぉ!」

「グッ!あんた恩恵無しって嘘でしょ!?」

「そもそもホントにヒューマンなの!?」

「純度100%天然物の人間様だよ!境遇はちと特殊だがな!」

 

十六夜が攻撃に転じ始め、徐々にヒュリテ姉妹は防戦一方になり始めていた。

 

(型はめちゃめちゃなのに一撃一撃が重いし速いっ!)

「」


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