異世界から異世界へ   作:しろねこパンチ

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どうもしろねこパンチです

saoの方書いてたんですけどダンまちの新刊読んで問題児のアニメ見てたら書きたくなってしまいました

更新スピードは相変わらず遅いですがご容赦願います


問題児が異世界から異世界に来たようですよ?

ゴツゴツとした岩肌、原理は分からないが発光する鉱石、どこからか獣らしき唸り声が聞こえ、薄暗い洞窟が延々と続く。そして少年が1人。学ランにヘッドホンと明らかに洞窟に潜るには似つかわしくない服装の少年は疑問に思う。何故こんな所にいるのか。先程まで三つ首の絶対悪とサシで殴りあっていたはずなのにいなくなっている、それと戦いの余波で辺りは更地になっていたはずだ。さらに片腕は骨が折れ使い物にならなくなったのに治っている。それどころか身体にかすり傷ひとつ無い。

 

「…転移系の魔法でも混じってたのか、それとも新しいゲームか?」

 

転移系の魔法で移動したのであれば傷が治っている訳が無いので前者は無し。戦いの中で絶対悪によりゲームに参加させられ舞台が変わったのが一番有力かもしれないが、ゲームなのであれば契約書類があるはずなのだが、見渡しても見つからないとなると後者も無いことになる。絶対悪以外の何者かが俺を移動させた線も考えられるがあの状態で近付いていた者がいたとは思えず直ぐに切り捨てる。若干ではあるが空気の流れを感じ外に繋がっているだろうと当たりをつけその方向に歩き出す。しばらく歩くと上へと続く階段を見つけ上がろうとした時足が止まった。上から誰かが降りてきているのか足音が聞こえたからだ。音から察するに3人程の様だ。140cm程の身長に身丈程の槍を持つ少年、その後に少年よりは少し高くがっしりとした体型にバトルアックスを担ぐ男性とローブに杖と魔導師のような風貌の女性。運がいいと少年はほくそ笑む、見るからにここの事情を知っていそうだと狙いを定める。

 

「そこのアンタら、ちょっと話が聞きたいんだがいいか?」

「僕達かい?別にいいけどこの層にそんな装備で来たのかい?」

「ちょいと訳ありでな。今は情報が欲しいんだ」

「そっちの話も興味があるな、情報提供の対価としてそっちの情報を教えてもらおう」

 

槍使いはなかなかに目敏いようだ。まあ、会ったばかりだと言うのに懇切丁寧にされるよりよっぽど安心できる。

 

「それくらいお安い御用だ、とその前にアレらを片付けようぜ」

 

二人の会話を遮るように少年の背後から3つの巨大な影が現れる。2m程の身長、筋骨隆々としたたくましい身体に棍棒を持っていた。何より目を引くのは人間の頭ではなく牛の頭をしている事だろう。

 

「人間の身体に牛の頭、ミノタウロスかよ。さしずめここは迷宮ってか」

 

ミノタウロス達の方へ振り向き笑う。修羅神仏が蔓延る世界に来てもまだミノタウロスには遭遇していなかった。先程戦っていた絶対悪程では無いにしろ有名な怪物、それなりの強さを持つと推測するが見た限りではそこまでの脅威を感じない。しかしこれがゲームであるなら勝利条件があるはずなのだが生憎契約書類が無いため分からない。

 

「なあ、あれらはぶっ飛ばしていいのか?」

「ああ、あれらを倒すのが目的みたいなものだからね」

「んじゃ遠慮なく行かせてもらおうか!」

 

少年は拳を握りミノタウロスへと駆ける。近付いてくる少年にミノタウロスも棍棒を振りかぶり迎え撃つ。20m程距離は一瞬で無くなり棍棒が少年を捉える。

 

「ハッ!しゃらくせぇ!」

 

振り下ろされる棍棒に少年は殴り付けた。棍棒は呆気なく粉々になりその余波でミノタウロスは吹き飛ばされた。

 

「ブモォッ!?」

「こんなもんかよ、ガッカリだぜ」

 

吹き飛ばされたミノタウロスと他のミノタウロス達は少年を警戒するようにこちらを窺っている。少年は先程とは裏腹に嘆息する。一撃入れられるとは思っていなかったがこれ程まで弱いとは思わなかった。

 

「もういいわ、すぐに終わらせる」

 

少年は先程見せたものとは比べものにならないスピードでミノタウロスに近付き3体まとめて吹き飛ばした。吹き飛ばされたミノタウロスは壁に激突し灰となる。

 

「さて、邪魔者もいなくなったし情報交換といこうか」

 

少年は槍使い達に振り向き笑った。

 

 

 

 

「とりあえずよ、どっか腰を据えて話せるとこねぇか?さっきみたいにいちいち邪魔されちゃめんどいんでな」

「そうだね、その前に君の名前を教えてくれるかい?僕はフィン、フィン・ディムナだ。後ろの2人はドワーフのガレス・ランドロックとエルフのリヴェリア・リヨス・アーブルだ」

「ガレスじゃ、お前さんなかなかやるんじゃな」

「リヴェリアだ、よろしく頼む」

「逆廻十六夜だ、アンタらも相当できそうだな」

「…僕らの名前を知らないのかい?」

「ああ、初耳だな。アンタら有名なのか?」

 

フィン達3人は自慢ではないがここに住んでいるなら誰しも知っているであろうと知っている程の有名だ。なので十六夜が知らないと言ったことに疑問に思う。ここに来たばかりなのであれば分かるが先程ミノタウロスを一蹴した実力者を見ればそれなりの強者である事は明白。それなのにフィン達を知らないと言い、またフィン達も十六夜のことを知らなかった。武器を使わずミノタウロスを圧倒するのはフィン達でも出来るがそれはある程度の強さが無ければできない。十六夜程の強者であれば名前くらい知っていてもおかしくはない。

 

「移動しながら話そうか、まず何から話したらいいかな」

「とりあえずここは何処なんだ?」

「そこからか、ここはバベルの塔の地下にある迷宮(ダンジョン)、モンスターが生まれる場所さ」

「さっきのミノタウロスもモンスターなのか、生まれるってことは他にもいるのか」

「ダンジョンは階層によって生まれるモンスターが違うんだ。ここ20階層は中層と言われてレベル2の冒険者5人くらいのパーティーで来るべき所なんだけど」

「レベルとか冒険者ってなんだ?」

「「「は?」」」

「ちょっと待ってくれ、君は冒険者じゃ無いのかい!?」

「その冒険者ってやつを教えてくれよ。ダンジョンに来るやつを冒険者って言うんじゃ無いのか?」

「冒険者は神によって恩恵(ファルナ)を授かった者達の名称だ。そもそも僕達はファルナが無ければ戦えないからね」

「ファルナってのは恩恵(ギフト)とは違うのか?それならあるんだがな」

「ギフト…それは僕らも分からないな、さっきミノタウロスを圧倒した力はそのギフトってやつのお陰なのかい?」

「まあな、ギフトも多種多様だから全てのギフトが俺のみたいな感じじゃ無いけどな。てか俺のはかなり特殊だがな」

「リヴェリアとガレスはギフトっていうものを聞いたことがあるかい?」

「いや、無いな。少なくともエルフの国にはそんなものは存在しないはずだ」

「ドワーフも同じじゃの。元々力の強い種族ではあるがファルナ無しであれはどうやっても無理じゃな」

「さっき神にファルナを貰うって行ったな、普通に神がいるのか?」

「いるよ、神は娯楽を求めて地上に降りてきたらしい」

「神ってのは強いのか?」

「腕っ節は一般人と変わらないよ」

「それは残念だ」

 

あからさまに落胆する十六夜だったが、フィンとの会話で分かったのは異世界から異世界に飛ばされたようだと言うことだ。




いかかでしょうか?

なるべく十六夜のキャラを変えないように暴れさせます。階層主とタイマンでもさせようかな?

それでは次の更新で

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