寄生獣 【後藤討伐戦後】   作:だまぱんだはら

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・登場人物
今回新登場する人物は完全オリジナルキャラであるため、キャラ紹介はあとがきに記します。
それ以外の原作キャラの新登場はありません。


第4話 警察とパラサイト(3)

静かな夜。

明るい満月。

暗い夜道。

 

そんななか耳を研ぎ澄まし、目を凝らし、家の周囲の動きを警戒した。

 

まだミギーは眠っている。油断できない。ミギーも驚くこの五感があればある程度の周囲の状況をその場で把握することはできる。

 

コッコッコッコッコッコッコッコッコッ

 

だれかが家の前の道を歩いている。

誰だ。父さんか?

いや父さんにさっき電話した限りでは、しばらく帰れないそうだ。

となるとほかの家に遅くに帰る人がいるのだろうか。

 

時計を見てみる。午前2時。

電車もとうに止まっている。この近くでは居酒屋などは少ないため、居酒屋帰りのサラリーマンの線もない。

耳を研ぎ澄ましてみる。

 

コッコッコッコッコッコッコッコッコッ

 

この音は...男の革靴ではない。

女のヒールの音か?

この高い音はヒールいやブーツかもしれない。

女。この近くに住む女か?

どうする...

 

コッ

 

止まった。これは、玄関の目の前??

まさか家の中に侵入する気か??

 

ミギー 起きろ!!

 

コッコッコッコッ

動き始めた...なんだ 帰るのか??

家の前でなにを...

 

なにかを置いていったのかもしれない。嗅覚に集中してみるか...。

・・・。

花火のような臭い…?

あ、まずい。これはまさか。

 

新一はすぐに窓を開け、外に飛び降りた。

 

ドガンッッッッッ!!!

ガギギギギギギィィ!!!!!

ド――――――――――ン

 

玄関を中心に家が半壊した。いやほぼ全壊と言ってもいいかもしれない。

 

やはり爆弾か。むちゃくちゃな。普通の高校生の家に爆弾しかけるか???

ほかのパラサイトのしわざか?

しっかり気を張っていたから助かったものの、これは逃げていなかったら死んでいたかもしれない。

ともかく、何者かが命を狙ってるのは間違いない。

 

「どうした?シンイチ。」

爆弾犯か?そう思って思わず飛び跳ねた。

「家が燃えてるじゃないか。何があったんだシンイチ。」

 

はっと思って右手を見るとミギーが起きていた。

「誰かが玄関に爆弾を仕掛けたようだ。なんとか気づいて逃げたんだよ。」

「玄関までとりあえず行ってみよう。シンイチ。」

玄関まで行くとそこには玄関はなかった。

 

 

「おかしい。」

ミギーがそうつぶやいた。

 

「どういうことだ。ミギー。玄関に爆弾を仕掛けられたからこうなったんじゃないのか?」

「いや、それにしては家が壊れすぎている。玄関の壊れ具合からして、家がほぼ全壊するほどの爆弾が玄関についていたとは思えない。」

 

「じゃあどうして全壊したんだ?」

「家の支えの要所に爆弾を仕掛けて連動させたとみるべきだろう。」

「なんだって!?」

ともかく、いま家の前にいたら近所の人たちが出てくる。面倒だから逃げるか。犯人が近くにいる可能性だってあるんだ。それを追うのもわるくない。

 

 

まずは、新一は近くの公園の遊具に隠れて身を潜めた。ミギーは家を壊されて怒る新一を諫めて言った。

「まぁ落ち着け、シンイチ。家を壊されて腹立たしいところだが、今動けば殺される可能性もある。しばらくここで待機して、朝になったら警察のところにいこう。」

「なんでだよ。警察から帰ってきて即こんなことがあったんだ。どう考えても犯人は警察関係者だ。なんで敵地に踏み入るようなことをするんだ。ミギーらしくもない。」

 

「シンイチ。いつも言ってる逆転の発想だ。」

「どういうこと?」

「警察から帰ってすぐ爆弾を付けたということは、手段を選ばずに我々を殺したいという意図は明確だ。だが、それなら警察内で強行してもおかしくはない。警察署を出た瞬間に車でひき殺すとかなんでも方法はある。なんなら警察署内に爆弾を仕掛けてもいい。しかし、警察署では仕掛けられないから家に仕掛けたとみるべきだ。」

 

「なるほど、でも警察署にいって犯人に生きてることがばれたらどうする。」

「むしろ、犯人が警察内にいるなら、我々が来ることで何かしら反応するかもしれない。だが、警察署内にいる間は絶対安全だ。それと、あの平間警視に会う必要があるだろ。奴の仕業なら契約違反はなはだしい。それを確かめるためでもある。」

 

朝を待って、新一は警察署に向かった。




・登場人物
【???】
謎の女。新一を家ごと殺害しようとするが、失敗。名前、正体、所属などすべてが今のところ不明。
用意周到に爆弾を仕掛け、きれいに家を壊す点から、建築学の知識があるのではないか、という疑いがある。
爆弾を仕掛けるタイミングがあまりにも良いので、警察関係者もしくはその知人などの線が疑われる。


・作者より
勢いで4話まで書いてしまいました(笑)
警察は敵か味方か。
パラサイトは敵か味方か。
そもそも国は敵か味方か。

個人的な好みでミステリー色も入れてみました。爆弾を仕掛けた犯人をぜひとも推理してみてはいかがでしょうか。

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